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2019/04/02 知らないと絶対に損!扶養控除の基礎知識

よく耳にする「扶養控除」という言葉ですが、その具体的な意味や仕組みはご存知でしょうか?「年収◯◯◯万円の壁」や扶養親族の範囲など、実はきちんと理解できていない方も多いと思います。

今回は、そんな扶養控除の基礎知識について解説していきます。扶養控除は税額の算出に直接関わることなので、知っておかないと絶対に損ですよ。

 

  1. ≪扶養控除とは?≫

扶養控除とは、収入がない・または少ない親や子供などの親族を養っている場合、一定の金額の控除を受けられる制度のことです。簡単にいうと「養っている家族が多いと大変なので、優遇しましょう」ということですね。

 

納税者の所得から控除額を引き、その額に税率がかかるので、結果的に納税額が減免されます。扶養親族の年齢や同居をしているかどうかで金額は変わりますが、控除額は38〜63万円です。

扶養控除の手続きは、会社勤めの場合は年末調整、個人事業主の場合は確定申告によって行います。

 

  1. ≪配偶者控除・配偶者特別控除とはどう違う?≫

配偶者控除・配偶者特別控除と扶養控除のもっとも大きな違いは、扶養している対象が配偶者か、子供や両親などそれ以外の親族かということです。

配偶者の年収が少ない場合、配偶者を「扶養に入れる」と表現することがありますが、厳密には配偶者は扶養控除ではなく配偶者控除の対象となります。また、内縁の妻・夫など法律上の配偶者ではない人は扶養控除・配偶者控除どちらの対象にもなりません。

配偶者控除・配偶者特別控除はの計算は、扶養控除とは少し異なりますので、詳しくは後の項目で解説します。

 

  1. ≪扶養控除の対象の範囲は?≫

扶養控除の対象となる親族の範囲には、以下の条件があります。

 

  • 年齢が16歳以上
  • 配偶者以外の親族(6親等内の血族及び3親等内の姻族)または都道府県知事から養育を委託された児童(里子)や市町村から養護を委託された老人
  • 納税者と生計を一にしている
  • 年間の合計所得金額(年収)が38万円以下であること(給与のみの場合は給与収入が103万円以下
  • 青色申告者の事業専従者としてその年に一度も給与の支払いを受けていないこと又は白色申告者の事業専従者でないこと

 

(1)子供は何歳から何歳まで対象?

上記の条件で挙げられているように、16歳未満の親族は扶養控除の対象にはなりません。子供を扶養に入れる場合には、16歳以上が対象になります。

平成23年以前は16歳未満の子供も扶養控除の対象だったのですが、これはこども手当の財源とするため廃止されました。

 

一方、その年の12月31日に19歳以上・23歳未満の子供は「特定扶養家族」に区分され、控除額が上がります。この期間は大学進学などでお金がかかる時期なので、税額の上でも優遇されているのです。

 

ちなみに、子供であっても、アルバイトなどで年収を103万円以上得ていると扶養親族から外れてしまいます。「年収103万円の壁」とはここから来ていて、子供が扶養を外れると親の年収に対して税金が多くかかってしまうため、注意が必要です。

 

(2)親も扶養控除の対象?

先の条件で挙げた通り、扶養控除の対象になるのは「6親等内の血族及び3親等内の姻族」です。

 

この範囲の親族とは、

・1等親:父母・子供

・2等親:祖父母・兄弟姉妹・孫

・3等親:曽祖父母・曽孫・叔父叔母・甥姪

 

ここまでは自分の親族・および配偶者の親族が扶養控除の対象です。

 

・4等親:高祖父母、玄孫、祖父母の兄弟姉妹、いとこ

・5等親:高祖父母の父母、来孫、いとこの子供

・6等親:高祖父母の祖父母

これらの親族は、自分の血族、つまり実際に血の繋がりがある親族が扶養控除の対象となります。そのため、1等親である自分の両親・配偶者の両親は、もちろん扶養控除の対象です。

 

(3)同居していないと扶養控除は受けられない?

扶養控除の対象となる親族ですが、同居している必要は特にありません。納税者の収入で生活している、または納税者と支援をしあっている親族は、「生計を一にしている」と見なされて扶養控除の対象です。

そのため、別居している祖父母や、単身赴任の親、留学している子供なども扶養控除の対象になります。ただし、70歳以上の老人扶養親族の場合、同居の有無によって控除額が変わります。

 

  1. ≪扶養控除の金額算出方法≫

扶養控除の金額は、納税者の年収に関わらず一定です。扶養親族一人当たり、以下の金額が年収から控除されます。

 

  • 一般の控除対象扶養親族:38万円
  • 特定扶養親族:63万円
  • 老人扶養親族のうち同居老親等以外の者:48万円
  • 老人扶養親族のうち同居老親等:58万円

 

「一般の控除対象扶養親族」とは、上の項目で挙げた条件に当てはまる、16歳以上の親族のことです。

「特定扶養親族」は、先の項目でも少し触れましたが、12月31日に19歳以上・23歳未満の子供です。

そして、「老人扶養親族」は、その年の12月31日に年齢が70歳以上の扶養親族です。そのうち同居している親族が「同居老親等」となり、別居の老人扶養親族と金額が異なります。

 

扶養している親族が二人以上の場合、一人当たりの金額を全て合計した額が年収から控除されます。

ただし、家庭内に2人以上納税者がいて親族を扶養している場合、1人の扶養親族は1人の納税者の扶養にしか入ることができません。例えば、両親が共稼ぎで16歳以上の子供を扶養している場合、子供の扶養控除を重複させたり、控除額を半分ずつ分けたりすることはできないのです。

 

  1. ≪法律改正で扶養控除・配偶者控除はどう変わった?≫

2018年1月に、配偶者控除と配偶者特別控除の制度が改正されました。

もっとも大きな変化は、扶養者の年収によって控除額が変わるということです。

 

改正前までは、扶養控除の仕組みと同じように、扶養者の年収がいくらであっても、配偶者の年収が103万円以下なら満額の38万円の控除を受けられました。

しかし、改正後は、扶養者の年収が高ければ高いほど控除される金額が少なくなります。扶養者の年収が1,120万円以下の場合、配偶者控除の額は以前までと同じ38万円です。ここから年収が上がるにつれ、1,170万円以下で26万円・1,220万円以下で13万円と金額が下がり、1,220万円以上になると配偶者控除はなくなります。

 

また、配偶者特別控除というのは、被扶養者の年収が103万円を超えている場合、段階的に控除額が下がっていくという制度です。2018年1月の改正で、満額の控除を受けられる年収が150万円まで引き上げられ、そこから201万円までは段階的に控除を受けられます。

この配偶者特別控除も、扶養者の年収が上がる控除額が下がり、1,220万円以上の年収では控除が受けられません。

 

これらの改正により、新たに控除を受けられたり控除額が増えたりするケースが増え、多くの家庭で減税が期待できるようになりました。

ただし、扶養者の年収が高い家庭では、改正の影響で税額が増えるケースもあります。

 

  1. ≪まとめ≫

親族を扶養している場合、扶養控除の仕組みは知っておかないと損です。特に配偶者や家族がボーダーラインに近い年収の場合は、働き方を少し変えるだけで節税して得ができるかもしれませんよ。

親族を扶養に入れるには、働いている会社や確定申告での申請が必要です。ぜひ、扶養控除の仕組みをよく知り、家族の働き方を見直してみてください。