東京・大阪経理代行サポートセンターPowered by スタートパートナーズ税理士法人

012-345-6789 受付時間:XX:00~YY:00(平日)

トップへ戻る 経理代行診断 メールで相談 トップへ戻る

カテゴリ:
2021/08/02 【コロナ禍の対策】中小企業が活用できる補助金・助成金の制度15選!

補助金・助成金とは、返済不要で事業拡大の支援を受けることができる、国や地方公共団体の制度です。何らかの事業や取組みに対して要した負担金の一部が、後から支給されます。

昨今のコロナ禍により、劇的な変容を遂げた環境の中で経営を行う中小企業にとっては、大きな助けとなります。

条件さえ満たせば誰でも利用できる制度ですが、これらの制度は自ら情報収集をして応募しないと利用することができません。

この記事では、中小企業が活用できる補助金・助成金をわかりやすくご紹介致します。

古殿
古殿
シーン別に使うことができる補助金や助成金、またコロナ禍で活用できる制度を全15種類解説します!

 

1.補助金と助成金

 

補助金・助成金はどちらも、国や自治体・民間団体などから受けられる事業支援金です。

よく似ていて、混同されがちな2つの言葉ですが、実は厳密に言うと違う部分もあります。

まずは、補助金と助成金の違いや、使える補助金・助成金の探し方についてお伝えします。

 

(1)審査が必要な補助金と、条件に合えば誰でももらえる助成金

 

「補助金」と「助成金」には、言葉の意味自体に明確な定義の違いはありません。

どちらも、国・地方公共団体・民間団体が、推進したい事業や施策の支援のために支給されるお金です。そして、原則的に返済不要ということも共通しています。

古殿
古殿
厚生労働省は助成金、経済産業省は補助金という呼び方を用いています。

違いを上げるとすれば、助成金は雇用の安定が目的のため、条件さえ満たしていればほぼ必ず受給することができます。 

補助金は公益のための事業育成が目的のため、全体の予算が決まっていて抽選・採択などがあり、応募すれば必ずもらえるとは限らないため給付までのハードルが高くなっています。

地方自治体などが実施している場合には上記の定義によらず、名称として座りのいい言葉を採用しているだけということもあります。補助金・助成金の利用を検討する場合は、名称だけではなくその内容もきちんと確認することが大切です。

 

(2)補助金・助成金の探し方

 

補助金や助成金を調べる際には最新情報を得る必要があります。

なぜなら補助金や助成金の内容は、同じ名前であってもその年により内容が変わることもあるからです。また、それぞれに申請期限が設けられているため、期限が過ぎていないかも気をつけなければいけません。

助成金・補助金は、中小企業庁、各省庁の公募情報や、「ミラサポ」「J-Net21」といった助成金・補助金のポータルサイトで探すことができます。また、自治体が実施している起業セミナーや相談窓口で紹介してもらえることもあり、中にはセミナー等の受講が応募の条件になっている助成金・補助金もあります。

 

2.雇用関係の助成金

 

それではまず、従業員を雇用したり教育する際に使える可能性がある助成金を、6種類ご紹介します。

 

(1)トライアル雇用助成金

 

トライアル雇用助成金は、職歴やスキルがなく普通の就職が難しい人を、トライアル採用した場合に受給できる助成金です。

企業側にとっての大きなメリットは、人材を確保しつつ助成金によって資金調達が出来ることです。条件に合致する人材を、ハローワークなどから紹介を受け、原則として3ヶ月間の試用期間を経て採用するかどうか決めることができます。

有期契約満了日において、企業・トライアル雇用対象者双方の合意があれば、その社員を正社員として雇用することができますが、必ずしも正社員として雇わなければいけないという法的な強制力はありません。

助成金が出るのはこの試用期間中で、1人あたり月額4万円が支給されます。

 

(2)キャリアアップ助成金

 

キャリアアップ助成金とは、非正規労働者のキャリアアップを促進することを目標とした助成金です。正社員化、処遇改善の取組を実施した事業主に対する助成金のひとつで、雇用安定事業として行なわれます。

キャリアアップという名の通り、正社員登用する際には条件が良くなっていることが必要です。労働者にとってはモチベーションと能力の向上が得られる利点があり、企業にとっては事業の生産性を高めることができる制度です。

 

詳細な目的別には全部で以下の7つのコースがあります。

正社員化コース、賃金規定等改定コース、健康診断制度コース、賃金規定等共通化コース、諸手当制度共通化コース、選択的適用拡大導入時処遇改善コース、短時間労働者労働時間延長コース

 

正社員化コースの例を上げると、非正規労働者を正社員として雇用したり、賃金水準の向上・福利厚生の充実などを行った場合に、それぞれ一定額が支給されるなどがあります。支給額や支給条件は、コースによって異なります。

これらのキャリアアップ助成金申請では、「キャリアアップ計画の作成・提出」が必要です。キャリアアップ計画書は厚生労働省のホームページからダウンロードすることができます。

 

(3)特定求職者雇用開発助成金

 

特定求職者雇用開発助成金は、高齢者、障害者、母子家庭・父子家庭の父母など、一般的に就労が難しいとされる人材を、継続雇用労働者(雇用保険の一般被保険者)として雇い入れる事業主に対して支給される助成金です。

特定就職困難者雇用開発助成金とも呼ばれており、受給するためにはいくつかの条件を満たす必要があります。

雇用する人材のカテゴリ・就労時間数によって異なりますが、助成金額は年間30〜240万円です。先に解説した「トライアル雇用助成金」と組み合わせて活用することもできます。

 

(4)人材開発支援助成金

 

人材開発支援助成金は、従業員に対して仕事に必要な技術・知識の教育を行った際に伴う経費・賃金の一部を受け取ることができる公的制度です。中小企業の場合は研修などにかかった費用の45〜60%が助成されます。

  • 特定訓練コース
  • 一般訓練コース
  • キャリア形成支援制度導入コース
  • 職業能力検定制度導入コース

上記の4つのコースがあり、受給する為の条件は共通する要件も存在しますが、利用するコースによって異なるものもあります。

上記でお話したキャリアアップ助成金と似ているように見えますが、実際は異なる制度となります。

キャリアアップ助成金は、非正規雇用や無期雇用労働者を対象としていますが、人材開発支援助成金は雇用保険の被保険者であれば誰でも対象となります。

 

(5)中途採用等支援助成金

 

中途採用等支援助成金は、その名の通り中途採用の拡大を目的とした助成金です。

中途採用者の雇用管理制度(労働時間・休日、雇用契約期間、評価・処遇制度、福利厚生など)を整備し、中途人材を2名以上雇用して、中途採用の割合を20%以上向上させた場合に利用できます。

また、中途採用を初めて実施した企業や、中途採用によって生産性が6%以上向上した企業には、追加の助成金が支給されます。

人材確保が難しくなっている企業に対し、雇用を生み出すことを目的として作られた制度の為、比較的要件が緩いので積極的に活用したい助成金でもあります。

 

(6)両立支援等助成金

 

両立支援等助成金は、従業員が仕事と家庭を両立しやすくなるような施策や、女性の活躍促進のための施策を実施した企業向けの助成金です。

助成金を受給するには、助成金支給のための要件を満たし、支給申請することが必要です。

両立支援等助成金の制度には、以下の4つのコースがあります。

  • 出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金)
  • 介護離職防止支援コース
  • 育児休業等支援コース
  • 再雇用者評価処遇コース(カムバック支援助成金)

 

子育てや介護で仕事を続けにくい従業員の支援や、そういった人材の再雇用が評価されます。従業員は望まぬ退職をする必要もなくキャリアを積み重ねていくことができますし、優秀な人材を確保するという点で、企業にとって非常に大きなメリットをもたらします。

「介護離職防止支援」「育児休業等支援」の2コースは、中小企業限定となっています。

 

3.研究開発・設備関係の助成金・補助金

 

次に、事業の拡大に役立つ、研究開発・設備関係の助成金・補助金のご紹介です。

 

(1)ものづくり・商業・サービス新展開補助金

 

ものづくり・商業・サービス新展開補助金は、略して「ものづくり補助金」とも呼ばれます。

毎年、数万社の応募の中から、革新性や成長性、収益性、財務基盤などの審査項目に合致している企業が選ばれます。

全国中小企業団体中央会が実施していて、中小企業・小規模事業者の経営革新や、新規事業立ち上げ支援が目的です。

審査があるため申請者全員が受給できるわけではありませんが、革新的なサービス開発・試作品開発・生産プロセスなどを行う場合に申請できます。

申請資格を満たしているかどうかは、「ものづくり時補助金」の公式ホームページの公募要領を見るとわかります。

補助金額は、経費の1/2(特別枠・小規模事業者は2/3・上限1,000万円)です。

 

(2)販路拡大支援事業

 

販路拡大支援事業は、各自治体が実施している中小企業支援です。

内容は、小規模事業者や中小企業が販路を拡大するために、商品をアピールする施策(展示会への出展・PR動画作成など)の経費を支援するものが多くなっています。

区内の中小企業に対して自治体が独自に行うものなので、「販路開拓支援」「販路拡大助成」など名称は様々です。

東京都・大阪府・横浜市・鹿児島市など多くの都道府県・市区町村で、類似した制度を実施しています。

 

(3)IT導入補助金【コロナ感染拡大に伴い特別枠も】

 

IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者等の、売上アップをサポートするための補助金です。具体的には、生産性の向上や業務効率化を目的とした、ITツールを導入する経費の一部を補助する制度です。

A類型(交付申請に含まれる業務プロセスが1〜4つ)、B類型(交付申請に含まれる業務プロセスが4つ以上)があり、補助額は、A類型が30〜150万円、B類型が150〜450万円です。

2020年・2021年には新型コロナウイルス感染拡大に伴い、「特別枠」も設けられました。非対面型ビジネスモデルへの転換やリモートワーク環境の整備等のIT導入等を優先的に支援するために創設されたものです。

条件を満たした中小企業(飲食、宿泊、卸・小売、運輸、医療、介護、保育等のサービス業、製造業、建設業等)が対象となっており、ソフトウエアやハードウェアの導入費用が補助されます。

 

(4)ホームページ作成支援事業補助金

 

国や各自治体で、事業者のホームページ作成を支援する補助金を実施していることも多いです。上の項目でお伝えした「IT導入補助金」もその一つです。

ホームページを作成したいが予算がない…という方、ホームページ制作に国や自治体から助成金や補助金が出るのはご存知でしょうか。一からホームページを立ち上げたいときはもちろん、古いホームページを新しくしたい場合なども対象となります。

他にも、様々な制作費用やデザイン料などに関わる補助金を、東京都・大阪府・愛知県などの自治体が実施しています。自社負担でホームページを制作する前に、一度チェックしてみてください。

古殿
古殿
ウェブサイトを利用した新たなサービスの提案や、業務効率化に関わる施策を実施する場合には、「ものづくり補助金」が適用される場合もあります。合わせてチェックしてみましょう!

 

4.コロナ感染症関連の助成金・補助金5選!

 

最後に、新型コロナウイルス流行に関連して利用できる助成金・補助金について詳しくお伝えします。

 

(1)雇用調整助成金(新型コロナ特例)

 

雇用調整助成金(新型コロナ特例)は、新型コロナウイルスの影響で事業を縮小せざるをえなくなり、所定労働日に従業員を休業させた場合に利用できる助成金です。

雇用調整助成金は、休業等を行う事業主に対して支払われるものであり、労働者個人には支給されるものではありません。

最近1か月間の売上高または生産量が前年同月比5%以上減少していて、労使間の協定に基づき休業などを実施し、休業手当を支払っている事業者が対象です。

中小企業の場合、基本的には休業手当の4/5、解雇をしていないなど上乗せ要件を満たす場合には10/10が助成されます。

支給申請は令和3年4月13日から受け付けとなります。申請先は、事業所の所在地を管轄する都道府県労働局またはハローワークです。

支給条件や支給申請に必要な書類など、雇用調整助成金についてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

知っておきたい雇用調整助成金の条件・手続き

 

(2)小学校休業等対応助成金

 

小学校休業対応助成金は、緊急事態宣言下で全国の小学校が休校になった影響で、児童の世話などのために休暇を取得した保護者に支給されます。支給額は、就業できなかった日程によって異なります

小学校などが臨時休業した場合の他に、児童クラブや保育所などから利用を控えるようにと依頼があった場合も対象となります。しかし、保護者の自主的な判断で休ませた場合は対象外となるため注意が必要です。

会社の中に該当する保護者がいる場合には、会社がその人に代わって申請を行い、本人に支給します。

支給要件の詳細や具体的な手続きは厚生労働省ホームページにて確認ください。 申請書は、厚生労働省HPから印刷することが可能です。

 

(3)テレワーク導入の助成金

 

テレワーク導入に関して利用できる助成金には、「IT導入補助金」「働き方改革推進支援助成金」などがあります。

上記でご説明した、「IT導入補助金」の特別枠では、コロナ禍の中で事業を維持・拡大するための施策に補助金が出るため、テレワークの導入もその一つとして採択される可能性があります。

「働き方改革推進支援助成金」は常時実施されているものですが、新型コロナウイルスの影響により、テレワークコースの内容が見直されました。

新型コロナウイルス感染症対策としてテレワークを新規導入した場合、通信機器の導入や労働者への研修などにかかる費用の1/2(上限100万円)が助成されます。

 

(4)小規模事業者持続化補助金

 

「小規模事業持続化補助金」は、中小企業や個人事業主を支援するために普段からある制度ですが、通常の「一般型」に加えて「コロナ特別対応型」が登場しました。

その名の通り、小規模事業者であることが条件となっており、補助金の支給には審査があるため不採択になる場合もあります。

この特別枠では、以下のような施策のうち、採択されたものに上限100万円の補助金が支給されます。

 

A:サプライチェーンの毀損への対応

B:非対面型ビジネスモデルへの転換 

C:テレワーク環境の整備 

 

補助率はAが2/3以内、BとCは3/4以内です。

 

(5)家賃支援給付金

 

家賃支援給付金は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止による緊急事態宣言などにより、事業の売上が減少した法人・個人事業主の家賃負担を軽減するための給付金です。

対象者は、資本金10億円未満の中堅企業、中小企業、小規模事業者、会社以外の法人、またフリーランスなどの個人事業者も幅広く対象としており、1ヶ月の売上が前年比▲50%、または3ヶ月連続前年比▲30%の減収があった方です。

 

給付額は、法人か個人事業主か、また賃料の月額によって異なります。

  • 法人(賃料75万円以下):賃料の2/3
  • 法人(賃料75万円以上):50万円+賃料75万円の超過分×1/3
  • 個人事業主(賃料37.5万円以下):賃料の2/3
  • 個人事業主(賃料37.5万円以上):25万円+賃料37.5万円の超過分×1/3

 

5.まとめ

中小企業が利用できる助成金や補助金は、非常にたくさんあります。

今回ご紹介したのは一部の代表的なもののみで、各自治体や民間団体が行っている小規模な助成金・補助金まで含めると、膨大な数になります。

助成金・補助金は、自ら応募しないと利用できません。補助金制度の要件を満たした事業主が制度に申請し、審査に通過した場合のみ補助金を受け取ることができます。そのため、自分の事業に該当する補助金制度の情報収集がとても大切となります。

古殿
古殿
ポータルサイトや、「中小企業庁」のホームページなど公的機関での募集をチェックして、自社が利用できる助成金・補助金を見つけてみてください!