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2020/03/12 会社設立にかかる費用は?最低金額・内訳を解説

会社設立の費用は、設立したい会社の種類によって異なります。

現在、設立できる会社の種類は「株式会社」「合同会社」「合名会社」「合資会社」の4種類。

ただし、実際に設立される会社の数は株式会社・合同会社の2種類が圧倒的に多いです。

 

今回は、その株式会社・合同会社の設立に関する費用について解説していきます。

 

1.≪株式会社設立の費用≫

それではまず、株式会社の設立にかかる費用を解説していきます。

株式会社の設立には、定款の認証・登記という手続きが必要となり、合同会社よりも設立費用が高くなります。

 

(1)必要な法定費用は242,000円

株式会社設立の手続きにかかる費用は、資本金・雑費を除くと24万2,000円。

その内訳は、以下のようになっています。

 

定款認証手数料:5万円

収入印紙代:4万円

定款の謄本手数料:2,000円

登録免許税:15万円

 

これらを合計すると、上記の24万2,000円という金額になります。

これは会社設立の手続きに必ず必要になるものです。相場などによる変動や、安くする方法はありません。

 

ただし、収入印紙代の4万円については、電子定款で会社を設立する場合にはかかりません。

電子定款を選択すると、紙媒体の定款自体が存在しないので、定款に印紙を貼り付ける必要がなくなるためです。

そのため、電子定款で株式会社を設立する場合、費用の合計は20万2,000円となります。

 

(2)その他にかかる雑費

株式会社設立の手続きを行うためには、必要な書類や印鑑の作成費用がかかります。

手続きにあたってかかる雑費の相場は、全て合わせて1万円ほど。

その内訳は、以下のようになります。

 

実印作成費(4本分):約5,000円~

印鑑登録の費用:約300円

印鑑証明書の発行費:約450円×必要枚数

登記簿謄本の発行費:約500円×必要枚数

 

雑費の中でもっとも大きな出費となるのが、実印作成費。

会社を設立する手続きには、「会社実印(代表社印)」「会社銀行印」「角印(社印)」「住所印(ゴム印)」という4種類の印鑑が必要となります。

安くても1本1,000円以上はかかるので、合計5,000円ほどは見込んでおいた方がいいでしょう。クオリティにこだわると、もっと費用がかかります。

 

印鑑証明や登記簿謄本の発行費は、自治体によって金額が異なるので、上記の金額は目安程度と思っておいてください。

 

(3)資本金はいくらにすべき?

株式会社の設立には資本金が必要です。

2006年に新会社法が施行されてからは、資本金1円からでも会社設立が可能になりました。

しかし、安易に資本金1円で起業してしまうと、様々なデメリットがあります。

 

資本金とは、端的にいうと会社の運転資金なので、これが少なすぎると経営を維持する力が弱いということになります。

金融機関や取引先から「すぐに倒産するのでは?」と思われてしまうと、資金調達や販路拡大が難しくなってしまうのです。

株式会社の資本金は、業種にもよりますが100~1,000万円くらいが相場となっています。可能な限りで、できるだけ多く資本金を集めた方が、設立後の事業がやりやすくなるでしょう。

 

ただし、多ければ多いほど良いというわけではありません。

なぜなら、先にご紹介した登録免許税は、資本金が2,140万円以上になると15万円より高くなるためです。

登録免許税の金額は、正式には「15万円、または資本金の0.7%(資本金の0.7%が15万円を上回る場合)」となっています。

「資本金の0.7%=15万円」となるのが2,140万円なので、これを超えると手続きにかかる法定費用が高くなるということは知っておきましょう。

 

2.≪合同会社設立の費用≫

次に、合同会社を設立するための費用について解説していきます。

合同会社の場合、手続きのステップが少なく、登録免許税も株式会社より安いので、設立費用を抑えることができます。

 

(1)必要な法定費用は10万円

合同会社設立の手続きに必要な費用は、10万円です。

こちらも、国に支払う法定費用なので、相場による変動や安い金額に抑える方法はありません。

費用の内訳は、以下のようになっています。

 

収入印紙代:4万円

登録免許税:6万円

 

合同会社を設立する場合、株式会社で必要な定款の認証という手続きが不要です。

そのため、定款認証手数料や、認証に必要な謄本の作成費用は必要ありません。

 

株式会社の場合と同様、電子定款の場合は収入印紙代の4万円も不要となります。

ですから、合同会社設立に最低限必要な費用は、登録免許税の6万円のみです。

 

資本金の0.7%が6万円を超える場合には、登録免許税はそちらの金額になります。

つまり、資本金が8,571,428円を超えると法定費用が高くなるということは覚えておきましょう。

 

(2)その他の雑費は株式会社とほぼ同じ

法定費用以外にかかる雑費の相場は、株式会社とほぼ同じで合計1万円程度です。

 

実印作成費(4本分):約5,000円~

印鑑登録の費用:約300円

印鑑証明書の発行費:約450円×必要枚数

登記簿謄本の発行費:約500円×必要枚数

 

そのため、合同会社設立にかかる費用の合計は、最低7万円ほど。

株式会社設立にかかる費用の1/3以下なので、とにかく安い方法を選びたい方には合同会社設立がおすすめです。

 

(3)資本金はいくらにすべき?

合同会社の資本金は、株式会社の場合と同じく最低1円でもOKです。

しかし、こちらも株式会社の場合と同じく、資金調達や販路拡大が難しいというデメリットがあります。

 

合同会社の資本金の相場は、50~300万円ほどです。

具体的には、「事業の準備にかかる資金+3~6ヶ月分の運転資金」を計算して、適切な金額を考えましょう。

ただし、先にもお伝えしましたが、資本金857万円を超えると登録免許税が高くなるということは知っておいてください。

 

3≪会社設立の費用を安くする方法≫

会社設立の費用を安くする方法は、あまり多くありません。

ここまでも何度かお伝えしてきましたが、会社設立の手続きにかかる費用は国に支払う法定費用のためです。

 

唯一削れるのは、定款に貼る収入印紙代の4万円。定款を紙ではなく電子定款にすれば、収入印紙代を支払わずに済みます。

ただし、電子定款は誰でも無料で作成できるわけではありません。

 

まず、電子定款はPDFで作成し、その中に電子署名を挿入する必要があります。

PDFデータ自体はフリーソフトでも簡単に作ることができますが、電子署名を挿入するにはAdobe Acrobatなどの専門ソフトを使わなければいけません。

このAdobe Acrobatの購入には、3万円ほどの費用がかかります。

 

また、電子署名を作成するには、あらかじめ電子証明書の交付を受けておく必要があります。

電子証明書の交付を受けるために、マイナンバーカードを読み取るカードリーダーを用意しなければいけません。

カードリーダーの価格は2,000円ほどなので、電子定款を作成する費用相場は32,000円程度と思っておきましょう。

 

ちなみに電子定款は、税理士や司法書士に作成を依頼することも可能です。

この場合、ソフトやカードリーダー代を節約できる代わりに、報酬として5,000円ほどがかかります。

そのため、もっとも法定費用が安いのは、「電子定款+作成を外注」という方法です。

 

4.≪会社設立費用を経費として計上するには≫

会社設立にかかった費用は、開業前のものも含めて会社の経費にすることが可能です。

設立時の費用は、「創立費」と「開業費」の2種類に分けて経費に計上します。

 

創立費:設立の準備にかかった費用(設立手続きに必要な書類の作成費用、登録免許税など)

開業費:設立後の開業準備段階に費用(調査費用、事前広告費、打ち合わせにかかった飲食代など)

 

ただし、会社設立後も経常的にかかっていく費用については、創立費または開業費として経費計上することができません。

設立と同時にかかった費用であっても、以下のようなものは通常の仕訳を行います。

 

・土地や建物の賃借料

・通信費

・事務用消耗品費

・仕入れ費用

・社員の給与

など

 

また、事務所や店舗を借りた時の敷金など、後日戻ってくるお金も開業費にすることはできません。

 

5.≪まとめ≫

会社設立にかかる費用は、株式会社で「約25万円」、合同会社で「約10万円」。この他に、会社の運転資金として使う資本金も必要です。

 

会社設立の費用は法定費用なので安くする方法は少ないですが、紙ではなく電子定款を選択することで収入印紙代4万円の節約が可能です。

ただし、電子定款の作成にもソフトなどの購入費や、外注する場合は報酬がかかることは知っておきましょう。

2020/03/05 会社設立時の資本金はいくら用意すべき?資本金額を決めるポイントとは

資本金とは、会社設立時に元手として用意するお金のことです。

新会社法の施行で、資本金は1円でも会社設立ができるようになりましたが、実際にはある程度まとまった金額を用意する経営者が多いです。

 

今回は、資本金の意味や、資本金の金額はどのように決めるべきかを詳しく解説。

資本金が少なすぎることのデメリットや、実際の払い込み手順についても知っていきましょう。

 

1.≪会社設立には資本金が必要≫

会社設立の際には、資本金が必要となります。

ただし、4種類ある会社の形態のうち、「合名会社」「合資会社」の2つでは信用や労務、現物出資が可能で、必ずしも現金を集める必要はありません。

しかし、実際に設立される会社に多い形態は、残り2つの「株式会社」「合同会社」です。この2種類の会社を設立する場合には、資本金が必須となります。

 

そもそも、資本金とは何かというと「事業を開始し、当面の間運営していくための資金」です。

もちろん、金融機関などから融資を受けたり、出資を募ったりして資金を増やすことはありますが、全ての元手になるのがこの資本金です。

 

その資本金はいくら用意すればいいかという、明確な決まりはありません。2006年の新会社法施行以降、資本金1円からでも会社設立ができるようになりました。

 

しかし、1円起業にはデメリットも多いので、ほとんどの起業家はある程度まとまった金額を資本金として用意します。

1円起業のデメリットや資本金額の目安については、後の項目で詳しく解説します。

 

ちなみに、資本金と似た言葉に「資本準備金」というものがあります。

これは、簡単にいうと万が一の時のための積立金。資本準備金の金額は、資本金の半額までと定められていて、業績が悪化した場合には資本準備金を取り崩すことで会社財産を維持することができます。

資本金とは異なり、資本準備金は必須のものではありません。

 

2.≪会社設立時の資本金の決め方≫

それでは具体的に、資本金はいくら用意すればいいのかを解説していきます。

もちろん、業種や経営方針によって必要な金額は異なりますが、基準となるポイントを見ていきましょう。

 

(1)目安は3ヶ月~半年分の運転資金

多くの会社が資本金額の目安とするのが、開業資金+3~6ヶ月分の運転資金です。

 

起業してすぐに経営が軌道に乗り、十分な利益が出せる会社というのはごく少数。ほとんどの会社は、開業からしばらくは赤字や少ない利益で会社を維持していくことになります。

そんなとき、資本金が少なすぎるとすぐに資金が底をつき、せっかく設立した会社がすぐに潰れてしまいます。

 

ですから、安定した利益を出せるようになるまで、会社を維持する体力として資本金が必要なのです。

開業後、赤字でもかかる経費(固定費)としては、以下のようなものがあります。

 

・事務所や店舗の家賃

・商品の仕入れ代金

・従業員の給与

・水道光熱費・通信費

など

 

毎月かかるこれらの経費を計算し、3~6ヶ月は赤字でも経営していけるように備えましょう。

 

また、当然それとは別に開業資金も必要です。

開業資金として必要な額は、業種によってかなり幅があります。例えば、大規模な工場が必要な製造業なら数千万円かかることもありますし、PC1台で始められるITやサービス業なら数十万円で十分ということも。

資本金を決定する前に、まずは開業準備と半年後までの経営の見通しを立て、必要な金額を算出してみましょう。

 

(2)取引先・金融機関からの信用を考慮する

次に、取引先や金融機関といった、他者から見た場合の資本金について考えていきましょう。

 

先に解説したように、資本金が少ない会社は開業直後に潰れてしまうリスクが高いです。

そんな会社に、商品を卸したり融資したりしたくないのは、当然と言えるでしょう。

そのため、資本金が少ないと取引先や金融機関から敬遠されてしまい、事業がうまく拡大できない可能性も。取引先や金融機関からの信用を得るためには、資本金は多いに越したことはないのです。

 

(3)税金負担額とのバランスを見る

一方、資本金は多ければ多いほどいいという訳ではない面もあります。

それは、税金負担額にも資本金が関わってくるためです。

資本金額によって税務上の違いが生じるボーダーラインは、1,000万円1億円です。

 

まず、1,000万円のボーダーラインで変わるのが消費税。

資本金1,000万円未満の会社の場合、設立から2年間は消費税の納付が免除されますが、1,000万円以上で起業すると、初年度から消費税の納付義務が生じてしまいます。

 

また、法人住民税の均等割についても、資本金1,000万円をボーダーラインとして変わります。

金額は自治体によりますが、例えば、東京都内で従業員が50人の会社の場合、資本金が1,000万円以下では7万円、1,000万円超では18万円と、倍以上の差があります。

 

資本金1億円のボーダーラインでは、さらに様々な違いが出てきます。

これは、資本金1億円以上の会社は「大企業」、1億円未満の会社は「中小企業」と定義されているためです。中小企業と大企業では、法人税の税率や交際費の経費計上、欠損金の繰戻還付など、税制上の扱いが根本的に異なります。

また、国や地方自治体が実施している中小企業向けの施策や補助金等も、資本金1億円をボーダーラインとして適用されなくなるものが多いです。

 

(4)許認可に資本金額が必要な業種も

最後に、業種ごとに定められている資本金額について解説します。

 

基本的に、会社設立は資本金1円から可能ですが、業種によっては一定額以上の資本金がないと、営業の許認可が取れない場合があります。

許認可に資本金の要件がある業種と金額は、以下の通りです。

 

・人材派遣業:2,000万円

・特定建設業:2,000万円

 

3.≪会社設立時の資本金が低すぎることによるリスク≫

先にもお伝えしましたが、資本金は最低1円からでも会社設立が可能です。

しかし、資本金が少なすぎるとデメリットが多く、思うように事業を運営できない可能性も。

資本金が少なすぎることで、起こりうるリスクについて知っていきましょう。

 

(1)融資が受けられない可能性がある

資本金が少ないと、まず銀行からの融資を受けにくくなります。

先にもお伝えした通り、資本金は会社の体力なので、資本金が少ないとすぐに倒産してしまいかねません。

回収の当てがない会社にお金を貸したくないのは当然で、金融機関からの融資を断られてしまう可能性が高くなります。

 

また、起業時に利用する方が多い日本政策金融公庫の新創業融資も、融資の条件に「創業資金の3分の1以上の自己資金を確認できること」があります。

他にも、資本金が少ない場合、法人口座を作ることもできないケースがあります。形式上、会社を作ることができるのと会社の信用力は別のものであることを理解しましょう。

 

(2)取引してもらえない可能性がある

よく知らない会社について調べる際、資本金を重視する人は多いです。

資本金が多ければ、それだけ会社の体力があるということで、もし事業がうまくいっていなくても長く運営を続けていけるという指標になります。

また、資本金が多いほうが事業への本気度が高いとみなされ、資本金が少ないと遊びの延長のように思われてしまいかねません。

 

新規起業でこれから顧客や取引先を確保しなければいけないという場合、信用を得づらくなり、事業拡大がしにくくなるのです。

 

(3)債務超過になりやすくなる

債務超過とは、債務者の負債の総額が資産の総額を超える状態ということです。

少なすぎる資本金で会社を設立すると、少額の借入をしただけですぐに債務超過になってしまいます。

 

債務超過の会社は、取引先・金融機関・出資者などからのイメージが非常に悪いです。

起業して早々に債務超過にならないためにも、やはり開業資金と当面の運転資金は用意しておいたほうがいいでしょう。

 

4.≪資本金の払い込み方≫

最後に、会社設立時に資本金の払い込みを行う方法について解説します。

 

(1)発起人の銀行口座を用意

会社設立時には、まず発起人名義の個人口座を用意し、そこに資本金を入金します。

口座の開設はいつでも問題ありませんが、入金のタイミングは定款認証日よりも後である必要があるので注意してください。

 

入金を行ったら、会計処理を行います。

例えば資本金を300万円用意した場合、仕訳処理の方法は以下の通りです。

 

借方:現金 3,000,000円

貸方:資本金 3,000,000円

摘要:資本金の払込

 

(2)通帳のコピー作成

資本金の払い込みを行ったら、会社の設立手続きのためにその証明が必要となります。

その証明に必要なのが、通帳のコピーと払込証明書です。

通帳は、

 

・表紙

・表紙裏

・振込内容が記帳されているページ

 

の3ヶ所をコピーします。

証明には支店名・支店番号、銀行印が必要なので、その箇所が含まれているかどうか確認しましょう。

 

また、振込内容が記帳されているページは、発起人の名前と金額にマーカーなどで印をつけておくと、会社設立時の手続きがスムーズになります。

 

(3)払込証明書を作成

最後に、以下の内容を記載した払込証明書を作成します。

 

・日付

・本店所在地

・会社名(商号)

・代表取締役の氏名

・払込があった金額

・払込があった株数

・1株の払込金額

 

この7つの項目と、「証明書の左上」「代表取締役氏名の右側」の2ヶ所に会社代表印が必要となります。

資本金の証明をして登記が終わったら、いつでも資本金を使うことができます。

発起人個人の口座から法人口座へ資本金を移動し、初期費用などにあてましょう。

 

5.≪まとめ≫

資本金は開業後の経営の元手となり、対外的にも会社の持続力をあらわす重要なお金です。

最低1円からでも会社設立はできますが、開業後の経営を考えるとある程度まとまった金額を用意したほうがスムーズです。

 

資本金は会社設立の手続きの前に現金で用意する必要があるので、計画的に準備を進めていきましょう。

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2019/10/17 給与の計算方法は7段階?日割り計算の方法も紹介

毎月何気なく受け取っている給与明細。しかし、給与明細に書かれているそれぞれの項目が、どのように計算されているか知っていますか?

 

今回は、給与計算の方法とその準備、リスク管理などについて解説していきます。給与計算の手順をステップごとに紹介いたしますので、経理担当の方も参考にしてみてください。

 

1.≪給与の計算方法は会社により異なる?≫

給与計算の方法を知る前に、まずは前提として給与計算の基本を知っておきましょう。

給与計算の方法は会社によって違い、また従業員の生活に直結する業務特有のリスクも伴います。

 

(1)計算方法は会社により異なる

給与計算の方法は会社によって異なります。

それは、給与の支払い方法や会社ごとに規定している手当などが会社ごとにバラバラだから。そのため、今回ご紹介する給与計算の方法はあくまで一般的な例で、全ての会社にこれが当てはまるとは限りません。

 

(2)給与計算のリスク

給与計算はどんな会社にも発生する基本的な業務ですが、実は特有のリスクも伴います。従業員の生活に直結することだからこそ、少しでも計算ミスがあると従業員からの信用を失ってしまうのです。

勤怠の記録システムが万全でないと、残業代の未払いなどの問題が起こってしまうこともありますね。

 

また、給与計算の遅れは給与の遅配にも繋がるので、毎月期限内に済ませることが必要です。そして、給与計算をするためには、家族や保険の情報、マイナンバーなど、従業員の個人情報を用います。

大切な情報を預かるからこそ、情報漏洩には細心の注意が必要となります。

 

(3)給与計算に必要な知識

給与計算に伴うリスクを防ぐためには、予防策の準備が必要です。

人の手が関わる以上ケアレスミスは起こり得ますが、システムがきちんと整っていればリスクを最小限に抑えることができるのです。

 

  • 労務

まずは、給与計算の担当者が「労働基準法」や「就業規則」などの知識をきちんと理解していること。

小規模な会社でも、なあなあにならないよう明確なルールが必要です。国の法令に則して、就業規則と給与規定をきちんと定めましょう。

 

  • 税務

給与計算には、所得税や住民税といった税金も絡んできます。給与計算の担当者は、国の税制度についても精通する必要があるのです。

 

源泉徴収税の計算ミスや、控除漏れがあった場合は追徴や訂正申請が必要となるので、税金関連のミスは何としても防がなければいけません。

 

  • リスク管理

最後に、情報漏洩などに対するリスク管理です。給与計算の担当者による故意の流出はもちろん、ハッキングなどによる情報漏洩にも注意しなければいけません。

 

社員を雇用する際は契約条件に守秘義務の項目を入れたり、経理情報を扱うPCは一段とセキュリティに気を配ったりする必要があります。

経理データの持ち出しも、社内規定などで禁止しておいたほうがいいでしょう。

 

2.≪給与の計算方法は7段階≫

それでは、給与計算の方法をステップごとに解説していきます。

給与計算には、全部で7つの段階があります。

 

(1)①勤怠状況を確認・集計

まずは、タイムカードなどの情報から各従業員の勤怠状況を把握します。集計期間中の労働時間について、従業員一人ずつの状況を確認しましょう。

次の3つの項目に分けて集計します。

 

・労働日数

・労働時間

・時間外労働

 

(2)②総支給額を決定

次に、労働時間の情報から総支給額を決定します。

時間外労働には法令で定められた割増率があるので、それに則した割増率で計算しましょう。

 

さらに、会社独自の手当(通勤手当・家族手当・役職手当など)があれば、ここで加算します。

 

・基本給

・時間外手当

・各種手当

この3つの合計が「総支給額」となります。

 

(3)③控除額を計算

次に、給与から天引きする税金や保険料などの「控除額」を計算します。

一般的なサラリーマンの給与にかかる税金・保険料には、以下のものがあります。

 

・雇用保険料

・健康保険料

・厚生年金保険料

・所得税

・住民税

 

扶養家族の数などにより非課税所得がある場合もあるので、この計算式は従業員の個々の状況によって変わります。

また、社宅の家賃など税金・保険料以外に会社が天引きしているものがあれば、ここで差し引いておきます。

 

(4)④手取り金額を計算

「総支給額」から「控除額」を引いたものが、「手取り金額」となります。従業員に実際に支払うのは、この手取り金額です。

 

(5)⑤給与明細作成・賃金台帳への記録

ここまで計算した内容を元に、給与明細を作成します。

給与計算した数字を給与明細のフォーマットに当てはめるだけなので、難しい作業ではありません。

 

また、支払いの記録を後に残せるよう、賃金台帳にも記入します。

 

(6)⑥支払・給与明細配布

給与明細の内容に従い、各従業員に給与を支払います。

その際、必ず給与明細も一緒に交付します。給与明細の交付は所得税法で定められている義務なので、どんな会社・雇用形態でも必ず交付しなければいけません。

 

(7)⑦社会保険料、税金納付

最後に、社会保険料や税金を、会社が従業員に代わって納付します。

社会保険料は会社と従業員が折半する決まりなので、納付額は全従業員の給与から差し引いた控除額のちょうど2倍となります。

 

3.≪日割りの給与を計算する方法≫

次に、月収ではなく日割りで給与計算する方法をご紹介いたします。

 

(1)就業規則を確認

実は、日割り給与の計算方法は法律で定められていません。そのため、各会社が定めている就業規則や賃金規定に従うことになります。

下で挙げるのは、一般的な例です。

 

(2)月の途中で入社した場合

月の途中で入社した場合、一般的な計算ルールは以下の3パターンが考えられます。

 

1.暦日基準

(給与)÷(その月の日数)×(所属日数)

2.所定労働日基準

(給与)÷(その月の所定労働日数)×(出勤日数)

3.月平均の所定労働日基準

(給与)÷(月平均の所定労働日数)×(出勤日数)

(月平均の所定労働日数)=(年間の所定労働日数)÷12

 

各種手当については、日割りする根拠がないものは月途中の入社でも満額支給されます。ただし、弁当代や通勤手当など1日分の金額が明確な場合には、満額ではなく日割り計算となる場合もあります。

 

(3)月の途中で退職した場合

月の途中で退職した場合、月の途中での入社と計算ルールは基本的に同じです。

 

ただし、退職の場合は上の計算方法に加え、出勤しなかった日数分の給与を満額から差し引くという計算方法もあります。日額の求め方は、入社のケースと同じ3パターンです。

退職は円満な形だけではない可能性もありますが、どんな形であれ給与計算期間に少しでも労働した従業員には給与を支払う必要があります。

 

(4)その他の給与計算の方法

上記の他にも、「日給月給制」や「変形労働時間制」などの制度を導入している会社があります。

 

  • 日給月給制

日給月給制とは、給与形態のひとつ。

あらかじめ定められている月の給与から、欠勤・遅刻・早退などで労働しなかった時間分をそこから差し引くという計算方法です。

具体的な計算式は、以下の通り。

 

・(給与の総額÷1ヵ月の通常就労日数)×勤務日数+残業給与=支給額

 

日給月給制では手当も含めて1ヶ月分の給与となっているので、欠勤などがあった場合には手当も含めて減額されます。

 

  • 変形労働時間制

変形労働時間制とは、労働時間を月・年単位で調整することで、時間外労働を調節する制度のことです。

労働基準法では、「週40時間・1日8時間」以上の労働を時間外労働と定めています。これが変形労働時間制を採用すると、例えばある週に60時間働いても、次の週の労働時間が20時間になれば時間外労働は発生しません。

 

週単位だけではなく月単位でもこれが可能なため、多く働いた月の給与が増えない代わりに、長期休暇をとった月も満額の基本給が貰えるということに。

繁忙期と閑散期に波がある業種で、導入されていることが多い制度です。

 

4.≪給与の計算前の準備について≫

最後に、給与計算をする前に必要な準備について解説します。

 

(1)就業規則・給与規定を整備

就業規則・給与規定が定まっていないと、そもそも給与計算ができません。

取り決めが必要な項目は、以下のようなものがあります。

 

・始業と終業の時刻、休憩時間の規定

・時間外労働・深夜労働・休日労働時間に関する割増率(法令で規定あり)

・会社独自の時間外計算があるかどうか(宿直手当、夜勤手当、代休時の割増率など)

・時間外計算の単位

・日割り計算の方法

・給与の計算方法・締め日と支払い日

 

(2)従業員情報を収集・更新

従業員個人の情報も、給与計算には不可欠です。

給与計算に必要な情報は、以下の通り。

 

・給与の振込口座

・通勤経路と交通費

・扶養家族の人数

・勤怠管理

 

通勤経路や扶養家族については、申請内容次第で給与を多く受け取る不正も可能となってしまいます。従業員情報は、定期的に見直し・更新をしていきましょう。

 

(3)適切な保険の加入

従業員を雇用する企業では、従業員を守るために保険に加入しなければいけません。

正社員以外のパートやアルバイトも、収入金額や労働時間などが条件に当てはまれば保険に加入させる義務があります。

 

企業が加入すべき保険には、以下の種類があります。

 

・健康保険

・厚生年金保険

・社会保険

・介護保険

・雇用保険

・労災保険など

 

5.≪まとめ≫

給与計算の方法は、法令で定められている部分と会社が独自に規定している部分があります。とても多くの知識が必要となるので、見た目以上に大変な作業です。

 

また、従業員の生活や個人情報に関わることなので、ミスや遅れ、情報漏洩は許されません。給与に関わる情報は厳密に管理し、正確な計算ができるようにシステムを整備していきましょう。

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2019/09/04 単式簿記とは?【複式簿記との違いを解説】

単式簿記とは、2つある帳簿付けの方法のうちシンプルで簡単なものです。簿記の知識がなくても帳簿付けをすることが可能ですが、複式簿記より記録しておける内容が少ないのがデメリット。

 

今回は、そんな単式簿記と複式簿記の違いや、単式簿記で帳簿付けする方法を具体的に解説していきます。

メリット・デメリットを把握して、自分に最適な帳簿付けの方法を選びましょう。

 

 

1.≪単式簿記とは?≫

単式簿記とは「簿記」の記帳方法の一つです。対になる言葉として「複式簿記」があり、単式簿記の方が複式簿記よりもシンプルで簡単です。

 

そもそも「簿記」とは、会計報告を行うために帳簿をつけること。この帳簿を元に会計業務を行い、会社や個人事業の財務状況を報告します。

 

(1)単式簿記と複式簿記の違い

単式簿記と複式簿記の違いは、1回の取引につき、1つの項目を使うか、複数の項目を使うか。

単式簿記では「収入or支出」と「勘定科目」「金額」のみを一列に書き記します。複式簿記では帳簿を左右で「借方」と「貸方」に分け、借方と貸方の金額が同じになるように記帳していきます。

 

言葉の説明だけではわかりづらいので、具体的な例を見ていきましょう。

同じ取引を単式簿記と複式簿記のそれぞれの方法で記帳すると、以下のようになります。

 

例1 ◯月◯日、金融機関から100,000円の借り入れを行なった場合

 

単式簿記:◯月◯日 収入 借入金 100,000円

複式簿記:◯月◯日 普通預金 100,000円 / 借入金 100,000円

 

例2 △月△日、10,000円の電気代を現金で支払った場合

 

単式簿記:△月△日 支出 電気代 10,000円

複式簿記:△月△日 電気代 10,000円 / 現金 10,000円

 

例3 ×月×日、50,000円の商品を売って現金を受け取った場合

 

単式簿記:×月×日 収入 商品売上 50,000円

複式簿記:×月×日 現金 10,000円 / 商品売上 10,000円

 

そして、これらの取引が行われた後、単式簿記の帳簿は以下のようになっています。

◯月◯日 収入 借入金 100,000円

△月△日 支出 電気代 10,000円

×月×日 収入 商品売上 50,000円

 

単式簿記の場合は、お金の出入りを「収入・支出」の2パターンのみで管理します。そのため、収入の総額から支出の総額を引けば、収益がプラスかマイナスかがすぐにわかります。

この例だと、借入金10万円から支払いで1万円が減り、そのあと5万円の売上が入ったので、現在「14万円」のプラスだということがわかりますね。

ただし、「預金」「現金」という区別はないので、口座にあるべき金額はいくらか、手元にあるべき金額はいくらかということはわかりません。

 

また、単式簿記ではあとで返済する必要がある借入金も「収入」として計算してしまうので、最終的に手元に残る利益は「4万円」だという情報もわかりません。

さらに、帳簿を付け始める以前の預金額や借り入れ総額もわからないので、会社の会計の大枠を把握するのは難しいです。

 

次に、同じ取引が行われた後の複式簿記の帳簿を見てみましょう。

 

◯月◯日 普通預金 100,000円 / 借入金 100,000円

△月△日 電気代 10,000円 / 現金 10,000円

×月×日 現金 50,000円 / 商品売上 50,000円

 

こちらでは、例えば「電気代を支払った」という情報だけではなく、「電気代を現金で支払った」という情報がわかります。借入金の10万円は普通預金に入り、現金として手元にあるのは4万円だという情報もわかりますね。

複式簿記は単式簿記よりも書き方が複雑ですが、複式簿記の帳簿からは単式簿記よりも多くの情報が読み取ることができるのです。

 

また、複式簿記の場合は、お金の出入りを「資産・負債・純資産・収益・費用」の5つに分けて管理します。

上記の取引だと、「借入金」は「負債」、「電気代」は「費用」、「商品売上」は「収益」です。

 

そして、会計業務の際はこの帳簿をもとに「貸借対照表」と「損益計算書」を作成します。

これは「資産・負債・純資産・収益・費用」それぞれのカテゴリの総額はいくらなのかを算出するものです。これにより、会社がどのような財務状況にあるのかを詳しく分析することが可能になります。

 

(2)単式簿記は目的のみを記録する

単式簿記では、取引により現金が増えたのか・減ったのかという「収入・支出」と、その取引の目的のみを記録します。

「収入」のカテゴリになるのは、勘定科目でいうと借入金・売上金・事業主貸など。逆に「支出」になる勘定科目は、地代家賃・仕入・水道光熱費・通信費・給料賃金など全ての出費です。

 

そして、単式簿記では取引の「手段」の記録はしません。

手段というのは、現金のやりとりがあったのか、クレジットカードや売掛・買掛などで後払いになったのか、口座に振り込みをしたのか…などの支払い方法のことです。そのため、取引にかかった金額の出所はどこなのか、どこに入ったのかという情報はわかりません。

 

個人事業主や規模の小さい会社で、複雑な取引はなく現金の出入りさえわかればいいという場合は単式簿記でも十分です。

しかし大規模な会社では詳細な財務状況の把握が必要になるので、単式簿記が採用されることはほぼありません。

 

2.≪単式簿記のメリット・デメリット≫

それでは、単式簿記のメリット・デメリットを見ていきましょう。

 

(1)単式簿記のメリット

  • 簿記の知識がなくても記帳できる
  • 現金のプラス・マイナスがすぐにわかる
  • 作業工程数が複式簿記より少ない

 

まず、単式簿記の大きなメリットは簿記の知識がなくても記帳できること。

その取引が「収入」か「支出」なのかということは誰でも直感的にわかりますから、付け間違いも少ないです。家計簿をつける感覚で、誰でも帳簿付けができます。

確定申告も、白色申告なら単式簿記の帳簿付けで問題ないので、大きな控除枠が必要ない場合は手間が省けるでしょう。

 

また、単式簿記の帳簿は「収入-支出」というシンプルな計算で総計ができるので、収益がプラスかマイナスかということが一目でわかります。

詳細な経営状況の分析は必要なく、ざっくりプラスかマイナスかわかればいいという場合も単式簿記で十分ですね。

 

そして、単式簿記の場合は、複式簿記のように「貸借対照表」や「損益計算書」に発展させる必要がありません。

複式簿記が他の会計書類を作るための土台としての意味合いが強いのに比べ、単式簿記はそれだけで完結しているのです。

 

(2)単式簿記のデメリット

  • 経営状況が把握しづらい
  • 青色申告ができず、控除額が減る

 

単式簿記のデメリットは、記録しておける情報が少なく経営状況の把握がしづらいこと。ある程度規模が大きく、借入金や株式の配当、買掛金、売掛金など複雑な取引がある事業の帳簿付けは、単式簿記では無理でしょう。

 

また、確定申告で「青色申告」をするためには複式簿記での帳簿付けが義務付けられています。

10万円・65万円の青色申告控除など、青色申告は税制で優遇されるポイントがたくさん。単式簿記の帳簿ではこの優遇が受けられないので、納税額で損をしてしまう可能性があります。

 

3.≪単式簿記の書き方・記入例≫

先の例では不要な項目を省略しましたが、実際に単式簿記で記帳するときには以下の項目が必要です。

1つの取引ごとに、それぞれの項目を埋めて表を作っていくイメージです。

 

  • 日付
  • 収入or支出
  • 勘定科目
  • 金額
  • 摘要

 

記入例

◯月◯日 収入 借入金 100,000円 A銀行

△月△日 支出 電気代 10,000円 B電力

×月×日 収入 商品売上 50,000円 C株式会社

 

4.≪単式簿記の帳簿を作成する方法≫

単式簿記はノートに手書き・エクセル・会計ソフトなどで簡単に作成することができます。会計ソフトを使えば、最初から必要な項目や勘定科目のリストが用意されているので簡単です。

しかし、単式簿記にはあまり多くの項目は必要ないので、手書きやエクセルで1から作成してもそこまで手間はかかりません。

 

5.≪まとめ≫

単式簿記は簿記の知識がなくても作成しやすく、初心者におすすめの帳簿付けの方法です。収益のプラス・マイナスを一目で把握でき、確定申告も白色申告なら単式簿記の帳簿でできます。

 

ただし、事業が大きくなってくると詳細な経営状況は把握できず、複式簿記に切り替えざるを得ません

単式簿記の帳簿では青色申告もできないため、納税額で損をしてしまうというデメリットも把握しておきましょう。

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2019/07/03 学生や主婦でも起業する時代!起業するために必要なこととは

「起業したい」という志を抱く人は多いですが、どんなことから始めればいいか知っていますか?漠然と考えているだけでは、いつまでたっても起業はできません。逆に、優れたビジネスモデルがあれば、学生や主婦でも成功をつかむことも可能です。

今回は、起業をしたい方のために、起業をするためのステップを解説します。

 

 

1.≪起業する理由や目的、事業内容を考える≫

起業するには、企業のアイデアや目的が不可欠です。漠然と「起業したい」というだけでは事業は始まらないので、まず自己分析をして企業したい理由を煮詰めていきましょう。

 

(1)なぜ起業したいのかを明確にする

「何でもいいからとにかく社長になりたい」「起業って面白そう」「〇〇をやってみたら儲かりそう」など、曖昧な理由で起業した会社では、軸が定まらず失敗する可能性が大。「起業する」だけではなく「起業して成功する」には、しっかりと事業の軸になる理由や目的が必要なのです。

 

ビジネスモデルを描き出す前に、

・なぜ起業したいのか

・起業して何を実現したいのか

・起業することで、自分はどうなりたいのか

を突き詰めて考えておきましょう。

 

(2)どのような事業を行うのかを決める

起業する目的が決まったら、それに沿ってどんな事業を行うのか決めていきます。すでにアイデアがある人は、そのアイデアを具体的に実現するための手段を考えましょう。

 

また、なかなかアイデアが浮かばないという方は、以下のような発想を持つのがおすすめです。

・既存の商品やサービスを発展させる方法

・既存の商品やサービスを組み合わせる方法

・自分の趣味や特技、専門知識を活かす方法

・海外で成功している事業を輸入する方法

・日常的に感じる不便を解消する方法

自分の中で考えるだけではなく、家族や友人、インターネットの声などを参考にすると、アイデアが生まれやすいかもしれません。

 

(3)どのような価値を提供できるのかを考える

次に、自分の事業でどのような価値を世間に提供できるかを考えます。できれば、既存の企業がまだ実現していないオリジナルの価値を見出せると良いでしょう。

既存事業と似た内容で起業する場合には、どこで他社と差別化できるかを考えてみてください。

 

(4)具体的なビジネスモデルにする

最後に、事業内容を噛み砕き、具体的なビジネスモデルにしていきます。

具体的であればあるほど現実味が増しますが、少なくとも

・「誰に」

・「何を」

・「どうやって」

という3つの軸はしっかり決めておきましょう。

 

  • 主な顧客は?ターゲット層

まずは、自分のサービスや商品を「誰に」売るのかというターゲット層を決めます。万人ウケする商品やサービスは既に出揃っていることが多いので、今までにない価値を生むならピンポイントにターゲットを定めるのが重要です。

さらに、ターゲット層は具体的に定めておきましょう。例えば、「若い女性」というだけではなく、「18〜25歳の女性」「○○が好きな若い女性」など。そうすると、その層の平均収入や生活スタイルから求められているものが見えてきやすいです。

 

  • 「何を」売りたいモノ・サービスは?

次に、ターゲット層から見えてきたニーズを形にします。このとき、ただ理想を追い求めるだけではなく、原価率や生産効率などが現実的かどうかも重視しましょう。

モノやサービスを具体的にしていく中で何度もブラッシュアップを重ね、他社にはない独自の価値が創造できるといいですね。

 

  • 「どうやって」販売方法は?

最後に、流通経路を決めていきます。

・受注生産

・店舗販売

・通信販売

など、どの販売形態が顧客にアプローチしやすいか考えてみましょう。

また、商品を宣伝するマーケティング方法についても合わせて考えます。ネットショップでの販売・SNSを活用した広報活動など、販売・広報に資金を割かずに事業を行うこともできますよ。

 

2.≪資金の計画・調達方法≫

具体的なビジネスモデルが決まったら、次に実際に資金を集めていきます。

資金調達は、

・企業資金の把握

・自己資金を貯める

・融資や助成金など他者から調達

というステップで行なっていきます。

 

(1)必要な起業資金を試算・把握する

どれくらいの資金が必要かわかっていないと、集めようにも集められません。資金が潤沢であるに越したことはありませんが、起業するにはどれくらいの金額がかかるのか把握しておきましょう。

 

  • 店舗・事務所・機械などにかかる設備資金

起業するのにまずかかるのは、店舗・事務所・機械などにかかる設備資金です。設備資金は、起業資金の中でも大きな割合を占めることが多くなります。

 

以下のようなものが、設備資金に含まれます。

・店舗・事業所関係:敷金、礼金、仲介手数料、改装費、看板制作費 など

・設備費:机、椅子、パソコン、プリンター、電話、車、レジスター、棚、厨房機器 など

・備品費:ユニフォーム、食器、事務用品 など

・広告宣伝費:チラシ、Webサイト、雑誌広告 など

 

店舗や事務所を借りるための初期費用は、家賃の10ヶ月分くらいが目安。改装などを行う場合、さらに500〜2,000万円ほどかかることもあります。

なお、必ずしも事業所が必要ないビジネスモデルなら、まずは自宅で始めると大幅に資金を節約できますよ。

 

  • 仕入れ・給料・広告費などの運転資金

次に、仕入れ・従業員の給与・広告費など、事業を運転していくための資金も必要です。以下のような費用(運転資金)が毎月いくらかかるのか把握しておきましょう。

 

・家賃

・人件費・経営者の生活費

・仕入れ代金

・水道光熱費

・通信費

・広告宣伝費

・借入れ返済額

 

運転資金が尽きるのが早いと、起業直後に倒産を余儀無くされてしまいます。事業が軌道に乗るまで、半年〜1年くらいは赤字でも運転できるくらいの資金は用意しておきたいものです。

 

(2)自己資金を貯める

自己資金とは自分の貯金の中で事業に回せる資金のことです。返済や利息が必要ないので、自己資金の割合が高いほど余裕を持って事業を運営することができます。可能であれば、全て自己資金で起業できるのが理想でしょう。

ただし、融資の審査は起業時より起業後の申込みの方が厳しくなります。自己資金のみで起業すると、もし立ち行かなくなって融資を受けたいときに審査が通りにくい場合があるので注意が必要です。

 

(3)他から調達する場合

自己資金だけでは起業できない場合、他から融資を受けて起業資金を調達します。

 

  • 金融機関から融資を受ける

銀行などの金融機関から融資を受けるのはとてもポピュラーな方法です。

しかし、個人で起業をしたい場合、メガバンクから創業融資を受けることは基本的にできません。地方銀行は、地元の起業家を応援する意味もあって起業融資に積極的なことが多いです。

 

  • 日本政策金融公庫の新創業融資制度を利用する

日本政策金融公庫は、少額の融資で起業家を応援してくれます。事業実績がない企業でも、無担保・無保証で3,000万円(うち運転資金1,500万円)まで融資を受けることが可能です。

 

  • 助成金・補助金など自治体の支援制度を利用する

国や自治体が、起業家を応援するための助成金・補助金を設けていることもあります。事業内容や事業所を置く場所によって限定的に受けられる助成金・補助金もあるので、ビジネスモデルを考えるときにチェックしておきましょう。

 

  • クラウドファンディングを活用する

 

近年注目されている資金調達方法が、クラウドファンディング。インターネットを通じて、事業内容に賛同してくれる人たちから少額ずつ融資を募るものです。

資金調達段階からPRの代わりになるので、マーケティングを兼ねることもできます。

 

3.≪起業の種類≫

次に、起業に向けての手続きを行います。

・法人を設立する

・個人事業主として開業する

それぞれの方法で、必要となる手続きが異なります。

 

(1)法人を設立する

法人を設立するには、公証人役場・法務局・税務署・年金事務所・労働基準監督署での手続きが必要です。

 

以下のステップを踏んで、法人登録をしていきます。

・定款を作成し、公証人役場の認証を受ける

・法務局に行き、設立登記を行う

・税務署に行き、法人設立届出書を提出する

・年金事務所で、健康保険と厚生年金保険加入の手続きをする

・労働基準監督署で、労働保険加入の手続きをする(従業員を雇う場合)

 

(2)個人事業主として開業する

個人事業主として開業するのは、法人の設立よりもずっと簡単です。

 

  • 手続きは税務署で開業届を提出するだけ

 

個人事業主として起業する手続きは、税務署に「個人事業の開業・廃業等届出書」を提出するだけです。この手続きは、開業から1ヶ月以内に行います。費用は特に必要ありません。また、青色申告を行う場合や、従業員を雇って給与を支払う場合は別の届け出が必要になります。

このような計画がある場合は、開業届と一緒に手続きを行うとスムーズです。

 

4.≪高校生におすすめ!大学で起業を勉強できる時代≫

アップルやマイクロソフト、フェイスブックなど、学生起業家が起こした大企業は多数あります。若い起業家は、フレッシュなアイデアや学生のエネルギーを利用できるのが最大のメリットです。

 

(1)起業家支援施設や育成施設がある

「起業をしてみたいけど、知識がなくて不安」という学生向けに、起業家支援施設や育成施設が増えています。知識が豊富なスタッフや、同じく起業を志す仲間と出会う場にもなるため、起業を考えている学生は一度訪れてみるのがおすすめです。

起業に役立つ知識はもちろん、空き店舗の斡旋や起業後の経営相談をしてくれる施設もありますよ。

 

(2)学生の企業への出資制度がある大学も

学生の起業をサポートするために、学生の企業に出資などの支援を行う大学があります。

 

・日本経済大学

・慶應義塾大学

・早稲田大学

・京都大学

・大阪商業大学

・同志社大学

・岡山大学

・九州情報大学

など

 

大学時代に起業をしたいと思っている高校生は、起業家支援を軸に大学を選んでみてはいかがでしょうか。

 

(3)専属アドバイザーがいることも

学生の起業支援に力を入れている大学では、専属の起業アドバイザーの力を借りられることもあります。経済・経営系の学部なら、豊富な知識を持つ教授が相談に乗ってくれることも。

学生起業家は、周りの力を借りやすいというメリットもあるのです。

 

5.≪独立起業するのは難しい?≫

独立起業は、決して難しいことではありません。元手がかからず、パソコン一台で始められる事業もあります。まずは挑戦してみて、軌道に乗りそうなら本業化するというのも一つの方法です。

 

(1)会社に勤めながらネット副業 週末起業する人も

今は、クラウドソーシングなどを利用して誰でもフリーで仕事ができる時代です。ライティング、プログラミング、デザインなど、仕事で培ったスキルがあれば、会社の給与より高収入が得られることも。まずは副業から始め、事業が軌道に乗ったところで退職して本業化すると、収入が途切れることがなく安心です。

 

(2)女性起業家も増加 主婦の趣味・経験を活かした起業例

結婚後は家に入るのではなく、自分のスキルを活かした起業をする女性も多くなっています。

 

  • 子育て経験を活かして 育児ビジネス

子育て中、様々な不便に気づいて「こんな商品・サービスがあればいいのに」と思う女性は多いです。そんなアイデアを行かせるのが、子育て経験のある女性による育児ビジネス。子育て中のピンポイントなニーズを押さえた商品やサービスなど、女性による育児関連の起業が注目されています。

また、自分の子育てが終わったあと、ベビーシッターとして活躍する女性も多いですね。

 

  • 自宅でできる お教室やエステサロン

料理・洋裁・ヨガ・フラワーアレンジメントなど、自分の興味や特技を活かせるのが自宅で行うお教室。結婚や出産で退職したエステティシャン・ネイリストが、自宅でサロンを開くというケースも多いです。家庭の都合で出勤や長時間勤務が難しい、人に教えられる特技があるという女性におすすめの起業方法です。

 

  • カフェなどの飲食店経営も

 

「個人で起業」というと思い浮かべる人の多い、カフェなどの飲食店経営。飲食店経営には保健所の飲食店営業許可、お酒を扱う場合は税務署の酒類販売業免許が必要ですが、スキルの面では比較的ハードルが低い起業方法です。

 

6.≪起業を考えたら≫

「起業」というワードが頭に浮かんだら、まずは行動あるのみです。経営者には行動力が必須スキルですから、第一歩を踏み出してみるのが大切ですよ。

 

(1)まずはネットや本で勉強してみる

起業に関するノウハウを書いた本は、書店に数え切れないほどあります。また、インターネットでは無料の起業関連サイトも多く、知識の入り口としておすすめです。漠然と「起業したい」と思うだけでは始まりません。本やネットの知識をもとに起業について多方面から考えてみましょう。

 

(2)税金やお金の知識は必須

ビジネスは理想や熱意があれば成功するものではありません。起業をするなら、一般常識以上の税金やお金の知識は必須となります。できれば簿記の資格を持っていると、起業後に帳簿付けなどの作業がスムーズにできますよ。

 

7.≪まとめ≫

起業するには、実現可能なビジネスモデルを具体的に考えるのが大事です。その後、起業するまでには資金調達・起業の手続きというステップがあります。

学生や主婦、いま会社勤めをしている方でも、やり方次第で起業は可能。起業したいと思ったら、まず知識集めから始めてみましょう。

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2019/02/05 勘定科目とは?選び方・注意点を解説

個人事業主や法人の代表として、記帳をする時にわからなくなることが多い「勘定科目」。勘定科目の定義は、「表示金額の内容を示す名称」です。

今回は、法人・個人事業主が使用する勘定科目の定義や分類方法、分類するときの注意点について解説していきます。

全ての種類を覚えるのは大変ですが、分類の仕組みは意外と単純なので、理解しておくと便利です。

 

1. ≪勘定科目とは?≫

勘定科目の定義としては、簿記の仕訳や財務諸表に記載する、表示金額の内容を示す名称のことを言います。詳細は後ほど解説しますが、大まかに「資産」「負債」「純資産」「収益」「費用」の5種類に分類され、それぞれさらに細かな勘定科目があります。

 

例えば、現金で土地を購入した場合、購入した土地は「資産」の「有形固定資産」という種類に分類され、勘定科目は「土地」になります。

逆に支払った現金は、「費用」の「販売費及び一般管理費」という種類で、勘定科目は「地代家賃」になります。

 

分類する時は、細かな勘定科目ではなく、分類するときの定義を覚えておくと便利です。

また、勘定科目自体は自由に名称をつけられるので、法人によって種類が異なります。個人事業主や法人の代表者として記帳を行う時は、大まかな分類や定義だけ把握しておき、細かな種類分けはわからない時に調べて行えば問題ありません。

 

(1)勘定科目はなぜ必要なのか?

勘定科目が必要なのは、何にどれくらいお金がかかっているかを把握するためです。

記帳は、極論すれば「入ったお金」「出て行ったお金」「借りているお金」「貸しているお金」等のお金の動きだけが分かればできますが、具体的に何に使っているかまでは分かりません。

 

勘定科目を用いて動きだけではなく種類分けをすることで、具体的にどういった費用がかかっているか、どのくらいの収益が見込めるかが明確になります。これは、経営判断の材料にするため・関係先に経費の動きを見せるため・税金の計算をするために必要なことです。銀行に法人ローン申請をするときも、勘定科目で詳細な経費の動きを確認することは融資判断のポイントとなります。

また、勘定科目の種類によってかかる税率が変わる場合もあるので、計算のために正しい種類に分類する必要があります。

 

(2)法人でよく使われる勘定科目は?

法人でよく使われる勘定科目の種類について、まとめていきます。

勘定科目の定義は法人によって自由に変えられるので、今回ご紹介するのは一般的なものです。自由に定義付けられるからといって、あまりにも一般的なものとかけ離れていると取引先や銀行が把握しにくいので、基本的には一般的な勘定科目を使用しましょう。

 

「資産」区分の法人がよく使う勘定科目

  • 現金:口座・金庫などにある紙幣と硬貨、郵便為替証書、配当金領収書、送金小切手など
  • 売掛金:取引先に後払いで掛け売りしている料金を受け取る権利(1年以内に回収が見込まれるもの)
  • 商品:店舗や倉庫にある在庫商品
  • 建物:事業を行うために所有している建物
  • 車両運搬具:事業に必要な車・バイク・トラックなど

 

「負債」区分の法人がよく使う勘定項目

  • 買掛金:後払いで商品を購入したとき、支払いをする義務
  • 短期借入金:銀行からの借入、手形借入金、当座借越など(返済期限が1年以内のもの)
  • 長期借入金:銀行からの借入、手形借入金、当座借越など(返済期限が1年以上あるもの)
  • 未払金:未払いの水道光熱費・クレジットで支払った費用など
  • 前受金:水内金、手付金、前渡金など

 

「収益」区分の法人がよく使う勘定項目

  • 売上高:商品やサービスの対価として得た収益
  • 受取利息:有価証券利息、貸付金利息、普通預金利息など

 

「費用」区分の法人がよく使う勘定項目

  • 仕入高:商品の入れ代金、仕入れ時に発生する運賃など仕入れにかかる費用
  • 外注費:業務を外部委託するのにかかる費用
  • 給与手当:正社員の給料
  • 賞与:ボーナス
  • 福利厚生費:慶弔見舞金、通勤費、社内レクリエーション費用、健康診断費用など
  • 消耗品費:事務用品・備品など
  • 貸借料:リース料、レンタル料
  • 修繕費:建物・車・備品などの修繕にかかる費用
  • 水道光熱費:電気・水道・ガス代など
  • 接待交際費:得意先に行う接待費用
  • 法人税、住民税:法人税、住民税、事業税、預金利息の源泉税および事業税

 

  1. ≪勘定科目は5つに分類できる?≫

先にもご紹介しているように、勘定科目は大きく5つに分類できます。

大まかな分類の定義さえ外していなければ、細かな勘定項目は正確な計算にはあまり関係ありません。5つの分類の定義について、わかりやすくまとめていきます。

 

・資産:法人が持っている財産のことです。現金・土地・すぐに回収できる売掛金など、万一の場合には現金化できるものを言います。

・負債:法人が他者から借りている借金です。

・純資産:資産から負債を引いたものです。

・収益:売り上げなど事業で得た収入です。

・費用:収益を得るために必要な出費のことです。

 

  1. ≪勘定科目の一覧と仕訳方法の例≫

勘定科目の名称の付け方は法人によりそれぞれなので、全てを並べると膨大になります。

法人がよく使うメジャーな勘定科目を一覧にしてみました。

 

「資産」

現金・当座預金・普通預金・定期預金・現金過不足・支払手形・受取手形・貸倒引当金・有価証券・商品・貯蔵品・立替金・未収金・短期貸付金・未収収益・前払費用・仮払金・仮払消費税・建物・構築物・機械装置・車両運搬具・工具器具備品・減価償却累計額・一括償却資産・土地・無形資産・敷金・保証金・出資金・保険積立金・長期貸付金・長期前払費用・創立費・開業費

 

「負債」

買掛金・支払手形・短期借入金・未払金・未払法人税等・未払消費税等・未払費用・預り金・借受金・前受金・前受収益・仮受消費税・長期借入金

 

「純資産」

資本金・資本準備金・利益準備金・繰越利益余剰金・事業主貸・事業主借・元入金

 

「収益」

売上・受取利息・受取配当金・有価証券評価益・有価証券売却益・雑収入・固定資産売却益

 

「費用」

仕入高・期首商品棚卸高・期末商品棚卸高・会議費・外注費・貸倒損失・寄付金・給料手当・業務委託費・ソフトウェア等・賃借料・交際費・修繕費・消耗品費・保険料・地代家賃・広告宣伝費・役員報酬・賞与・採用教育費・福利厚生費・新聞図書費・減価償却費・研究開発費・租税公課・荷造運賃・支払い手数料・通信費・退職金・雑給 など

 

勘定科目の分類は、基本的には読んで字のごとくで、定義に当てはまりそうな科目に分ければ問題ありません。

簡単な例を挙げると、ノートやペンなど事務用品を購入した費用は「事務用品費」や「消耗品費」に分類します。ただし、事務用品とその他の消耗品を分けるかどうか、消耗品以外の備品もまとめて計上するかなど、細かな決まりは会社ごとに異なります。

また、期末に無理に経費を使い切ろうと大量の事務用品や消耗品を購入すると、税務署の監査によって「費用」である「消耗品費」ではなく「資産」である「貯蔵品」と見なされてしまうなど、例外もあります。

 

  1. ≪勘定科目の注意点≫

勘定科目を分類するときの注意点について、解説していきます。

 

(1)自由に付けられるため企業により違う

勘定科目は法律で決まっているわけではありません。法人ごとに、独自の分類で記載することが可能です。

例にも挙げたように、事務用品の購入費用が「事務用品費」になるのか、「備品費」「消耗品費」等になるのかは、企業によって異なるのです。

 

(2)一般型なものが望ましい

勘定科目を記載する帳簿は、社内だけではなく社外の人の目に触れることもあります。そのため誰にでもわかりやすいよう、一般的な勘定科目を使ったほうがいいでしょう。

会計ソフトの設定をしたり決算書を作成したりするときにも、一般に浸透している勘定科目の方がスムーズに作業できます。

 

(3)同じ勘定科目を一貫して使う

一度選択した勘定科目は、途中で変更せず継続して使わなければいけません。例でいうと、同じ事務用品の購入費用が「事務用品費」「備品費」「消耗品費」などそのときによってブレがあってはいけないのです。

同じ勘定科目を使い続けることで、経費の動きを正確に把握し、的確な経営判断をすることができます。

ただし、途中で業務形態が変わった時には、例外として勘定科目を見直す場合もあります。

 

  1. ≪まとめ≫

勘定科目は、種類が多く全てを覚えるのは大変です。

しかし、日常的に頻出する勘定科目は限られていますし、大まかな分類の定義を理解していれば誰でも簡単に仕訳することができます。分類に迷うものはその都度調べて記載すればいいので、それほど難しく考える必要はありません。

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2017/09/15 東京・大阪の経理代行|不動産業の経理③「不動産管理業の経理のポイント」

経理の求人・人材は派遣より安くて高品質の東京・大阪経理代行へ!

こんにちは、代表で税理士の古殿哲士です。

 

前回は不動産賃貸業の経理業務や記帳で気を付けたいポイントをご紹介しました。

今回は不動産管理業経理業務記帳で気を付けたいポイントをご紹介します。

 

不動産管理業とはオーナー(家主)から物件とその入居者(テナント)の管理を請け負う業態で、

管理費や清掃代、建物の修繕等で収益を上げています。

経理代行・記帳代行は東京・大阪経理代行

 

①管理費の仕訳方法

管理費については入居者から集金する家賃の中から差し引き、

残った金額をオーナーに支払う形が一般的ですが、

会計処理上では下記のように仕訳する必要があります。

 

(例)入居者から家賃10万円を集金し、管理費5000円を差し引きオーナーに支払う場合

<集金時>

借方 金額 貸方 金額
現金(資産) 100,000 預り家賃(負債) 100,000

<オーナーへの支払い時>

預り家賃(負債) 100,000 現金(資産) 95,000
管理手数料収入(収益) 5,000

★ポイント

・集金した家賃は収益として扱わず、「預り家賃(負債)」の増加として扱う
・オーナーに支払う家賃は費用として扱わず「管理手数料収入(収益)」の増加として扱う

 

②修繕費の仕訳方法

修繕費や清掃代の仕訳に関しては主に2つのパターンがあるため、例を使って解説していきます。

 

(例)入居者から家賃10万円を集金し、修繕費1万円を施工業者に支払い、
  差し引いた分をオーナーに支払う時

 

A.管理会社が、オーナーと施工業者の仲介のみをする場合(収益を計上しない場合)

<集金時>

借方 金額 貸方 金額
現金(資産) 100,000 預り家賃(負債) 100,000

<施工業者への支払い時>

預り家賃(負債) 10,000 現金(資産) 10,000

<オーナーへの支払い時>

預り家賃(負債) 90,000 現金(資産) 90,000

 

B.管理会社が、オーナーから修繕業務を委託され、施工業者に外注する場合

(収益を計上する場合)

 

(例)入居者から家賃10万円を集金し、修繕費1万円を施工業者に支払い、

差し引いた分をオーナーに支払う場合

<集金時>

借方 金額 貸方 金額
現金(資産) 100,000 預り家賃(負債) 100,000

<施工業者への支払い時>

預り家賃(負債) 10,000 補修工事収入(収益) 10,000
外注費(費用) 10,000 現金(資産) 10,000

<オーナーへの支払い時>

預り家賃(負債) 90,000 現金(資産) 90,000

 

このように、同じ取引でも収益を計上するか否かで仕訳の方法が変わってくる場合があります。

 

弊社では専門知識のある税理士が経理代行記帳代行を行っておりますので、

仕訳の方法についてお困りの方は、東京・大阪経理代行へお気軽にお問い合わせください。

親切・丁寧に対応させていただきます。

 

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2017/09/08 東京・大阪の経理代行|不動産業の経理②「不動産賃貸業の経理のポイント」

経理の求人・人材は派遣より安くて高品質の東京・大阪経理代行へ!

こんにちは、代表で税理士の古殿哲士です。

 

前回は不動産取引業の経理業務や記帳で気を付けたいポイントをご紹介しました。

今回は不動産賃貸業経理業務記帳で気を付けたいポイントをご紹介します。

 

①フリーレント物件の会計処理

近年、「フリーレント」の物件が増加しているように感じます。

 

フリーレント物件とは入居してから一定期間は賃料が発生しない物件のことで、

例えば「月12万円の賃料の物件であるが、入居から2ヶ月分の賃料が無料になる」

とういうような物件のことです。

 

このような物件の会計処理において、単純な値引きと考えてしまえば

1ヶ月目:0円
2ヶ月目:0円
3か月目~:12万円

というように収益計上をしていくことになります。

 

しかし、実はフリーレント物件には解約不能条項があるため、

「賃貸借期間全体の賃料から値引きをする」という考え方で会計処理を行う必要があります。

 

上で例示した物件が2年間解約不能な場合、

{(0円×2ヶ月)+(12万円×22ヶ月)}÷24ヶ月=11万円

というように、1ヶ月の賃料を11万円として収益計上していくことになります。

経理代行・記帳代行は東京・大阪経理代行

 

②レントホリデー・段階賃料を適用した物件の会計処理

フリーレントは主に住居用物件で使われる手法ですが、

オフィス用物件やテナント募集時にも同様の手法

レントホリデー」や「段階賃料」が取り入れられています。

 

レントホリデーとは一定期間の賃料を免除する契約のことで、

例えば「入居後2か月間と、入居から2年目の最初の2ヶ月は賃料が無料になる」

というような契約手法です。

 

段階賃料とはその名の通り、入居時の賃料を低く設定しておき、

入居期間の経過と同時に段階的に賃料を値上げしていく契約手法です。

 

レントホリデー・段階賃料の会計処理においても、

フリーレントのように解約不能条項があれば賃貸借機関全体の賃料から

値引きした金額を平均化して収益計上していく必要があります。

 

会計処理は経済的実態に基づいて行われることが多いため、

見かけで判断しないように注意が必要です。

 

弊社では専門知識のある税理士が経理代行記帳代行を行っておりますので、

不動産業の経理業務や記帳についてさらに詳しく知りたい方は

東京・大阪経理代行へお気軽にお問い合わせください。

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2017/09/01 東京・大阪の経理代行|不動産業の経理①「不動産取引業の経理のポイント」

経理の求人・人材は派遣より安くて高品質の東京・大阪経理代行へ!

こんにちは、代表で税理士の古殿哲士です。

 

今月は不動産業の経理について、

取引業・賃貸業・管理業それぞれの経理業務記帳でのポイントと

消費税の課税区分の解説を4回にわたってお届けします。

 

不動産業では土地や建物など高額な取引を行うため、

会計処理の方法を誤ると企業の期間損益に大きな影響を与える可能性があります。

このため不動産業における経理業務は非常に重要な業務だと言えます。

 

【不動産取引業の経理のポイント】

経理代行・記帳代行は東京・大阪経理代行

まずは不動産取引業経理業務記帳で気を付けたいポイントをご紹介します。

 

不動産取引業(宅地建物取引業)とは建物や土地の

売買、仲介、代理販売など、売主として不動産の契約に直接関わる業態のことです。

 

不動産売買を行う場合、

他の卸売業や小売業のように用地仕入れ(土地や建物等の不動産を仕入れること)を行い、

仕入れた不動産を販売するという流れが発生します。

 

しかし、記帳の際には仕入(費用)ではなく棚卸資産の1つである

販売用不動産」の勘定科目を使用します。

また、仕入れた建物が建築中である場合「仕掛販売用不動産」の勘定科目を使用します。

仕入(費用)として計上してしまうと、税務調査の指摘を受けてしまうため注意が必要です。

 

販売用不動産の取得価額を計上するにあたり、

もう一つ注意しなければならないポイントがあります。

 

それは、不動産自体の金額に加えて、

この不動産を取得するために直接かかった諸々の費用を含める必要があるということです。

 

ではどういった金額を含める必要があるのでしょうか?

・土地代金
・仲介手数料
・不動産取得税
・所有権の移転登記の登録免許税
・造成費用
・建築費用
・物件調達部門や企画部門の人件費

 

ただし、不動産自体の金額の概ね3%以内のように少額である下記のような費用については、

販売用不動産の取得価額に算入しないこともできます。

・買入事務、検収、整理、選別、手入れ等に要した費用の額
・販売所等から販売所等へ移管するために要した運賃、荷造費等の費用の額
・特別の時期に販売するなどのため、長期にわたって保管するために要した費用の額

 

不動産の販売用不動産の取得価額に関する会計処理は非常にややこしく、

不動産に関する専門知識が必要不可欠なため、経理の人材を探すのも一苦労だと思います。

 

弊社では専門知識のある税理士が経理代行記帳代行を行っておりますので、

不動産会社で経理をお探しの方は東京・大阪経理代行へお気軽にお問い合わせください。

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