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2019/05/06 1円でもいい?資本金額決定のための基礎知識

株式会社の場合、制度上は1円からでも構わない資本金ですが、実際に事業を始めるとなると、いくらにすればいいのか迷ってしまいますよね。今回は、そんな資本金の基礎知識についてご紹介していきます。資本金の目的や金額の決め方を誰でもわかりやすいよう簡単に解説いたします。

資本金は、少なすぎる・高すぎるとそれぞれデメリットもあるため、安易に決めずにきちんと必要な額を算出しましょう。

  

 

1.≪資本金の目的とは?何に必要?≫

会社を立ち上げたことのない方であれば、そもそも資本金とは何なのかがわからないということもあるかもしれません。

まずは、基礎知識として資本金の目的や必要性について簡単に解説していきます。

 

(1)資本金ってそもそも何?

資本金とは、会社が創立当初から所有している運転資金のことです。賃借対照表では、「純資産」の項目に当てはまります。

株式会社の場合、その会社の株主から払い込まれた出資金とするのが原則です。例えば、株式会社を立ち上げ、一株1,000円で1万株発行し全て払い込まれたケースには、資本金額は1,000万円となります。

合同会社であれば、「社員が全員出資者であること」が条件となるので、社員2人以上で起業する場合には全員が資本金を出し合って創設します。

 

(2)資本金から読み取れること

前の項目でも解説しましたが、資本金は誰かへ返済する必要のない「純資産」のため、資本金の額が多い会社はそれだけ財務に余力があると言えます。そのため、資本金の金額が大きければ大きいほど万が一の時の返済能力が高く、銀行や投資家、取引先などからの信用が得やすくなります。

 

平成18年に施行された新会社法では資本金を自由に設定できるようになったため、資本金1円からでも起業ができるようになりました。

しかし、資本金が1円の会社は、融資する銀行や取引先に「きちんと返済能力があるのか」「本当に代金を払ってくれるのか」という不安に思われてしまうことがあります。また、資本金が少ないと「その程度の心構えで起業したのか」と甘く見られてしまう可能性もあります。

簡単に言えば、資本金額の大きさはそのまま会社の信用度の大きさとなるでしょう。資本金は、ただの数字ではなく、その会社の基礎的な能力をわかりやすく表すものなのです。

 

(3)資本金が高額=良い会社なの?

基本的には、資本金は多いに越したことはありません。特に、設立したばかりの会社はすぐに利益が出せるとは限らないため、最初に高額な資本金を用意できれば利益が出始めるまでの運転資金として使えます。思っていた通りに事業が進まなくても、資本金で会社を維持できる期間が長ければ、改善策を模索する時間を稼ぐこともできます。

また、株式会社の場合、資本金額が大きいということはより多くの投資家からの支持を得ているということなので、事業に成長の見込みがある良い会社と言えるでしょう。

このような会社は、銀行からの融資も受けられやすく、より大きな事業を展開することができます。

 

ただし、後の項目で解説しますが、資本金の額には1,000万円・1億円というボーダーラインがあり、それを超えると消費税や法人税の支払額が変わります。資本金は多いに越したことはありませんが、むやみに大きな金額を用意すれば良いというわけではないということも覚えておきましょう。

 

2.≪資本金の金額はいくらにすればいい?≫

資本金の平均金額は、300万円です。

しかし、会社の事業内容により必要となる金額は異なります。パソコン1台あれば運営できるIT企業と大規模な工場や原料仕入れが必要な物づくり系の企業では、必要な資金に差があることは簡単に想像がつくかと思います。

 

資本金の金額の決定の際は、起業する会社の業態によって必要な資金を算出します。

起業後数ヶ月は利益ゼロでも会社を維持できるだけの金額がいいでしょう。利益が出始めるまで、事業所の家賃や従業員の給与などの必要経費を賄っていけるだけの資本金が必要となります。

具体的には、税制の優遇を受けられる1,000万円以下で、100〜300万円を目安になるべく多く用意するのが理想です。

なお、会社を立ち上げるには登記費用が合同会社で10万円・株式会社で25万円かかるので、その費用も別途見込んでおきましょう。

 

3.≪資本金の決定時に気を付けたいこと≫

先にもお伝えした通り、制度上は1円からでも株式会社を設立できますが、かといって簡単に「1円」と決めてしまうのも良くありません。逆に、資本金が高額すぎても、税制で損をしてしまう可能性があるため、ボーダーラインは知っておく必要があります。

資本金の金額を決める時、気をつけるポイントを解説します。

 

(1)会社の信用に関わることがある

資本金は、そのまま会社の信用度に直結します。特に、1円など極端に資本金額が低い会社は、支払い能力に問題があると判断されて銀行から融資を断られてしまうケースもあります。銀行が融資してくれる額は、大まかに資本金の2倍程度と言われています。資本金が1円では、法人口座も開設できないケースもあるでしょう。

また、一般的に、初めて取引をする会社については資本金を見て判断するケースが多いです。資本金が一定以下の企業とは取引しないというガイドラインを設けている会社もあるため、資本金が少ないせいでビジネスチャンスを逃してしまうことも。

 

そういった問題が生じた場合、資本金を増やす「増資」を行なうことも可能です。

しかし、増資をするための法的な手続きにはそれなりに費用がかかるため、やはり最初に設定する資本金は低くしすぎないようにしなければなりません。先にお伝えしたように、数ヶ月分の運転資金を計算し、必要十分な金額を資本金として用意しましょう。形式的に、1円で会社設立は可能ですが、設立後の実態を考えた場合、この辺りを十分に考慮して資本金を設定するべきです。

 

(2)税負担が軽減できる場合がある

しかし、資本金は、むやみに金額が大きければ良いというものではありません。

資本金が大きくなると支払う税額も多くなるので、必要十分かつ税制で得をする金額に設定しましょう。

 

まず、資本金1,000万円未満の会社は設立1期目・2期目の消費税が免除されます。また、資本金1億円以下の中小企業は法人税率の一部軽減が適用されます。そのため、新規事業を設立する際は1,000万円・1億円のボーダーラインを意識して資本金の額を決めると良いでしょう。

 

そして、都道府県や市町村に支払う地方税についても、資本金が少ない会社は軽減措置の適用を受けられます。例えば、法人市町村民税には、事業利益の有無に関係なく負担する義務がある「均等割」というものがあり、資本金額が1,000万円以下の会社は最低限の税負担で済みます。さらに、段階的に一定の軽減税率が適用されるので、資本金をむやみに大きくしないことで地方税も節税できるのです。

税制面だけで考えた場合、資本金は1,000万円以下で、設立後の運用面を考えた金額に設定するべきであるということが結論になります。

 

(3)許認可が必要な場合の資本金

業界によっては、許認可を得ないと会社の運営をスタートできない場合があります。この許認可には資本金が審査基準となっている場合があるので、自分が企業したい業界の許認可についても確認しておきましょう。

例えば、旅行業は3,000万円・建設業は500万円以上が資本金額のボーダーラインです。また、労働者派遣事業では2,000万円×事業所数の資本金が必要となります。

 

4.≪まとめ≫

資本金の基礎知識について、おわかりいただけましたか?

資本金は少額すぎると会社の信用度が低くなり、高額すぎると税制で損をする場合があります。増資の手続きには手間と費用がかかるため、創設時から適切な資本金額を設定できるようにしましょう。

繰り返しになりますが、資本金は100〜300万円を目安に、1,000万円以下でなるべく多く用意するのが理想です。