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2020/05/15 個人事業の起業には何が必要?リスクを減らして成功させるコツ

個人事業主とは、法人を設立せずに個人で事業を営んでいる人のことを指します。開業届を税務署にを提出して申請することで、個人事業主として独立したことになります。

昨今、会社から独立したり副業として個人起業したりする人が増えています。個人起業をすれば誰でも経営者になることができて、収入がアップする・社会的信用が上がるなどというメリットがあります。

しかし当然、個人事業の起業にはリスクがつきものです。

古殿
古殿
この記事では、そんな個人事業の起業のリスクを減らし、成功の可能性を高めるコツや、必要な知識やスキルについてご紹介していきます!

 

1.個人起業のために必要なもの

 

個人起業とは、その名の通り1人で会社を設立することです。

経営の責任を自分ひとりで負わなければいけないので、個人起業には様々な知識や準備が必要です。

 

 

 

(1)知識

個人事業の起業に必要なのは、まずビジネス・お金・社会保険に関する知識です。

個人事業主としての起業は失敗すれば多額の損失が出る大きな賭けなので、知識をきちんと蓄えてロジカルに経営する必要があります。

 

①ビジネスに関する知識

良い事業のアイデアが思いついたら、何の根拠もなく「うまくいくに違いない」と思い込んでしまいがち。

業界や経営に関するビジネスの知識がないと、その目論見がまったく的外れということもあります。

ビジネスの知識といっても幅広いですが、事業計画を練ったり、安定した経営をしたりするためには、以下のような知識が役立ちます。

  • 起業する業界の知識(業界動向・顧客の志向など)
  • マーケティング知識(商品作り・集客の仕組み・値決めなど)
  • 人を動かすための知識(プレゼン能力・コミュニケーション能力など)
  • 経営に関する知識(資金調達・財務・経理など)
  • 法律に関する知識(会社法・労働基準法・安全衛生法など)

 

お金に関する知識

個人事業の起業をするためには、お金に関する知識が不可欠です。

例えば、以下のような知識がないと、お金の出入りがどんぶり勘定になり、経営状況を的確に分析できません。

  • 資金繰り(キャッシュフロー)の知識
  • 資金調達のやり方・適切な借入額
  • 決算書の作り方・分析方法
  • 税申告のやり方、計算方法
  • 会計業務のやり方

お金に関する知識や実務については、顧問税理士に相談したり、専門知識を持つ経理スタッフを雇ったりすることも可能です。

しかし、それにもコストがかかるので、経営者自らお金の知識を持っておくに越したことはありません。

 

社会保険に関する知識

自分ひとりで事業を行うなら、個人事業主という方法もあります。

個人事業主と会社設立で異なるのは、社会保険への加入が義務になっている点です。

古殿
古殿
大きな会社では、保険関係の手続きは社労士が行うのが一般的ですが、個人事業の場合は経営者が責任を持って加入手続きや保険料の納付をしなければいけません。

 

(2)資本

個人事業主として起業をするには、もちろん先立つものが必要です。

起業の際に用意しておくお金を「資本金」と呼び、だいたい100~300万円ほど用意する人が多いです。

資本金に余裕があればあるほど、経営を維持しやすくなります。

 

起業前に必要な費用

個人ではなく、法人として会社設立する場合、起業前に必要となる費用には、以下のものがあります。

  • 会社設立費用:合計25~30万円程度(株式会社の場合)
  • 定款認証手数料:5万円
  • 謄本作成費用:約2,000円
  • 登録免許税:15万円
  • 収入印紙代:4万円
  • 会社印鑑:1~2万円
  • 雑費(交通費・証明書発行費用など):約5,000円

この他に、打ち合わせを行う場所代や飲食代、手続きを専門家に依頼する場合はその報酬などがかかることもあります。

ちなみに、この会社設立費用は、会社設立後に使う資本金とは別に用意しておきます。

 

起業後に必要な費用

起業をしたら、事業を始めるための開業費と、経営を続けていくための運営費が必要になります。ここでかかる費用は、事業内容や開業する地域、人を雇うかどうか、クオリティにどの程度こだわるかなどでかなりばらつきがあります。

開業費・運営費それぞれの項目に、自分の場合の金額を置き換えて考えてみましょう。

開業費に含まれる主な費用

運営費に含まれる主な費用

  • 広告費
  • 名刺作成費
  • 事務所や店舗の敷金・礼金・初月家賃
  • 設備・備品購入費
  • 内装工事費
  • 求人費

など

  • 事務所や店舗の家賃
  • 水道光熱費
  • 通信費
  • 設備・備品購入費
  • 人件費
  • 保険料
  • 支払い利子

など

古殿
古殿
ちなみに、資本金額の目安は「開業費+6ヵ月分の運営費」と言われています!

 

(3)しっかりとした事業計画

事業計画は個人事業主として起業する上で要となります。

「こうすればうまくいきそう」という予測だけではなく、業界や顧客の分析、試行調査を行い、データを元にして理論的に考えましょう。

事業計画書は、起業の際の資金調達にも大きく影響を及ぼします。

良いアイデアが浮かんだからといってすぐ起業せず、しっかりと内容を練って実現可能なプランを作るのが大切です。

 

(4)家族の理解

個人事業主として起業をするときに無視してはいけないのが、家族の理解です。

大黒柱の場合、万が一事業に失敗すると、家族に苦しい生活を強いるリスクがあります。

うまくいった場合も、起業直後は気持ちや時間に余裕がなかったり、収入に波があったりして、どこかで我慢させてしまう可能性が高いです。

 

個人事業主として起業した場合、実務面で家族のサポートが必要だったり、資本金が足りず家族からお金を借りたりすることもあるでしょう。

そのため、まず家族の理解を得ることが、個人起業をする上でもっとも大切です。

 

2.個人起業を成功させるコツ

それでは、個人起業を成功させるためのコツを見ていきましょう。

 

(1)起業の「4つのコツ」

上手くいく起業の4つのコツとは、

  1. 利益率が高い
  2. 小資本で始められる
  3. 在庫を持たない
  4. 定期的に売上が立つ(月額課金)

ということです。

これらの条件だとなぜ成功しやすいのか、また条件を満たしやすい事業内容について解説していきます。

 

利益率が高い

利益率が高ければ、それだけ経営に余裕が出るということは、誰にでも想像できることです。

しかし、商品やサービスの価格を上げすぎると買い手がつかないので、他者と競争できる料金のまま、いかに原価を下げるかというのが鍵になります。

そのため、独自の仕入れルートがあったり、元手がかからない自分のスキルを高く売ったりできるととても有利です。

例えば、前職でのコネを活かせる仕事や、自分のスキルを売るデザイナー、エンジニア、プログラマーなどの仕事は個人起業でも成功しやすいでしょう。

 

小資本で始められる

大掛かりな設備がいらず、小資本で始められる仕事なら、失敗した時のリスクが少ないです。例えば、PC一台で始められるIT企業などは、個人事業主の起業にとても適しています。

反対に、高額な機械や大きな倉庫が必要な、製造業や卸売業といった業種は、個人事業主の起業には向いていません。

 

在庫を持たない

買い手がつかなければ、在庫はただの負債です。どんなものでも一気に仕入れれば安いですが、売れるとは限らない在庫を抱えてしまうのはリスクになります。

商品が古くなればさらに売れにくくなるので値下げを検討しなければいけませんし、在庫を保管する場所にもコストがかかるので、利益率が下がる原因になります。

個人事業主で起業をした直後は仕入れを制限し、確実に売り切れる量から扱うのが良いでしょう。

 

定期的に売上が立つ

定期的に売上が立てば、毎月の利益を確保できて経営の見通しが立ちやすくなります。例えば、個人相手の商売の場合、いつ商品を買いたくなるかは顧客次第なので、定期的な売上が見込めません。

しかし、販売する相手が企業であれば、毎月の消費量や予算がある程度決まっているので、定期的に売上を確保することができます。

また、一度買ったらしばらく買わない物より、定期的に買い替えが必要なものの方が売上は立ちやすいです。サービスの場合は、月額で利用できる「サブスクリプション」も、毎月の売上を確保する方法です。

いかに定期的に売上を立てるかを考えることが、個人起業の鍵となります。

 

(2)個人起業が成功しやすい業種は?

個人事業主の起業が成功しやすい業種は、上記の4つの条件をなるべく満たせる業種です。

例えば、以下のような業種が当てはまります。

  • 元手が少なくても始められる業種(IT、サービス、コンサルティング、コーチングなど)
  • 自分のスキルを活かせる業種(デザイナー、エンジニア、音楽制作、理美容師など)

 

また、以下のようなビジネスモデルを取り入れることで、既存の業種を個人事業主の起業で成功させることも可能です。

  • 在庫を抱えすぎない仕組み(レンタル、受注生産など)
  • 定期的な売上が立つ販路(BtoB、CtoB、サブスクリプションなど)

 

3.起業するなら個人事業主と会社設立どちらがいい?

個人事業主と会社設立には、どちらにもメリットとデメリットがあります。

個人で事業を行う際、会社設立がおすすめなのは以下のような人です。

  • 将来的に事業を大きくしたり、継承したりしたい
  • 売上が大きく、会社を設立した方が節税できる
  • すでに個人事業主として軌道に乗っている

 

逆に、個人事業主が向いているのは以下のような人です。

  • 事業を大きくしたり、継承したりする予定はない
  • 会社設立でかかるコストより、所得税の方が得
  • 法律や他者からの制約を受けず、自由に経営したい

 

古殿
古殿
会社設立のメリットについてもっと詳しく知りたい方は、「会社設立のメリットとは?個人事業主とどちらが得か見極めるポイント」をお読みください。

 

4.個人事業主として起業する時の注意点

個人事業主として起業する場合、事業から得た収入に関しては、自分で確定申告を行う必要があります。

会社を設立する場合には、法人税の申告手続きが必要です。

税申告を怠ると、追徴課税などの罰則が課せられる場合があるので、注意してください。

また、現在会社勤めをしていて副業禁止の場合、個人で起業したことが知られてしまうと、最悪クビになる可能性もあります。会社勤めをしながら個人起業をする際は、まず会社の就業規則を調べ、規則の範囲内で行うようにしましょう。

 

5.まとめ

個人事業主が起業する場合は誰でも経営者になることができ、収入アップが見込めるということもあって、起業する人が増えています。

しかし、安易に始めてしまうと、知識や経験、計画が不十分などの理由で失敗してしまうリスクもあります。

古殿
古殿
資本金1円、取締役1人からの会社設立が可能になっていますが、事業内容や資金繰りはよく検討し、リスクを排除していくことが大切です!