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こんにちは、代表で税理士の古殿哲士です。
1.ホステス・キャストに支払う金銭は給与?報酬?
以前、建設業の経理②のコラムで、「人工代は給与?外注費?」という話題を取り上げました。
今回は高級クラブやキャバクラで働く従業員(=ホステス・キャスト)に支払う金銭が、給与に当たるのか報酬に当たるのかを解説していきます。
給与(給与所得)か報酬(事業所得または雑所得)かを判断する上で、最も重要なポイントは「実際の働き方」です。というのも、風俗業界では店舗によって業態や雇用形態が大きく異なるからです。
この「実際の働き方」の主な判断材料となる4つの項目をご紹介します。
給与(給与所得) | 報酬(事業所得/雑所得) | |
(1)タイムカード (時間的・空間的拘束)が | ある | ない |
(2)報酬の最低保証が | ある(固定給+歩合給) | ない(完全歩合制) |
(3)代金回収の責任が | 店にある | キャストにある |
(4)必要経費を | 店が負担 | キャスト自身が負担 |
(1)タイムカード(時間的・空間的拘束)
キャストの入退店時刻をタイムカード等で勤怠管理している場合、給与所得として扱われる可能性が高くなります。
(2)報酬の最低保証
キャバクラの給与形態は多岐にわたりますが、時給や日給等の固定給の保証があり、なおかつ歩合給(インセンティブ)がある場合には、給与として扱われる可能性が高くなります。
※歩合給=指名料、同半料、ボトルやドリンクの売上等
「完全歩合制(フルコミッション)」や「完全出来高払」等の場合には、事業所得として扱われる可能性が高くなります。
(3)代金回収の責任
代金回収とは客のツケ(売掛金)の回収のことです。
客から代金を回収する責任がキャストにあり、回収できない場合に報酬から天引きされるのであれば事業所得として扱われる可能性が高くなります。
(4)必要経費の負担
必要経費とは着物やドレス、化粧品、サロンでのメイク代やヘアセット代等、キャストが店で働くために必要な経費のことです。
これらを店が負担するのであれば給与として扱われる可能性が高くなります。
キャスト自身が負担しているのであれば事業所得として扱われる可能性が高くなります。
いずれの場合も「可能性が高くなる」と書いたのは、最終的には個別のケースによって判断されるためです。
なお、給与・報酬のどちらにあたるかによって所得税の納め方が変わってきます。
ホステス・キャストに支払う金銭が…
- 給与(給与所得)の場合:店が毎月の給与から所得税を納める
- 報酬(事業所得/雑所得)の場合:ホステス・キャストが年度末に確定申告をして所得税を納める
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