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2019/03/21 減価償却についてわかりやすく解説!計算方法・よくある注意点まとめ

減価償却とは、企業や個人事業主が長期間に渡って使う固定資産を購入した時、毎年一定の割合ずつ経費として計上していく会計処理です。

ある程度高価な品物は、一度使ったからといって価値がゼロにはならないためで、例えば事業所の建物、車両、パソコンなどの機材の購入費などが挙げられます。

この記事では、減価償却の意味や計算方法についてわかりやすく解説していきます。

古殿
古殿
ケース別の処理方法や、節税に役立つ知識もご紹介しますので、ぜひ最後までお読みください!

 

1.減価償却費はどんな経費?

そもそも、減価償却とはどういう意味か知らないという方もいると思います。

とは言え、意味を知らなくても、「減価」という文字から何かの価値が減っていくというイメージは想像できるのではないでしょうか。

 

減価償却費とは、企業や個人事業主が長期間に渡って使う物を購入した時、毎年一定の割合ずつ経費として計上するものです。ある程度高価な品物は、一度使ったからといって価値がゼロにはならないためで、例えば事業所の建物、車両、パソコンなどの機材の購入費などが挙げられます。

年月とともに減っていく価値を、一年で減った分だけ経費に計上するというのが減価償却の基本的な考え方となります。

 

なお、減価償却で価値がゼロになる期間のことを耐用年数といいます。車は6年パソコンは4年など、物品の種類ごとに耐用年数が決まっているので、減価償却費はこれを元に計算します。

減価償却は、厳密には耐用年数が1年以上で、価格が10万円以上の物にのみ適用されます。

古殿
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減価償却の詳しい計算方法は、下の項目でご紹介します!

 

2.減価償却の計算方法は?

上の項目で減価償却の意味をご説明しましたが、減価償却の計算方法には大きなものとしては2種類あります。

それぞれの計算方法や基本の計上方法を、解説していきます。

 

(1)基本的な計上方法

減価償却費の計算方法には「定額法」「定率法」の2種類がありますが、基本的には「定額法」を使います。特に個人事業主は、事前の届け出をしない限り定額法が適用されます。

なお、2007年3月31日以前に取得した減価償却の対象物には、「旧定額法」「旧定率法」が適用されるので注意しましょう。

 

(2)計算が簡単な定額法

定額法とは、毎年同じだけ価値が減っていくという意味で、毎年同じ価格を計上していく計算方法です。

1年分の減価償却額は、「取得価格 ÷ 耐用年数」の額とほぼ一致し、厳密な計算方法は「取得価格 × 定額法の償却率」となります。

「定額法の償却率」は物品の耐用年数によって定められており、国税庁が計算表を公開しています。

 

ただし、耐用年数の最後の1年のみ、帳簿上に物品の購入履歴を残すという意味で便宜的に1円の価値を残します。そのため、耐用年数が終了する年だけ、減価償却額は他の年より1円少なくなります。

例えば、耐用年数4年、価格40万円のパソコンを購入した場合、最初の3年の減価償却費は10万円ずつ、最後の1年のみ99,999円という計算になります。

 

(3)定率法

定率法は、毎年決まった割合で価値が減っていくという意味の計算です。保証率によって償却保証額を設定し、その金額に達するまで購入金額の残高に決められた割合をかけて計算します。

 

計算式は「未償却残高 × 定率法の償却率」です。

「保証率」と「定率法の償却率」は耐用年数によって異なります。国税庁が定めて計算表を公開しているので、それを元に計算しましょう。

 

また、上記の計算で残高が償却保証額以下になった時には、「改定取得価額 × 改定償却率」の式で計算します。

定額法の例と同じように、耐用年数4年・価格40万円のパソコンを購入した場合は、以下のような計算になります。

1年目:購入金額400,000円 × 耐用年数4年の償却率62.5% = 250,000円

2年目:残高150,000円 × 62.5% = 93,750円

3年目:残高56,250円 × 62.5% = 35,156円

4年目:残高21,094円 × 62.5% = 13,183円

こういった計算で、徐々に減価償却額が少なくなっていくのが定率法です。

古殿
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ただし、全てのものが定率法で計算できるわけではありません。建物や建物付属設備、無形固定資産、生物など、定率法が適用されないものもあるので注意しましょう!

 

(4)定額法と定率法どちらがいい?

定額法と定率法は、個人事業主は定額法を使い、法人は定率法を使うのが基本になります。

ただし、建物は定額法を適用するなど、その固定資産によって計算方法が決まっているものもあります。

計算が簡単で、明確なのが定額法のメリットです。また、毎年の経費が一定になるので、経営戦略を立てやすいという側面もあります。

定率法は、償却期間の前半は負担が重く、後半は軽くなるのが特徴です。例えば、投資した設備の利益が早く出ていれば、早く償却を済ませられる定率法にメリットがあります。

古殿
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そのため、定額法と定率法は、事業の経営状態によって使い分ける必要があります。

 

3.耐用年数と減価償却期間の関係

耐用年数とは、先に解説した通り、その物品が利用できる年数という意味です。

減価償却期間も耐用年数から計算し、新品を購入した場合は基本的に減価償却期間と耐用年数は同じです。ただし、中古の物品を購入した場合は、残存耐用年数が減価償却期間となります。

また、既に耐用年数をオーバーしている場合、最短4年を限度として好きな年数を減価償却期間として設定できます。その物品や施設への投資がどのくらいの期間で回収できるのかを見極めるのが、節税や事業拡大のポイントとなるのです。

 

4.減価償却に関するよくあるQ&A

減価償却に関する、よくあるQ&Aをご紹介します。減価償却の計算に迷った時に、ぜひ参考にしてみてください。

 

(1)中古品を購入した場合はどうすればいい?

購入した中古品の価格が新品の50%以上だった場合、法定耐用年数がそのまま減価償却期間となります。それ以下の価格の中古品は、法定耐用年数ではなく、その事業に今後使い続けると思われる見込みの期間を減価償却期間に設定します。

期間の見積もりが難しい場合、耐用年数が終わっている資産は「耐用年数×20%」、耐用年数の一部が終わっている資産は「耐用年数−経過した年数+経過した年数の20%」という計算になります。

ただし、計算結果に1年未満の端数が出る場合は切り捨て、2年未満になる場合は全て2年と設定します。

 

例えば、新品のパソコンの耐用年数は4年です。既に4年使用された中古のパソコンを購入した場合、4年 × 20% = 9.6ヶ月なので、切り上げて2年です。

また、1年使用されただけの中古のパソコンは、4年 – 1年 + 1年 × 20% = 3年2.4ヶ月です。その場合は2.4ヶ月を切り捨てて3年が減価償却期間となります。

 

(2)1年の途中に購入したらどうすればいい?

1年の途中に物品を購入した場合、その月から12月までの月割の金額で減価償却します。

例えば、耐用年数4年・価格40万円のパソコンを10月に購入・使用開始した場合、1年あたりの減価償却額10万円の1/4である25,000円をその年の経費として計上します。

 

(3)売った場合はどうすればいい?

法人が減価償却中の資産を売却した場合、売れた金額が未償却の残高より高いかどうかで処理方法が違います。

売却で利益が出た場合「未償却残高」「売却益」に分けて仕訳帳に記入します。逆に損失が出た場合は「未償却残高」「売却損」です。

 

(4)処分してしまったらどうすればいい?

物品が耐用年数の途中で壊れるなどして処分した場合、帳簿上の未償却残高をゼロにする処理を行います。

「固定資産除却損」として未償却残高の金額を仕訳帳に記載することで、未償却残高がリセットされます。

 

(5)減価償却しないものってある?

長年使用しても、価値が落ちないと判断される資産は減価償却できません。

例えば、土地や電話加入権、絵画、骨董品、ゴルフ会員権などは、時間の経過によって価値が減るものではないので減価償却しません。売却や廃棄するまで、資産として計上します。

 

5.青色申告の少額減価償却資産の特例とは?

青色申告には、「30万円未満のものは、一括でその年の経費として計上することが可能」という特例が用意されています。

例えば、パソコン、オフィスチェア、デスク、コピー機、エアコンなど、減価償却できる資産で30万円未満のものは多くあります。そういったものは、青色申告の個人事業主・法人に限り、合計300万円まで一括で経費に計上できるのです。経費を嵩増しできるので、知っておくことで節税に使えるテクニックです。

ただし、年内に購入しても、使わず放置していた資産は計上できません。また、年の途中で開業した場合は、300万円を月割にして算出した金額が限度額となるため注意しましょう。

 

6.まとめ

減価償却の意味や計算方法が、よく理解できましたでしょうか。

減価償却は単純そうに見えて、意外と細かな計算が必要な処理です。

古殿
古殿
しかし、決算や確定申告を行うには必ず必要な知識なので、ぜひやり方を覚えておきましょう!