今回は柔道整復師(整体師、鍼灸師)の先生の確定申告についてご紹介します。
柔道整復師(整体師、鍼灸師)の方の多くは、個事業主として整骨院や接骨院を開業しているため、自ら確定申告をする必要があります。
柔道整復師(整体師、鍼灸師)の方が確定申告をする際、他の個人事業主と比べて注意しなければならない点があります。
1.収入の種類によって課税・非課税が異なる
柔道整復師(整体師、鍼灸師)の方が患者に施術をした際に受け取る収入は、窓口収入と社会保険診療報酬の2種類に分かれています。
窓口収入:施術当日に自己負担分として患者さんから直接受け取る収入
社会保険診療報酬:患者さんに代わりレセプト(療養費支給申請書)を提出することで、各保険者から受け取ることができる収入
患者さんへの施術が社会保険の適用対象となっている場合、窓口収入も社会保険診療報酬も消費税の課税対象にはなりません。
また、自動車事故や労働災害により負傷した患者さんへの施術の場合、自賠責保険収入に関しても消費税の課税対象にはなりません。
ただし、社会保険の適用外である施術を行った場合や、サポーター等の商品を販売して得た収入の場合には消費税の課税対象となります。
また、個人事業主の場合、社会保険診療報酬は事業税の課税対象ではありませんが、自賠責保険収入は事業税の課税対象となります。
※法人の場合は全ての所得が事業税の課税対象となります。
3.社会保険診療報酬の売上計上時期は施術日?請求日?受取日?
柔道整復師、整体師、鍼灸師の方が売上金額を計算するにあたっては注意が必要です。
社会保険診療報酬の受け取りは毎月のレセプト提出後となり、窓口収入の受け取りタイミングとは異なります。
しかし、税法上では窓口収入も社会保険診療報酬の売上計上時期も施術当日と定められています。
個人経営されている事業所さんは全て12月決算となりますので、12月の最終営業日に施術した患者さんの売上までが当期の売上金額となります。
12月末までに入金がなくても、保険料として入金があるまではいわゆる掛売上の状態にあります。
この掛売上の部分も当期の売上として計上しなければ、税務調査では問題になるでしょう。
3.まとめ
個人事業主の場合、
- 社会保険の適用対象となる収入は消費税・事業税ともに非課税
- 自賠責保険収入は消費税が非課税、事業税は課税対象
- 社会保険適用外の収入は消費税・事業税ともに課税対象
また、窓口収入も社会保険診療報酬も売上計上時期は施術当日
柔道整復師、整体師、鍼灸師の方、整骨院・接骨院の確定申告は他の個人事業主に比べ少々ややこしいため、お困りのことがありましたら東京・大阪経理代行へお気軽にお問い合わせください。
親切・丁寧に対応させていただきます。