東京・大阪経理代行サポートセンターPowered by スタートパートナーズ税理士法人

012-345-6789 受付時間:XX:00~YY:00(平日)

トップへ戻る 経理代行診断 メールで相談 トップへ戻る

カテゴリ:
2018/12/04 管理会計ってなに?導入するメリット・デメリットを徹底解説!

御社では、管理会計を導入しておられますか?

管理会計は決まった形式がなく、必須のものではありませんが、導入すれば経営状況や経営目標が明確になる、とても効果的なシステムです。

今回は、そんな管理会計について詳しく解説していきます。

古殿
古殿
管理会計を導入する目的や具体例、財務会計との違いなどをご紹介していきますので、ぜひ最後までお読みください!

 

1.管理会計とは?

「会計管理」とは、企業の内部にいる経営管理者が見る会計情報のことです。

内部会計報告と呼ばれることもあり、基本的に社外の目に触れることはありません。

会計管理は自社の経営状況を確認したり、今後の経営計画の指標としたりするために作成されます。

会計管理は、期間も決まっておらず、決まったフォーマットもありません。そのため、週単位・月単位・数ヶ月単位など任意の期間で、企業ごとに異なった方法で作成されます。

 

集計項目にも特に決まりはありませんが、具体例を挙げると、

  • 経営分析(安全性、収益性、生産性、成長性など)
  • 原価計算(製品・店舗・個人別減価、損益計算など)
  • 変動損益計算書(損益分岐点の分析)
  • キャッシュフロー分析・経常収支計算
  • 予算管理・予実算管理

 

このような項目が会計管理に含まれます。

これらの情報が、会社の今後の経営戦略を考えるための材料となります。

古殿
古殿
会計管理は、企業のありのままの経営状況を把握し、今後繁栄していくための戦略を考える材料となる重要なものです。

 

2.管理会計と財務会計の違いは?

管理会計と財務会計の大きな違いは、会計管理は社内の経営管理者しか目にしないもの、財務会計は社外の目にも触れるものであるということです。

 

財務会計は、決算時に利害関係者に対して開示されます。利害関係者とは、具体例を挙げると株主・債権者・投資家・取引先など、主に企業と金銭のやり取りがある相手です。

要するに、管理会計で集計した情報を外部に開示するために作成されるのが財務会計です。財務会計を開示することで、企業と関係相手との利害の調整をする目的があります。また、財務会計は税務署に申告する際の書類としても使われます。

管理会計には決まったフォーマットがなく各社が独自に作成しますが、財務会計は外部に開示するもののため、決められた会計ルールに則って会計処理をする必要があります。

古殿
古殿
まとめると、管理会計と財務会計は、開示する相手・作成する目的・作成の方法が異なるということになります!

 

3.管理会計を導入するメリット・デメリットは?

管理会計を取り入れるメリットは、経営状況が明確になり、目標や成長戦略が立てやすくなるという点にあります。部門ごとに管理会計を作成すれば、具体的にどの部門で利益を出せているのか、あるいはどの部門が足を引っ張っているのかがわかります。

その上で経営戦略を立案することで、時期の利益目標やコストカット目標など、効果的かつ達成可能で明確な目標が立てられるようになるのです。

 

管理会計を導入していない企業では、成長目標がはっきりしていないという場合も実は少なくありません。また、部門ごとの目標はあっても、それを達成することが必ずしも企業全体の成長に結びつかないという場合もあります。

管理会計を導入して部門ごと、また企業全体の事業戦略を明確にすることで、各部門が一丸となって無駄なく企業の成長に寄与していけるのです。

さらに、経営戦略に基づく目標をトップダウンで各部門に伝えることで、現場の人員が経営者的な視点を持つことができ、より効率的な利益計上を見込むこともできます。

 

管理会計を導入するデメリットとしては、経理部門や現場の負担が導入前よりも増えることが挙げられます。当然ですが、管理会計導入前には必要のなかった手続きや書類が増えることとなり、慣れるまでは従業員の負担になったり、混乱が生じたりするかもしれません。

 

しかし、管理会計の導入には他に主だったデメリットもなく、企業が成長していく中で必ず必要なプロセスです。

古殿
古殿
手厚い研修を行ったり、他社で管理会計を扱った経験のある人員を雇用したりするなど、経理部門の負担とならないよう十分に下準備を行ってから導入するようにしましょう。

 

4.管理会計を導入するときのポイント

管理会計を導入するときのポイントを3つご紹介します。

(1)導入するタイミングを吟味すること

ポイント1つ目は、まず導入するタイミングを吟味することと、導入の目的を明確にすることです。具体例を挙げると、社員数名の小規模な企業で日々の報告書などで完全に経営状況が把握できている場合は、管理会計を導入しても余計な作業が増えるだけです。

かといって、経営状態が全く把握できておらず、原因不明の経営不振に悩んでから管理会計を導入するのでは遅すぎます。

管理会計の導入は企業の成長の中で必ず必要になるプロセスなので、経営陣の中で、事前に管理会計を導入するタイミングを明確にしておくようにしましょう。

また、管理会計を導入することで何をどのように改善したいのか、目的を明確にする必要があります。

古殿
古殿
目的がないまま管理会計を導入しても、現場や経理部門に余計な仕事を増やすだけになってしまいます。

 

(2)信頼できる導入パートナーを選ぶこと

ポイント2つ目は、信頼できる導入パートナーを選び、適宜アドバイスを受けていくことです。管理会計システムを独自に組み立てて導入するという企業は少ないはずです。

多くの場合、会計事務所やシステム会社に依頼してサポートを受けながら導入していくことになるでしょう。この導入パートナー選びも、管理会計を導入するときのポイントです。

管理会計を導入する目的は、もちろん経営状態を改善・成長させていくことです。信頼して会計情報を預けることができ、適切なアドバイスをしてくれる導入パートナーを選ぶのが、企業が成長する近道となります。

 

(3)管理会計の導入以後もPDCAサイクルを繰り返して効果検証をしていくこと

ポイント3つ目は、管理会計を導入して満足するのではなく、導入以後もPDCAサイクルを繰り返して効果検証をしていくことです。

管理会計システム導入時の形がその企業にとって最適のものとは限らず、運用していく中で、新たに集計項目に加えるべき項目や不要な項目、企業ごとに合った運用方法が見つかるかもしれません。

古殿
古殿
運用計画に沿って効果検証を繰り返し、導入後も自社に最適な運用方法を探っていきましょう。

 

5.管理会計システムの主な機能

管理会計システムの主な機能について、具体例を挙げながらご紹介していきます。

 

(1)会計情報の細かな分析

管理会計システムでは、部門別、商品別、プロジェクト別、期間別、地域別など、様々な切り口で会計情報を得ることができます。

この機能が役立つ具体例としては、会社全体の経営状態が悪化しているとき、具体的にどの部分に問題があるのか洗い出したい場合などが挙げられます。

会社全体の損益計算書だけを見ても、どの部門・どのプロジェクトに問題があるのかということは明らかになりません。

古殿
古殿
管理会計システムを導入することで会計情報を多角的に分析でき、効率的な業務改善が可能になります。

 

(2)予算管理と予実帳票

経営戦略を実践していく中で重要になるのが、予算管理と予実帳票です。具体例を挙げると、取引先から納入価格の引き下げ要求があった場合など、この機能を使ってどこまで金額を下げることが可能なのか事前にシミュレーションできることなどです。

他の具体例としては、導入したいシステムや機器を自社で作成した方がいいか、外部企業から購入した方がいいかなど、経営上の意思決定の参考にできることが挙げられます。

管理会計システムは、現在の経営状況を明確にするだけではなく、現在の状況から最適な判断をする目的でも使えるのです。

 

(3)経営状況の予測シミュレーション

管理会計システムのなかで最も有用な機能が、この経営状況の予測シミュレーションです。過去から現在に到るまでの会計情報を分析し、未来の予測を立てることで、今後の戦略や改善点を見つけることができます。

具体例としては、大幅な事業拡大や高額な設備投資をする際など、リスクの大きい投資をする際に役立ちます。

ただし、当然のことながら、システムの予測は100%当たるものではありません。しかし、目安になる予測を立てられることで、より安全性の高い経営戦略の実現が可能になることも管理会計システム導入の目的の一つであります。

 

(4)管理会計帳票の作成

最初の項目でも解説しましたが、管理会計には決まった形式がありません。そのためダウンロードして利用できる無料フォーマット等も多くありませんが、管理会計システムを利用すれば、自社に最適な管理会計帳票を作成することができます。

また、管理会計の情報を利用して、財務会計の作成も容易になります。

 

6.まとめ

管理会計は、明確な目的を持って導入すれば、企業の成長に非常に効果的です。

自社の経営状況が明らかになることで、具体的な数値目標や経営戦略も立てやすくなります。

古殿
古殿
管理会計の導入は、企業の成長に不可欠なプロセスです。タイミングと導入目的を吟味して、無理なく適切に取り入れられるようにしましょう。