「年末調整の書類と控除について」のコラムでお伝えしたように、年末調整では「医療費控除」「寄附金控除」「雑損控除」は対象になりません。これらの控除がある方は、確定申告をする必要があります。
このように今回は確定申告が義務ではないけれど、確定申告すれば一度納めた税金が戻ってくる(還付される)可能性がある場合について説明したいと思います。
1.確定申告すると得するケースとは?
①医療費が高額となった場合
自分や家族のために支払った医療費等の実質負担額が、1年間で10万円(所得金額が200万円未満の人は「所得金額×5%」の額)を超えた場合、その超えた金額をその年の所得から差し引くことができます。控除できる金額の上限は200万円です。
⇒医療費の領収書が必要となりますが、医療機関へのタクシー代など交通費等も対象になります。領収書は捨てずにとっておきましょう。
②寄付をした場合
◎国境なき医師団やユニセフなど国が定めた団体に寄付をした人
政治活動関連への寄付金や認定NPO法人、公益社団法人などへ寄付をした場合には、その金額の一部を所得控除にするか税額控除とするか、計算してお得な方を選択できます。
⇒年収1千万円以上の高額所得者でない場合、税額控除を受けた方がお得な場合が多いです。
◎ふるさと納税した人
通常の寄付金控除に加え、住民税の税額控除の特例が受けられます。
⇒「ふるさと納税ワンストップ特例」を使う場合、確定申告は不要ですが、6つ以上の自治体にふるさと納税をした人はこの特例は使えず、「ふるさと納税以外の理由で確定申告する人」もこの特例が使えないので確定申告が必要です。
③仕事に必要なものを自腹で多く支払った場合
「給与所得者の特定支出控除」といって、通勤費、転居費、研修費、資格取得費、単身赴任者などの帰宅旅費、書籍代や交通費などのうち、会社が必要経費と認めた費用の合計額が、同年の給与所得控除額の2分の1を超えた場合、その超えた分の金額を所得から控除できます。
⇒平成24年の改正で要件が緩和されたので、自分の支払っている分が、特定支出控除にできるか確認してみましょう。
④株で損をした人
株式等の売買で出た損失分を、申告分離課税を選択した配当所得などと損益通算できます。
相殺しきれない場合は、翌年以降3年間繰越して損益通算できます。
⇒NISA口座や源泉徴収あり特定口座で株取引をしていれば確定申告は不要と思われがちですが、損失がでた場合は確定申告した方がよいでしょう。
<株式の配当金や投信の分配金をもらった人>
配当金は源泉徴収されているので確定申告は不要ですが、確定申告をすれば配当控除が受けられます。
⇒この場合は本業の収入に対する税率20%以下の人しか得しないので注意が必要です。
⑤災害や盗難にあった人
地震や火事などの災害又は盗難若しくは横領によって、資産について損害を受けた場合等には、雑損控除により一定の金額の所得控除を受けることができます。
⑥住宅ローンを組んで家を買って入居した人
1年目は確定申告が必要ですが、2年目からは年末調整可能です。
⇒その他、マイホームを増改築した、耐震工事した、売った人にも控除がいろいろあります。
こちらを参照ください。
↓ ↓ ↓
その他
- 年の途中で退職して再就職していない人
- 年末調整で漏れがあった人、年末調整後に扶養家族に変更があった人
このように確定申告は税金をただ支払うだけではなく、場合によっては税金が還付される可能性のあるシステムでもあるのです。
確定申告期間中は税務署などに確定申告書作成コーナーが設けられ、無料で教えてもらいながら申告書を作ることができます。
ご不明な点は東京・大阪経理代行へお気軽にお問い合わせください。
次回は確定申告の代行についてご紹介したいと思います。
———————————————————————————————————————
東京、大阪で経理代行、経理のアウトソーシングなら
経理の求人・人材は派遣より安くて高品質の東京・大阪経理代行へ!
⇒料金、サービス内容はこちら
ご相談は無料です!会社の経理でお困りの方は経理派遣より
東京・大阪経理代行サポートセンターにお任せください。