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2020/05/07 会社設立の準備に必要なこととは

会社設立の準備は、個人で行うのは大変な大仕事です。各手続きでたくさんの書類が必要なので、準備期間は役所に何度も足を運ぶことになります。

今回は、会社設立準備をスムーズにするために、ステップごとに必要な書類・お金・モノのチェックリストを掲載いたします。

古殿
古殿
会社設立の準備は、全体の流れを把握して着実に進めていくのが大切です!

 

1.会社設立の準備に必要なこと

会社設立には、「定款の認証」と「登記」という手続きが必要です。

そのためには、まず会社の基本事項を決定し、手続きに必要な書類・物・お金を準備しなければなりません。

会社設立をしようと決断したら、まず始めるべき準備について、ステップごとに見ていきましょう。

 

(1)会社の基本事項を決定する

会社設立の準備には、まずは会社の基本事項を決める必要があります。

これらの内容は定款にも記載するので、会社設立を決めたら速やかに決定します。

  • 会社名
  • 本店所在地
  • 事業内容(事業目的・事業年度)
  • 発起人・役員
古殿
古殿
それぞれの決め方や、ルールについて知っていきましょう!

 

①会社名・本店所在地

会社名は事業内容をよく表し、人に覚えてもらいやすいものを考えましょう。

商号に使用できるのは、以下の文字です。

  • ひらがな
  • カタカナ
  • 漢字
  • ローマ字(大文字・小文字)
  • アラビア数字
  • 符号(&、-、・、,など)

 

上記の範囲内なら文字数などは自由ですが、以下のような会社名は使うことができません。

  • 銀行・生命保険・信託など、業種を誤認させるような言葉
  • 下品な言葉・差別用語など、公序良俗に反する文字・言葉
  • ○○営業所、○○支店など
  • 有名企業と全く同じ会社名、商標登録されている名称、同一所在地で同じ名前の会社

 

本店所在地には、主要な事業を行う場所を登録します。実際の事務所の住所以外に、自宅を本店所在地にすることもありますが、賃貸住宅の場合は大家さんの許可を取ったほうがいいでしょう。

 

②事業目的・事業年度

事業目的には、会社設立後に行う事業の内容を記載します。事業目的は、様々な許認可や社会保険団体の入会条件となることもある重要なものです。

そのため、事前に行政機関や法務局に相談してから決めることをおすすめします。

ちなみに、複数の事業を行う場合、事業目的は全部で10個前後に収め、メイン事業がわかりやすくなるよう記載しておくといいでしょう。

事業年度は、決算月を定め、そこから1年間とするのが一般的です。決算月については、資金繰りや事業の忙しさを考慮して都合が良いように決めることができます。

事業の閑散期には、手が空いていて事務手続きがしやすい反面、売上が少ないので決算書の見栄えが悪くなりがちです。

逆に繁忙期に設定すると、資金繰りには余裕がありますが、締め作業などの負担に毎年苦しめられる可能性もあります。

古殿
古殿
決算書の内容は、販路拡大や資金調達にも影響しますので、慎重に決めましょう!

 

③機関設計と役員

機関設計とは、自分の会社の役員や組織の布陣のことです。

代表取締役・取締役・取締役会・監査役・会計参与・株主総会といった、会社の経営権や意思決定権をもつ人の選定・配置を行なっていきます。

以前の法律では、株式会社を設立する場合は3人以上の取締役と監査役、取締役会の設置が必要でした。しかし、現行の会社法では、取締役1人からでも会社設立が可能になっています。

 

(2)必要なお金と物を準備する

次に、会社設立に必要な物とお金を準備する必要があります。

具体的に準備するものは以下の通りです。

  • 資本金
  • 法人用印鑑

 

①資本金の金額決定

まず、資本金を用意するためには、資本金の金額を決めなければいけません。

現行の会社法では、資本金は1円からでも会社設立ができます。

しかし、資本金は会社を運営するための体力で、会社の信用度にも影響するため、実際に1円で起業する人は多くありません。

なるべく多く用意するのが理想ですが、資本金が1,000万円以上だと会社設立1期目から消費税の課税事業者になってしまうので、1,000万円未満に設定することが多いです。

資本金額の目安は「開業資金+3~6ヶ月分の運転資金」で、100~300万円くらいの会社が多くなっています。

 

②資金・設立費用を集める

資本金額が決まったら、そのための費用を準備します。

会社設立費用の集め方には、

  • 設立メンバーの自己資金
  • 投資家からの出資
  • クラウドファンディング

 

などの方法があります。

資本金は会社の資産なので、あとで返済する必要がある借入金は資本金にすることができません。

 

③法人用印鑑を準備する

最後に、会社設立手続きに使う法人用印鑑が必要です。

準備しておくべき印鑑の種類は、以下の通りです。

会社実印(代表社印)

会社の設立登記時に登録する実印。主に重要な契約書などに使う

会社銀行印

銀行口座の開設時に届け出る実印。会社実印と分けてリスクを分散する

 角印(社印)

注文書・請求書・稟議書などに用いる会社の認印

 住所印(ゴム印)

会社名・会社住所・電話番号などを記載した印鑑

これらの準備費用は5,000~20,000円くらいで、必要なものが揃った会社設立印鑑セットを用意している印鑑屋さんもあります。また、法人用印鑑以外に、会社の代表者個人の実印と認印も様々な手続きで必要になります。

実印は取締役全員が準備し、住んでいる自治体で印鑑登録も済ませておきましょう。

 

2.会社設立で準備すべき書類

次に、会社設立に必要な書類を解説します。全ての書類が準備できていないと手続きができないため、せっかく法務局に行っても無駄足になってしまいます。

また、順番通りに揃えないと取得できない書類もあるため気をつけましょう。

 

(1)定款作成に必要な書類

定款とは、会社の基本ルールを記載した書類で、準備の最初で決めたような会社の基本事項を記載します。

そして、株式会社を設立するには、定款の認証を受ける必要があります。

定款の認証を受ける際には、以下の書類を準備して公証役場に提出します。

必要な書類

必要な費用

  • 定款3通
  • 発起人(出資者)全員の印鑑証明書
  • 発起人(出資者)の実印
  • 身分証明書
  • 手数料:5万円                
  • 謄本作成費用:約2,000円(1ページ250円×必要枚数)
  • 収入印紙:4万円分
古殿
古殿
ちなみに、株式会社ではなく合同会社を設立する場合、この定款の認証というステップは必要ありません。定款の作成自体は必要ですが、作成ができたら以下で解説する登記申請の手続きから始めてOKです!

 

(2)登記申請に必要な書類

定款の認証が済んだら、法務局で会社設立登記を行います。

この手続きに必要な書類は、以下の通りです。

  • 登記申請書
  • 登録免許税納付用台紙
  • 登記すべき事項を記録した磁気ディスク(CD-Rなど)
  • 公証人の認証済みの定款
  • 資本金払込証明書
  • 役員の就任承諾書
  • 役員の印鑑証明書
  • 印鑑届書
  • 印鑑カード交付申請書

 

また、この登記手続きには登録免許税の払い込みが必要です。

登録免許税の金額は、設立する会社の形態によって異なります。

  • 株式会社:15万円
  • 合同会社:6万円

 

(3)設立後に必要な書類

会社設立の手続きの後は、会社の運営を始めるための手続きが必要です。

開業前に必要な準備は、大きく分けて「社会保険関係」「税務署関係」の2種類があります。

社会保険関係

会社設立後、社会保険関係で提出する書類と、その提出先は以下の通りです。

年金事務所に提出する書類

(会社設立から5日以内)

  • 健康保険・厚生年金保険新規適用届
  • 健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届
  • 健康保険被扶養者(異動)届

ハローワーク(公共職業安定所)に提出する書類

(従業員を雇用した翌日から10日以内)

  • 雇用保険適用事業所設置届
  • 雇用保険被保険者資格取得届

労働基準監督署に提出する書類

(従業員を雇用した翌日から10日以内) 

  • 保険関係成立届
  • 労働保険概算保険料申告書

 

税務署関係

会社設立後、税申告を行うために、税務署に以下の書類を提出します。

税務署に提出する書類
  • 法人設立届出書(会社設立から2ヶ月以内)
  • 給与支払事務所等(給与支払事務所として開設してから1ヶ月以内)
  • 青色申告の承認申請書(会社設立後3ヶ月以内、または最初の事業年度の末日まで)

 

(4)書類以外に必要な物

会社設立後は、公的な手続き以外にも事業準備で大忙しになります。

開業までにする準備するもののチェックリストは、以下の通りです。

  • オフィス・店舗の賃貸契約
  • オフィス・店舗の内装工事
  • オフィス・店舗のライフライン契約
  • 従業員の求人募集・雇用契約
  • 必要な機材・什器・事務用品などの購入
  • 商品・材料の仕入れ
  • 名刺作成
  • ホームページ作成
  • チラシ・看板作成
  • SNSアカウント設置

など

 

3.まとめ

会社設立の準備は、用意する書類やお金・モノがたくさんあり大変な作業です。スムーズに開業の日を迎えるためには、手続きの流れを把握して、必要書類や準備するもののチェックリストを作成しておくのが大切です。

会社設立後も税務署に提出する「青色申告の承認申請書」などは期限もあるため、忘れずに届出しておかないと納税の際に不利益が出てしまう可能性もあります。

古殿
古殿
今回ご紹介した準備するものリストを、ぜひ会社設立にお役立てください!