東京・大阪経理代行サポートセンターPowered by スタートパートナーズ会計事務所

012-345-6789 受付時間:XX:00~YY:00(平日)

トップへ戻る 経理代行診断 メールで相談 トップへ戻る

カテゴリ:
2019/02/12 開業届は出した方がいい?メリット・デメリットから解説

個人事業主の方が起業する際に税務署へ提出する「開業届」ですが、なんのために必要なのか、本当に出さなければならないものなのかと疑問に感じたことはありませんか?

ここでは、開業届を提出するメリット・デメリットから開業届などの書き方まで、開業届のあれこれについてまとめました。

 

1. ≪開業届とは?≫

開業届とは、正式名称を「個人事業の開廃業届出書」といい、個人事業を開業したことを税務署に届出するための書類です。

個人事業主には、所得税・住民税・消費税・個人事業税が課せられます。この税金を納めるために、個人事業主は開業したことを税務署に知らせる必要があるのです。

開業届を提出すると、税務署から納めるべき税金についての案内が送られてきます。ただし、開業届を提出しなかった場合の罰則は特に設けられていません。

 

  1. ≪開業届を提出するメリットはある?≫

税務署に開業届を出さなくても罰則はありませんが、提出するメリットはあります。まずは、個人事業主が開業届を提出するメリットについてご紹介します。

 

(1)青色申告で確定申告できるようになる

開業届を提出する最も大きなメリットは、白色申告より節税効果の高い青色申告ができるようになることです。

ちなみに、青色申告をするためには、開業届を提出したあとで「青色申告承認申請書」の提出も必要です。青色申告が目的で開業届を出す場合には、青色申告承認申請書の提出を忘れないようにしましょう。

 

青色申告は白色申告よりも帳簿付けの方法が少し複雑ですが、貸借対照表を作成することで事業所得から65万円を控除することができるため、大幅な節税になります。2014年からは、それまで帳簿付けが必要なかった白色申告にも帳簿付けが義務付けられたので、現在は青色申告も白色申告も労力の面では大差はありません。

青色申告の承認申請書を提出するだけで節税効果の高い青色申告が可能になるので、税制で得をしたい個人事業主にとっては、開業届は基本的に出しておいたほうがいい書類です。

また、開業前後に銀行融資を予定している個人事業主の方は、銀行から提出書類の1つとして求められることが多いです。

 

(2)屋号で口座を開設できる

開業届を提出すると、個人名ではなく屋号で銀行口座を開設できるようになります。

個人の口座を事業に利用しても特に問題はありませんが、経費の計算などをするためには、事業用とプライベート用の口座が分かれていた方がなにかと楽です。

また、振込口座が個人事業主の屋号名義になっていることで、取引先からの信用も増します。

 

(3)個人事業主向けの共済等に申し込める

経営が不安定になりがちな個人事業主には、将来の不安が付きものです。そういった不安を解消するための個人事業主向けの共済や積立に申し込むにも、開業届の提出が必要です。

代表的なのは「小規模企業共済」で、こちらは開業届さえ提出すれば実績がなくても申し込むことができます。万が一事業が失敗した時のセーフティネットになるので、起業から日の浅い経営者ほど入っておいたほうが有利です。なお、小規模企業共済は、法人の役員も加入できます。経営者にとっての退職金代わりとしての位置づけも持っています。

 

  1. ≪開業届を提出するデメリットはある?≫

開業届には、メリットだけではなくデメリットもあります。具体的にはどんなデメリットがあるのかを見ていきましょう。

 

(1)失業保険が受け取れなくなる

以前勤めていた会社を辞めて個人事業主になったり法人を設立したりする場合、開業届・法人設立届を提出すると失業保険が受け取れなくなります。

失業保険はその名の通り失業中で無職の人のための保険なので、開業届を出して経営者になった人には支払われません。開業後すぐに経営が軌道に乗るとも限らないので、貯蓄や後ろ盾のないまま仕事を辞めて個人事業主になった方は、失業保険を受け取ってから開業届を出した方が安心でしょう。

 

(2)確定申告をしないと、指摘される可能性あり

開業届とは、言わば「これから事業を始めます」という税務署に対する宣言です。事業には利益が伴うのが前提なので、事業を始めるという宣言をしておいて確定申告をしないと、所得隠しを疑われてしまいます。

開業届を提出しなければ、事業をしていることが税務署に知られないので、そのようなトラブルが起こる可能性は低いです。

 

しかし、事業での収入があるのに確定申告をしないというのは、すなわち脱税を意味します。所得をごまかして脱税をしたいと考えている経営者や個人事業主にとっては、事業の存在を税務署に知らせる開業届を出すのはデメリットとなるでしょう。

脱税せず正々堂々と事業をするには、開業届と確定申告が必須です。青色申告で税制が優遇されるのは、脱税をせずきちんと申告をした褒賞のような意味合いもあります。

 

(3)国民健康保険の減免ができない可能性がある

個人事業主は、ほとんどの場合、国民健康保険に加入することになります。会社に所属していない個人事業主は、開業届を出していなければ無職の人と区別がつかないため、条件によっては保険料が減免される可能性があります。

しかし、開業届を提出すると、個人で事業を行なっていることが税務署に知られるため、保険料の減免は受けられない可能性があります。

 

  1. ≪開業届の作成・提出方法を解説≫

 

それでは、実際に開業届を提出する場合の流れについて、解説していきます。

 

(1)開業届はどこで入手できる?

開業届は、国税庁のホームページからダウンロードするか、最寄りの税務署で入手できます。青色申告をする場合は、一緒に「青色申告承認申請書」も入手すると便利です。

 

(2)開業届の書き方

開業届の書き方には、あまり難しい事はありません。基本的には、求められる項目を埋めていくだけです。

開業届の正式名称は「個人事業の開業・廃業等届出書」なので、まずこの「開業」の部分にマルをつけましょう。その後、氏名、「納税地」となる自宅や事業所の住所、マイナンバー、職業、屋号を上半分の枠内に書き込みます。

屋号は自分の好きにつけて構いませんし、もしなければ空欄でも提出できます。

 

下半分の枠内には、開業日、事業の詳細な内容、従業員数、給与の支払い方法などを記入します。このとき、もし納税地として記載した住所と住民票がある場所や現住所が違うなら、その住所も記載しておきます。そして、氏名の横に捺印して、書類は完成です。

なお、開業日については細かい定義が難しい部分があります。

法人と違って商業登記の義務がないため、何をもって開業とするのかという疑問を持つ方も多いでしょう。結論からお話すると、個人事業主の場合、開業日の定義に明確な決まりはありません。例えば、飲食店の場合、オープンした日を開業日とするケースが多いと思いますが、独立しようと思い立った日を開業日とする方もいらっしゃいます。どちらも正解と言えます。ただし、売上が発生してから後の日付で開業した日とするのは、常識的に考えて少し難しいと言えるでしょう。曖昧な分、判断に迷う論点ではありますが、売上が発生する前の日付を「開業日」としていれば特に問題はないでしょう。

 

(3)開業届以外の必要書類は?

開業届を提出する際は、マイナンバーと本人確認が必要です。

マイナンバーカードを持っていれば一枚で済みますが、ない場合はマイナンバー通知カードと運転免許証などの本人確認書類の2種類が必要となります。これらを提出時に窓口で提示するか、または写しを添付して提出します。

帳簿などの経営の実績を示す書類は、開業届を提出する時点では必要ありません。

 

(4)開業届の提出期限

開業届の提出期限は、原則的に開業から1ヶ月以内です。

開業から1ヶ月以内よりも遅れたからといって特に罰則はありません。青色申告の承認申請書と合わせて提出する個人事業主の方がほとんどでしょうから、新規開業の場合、開業日から2ヶ月以内にセットで提出すれば、提出年度分から青色申告ができて特に問題になることもありません。

 

  1. ≪開業届提出のタイミングはいつ?≫

基本的には、開業届は開業したらすぐに提出をします。開業日にこだわりがある場合には、その日を起点に1ヶ月の期限内に提出しましょう。

もし失業保険を満期まで受給したい場合には、前職を退職してから90〜150日の給付期間が過ぎてから開業日を決めて提出しても、問題はありません。

 

  1. ≪まとめ≫

開業届は、本職として個人事業を続けていくのであれば、提出した方が良い書類です。

適正に提出をしないと、脱税や失業保険の不正受給をしてしまう場合もあります。また、提出しなくても罰則は特にないとは言え、提出に特に手間取る書類でもなく提出するメリットの方が大きいので、個人事業の開業に際しては、すぐに出せるよう準備しておくと良いでしょう。