東京・大阪経理代行サポートセンターPowered by スタートパートナーズ会計事務所

012-345-6789 受付時間:XX:00~YY:00(平日)

トップへ戻る 経理代行診断 メールで相談 トップへ戻る

カテゴリ:
2018/12/25 年末調整って何!?流れや書き方について

経理の求人・人材は派遣より安くて高品質の東京・大阪経理代行へ! 

こんにちは。代表で税理士の古殿哲士です。

 

今年も残すところあと僅かになりました。われわれのような会計事務所は年末調整業務で忙しくなる時期です。

 

1.≪年末調整の流れ≫

 

年末調整というと会社勤めをされている方にとっては、勤務先から渡された書類に必要事項を記入して押印し、生命保険料控除証明書などを貼りつけて提出すれば、年末の給与支給時と同時にプチボーナスがもらえるくらいの感覚かもしれません。

しかし、いざ起業された方にとっては、年末調整は自分でやらなければならない重要な業務となります。

 

まず基本的な仕組み・やり方を経営者としてしっかり理解する必要があります。

そこで今回は、年末調整ついて詳しく説明したいと思います。

 

(1)年末調整とは

年末調整を理解する前提として、まず源泉徴収からおさえておきましょう。

 

源泉徴収とは会社や個人が人を雇って給与を支払う場合、その支払金額に応じた所得税を差し引き、まとめて納税するシステムです。この所得税を差し引いて、国に納める義務のある者を源泉徴収義務者といいます。

この源泉徴収によって給与所得者(サラリーマン)の方は所得税を納めていますが、毎月の給料や賞与から天引きされている所得税は「概算」の金額となります。

 

そのため、1年間の給与総額が確定する年末に、この概算の所得税とその年に納めなければならない所得税とを比べて、過不足額を精算する手続きが必要となります。

 

(2)なぜ過不足が生じるの?

その人によって異なりますが、以下の理由が挙げられます。

 

  • 概算の税額は源泉徴収税額表に基づき、年間を通して毎月の給与の額に変動がないものとして作られていて、実際は年の中途で給与の額に変動があるため
  • 結婚など年の中途で控除対象扶養親族の数などに異動があっても、その異動後の支払分から修正するだけで、遡って各月の源泉徴収税額を修正しないため
  • 配偶者特別控除や生命保険料、地震保険料の控除などは、年末調整の際に控除するため

このような過不足を精算する手続を「年末調整」といいます。

 

給与所得者(サラリーマン)の方は一つの勤務先から受ける給与以外に所得がないか、給与以外の所得があってもその金額が少額であるという人がほとんどです。

年末調整が「サラリーマンの確定申告」などとよく言われるのは、勤務先が行う年末調整によって所得税の精算が済みますので、確定申告の手続きが必要なくなるからです。

 

(3)個人事業主でも年末調整は必要?

個人事業主でも従業員に給料を支払っている場合(源泉徴収義務者になっている場合)には年末調整をする必要があります。配偶者を青色専従者として給与を支払っている場合ももちろん年末調整を行います。

 

2.≪確定申告した方が得する場合って?≫

 

さて、先ほどは年末調整とは?について説明しましたので、今回は年末調整実践編として具体的な流れについて詳しくご紹介していきたいと思います。

 

(1)年末調整業務の流れを確認してみましょう。

①11月末までに行う業務

  • 従業員の方へ扶養控除等申告書、保険料控除申告書を配付する。
  • 配布した申告書に記載・押印をしてもらう。
  • 生命保険料や社会保険料、住宅借入金等の控除証明書を回収する。

 

②12月中に行う業務

  • 回収した書類を確認し、不足資料があれば請求する。

 

③12月給与締日経過後に行う業務

  • 12月支給分の給与・賞与額の計算
  • 1年間の支給合計の算出
  • 所得控除の確認(扶養控除等申告書、保険料控除申告書、配偶者特別控除申告書より)
  • 年税額の計算
  • 税額控除の確認(住宅借入金等特別控除申告書より)
  • 年調年税額の計算

 

④年内最後の給与支給日に行う業務

  • 差額の還付または徴収
  • 給与明細の交付
  • 源泉徴収票の交付

 

⑤翌年1月10日までに行う業務

  • 年末調整による徴収額、還付額を加減算した金額を納付

※源泉所得税の納期の特例の承認を受けている場合には、20日が納期限となります。

 

短い期間でこれだけの事をやらなければならないので年末年始はかなり忙しくなります。

体調管理はしっかりとしておかないといけないですね。

 

(2)年末調整の対象となる人、ならない人は?

年末調整は、原則として給与の支払者に扶養控除等(異動)申告書を提出している人の全員について行いますが、すべての方が年末調整の対象になるわけではありません。

 

例外的に年末調整の対象とならない人もいます。

 

①年末調整の対象になる人

  • 1年を通じて勤務している人
  • 年の中途で就職し、年末まで勤務している人(前職がある方は、必ず前職分の源泉徴収票が必要になります)
  • 12月中に支給期の到来する給与の支払いを受けた後に退職した人 等

 

②年末調整の対象にならない人

  • 年末調整対象となる人のうち、年間給与収入が2,000万円を超える人
  • 年の途中で退職した人(死亡退職、12月支給の給与を受けた後の退職を除く)
  • 2箇所以上から給与をもらっている人で、他のところで年末調整をする人
  • 非居住者
  • いわゆる日雇いの労働者 等

 

<参考>平成28年分 年末調整のしかた

 

3.≪年末調整の書類と控除について≫

 

さて、先ほどは年末調整の流れについて説明しましたので、ここでは具体的に書類や対象となる控除、必要な添付書類について詳しくご紹介していきたいと思います。

 

(1)年末調整の基本はまずこの書類

①給与所得者の扶養控除等(異動)申告書

【この書類により受けられる控除】

配偶者控除、扶養控除、障害者控除、寡婦控除、寡夫控除、勤労学生控除、基礎控除

 

<注意事項>

役員を含む従業員全員分必要になります。本人または扶養親族の扶養区分をしっかりと確認しましょう。

来年分の用紙を回収します。(今回であれば平成29年分)これは来年の最初の給与を支払う前日までに回収しなくてはいけないというルールがあるためで、便宜上年末調整のこの時期に来年分を回収します。

今年分は前年に回収しているという前提です。扶養親族に変更があった人には修正してもらう必要があります。

また年の中途で入社した人は今年分(今回であれば平成28年分)も回収します。

 

②給与所得者の保険料控除申告書 兼 給与所得者の配偶者特別控除申告書

【この書類により受けられる控除】

配偶者特別控除、生命保険料控除、地震保険料控除、社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除

 

<注意事項>

こちらは今年分の用紙を年末調整の時に回収します。(今回であれば平成28年分)

 

また以下の添付資料が必要です。

・生命保険料控除を受ける場合…生命保険料控除証明書

・地震保険料控除を受ける場合…地震保険料控除証明書

・国民年金を払っていた場合…社会保険料控除証明書(あるいは納付の際の領収書)

・小規模企業共済等掛金控除…掛金払込証明書

 

③【対象者のみ】給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書

【この書類により受けられる控除】

(特定増改築等)住宅借入金等特別控除

 

<注意事項>

購入した年は本人が確定申告をしないと受けられませんが、2年目以降の控除は年末調整で受けることができます。

金融機関発行の借入金残高証明書が添付資料として必要です。

 

控除額が確定した後は、いよいよ年調年税額を計算します。

国税庁発行の「年末調整のしかた」を参考にすると良いでしょう。

 

しかし、この計算は手間がかかり手計算でやるにはミスがおきやすいため、基本的には専用ソフトを使うことをオススメします。

年末の時期に本業で忙しい方は税理士事務所や信頼できる経理代行に委託することも選択肢の一つです。

 

※ちなみに年末調整では「医療費控除」「寄附金控除」「雑損控除」の3つは対象になりません。これらの控除がある方は、年末調整を終えた後に確定申告をする必要があります。

 

4.≪年末調整の書類の見方・書き方≫

 

最後に、年末調整の書類の見方・書き方がわからないという方向けに、それぞれの書類の見方と2018年版の書き方を解説していきます。

 

(1)パートでも必要「扶養控除等(異動)申告書」

扶養控除等(異動)申告書とは、「扶養控除」「障害者控除」「寡婦・寡夫控除」「勤労学生控除」を受けるために記入する書類です。正社員ではない、パートやアルバイトの方も入社の際には必ずこの書類を記入します。

2018年から、それまでの書類とは書き方が異なっているため、毎年年末調整をしている方でも注意しましょう。

 

まず、一番上の欄に、あなたの氏名や住所、個人番号、勤め先、給与額など、基本的な情報を書きます。次に真ん中の「源泉控除対象配偶者と控除対象扶養親族」です。

この欄がこちらの書類のメインとなります。

 

2018年に、「配偶者控除」と「配偶者特別控除」の制度が大きく見直しを受けました。

2018年から、これまでになかった「源泉控除対象配偶者」という言葉が登場しています。

 

この源泉控除対象配偶者の条件は、

  • あなたの2018年の所得見積額が900万円以下
  • あなたと生計を一にする配偶者
  • 配偶者の2018年中の所得の見積もりが85万円以下
  • 青色事業専従者として給与の支払を受ける人や白色事業専従者でないこと

となっています。

 

この「所得」とは、配偶者がパートやアルバイトの場合、実際に受け取った給与額(収入)から65万円を引いた金額です。そのため、この条件に当てはまるのは、所得85万円+65万円で、実際に受け取る見込みの給与額が150万円以下の配偶者となります。

ややこしい書き方ですが、配偶者の収入をそのまま記入してしまわないよう気をつけましょう。

 

その下は、この条件に当てはまらない16歳以上の家族について記入する「控除対象扶養親族(16歳以上)」欄です。

70歳以上の父母や祖父母を扶養している場合は「老人扶養親族」となります。同居の場合58万円、同居でない場合は48万円が控除となります。学生やパート・アルバイトで年収103万円以下の19歳〜23歳の家族は「特定扶養親族」で63万円控除です。

それ以外で16歳以上の扶養家族は「一般の控除対象扶養親族」となり、38万円の控除が受けられます。

16歳以下の扶養家族は控除なしなので、一番下の別の項目に記入します。

 

(2)制度が大きく変わった「配偶者控除等申告書」

これは、2018年に配偶者控除・配偶者特別控除の制度が変わったため、名称も変更された書類です。2018年以前は無かった書類なので、年末調整の書類の書き方は一通りわかっているという方でもしっかり確認しましょう。

結婚していて配偶者がいても、あなたの年収が1220万円以上の場合や、配偶者の年収が201万6000円以上の場合は記入しません。

 

まず、あなたと配偶者の基本的な情報を記入してから、「あなたの合計所得」の見積もりを出します。

「合計所得」は給与の総額ではなく、給与の総額に決まった計算式を用いて算出します。算出ツールもたくさんあるので、インターネットなどで検索してみてください。給与所得以外に副業などで収入がある場合にも記入します。

この合計所得が900万円以下ならA、900〜950万円ならB、950〜1000万円ならCと3つの区分に分かれます。

 

その後あなたの配偶者の合計所得を計算します。あなたの合計所得と同様、給与の総額ではなく専用の計算式で合計所得を求めて記入しましょう。

また、パートなどの給与の他に雑所得や不動産収入がある場合は記載し、自営業の場合は必要経費も記入します。

これの合計額が38万円以下で70歳以上なら①、70歳未満なら②、38〜85万円なら③、85万円〜123万円なら④という区分になります。

 

あなたの区分ABC、配偶者の区分①〜④の組み合わせで控除額が変わる仕組みとなっています。

一番下の欄にこの組み合わせ表があるので、その表に記載された控除額を書いて完成です。

12月時点で配偶者の所得や必要経費の見通しが立たない場合は、1月以降に確定申告で「配偶者控除等申告書」を提出しても構いません。

 

(3)還付金がもらえる「保険料控除申告書」

この書類は、「生命保険」「社会保険」「地震保険」「小規模企業共済掛金」の控除を受ける場合に必要です。特に難しい書き方はないため、基本的に欄の説明ごとに保険証や控除証明書などを見ながら記入すれば大丈夫です。

ただし生命保険料控除の計算だけは複雑なので、各生命保険の計算ツールなどを使って金額を算出しましょう。

 

(4)住宅ローン控除の「住宅借入金等特別控除申告書」

こちらはローンを使って住宅を購入した方で、現在もローン返済中の方が対象になる書類です。

住宅を購入した最初の年は、自分で申請して確定申告も必要です。確定申告が受理されると、数ヶ月後に税金が還付されることになっています。2年目からは確定申告は必要なく、年末調整で申請することが可能です。

この「住宅借入金等特別控除申告書」は、1年目の確定申告が受理された後、その先9年分の9枚の書類が送付されてきます。

9年間毎年申請しなければいけないので、紛失に気をつけましょう。

 

まず、「新築又は購入に係る借入金等の年末残高」に、12月末時点のローン残高を記入します。次に「家屋又は土地等の取得対価の額」、つまり土地や住宅を買った値段を書きます。その後、「家屋の総床面積の土地全体に対する割合」を記入します。

そして、「新築又は購入に係る借入金等の年末残高」か「家屋又は土地等の取得対価の額」のどちらか金額が低い方に、「家屋の床面積の土地全体に対する割合」を掛けます。

これが「住宅借入金等特別控除額の計算の基礎となる借入金等の年末残高」です。

 

この金額の1%が「住宅借入金等特別控除額」となり、年末調整や確定申告が受理された後に還付される金額となります。

年末調整や確定申告が受理されると、その年の12月の給与や1〜2月の給与に上乗せされる形で還付金が返ってきます。

 

(5)年末調整を書くときに注意すべきポイント

年末調整を書くときに注意すべき3つのポイントについて解説していきます。

 

  • 必要な書類は厳重管理しましょう

源泉徴収票や保険の証書など、年末調整や確定申告に必要な書類は厳重に管理しましょう。

もし失くしてしまうと、会社や保険会社に再発行を頼まなければならず、非常に手間も時間もかかります。万が一、会社が定めている期限までに年末調整の書類が揃わないと、周りに迷惑がかかるだけではなく自分で確定申告をする手間も増えてしまいます。

周りのためにも自分のためにも、書類の管理は万全にしておきましょう。

 

  • 所得ではなく収入を記載すること!

先の項目でも解説しましたが、「給与総額」と「収入額」は違います。間違った金額を記載すると、余計な税金を支払うことにもなりかねません。

税金に関する書類には、普段使わない独特な言葉も多いです。自分で適当に解釈して記入せず、わからない言葉があったら調べたり、会社の経理担当者に聞いたりしてみましょう。

 

  • 〇のつけ方には注意が必要

特に間違えても計算には影響が出ませんが、意外と間違える人が多いのが○の付け方。書類に記載する内容をきちんと理解せず、トンチンカンな場所に○をつけているととても恥ずかしいです。

特に多いのが、扶養親族の「同居老親等」の欄。書類の大きさの都合で改行してあり「同居」「老親等」とも読めるので、老親ではない自分の子供に対して「同居」に○を付けている人が多いです。

 

勘違いで間違った書き方をしていると恥をかいてしまうので、書き方をわかっているつもりでも一つ一つの項目を確認しながら書類を作成しましょう。