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2017/06/02 【建設業の経理】建設業会計について詳しく解説!節税のポイントも

建設業の経理には、押さえておかなければいけないポイントがいくつもあります。建設業は小売業と異なり注文から完成まで長期にわたるため建設業会計を用います。工事現場ごとの利益率を把握するために工事台帳と工事指図書も欠かせません。

古殿
古殿
この記事では、建設業の経理業務や税務調査、節税のポイントについて、わかりやすく解説していきます。

 

1.建設業の経理業務

建設業は、他の業種と比べて特徴的な部分を持っています。

一般的な小売業と建設業の特徴を比べてその違いを考えてみましょう。

 

<小売業の特徴>

注文と同時に売買が成立する。

 

<建設業の特徴>

工事の注文から完成・引渡しまでにかかる時間が長期にわたる

②①にかかる時間が1年超に渡ることも多く、会計期間をまたぐ

前受金の慣習が存在する。

外注費が発生する。

 

小売業は例えば商店街の八百屋さんを想像するといいでしょう。八百屋さんで野菜や果物を買えば、お金を渡すと同時に野菜や果物を受け取ります。これで売買は終わりです。いたってシンプルですね。

 

これに対して建設業はそうはいきません。

例えば、マイホームをつくってもらうとしましょう。マイホームを建築するには早くても半年近く、長い場合は1年超かかります。そして、この間、材料費や人件費などは多額になりますから、前受金をもらわなければ建設業者は自腹を切らなければなりません。

別の見方をすると、1件でも案件が代金回収不能になると、金額が高額なため建設会社自体の存亡にかかわることになりかねません。前受金の慣習が必要なことも想像に難くありません。

また、大きな工務店でもない限り1つの建設会社で工事は完結しません。大工さんや左官さん、配管工、電気工・・・などなど、自社で足りない部分に関しては外注しなければ完成しません。

 

よって、建設業はその特徴的な部分から商業簿記や工業簿記ではなく、「建設業会計」を用います。

このため勘定科目も他の簿記とは異なります。

 

≪商業・工業簿記と建設業会計の勘定項目の名称≫

分類商業・工業簿記建設業会計
資産売掛金完成工事未収金
仕掛品未成工事支出金
負債前受金未成工事受入金
買掛金工事未払金
収益売上高完成工事売上高
費用売上原価完成工事原価

この事を知らずに商業・工業簿記の勘定科目で日々の会計処理を行ってしまうと、

決算申告で大幅な修正が必要になってしまうので注意が必要です。

 

2.工事台帳と工事指図書

健全な経営のためには各工事の原価を管理し、そこから収支利益率を正確に計算し把握する事が重要です。

ここで必要となるものが工事指図書工事台帳です。

 

≪工事指図書とは≫

工事指図書とは工事の概要を書き記した書類のこと。

具体的には工事名、受注先、受注年月日、工事期間、工事場所、設計図書、添付書類等を記入します。

工事指図書

株式会社A建設                              No.1234

工事名○○ビル建替工事受注先大阪府大阪市北区堂島2-3-2
(株)〇〇鉄工
受注年月日平成29年5月1日工事期間自:平成29年8月1日
至:平成31年3月31日
工事場所大阪府大阪市北区堂島2-3-2設計図書No.5678
添付書類材料仕様書1部
作業仕様書1枚
社長営業部長工事部長所長発行者
     

 

≪工事台帳とは≫

工事台帳とは工事に掛かる費用を日ごとにわかりやすく書き記した台帳のこと。

具体的にはその日掛かった工事原価を材料費、労務費、外注費、経費(人件費とその他諸々)のように、区分けして記入します。

工事台帳

No.1234

工事名:○○ビル建替工事               請負金額:1,000,000,000円

年月日摘要工種材料費労務費外注費経費合計
金額金額金額金額
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合計       

この工事台帳を現場ごとに記入・管理することにより、未成工事支出金(その時点までに工事に費やしたコスト)や、完成工事原価(その工事現場にかかったコストの合計)の金額を正確に把握することができます。

 

結果的に、工事現場ごとの利益率(原価率)を把握することができ、経営上の意思決定に役立ちます。

 

3.まとめ

  • 建設業の経理では特殊な勘定科目「建設業会計」を用いる。
  • 正確な収支・利益率を計算するためには工事指図書工事台帳が必要である。

 

建設業の経理業務は他業種に比べ専門性が高く、経理への負担が大きくなってしまいます。また、万が一、経理担当者が退職した場合に新たな人材を探すことが難しいとも言えます。

弊社では建設業の経理に詳しい税理士が、会計処理決算申告請求書発行など、経理業務の代行を承っております。

古殿
古殿
建設業の経理でお困りの際には東京・大阪経理代行へお気軽にお問い合わせください。親切・丁寧に対応させていただきます。