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2020/05/11 法人設立届出書とは?必要な添付書類や記入のポイントを解説

会社を設立したら、税務署や自治体に会社を設立したことを知らせるために「法人設立届出書」を提出します。

法人設立届出書は、法人税の納付に関わる重要な書類なので、どの会社も必ず提出しなければいけません。

 

今回は、法人設立届出書の書き方や提出先、提出期限についてわかりやすく解説いたします。

法人設立届出書と一緒に提出する、添付書類についても全種類解説します。

 

1.≪法人設立届出書とは≫

法人設立届出書とは、会社の設立登記を行なったあと、税務署や自治体に会社設立したことを知らせるために提出する書類のことです。

 

(1)提出先は税務署と市区町村

法人設立届出書の提出先は、以下の3つです。

 

・納税地の所轄税務署

・都道府県税事務所の法人事業税課もしくは法人住民税課

・市町村の法人住民税担当部署

 

各所に提出する内容は、まったく同じで問題ありません。

会社に控えとして残しておくために、合計4部作成します。

 

また、税務署に法人設立届出書を提出する際、控えも一緒に持って行くと、その控えにも受領印がもらえます。

 

(2)提出期限は設立日から2ヶ月以内

法人設立届出書の提出期限は、会社設立日(登記の日付)から2ヶ月以内です。

遅れたとしても特に罰則はありませんが、いずれ提出が必要になる書類なので、会社設立登記が終わったらすぐに取り掛かることをおすすめいたします。

 

(3)書類の入手方法

法人設立届出書は、税務署、もしくは国税庁のホームページからダウンロードして入手できます。

 

2.≪法人設立届出書の書き方≫

それでは、法人設立届出書の書き方を、具体的に解説していきます。

 

(1)基本情報

基本情報は会社の基本事項をそのまま記入するだけなので、特に難しくはありません。

 

届出先税務署名

「届出先税務署名」は、法人設立届出書の提出先です。

会社の本店所在地を管轄する税務署の名前を記入します。

 

本店又は主たる事務所の所在地

「本店又は主たる事務所の所在地」には、会社の本拠地となる事務所や店舗の住所を記入します。

 

納税地・法人名・法人番号・代表者氏名

納税地・法人名・法人番号・代表者氏名は、謄本に記載されている内容をそのまま記入すれば構いません。

 

(2)設立に関する情報

次に、設立に関する情報を記入していきます。

 

設立年月日と事業年度

「設立年月日」は、登記申請を行なった日付のことです。

「事業年度」には、定款で定めた会計期間を記載します。

 

消費税の新設法人に該当することとなった事業年度開始の日

「消費税の新設法人に該当することとなった事業年度開始の日」は、資本金1,000万円以上の会社のみ記入が必要です。

資本金が1,000万円以上だと、設立当初から消費税の課税事業者になるため、ここにも登記申請を行なった日付が入ります。

 

資本金1,000万円未満の会社については、設立後2期、または売上が1,000万円を超えたあと2期の間は消費税の納付が免除されるため、何も書かなくて構いません。

 

③設立時の資本金額又は出資金の額

「設立時の資本金額又は出資金の額」には、定款に記載されている資本金額・出資金額を記入します。

 

④設立の形態

「設立の形態」は、1.~5.までの番号選択制です。

新規に会社を設立した場合は、5.の「その他」に◯を付け、「新たに事業を開始」などと記入します。空欄でも構いません。

 

会社設立以前に個人事業主として営業していて、法人成りをした場合は、1.の「個人企業を法人組織とした法人である場合」を選びましょう。

合併・分割・現物出資などで設立した場合は、それぞれ2.~4.の該当するものを選びます。

 

ちなみに、設立の形態が1.~4.のいずれかの場合は、すぐ下の欄に以前の納税地と事業内容を記入します。

 

⑤「給与支払い事務所等の開設届出書」提出の有無

開業後、給与の支払いを行う場合には、「給与支払い事務所等の開設届出書」の「有」に◯を付けましょう。

自分自身を含め、会社から給与を支払う場合には、法人設立届出書と一緒に「給与支払い事務所等の開設届出書」を提出します。

 

⑥支店・出張所・工場等、添付書類等

納税地として記載した本拠地の他に、支店・出張所として営業していたり、その予定で工場をしていたりする場所がある場合には、その名称と住所も記載します。

 

添付書類等の欄は、法人設立届出書と一緒に提出する添付書類の中で、該当するものに全て◯をつけます。

全部で8つの選択肢がありますが、一般的な会社設立の場合、以下の4種類の書類を添付します。

 

・定款の写し

・設立時の貸借対照表

・株主等の名簿

・登記事項証明書

 

添付書類等の欄の数字でいうと、1、2、3、5です。

これらの添付書類については、次の項目で詳しく解説いたします。

 

3.≪法人設立届出書の添付書類≫

法人設立届出書には、一般的に以下の4種類の書類を添付します。

 

(1)定款の写し

税務署や市区町村に会社の概要を伝えるために、定款の写しを添付します。

定款の認証で作成したような正式な謄本ではなく、会社で保有しているもののコピーで問題ありません。

定款の全ページを、A4の白黒コピーで写し、左側の2箇所をホチキスで留めましょう。

 

(2)設立時の貸借対照表

会社設立時の貸借対照表には決まったフォーマットがないので、エクセルなどを使って自作したり、ネットで配布されているテンプレートを利用したりして作成しましょう。

設立時のものなので、基本的には賃借対照表に記載されているのは資本金のみとなります。

 

例えば、資本金が100万円の場合、賃借対照表の内容は以下の通りです。

 

資産の部

現金および預金:1,000,000円

資産合計:1,000,000円

 

純資産の部

資本金:1,000,000円

純資産合計:1,000,000円

 

現金だけではなく現物出資もある場合、資産の部には「車両運搬具」「土地」といった勘定科目を使うこともあります。

もし、法人設立届出書の提出前に、経費で支払いをしたり売上が出ていたりする場合も、提出するのは設立時の貸借対照表なので記載はしません。

 

(3)株主等の名簿

株主等の名簿は、そのまま会社設立時の株主名簿です。

内容は、以下のものを記載します。

 

・株主の氏名

・株主の住所(法人の場合は本社所在地)

・株主の有する株式の数

・株主の有する株式の金額

・役職名及び当該法人の役員または他の株主等との関係

 

自分1人で会社を設立し、株主も自分だけという場合も、上記の内容をリスト化します。

フォーマットは特に決まっていないので、エクセル等で自作するか、ネットで配布されているテンプレートを使うなどして作成しましょう。

 

(4)登記事項証明書

登記事項証明書は、会社の設立登記が終わった後に法務局で取得できるようになります。

登記事項証明書には、記載する部分によって以下の4種類があります。

 

・全部事項証明書

・現在事項証明書

・履歴事項証明書

・閉鎖事項証明書

 

法人設立届出書の添付書類として使うのは、「全部事項証明書」です。発行にかかる手数料は、1通600円です。

法人設立届出書の提出先3ヶ所全てで必要になるので、3通まとめて発行しておきましょう。

 

5.≪まとめ≫

法人設立届出書は、設立登記をしてから2ヶ月以内に「税務署」「都道府県税事務所」「市町村」の3ヶ所に提出します。

提出が遅れても罰則はありませんが、法人税に関わる重要な書類なので、なるべく速やかに提出しましょう。

記載事項に特に難しいことはありませんので、誰でも簡単に作成できますが、場合によっては少しテクニック的な要素もありますので、不明点は税理士に確認するのがよいでしょう。

 

ただし、添付書類として登記事項証明書が必要なので、設立登記後に3通発行しておくのを忘れないようにしましょう。

2020/05/09 会社設立に必要な期間~必要なこととスケジュールを解説

会社設立は、思い立った時にすぐできるわけではありません。

会社の存在を公的に証明するために、定款の認証登記申請という手続きが必要になります。

 

さらに、これらの手続きには様々な必要書類があるので、その準備期間も必要です。

今回は、会社設立にかかる最短期間と、一般的な期間の目安をご紹介していきます。

 

1.≪会社設立に必要な期間は?≫

会社設立に必要な期間の目安は、全部で1~2ヶ月。

もちろん、事業内容を練ったり資本金を貯めたりするためにはもっと時間が必要ですが、会社設立の手続き自体にはそんなに時間がかかりません。

 

まずは会社設立の流れと、それぞれの期間の目安を解説していきます。

 

(1)会社設立の流れ

会社設立は、以下の流れで進めていきます。

 

1.事業計画・資本金の調達

2.基本事項の決定

3.定款作成

4.定款の認証(株式会社のみ)

5.登記申請

6.社会保険・税金等の手続き

 

(2)会社設立までの最短期間

前項でお伝えした会社設立の流れのうち、定款の認証と登記申請には公的機関が関わるため、事務処理に時間がかかります。

定款の認証は即日できますが、登記申請の処理日数は最短でも1週間ほど。

そのため、事前準備が完璧にできている状態から始めた場合、会社設立にかかる最短期間は1週間ほどです。

 

その前段階の事業計画や資本金の調達、基本事項の決定に関しては、会社によってさまざま。

中には何年もかけて起業を計画する人もいますし、スピード感が必要な事業なら数日で基本事項まで決める場合もあります。

 

定款の作成や、申請に必要な書類の準備期間は、自分で行うなら2週間~2ヶ月ほどが目安です。

専門家に依頼した場合、数日~1週間ほどに期間を短縮することもできます。

 

2.≪会社設立を短期間でできるかは事前準備次第≫

それでは、会社設立の公的な手続きを行うまでの事前準備について、詳しく見ていきましょう。

 

(1)必要事項を決定しておく

会社設立のためには、まず会社の基本事項を決定しておく必要があります。

会社の基本事項とは、以下のような項目のことです。

 

・会社の名前(商号)

・事業目的

・本店所在地

・事業年度

・資本金

・出資者

・株式譲渡の有無

・役員構成

 

これらの基本事項は定款に記載する必要があるので、最初に決めておきます。

会社設立後には簡単に変えることができない事項なので、慎重に決定しましょう。

 

(2)印鑑を準備しておく

会社設立手続きでは、印鑑が必要になるシーンが多くあります。

会社設立に必要な印鑑は、以下の4種類です。

 

会社実印(代表社印):会社の設立登記時に登録する印鑑 主に重要な契約書などに使う

会社銀行印:銀行口座の開設時に届け出る印鑑 会社実印と分けてリスクを分散する

角印(社印):注文書・請求書・稟議書などに用いる会社の認印

住所印(ゴム印):会社名・会社住所・電話番号などを記載した印鑑

 

会社の印鑑はオーダーメイドなので、手元に届くまでには数日~の期間がかかります。

印鑑がないと必要書類が作れないため、早めに準備しておきましょう。

また、会社の発起人や取締役の個人印鑑も必要なので、用意して印鑑登録を済ませておきます。

 

会社設立時の印鑑について詳しくは、「会社設立時に用意すべき印鑑とは?素材や書体はどう決める?」をご覧ください。

 

(3)印鑑証明をもらう

定款の認証手続きには、発起人と取締役の印鑑証明が1通ずつ必要になります。

 

会社印の印鑑証明は登記が終わるまで取得できませんが、個人の印鑑証明は手続きで忙しくなる前に取得しておきましょう。

印鑑証明は、印鑑登録を行なった自治体の役所で、1通300円程度で発行できます。

 

3.≪会社設立に必要なこととその期間≫

次に、公的機関が関わる会社設立手続の手順と、その期間について解説します。

 

定款作成や登記に必要な書類について詳しくは、「会社設立・登記に必要な書類とは?手続き方法、設立後にすべきこと」をご覧ください。

 

(1)定款作成

定款とは、会社の基本事項や基本ルールを記載した書類のことです。

具体的には、以下のような内容を記載します。

 

・商号

・目的

・本店の所在地

・設立に際して出資される財産の価額またはその最低額

・発起人の氏名及び住所

・発行可能株式総数

 

定款は最短1時間程度でも作成できますが、知識のない人が調べながら作ったり、内容にこだわったりした場合にはその分時間がかかることもあります。

 

(2)定款認証

次に、定款の認証手続きです。

定款の認証は、公証役場に必要書類と手数料を持参して行います。

 

①収入印紙購入

定款の認証手続きには、4万円分の収入印紙が必要です。

公証役場内で購入できる場所がある場合もありますが、事前に郵便局などで購入しておいた方が確実です。

 

なお、定款に貼り付けるのは認証手続き当日がおすすめ。

万が一定款に不備があった場合、先に収入印紙を貼り付けておくと無駄になってしまうためです。

 

②公証役場で定款認証を受ける

準備が整ったら、以下の必要書類を公証役場に提出します。

 

・定款 3部

・発起人(出資者)全員の印鑑証明書

・発起人(出資者)の実印

・身分証明書

・公証人へ支払う手数料 5万円

・定款の写し交付手数料 250円×定款のページ数

・収入印紙 4万円分(電子定款の場合は不要)

 

定款の認証手続きにはそれほど時間がかからないので、即日完了します。

 

③資本金を払い込む

定款の認証が終わったら、会社用の口座を用意して、資本金として定めた額を振り込みましょう。

このタイミングで行うのは、次の登記手続きで必要な書類を作成するためです。

 

資本金の払い込みが終わったら、通帳の以下の部分をコピーしておきましょう。

 

・通帳の記帳欄

・表紙

・個人情報欄

 

(3)登記申請書類の準備

次に、登記申請書類を用意します。

登記申請にはたくさんの書類が必要ですが、どれも複雑な作業が必要なものではありません。

 

法務局のホームーページからダウンロードできるフォーマットや、ネット上で配布されているテンプレートに必要事項を記入し、以下の書類を揃えます。

この準備は、1~3日程度でできるでしょう。

 

・登記申請書

・登録免許税納付用台紙

・登記すべき事項を記録した磁気ディスク(CD-Rなど)

・公証人の認証済みの定款

・資本金払込証明書

・役員の就任承諾書

・役員の印鑑証明書

・印鑑届書

・印鑑カード交付申請書

 

(4)登記申請

登記申請書類が揃ったら、法務局で登記申請を行います。

上記の必要書類とともに、株式会社は15万円、合同会社は6万円の登録免許税を納めましょう。

 

ちなみに、会社の設立登記は郵送でも申請できます。

登記申請の事務処理には、1~2週間ほどの期間がかかります。

 

(5)設立後の手続き

会社設立の手続きができたら、開業するために社会保険・税金関係の手続きを行います。

会社設立後、開業までに済ませるべき公的手続きには以下のものがあります。

 

年金事務所に提出する書類(会社設立から5日以内)

・健康保険・厚生年金保険新規適用届

・健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届

・健康保険被扶養者(異動)届

 

ハローワーク(公共職業安定所)に提出する書類(従業員を雇用した翌日から10日以内)

・雇用保険適用事業所設置届

・雇用保険被保険者資格取得届

 

労働基準監督署に提出する書類(従業員を雇用した翌日から10日以内)

・保険関係成立届

・労働保険概算保険料申告書

 

税務署に提出する書類

・法人設立届出書(会社設立から2ヶ月以内)

・給与支払事務所等(給与支払事務所として開設してから1ヶ月以内)

・源泉所得税の納期の特例(必須ではありませんが、通常は会社設立時にセットで届出します。)

・青色申告の承認申請書(会社設立後3ヶ月以内、または最初の事業年度の末日まで)

 

4.≪会社設立への期間はゆとりを持って≫

最初にもお伝えしましたが、会社設立にかかる期間の目安は1~2か月です。

専門家に依頼すれば、複雑な書類作成がスムーズにできるので1~3週間で手続きが完了することもあります。

 

目標とする開業日がある場合、手続きが遅れるとその日に開業できないことも。会社設立を考えている方は、期間にゆとりを持って準備を進めていきましょう。

 

5.≪まとめ≫

会社設立には、定款の作成・認証と登記申請という手続きが必要になります。

会社に関する事項の決定や、書類の準備期間は、自分次第で短縮することも可能です。

 

しかし、公的機関の事務処理期間は短縮できないので、最低でも1週間程度は見込んでおきましょう。

会社設立の専門家に手続きを依頼すれば、手間を省いてスピーディーに会社設立することもできますよ!会社設立は起業家の方の夢への第1歩。税理士にお願いすれば、設立前後の損得の話も多く聞けるでしょう!

2020/05/07 会社設立の準備に必要なこととは

会社設立の準備は、個人で行うのは大変な大仕事。

各手続きでたくさんの書類が必要なので、準備期間は役所に何度も足を運ぶことになります。

 

今回は、会社設立準備をスムーズにするために、ステップごとに必要な書類・お金・モノのチェックリストを掲載いたします。

会社設立の準備は、全体の流れを把握して着実に進めていくのが大切です。

 

1.≪会社設立の準備に必要なこと

会社設立には、「定款の認証」と「登記」という手続きが必要です。

そのためには、まず会社の基本事項を決定し、手続きに必要な書類・物・お金を準備しなければなりません。

 

会社設立をしようと決断したら、まず始めるべき準備について、ステップごとに見ていきましょう。

 

(1)会社の基本事項を決定する

会社設立の準備には、まずは会社の基本事項を決める必要があります。

これらの内容は定款にも記載するので、会社設立を決めたら速やかに決定します。

 

・会社名

・本店所在地

・事業内容(事業目的・事業年度)

・発起人・役員

 

それぞれの決め方や、ルールについて知っていきましょう。

 

①会社名・本店所在地

会社名は事業内容をよく表し、人に覚えてもらいやすいものを考えましょう。

商号に使用できるのは、以下の文字です。

 

・ひらがな

・カタカナ

・漢字

・ローマ字(大文字・小文字)

・アラビア数字

・符号(&、-、・、,など)

 

上記の範囲内なら文字数などは自由ですが、以下のような会社名は使うことができません。

 

・銀行・生命保険・信託など、業種を誤認させるような言葉

・下品な言葉・差別用語など、公序良俗に反する文字・言葉

・○○営業所、○○支店など

・有名企業と全く同じ会社名、商標登録されている名称、同一所在地で同じ名前の会社

 

本店所在地には、主要な事業を行う場所を登録します。

実際の事務所の住所以外に、自宅を本店所在地にすることもありますが、賃貸住宅の場合は大家さんの許可を取ったほうがいいでしょう。

 

②事業目的・事業年度

事業目的には、会社設立後に行う事業の内容を記載します。

 

事業目的は、様々な許認可や社会保険団体の入会条件となることもある重要なものです。

そのため、事前に行政機関や法務局に相談してから決めることをおすすめします。

ちなみに、複数の事業を行う場合、事業目的は全部で10個前後に収め、メイン事業がわかりやすくなるよう記載しておくといいでしょう。

 

事業年度は、決算月を定め、そこから1年間とするのが一般的です。

決算月については、資金繰りや事業の忙しさを考慮して都合が良いように決めることができます。

事業の閑散期には、手が空いていて事務手続きがしやすい反面、売上が少ないので決算書の見栄えが悪くなりがちです。

 

逆に繁忙期に設定すると、資金繰りには余裕がありますが、締め作業などの負担に毎年苦しめられる可能性も。

決算書の内容は、販路拡大や資金調達にも影響しますので、慎重に決める必要があります。

 

③機関設計と役員

機関設計とは、自分の会社の役員や組織の布陣のこと。

代表取締役・取締役・取締役会・監査役・会計参与・株主総会といった、会社の経営権や意思決定権をもつ人の選定・配置を行なっていきます。

 

以前の法律では、株式会社を設立する場合は3人以上の取締役と監査役、取締役会の設置が必要でした。

しかし、現行の会社法では、取締役1人からでも会社設立が可能になっています。

 

(2)必要なお金と物を準備する

次に、会社設立に必要な物とお金を準備する必要があります。

具体的に準備するものは以下の通りです。

 

・資本金

・法人用印鑑

 

①資本金の金額決定

まず、資本金を用意するためには、資本金の金額を決めなければいけません。

 

現行の会社法では、資本金は1円からでも会社設立ができます。

しかし、資本金は会社を運営するための体力で、会社の信用度にも影響するため、実際に1円で起業する人は多くありません。

 

なるべく多く用意するのが理想ですが、資本金が1,000万円以上だと会社設立1期目から消費税の課税事業者になってしまうので、1,000万円未満に設定することが多いです。

資本金額の目安は「開業資金+3~6ヶ月分の運転資金」で、100~300万円くらいの会社が多くなっています。

 

②資金・設立費用を集める

資本金額が決まったら、そのための費用を準備します。

会社設立費用の集め方には、

 

・設立メンバーの自己資金

・投資家からの出資

・クラウドファンディング

 

などの方法があります。

資本金は会社の資産なので、あとで返済する必要がある借入金は資本金にすることができません。

 

③法人用印鑑を準備する

最後に、会社設立手続きに使う法人用印鑑が必要です。

準備しておくべき印鑑の種類は、以下の通り。

 

・会社実印(代表社印):会社の設立登記時に登録する実印。主に重要な契約書などに使う

・会社銀行印:銀行口座の開設時に届け出る実印。会社実印と分けてリスクを分散する

・角印(社印):注文書・請求書・稟議書などに用いる会社の認印

・住所印(ゴム印):会社名・会社住所・電話番号などを記載した印鑑

 

これらの準備費用は5,000~20,000円くらいで、必要なものが揃った会社設立印鑑セットを用意している印鑑屋さんもあります。

 

また、法人用印鑑以外に、会社の代表者個人の実印と認印も様々な手続きで必要になります。

実印は取締役全員が準備し、住んでいる自治体で印鑑登録も済ませておきましょう。

 

2.≪会社設立で準備すべき書類

次に、会社設立に必要な書類を解説します。

全ての書類が準備できていないと手続きができないため、せっかく法務局に行っても無駄足になってしまいます。

また、順番通りに揃えないと取得できない書類もあるため気をつけましょう。

 

(1)定款作成に必要な書類

定款とは、会社の基本ルールを記載した書類で、準備の最初で決めたような会社の基本事項を記載します。

そして、株式会社を設立するには、定款の認証を受ける必要があります。

 

定款の認証を受ける際には、以下の書類を準備して公証役場に提出します。

 

・定款3通

・発起人(出資者)全員の印鑑証明書

・発起人(出資者)の実印

・身分証明書

 

また、定款の認証には以下の費用が必要なので、合わせて持参しましょう。

 

・手数料:5万円                

・謄本作成費用:約2,000円(1ページ250円×必要枚数)

・収入印紙:4万円分

 

ちなみに、株式会社ではなく合同会社を設立する場合、この定款の認証というステップは必要ありません。

定款の作成自体は必要ですが、作成ができたら以下で解説する登記申請の手続きから始めてOKです。

 

(2)登記申請に必要な書類

定款の認証が済んだら、法務局で会社設立登記を行います。

この手続きに必要な書類は、以下の通りです。

 

・登記申請書

・登録免許税納付用台紙

・登記すべき事項を記録した磁気ディスク(CD-Rなど)

・公証人の認証済みの定款

・資本金払込証明書

・役員の就任承諾書

・役員の印鑑証明書

・印鑑届書

・印鑑カード交付申請書

 

また、この登記手続きには登録免許税の払い込みが必要です。

登録免許税の金額は、設立する会社の形態によって異なります。

 

・株式会社:15万円

・合同会社:6万円

 

(3)設立後に必要な書類

会社設立の手続きの後は、会社の運営を始めるための手続きが必要です。

開業前に必要な準備は、大きく分けて「社会保険関係」「税務署関係」の2種類があります。

 

社会保険関係

会社設立後、社会保険関係で提出する書類と、その提出先は以下の通りです。

 

年金事務所に提出する書類(会社設立から5日以内)

・健康保険・厚生年金保険新規適用届

・健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届

・健康保険被扶養者(異動)届

 

ハローワーク(公共職業安定所)に提出する書類(従業員を雇用した翌日から10日以内)

・雇用保険適用事業所設置届

・雇用保険被保険者資格取得届

 

労働基準監督署に提出する書類(従業員を雇用した翌日から10日以内)

・保険関係成立届

・労働保険概算保険料申告書

 

税務署関係

会社設立後、税申告を行うために、税務署に以下の書類を提出します。

 

・法人設立届出書(会社設立から2ヶ月以内)

・給与支払事務所等(給与支払事務所として開設してから1ヶ月以内)

・青色申告の承認申請書(会社設立後3ヶ月以内、または最初の事業年度の末日まで)

 

(4)書類以外に必要な物

会社設立後は、公的な手続き以外にも事業準備で大忙しになります。

開業までにする準備するもののチェックリストは、以下の通り。

 

・オフィス・店舗の賃貸契約

・オフィス・店舗の内装工事

・オフィス・店舗のライフライン契約

・従業員の求人募集・雇用契約

・必要な機材・什器・事務用品などの購入

・商品・材料の仕入れ

・名刺作成

・ホームページ作成

・チラシ・看板作成

・SNSアカウント設置

など

 

3.≪まとめ

会社設立の準備は、用意する書類やお金・モノがたくさんあり大変な作業です。

スムーズに開業の日を迎えるためには、手続きの流れを把握して、必要書類や準備するもののチェックリストを作成しておくのが大切です。

会社設立後も税務署に提出する「青色申告の承認申請書」などは期限もあるため、忘れずに届出しておかないと納税の際に不利益が出てしまう可能性もあります。

今回ご紹介した準備するものリストを、ぜひ会社設立にお役立てください。

2020/05/05 サラリーマンは副業で会社設立が可能?メリット・バレない方法を解説

今の給与に満足していない、空いた時間を使ってもっと稼ぎたいというサラリーマンの方、「副業」や「会社設立」という選択肢を考えたことはありますか?

 

サラリーマンが会社設立をすることは、就業規則で禁じられていない限り可能です。

ただし、会社設立が勤務先にバレると、何かと面倒が起こることも。

 

今回は、サラリーマンが副業で会社設立するメリット・デメリットと、会社にバレない方法を解説していきます。

 

1.≪サラリーマンが副業で会社設立は可能?≫

サラリーマンとして会社勤めをしながら、会社設立をすること自体は可能です。

ただし、会社によっては就業規則として副業が禁止になっていることも。

 

副業が可能な会社であっても、会社設立までしてしまうと本業をおろそかにしていると捉えられ、良い顔をされない可能性はあります。

その部分さえクリアできれば、法律上・制度上はサラリーマンが会社設立をしても何ら問題はありません。

 

会社設立をすると、個人事業主として副業をするのとは異なり、税制上の優遇措置が受けられます。

また、社会的な信頼もアップし、事業拡大がしやすくなるので、将来的に独立を考えている場合は計画を早められることも。

次の項目から、サラリーマンが会社設立をするメリットとリスクについてお伝えしていきます。

 

2.≪サラリーマンの会社設立の3つのメリット

サラリーマンが会社設立をするメリットは以下の3つ。

 

・収入が増える可能性

・節税になる

・対外的な信頼がアップ

 

それぞれについて、詳しく見ていきましょう。

 

(1)収入が増える可能性

サラリーマンが会社設立をすると、副業の分の収入が増えます。

会社が倒産したり、失職したりして給与収入がなくなった時にも、自分の責任で賄える事業収入が残ります。

 

もちろん、あとで解説するリスクも相応にありますが、収入源を会社1本に頼らなくて良くなるのは大きなメリットです。

 

(2)節税になる

副業がある程度軌道に乗った時には、会社設立して「法人成り」することをおすすめします。

 

会社設立をしなくても、副業は個人事業主として始めることも可能です。

しかし、会社と個人事業主では適用される税制が異なり、節税できる範囲は会社の方が大きいからです。

 

①経費の範囲が広がる

個人事業主と会社では、経費として計上できる範囲が違います。

個人事業主の場合、事業に直接的に関係する出費しか経費になりませんが、会社の場合は事業に必要と認められれば経費になるのです。

 

例えば、会社設立をして社宅という名目で自宅を借りれば、家賃全額を経費にすることができます。

家賃以外も、全体的に会社の方が経費に計上できる範囲が広いので、課税所得を減らして節税することができるのです。

 

しかし、賃貸の自宅で事業を行う場合、個人事業主は「家事按分」といって、事業に使用している面積分の家賃しか経費になりません。

 

②給与所得控除の対象に

会社設立をすると、社長も「給与」という形で会社からお金を受け取ることになるので、会社員の場合の経費にあたる「給与所得控除」が受けられます。

個人事業主の場合は、事業で得た利益がそのまま事業主の収入となり、経費を差し引いた所得額に税金が課せられます。

 

もちろん、実際にかかった経費は会社の所得から差し引けるので、二重に控除を受けられます。

給与所得控除の金額は、年間所得の10~40%にもなるので、かなり大きな節税になります。

 

③税率が一定

個人事業主の所得税率は、所得金額が高くなると税金も上がる累進課税制度です。

所得税の税率は、最大45%にもなりますが、会社の所得税にあたる法人税は最大23.2%。

 

所得800万円までの部分は15%、それ以上はいくら稼いでも23.2%と決まっているので、事業所得が大きくなるほど会社設立をした方がお得なのです。

 

④2年間は消費税免除

売上金額が1,000万円を超えた事業者は、その2年後から消費税の納税義務が発生します。

この条件は個人事業主も会社も同じですが、個人事業主から会社設立した場合、個人事業主時代の売上は会社の売上には反映されません。

 

つまり、個人事業主として売上1,000万円を超え、その2年後に会社設立をすると、消費税免税事業者でいられる期間が2年間延長できるということ。

そのため、売上が1,000万円を超えたタイミングで、会社設立を考える個人事業主がとても多いのです。

 

(3)対外的な信頼がアップ

会社設立の3つ目のメリットは、社会的信用がアップすること。

個人事業主より、会社社長という肩書きの方が信頼できるという感覚は、誰でも持っているかと思います。

また、実務面でも、会社設立には費用がかかったり、運営上の事務手続きも複雑だったりするので、会社設立をした方が事業への本気度が高いと見なされます。

 

事業取引や融資契約には信用が大事なので、会社設立をした方が販路拡大はしやすく、金融機関からの融資も引き出しやすくなります。

そのため、会社設立をした方が事業の成長スピードが早く、成功できる可能性が高くなるのです。

 

3.≪サラリーマンの会社設立の3つのリスク

サラリーマンが会社設立する場合、もちろんリスクもあります。

 

・金銭的リスク

・体力・精神的リスク

・副業禁止の会社の場合バレるリスク

 

3つのリスクについて、詳しく見ていきましょう。

 

(1)金銭的リスク

会社設立や運営には、何かとコストがかかります。

会社設立を考えるなら、必要コストを知った上で個人事業主とどちらが得か検討した方がいいでしょう。

 

①毎年のランニングコスト

会社設立をする場合、以下のコストが個人事業主より余計にかかります。

 

・法人住民税

・法人事業税

・地方法人税

・社会保険料

 

事業で得た利益に対して所得税・法人税がかかるのは、会社でも個人事業主でも同じです。

しかし、法人は法律上人格を持つ組織なので、ご自身の住民税とは別に法人住民税を納める必要があります。

また、法人事業税・地方法人税も、個人事業主の場合は支払う必要がない税金です。

 

社会保険料に関しては、会社設立をするとたとえ社長1人でも加入が義務となるため、年間の保険料が発生します。

 

さらに、会社の場合は税務申告などの手続きが複雑なので、税理士などプロの手を借りなければいけないシーンが多くあります。

毎年のランニングコストとして、専門家への報酬も発生することを知っておきましょう。

 

②赤字経営の可能性

事業を始める以上、赤字経営になるリスクは0ではありません。

赤字が出る可能性は会社も個人事業主も同じですが、会社の場合は赤字でも毎年支払わなければいけない税金があります。

それは法人住民税の均等割で、金額は年間約7万円です。

 

また、会社で従業員を雇う場合、赤字経営は従業員の生活にも影響を及ぼすため、相応の覚悟が必要です。

 

③廃業にもコストがかかる

もし会社設立をして失敗した場合、廃業するのにもコストがかかります。

会社の廃業にかかる費用は、最低でも解散登記が3万円、清算結了登記2,000円。

 

個人事業主の場合、辞めるときには特にコストはかからないので、この点でも会社設立には金銭的リスクがあると言えます。

 

(2)体力・精神的リスク

会社設立するのは、もちろん体力・精神的にも大変です。

特にサラリーマンとして本業を継続しながら会社を経営するなら、それなりの覚悟が必要になります。

 

①事務作業などが増える

会社設立をするには、設立時の登記手続きや毎月の経理作業、年に一度の決算などの事務作業が必要になります。

個人事業主が行う帳簿付けや確定申告とは、比べ物にならない作業量です。

 

そのため、会社を設立すると専門の事務員を雇ったり、税理士などプロの手を必要としたりすることがほとんど。

自分で行う場合には時間と手間、人に頼む場合にはコストがかかることは会社設立のリスクと言えるでしょう。

 

②本業との掛け持ち

サラリーマンを継続しながら会社設立をする場合、掛け持ちが負担になるケースもあります。

週5日フルタイムで勤務して、週末や終業後に自分の事業を行うのはかなりハードだということは、誰にでも想像がつくでしょう。

 

本業と掛け持ちするなら、上手な時間の使い方を考えたり、ある程度業務を自動化したりなどの工夫が必要となります。

 

(3)副業禁止の会社の場合バレるリスク

サラリーマンが会社設立する場合、心配する人が多いのが会社にバレるリスクです。

会社設立や副業で事業を行なっていると、収入額が変わるので社会保険や住民税の金額が変わり、そこから会社にバレることがあります。

 

副業が許可されている会社なら堂々としていてもいいのですが、そうはいかないケースもあるでしょう。

会社設立が勤務先にバレたくないなら、次の項目でご紹介するような工夫が必要です。

 

4.≪バレずにサラリーマンが会社設立するには?

それでは、サラリーマンが勤務先にバレずに会社設立したい場合、気をつけるべきポイントを解説していきます。

 

(1)登記内容に注意

会社を設立するときには「登記」という手続きを行いますが、この登記の内容は誰でも簡単に調べられます。

登記するときは配偶者など家族を社長にしたり、会社の住所は自宅と別の場所に置いたりするのがおすすめです。

何かのきっかけで、社内の人に会社の登記内容を調べられてしまった場合、そこに自分の名前や住所が載っていると一発でバレてしまいます。

 

(2)所得額に注意

会社設立をして個人の所得額が増えると、所得額を基準として課税される住民税や社会保険の金額が変わります。

勤務先に会社設立がバレるのは、こういった部分からというパターンが多いです。

 

この対策としては、自分の役員報酬を0円にして、配偶者などの家族に給与を支払うこと。

そうすることで、自分の所得額を変えずに家計に入る金額を増やし、会社にバレるリスクを減らすことができます。

 

(3)住民税の申告に注意

住民税から会社にバレる可能性があるとお伝えしましたが、実は住民税は給与から天引きではなく、自分で納めることもできます。

住民税を自分で納めることを「普通徴収」、給与から天引きにすることを「特別徴収」といい、確定申告時に普通徴収を希望すれば会社に所得金額の情報が伝わらなくなります。

 

しかし、多くの自治体では確実に税金を徴収できる特別徴収を推進しているので、勝手に特別徴収として処理されてしまうことも。

確実に普通徴収してもらいたい場合は、役所の税務課に問い合わせをしましょう。

 

(4)SNSや他の従業員に注意

最後に、自分のSNSや、設立した会社の従業員、こっそり会社設立を打ち明けた同僚などからバレてしまうこともあります。

人の口に戸は立てられませんから、バレたくないなら会社設立のことはなるべく人に話さないのが一番。

SNSなどで会社設立を報告したい場合には、鍵をかけて信頼できる人しか見られないようにしておきましょう。

 

5.≪サラリーマンの会社設立の目安はココ!

会社設立をする目安は、「売上1,000万円」または「利益500万円」を超えるタイミング。

 

先に解説したように、副業の売上が1,000万円を超えた場合は、2年以内に会社設立することで消費税の非課税期間を伸ばすことができ、大幅な節税になります。

また、所得税・法人税の課税率と、社会保険料等の会社運営コストを比較したとき、会社設立が得になるのはだいたい「利益500万円」がボーダーラインです。

 

金銭的に得になるかどうかだけではなく、将来的に独立したり事業を大きくしたいのか、それとも副業でお小遣い稼ぎができればいいのかというビジョンも一つのポイント。

必ずどちらがいいという正解はありませんが、会社設立をするなら制度をよく知り、リスクとメリットを比較した上で決断するのが大切です。

 

6.≪まとめ

サラリーマンが会社設立するのは、制度上不可能なことではありません。

むしろ、経済の先行きが見えない中で、収入が増え、節税にもなる会社設立を選択するサラリーマンは増えていくでしょう。政府も副業を推進する方向性にあります。

ただし当然リスクもあるので、会社設立は制度やコストをよく知った上で決断する必要があります。

2020/04/27 社会保険加入は会社設立時の義務!必要書類と手続き方法を解説

会社設立をしたら、速やかに社会保険の手続きを行い、健康保険・厚生年金保険・雇用保険・労災保険に加入する義務があります。

しかし、ケースによっては、会社設立後も社会保険に加入しなくて良い場合も。

 

今回は、会社設立後に必要な社会保険の手続きを解説し、社会保険に関するよくある疑問にお答えしていきます。

 

≪1.会社設立したら社会保険加入は義務!≫

会社設立をしたら、社会保険に加入することが法律で義務付けられています。

 

「保険料を払いたくないから入らない」「従業員が少ないから入らなくていい」ということはありません。

たとえ社長一人の会社であっても、会社という形式をとる以上、社会保険には加入しなければいけないのです。

(ただし、役員報酬が月額約12,000円未満の場合は年金事務所側から加入を断られるケースもあります。)

 

もし未加入が発覚した場合、過去2年分の保険料を遡って徴収される可能性があります。

実際の現場はケースバイケースなので一概にこうなるとはお伝え出来ませんが、具体的な案件についてご質問いただければ、弊所の社労士がご回答致します。

会社設立をしたら、速やかに保険加入の手続きを行い、適切に保険料を支払いましょう。

 

≪2.会社設立時の社会保険加入手続きと必要書類≫

それでは、会社設立時に行うべき社会保険加入手続きと、その必要書類について解説していきます。

 

ちなみに、社会保険の加入手続きはいつからできるかというと、会社の設立登記が終わった後すぐです。

それぞれの届出期限までに、必ず手続きを完了できるようにしましょう。

 

手続きは自分で行うこともできますが、事業準備などで忙しい場合には社会保険労務士などのプロに委託することも可能です。

 

(1)健康保険・厚生年金

まず、健康保険と厚生年金への加入は、 会社設立から5日以内に、会社所在地を所轄する年金事務所に届け出る必要があります。

2009年までは社会保険事務所という名称が使われていましたが、現在は「年金事務所」に改称しているので注意してください。

 

以下で解説する必要書類は、全て日本年金機構のホームページから入手できます。

提出方法は、郵送・窓口持参・オンライン申請の3つがあります。

 

①健康保険・厚生年金保険新規適用届

「健康保険・厚生年金保険新規適用届」は、新規起業時や個人事業主が法人成りした時など、初めて健康保険・厚生年金に加入する時に提出します。 

適用届けには、会社の登記簿謄本(提出日の90日以内に発行されたもの)の原本を添付します。

設立登記が終わったら、すぐに登記簿謄本を発行しておきましょう。

 

ちなみに、実際の会社の住所が登記した場所と異なる場合には、会社の賃貸借契約書のコピー・公共料金の領収書など、会社の所在地が証明できる書類が必要です。 

 

②健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届

「健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届」は、被保険者となる資格を取得するための書類です。

その時会社に在籍している、社長・役員・従業員まで、被保険者となる人全ての分を提出します。

新規加入後、新たに従業員を雇用した場合には、その都度増えた従業員の分を提出する必要があります。

 

③健康保険被扶養者(異動)届

健康保険被扶養者(異動)届」は、被保険者に扶養家族がいる場合に提出する書類です。

被扶養者届と被扶養者の健康保険被保険者証を添付する必要があるため、従業員にこれらの写しを提出するよう求めましょう。

 

ちなみに、扶養者の年間所得が103万円以上130万円未満の場合は、「課税(非課税)証明書」も添付する必要があります。

 

④保険料の計算方法

健康保険・厚生年金の保険料は、被保険者の標準報酬月額によって決まります。

給与の「等級」ごとに保険料額が決められているので、その金額を納付します。

例えば、東京の会社で標準報酬月額が20万円の場合、健康保険料は17等級で「19,740円」、厚生年金保険料は14等級で「36,600円」となります。

 

ちなみに、保険料は被保険者と会社で折半して支払うので、会社が納付するのは上記の金額の半額です。

 

(2)雇用保険

雇用保険は従業員を雇っている会社が加入します。社長や役員だけの会社には加入義務がありません。

 

雇用保険に加入する場合には、以下の書類を会社がある地域を管轄するハローワーク(公共職業安定所)に提出します。 

それぞれの書類はハローワークのホームページから入手可能で、提出方法は直接提出・電子申請の2種類です。

 

①雇用保険適用事業所設置届

「雇用保険適用事業所設置届」は、会社が雇用保険適用事業所であることを届け出るための書類です。

提出期限は従業員を雇用した翌日から10日以内、会社設立時から従業員がいる場合には設立日の翌日から10日以内です。

この書類には、登記簿謄本の原本を添付して提出します。

 

②雇用保険被保険者資格取得届

「雇用保険被保険者資格取得届」は、各従業員の被保険者資格を取得するための書類です。

従業員を雇用した月の、翌月10日までに提出します。

従業員を複数人雇用する場合には、人数分の提出が必要です。

 

賃金台帳や労働者名簿、出勤簿などの提出が求められる場合もあるので、事前にハローワークに確認しておきましょう。

 

(3)労災保険

最後に、労災保険も従業員を雇用した場合に加入義務がある保険です。

労災保険関係の届出は、会社所在地を管轄する労働基準監督署に提出します。

 

それぞれの申請書は、労働基準監督署のホームページから入手可能です。

窓口に直接持参か、電子申請で提出を行います。

 

①保険関係成立届

「保険関係成立届」は、従業員を雇用した日の翌日から10日以内に提出します。 

会社の登記謄本原本・労務者名簿・賃金台帳・出勤簿を添えて提出しましょう。

従業員が10人以上いる会社の場合、「就業規則届」も必要です。

 

②労働保険概算保険料申告書

「労働保険概算保険料申告書」は、労災保険の保険料について申告する書類です。

提出期限は、保険関係が成立した日から50日以内となっています。

前の項目で解説した保険関係成立届と一緒に提出し、50日以内に納付するというのが一般的です。

 

≪3.会社設立時の社会保険についてのよくあるQ&A≫

最後に、会社設立時の社会保険手続について、よくある質問とその回答をご紹介します。

 

(1)パートやアルバイトの社会保険は?

パートやアルバイトであっても、雇用保険の加入要件を満たしている場合には社会保険に加入させる義務があります。

 

まず、パート・アルバイト従業員の1ヶ月の労働日数と1週間の労働時間が正社員の3/4以上だと、社会保険加入義務が発生します。

 

そうではなくても、下記の条件を満たす場合には社会保険への加入が必要となります。

・週の所定労働時間が20時間以上

・雇用期間が1年以上見込まれる

・賃金の月額が8.8万円以上

・学生でない

・常時501人以上の企業(特定適用事業所)に勤めている

 

また、労災保険については、雇用形態に関わらず、従業員を雇用する限り加入の義務があります。

 

(2)設立後にすぐに社会保険に加入できない場合は?

社長1人の会社でなかなか経営が軌道に乗らず、自分自身に給与を支払えないということもあるでしょう。

先にお伝えしたように、役員報酬が月額12,000円以下だと社会保険への加入を断られることがあります。

 

そのような事情で、会社設立後すぐに社会保険に加入できない場合には、代替の制度を利用します。

健康保険に関しては「国民健康保険」か「協会けんぽの任意継続」、年金は「国民年金保険」も加入しましょう。

 

(3)社員が自分一人でも加入すべき?

社員が自分一人であっても、一定額以上の報酬を得ている限りは社会保険に加入する義務があります。

国民健康保険より社会保険の方が保険料は高いですが、会社設立をすれば社会保険料を損金算入できるため、税制上お得な面もあります。

 

(4)社会保険料を節約する方法はある?

社会保険料は、先にお伝えしたように標準報酬月額を基準として算定されるので、自分や従業員に支払う給与が少なければ保険料も下がります。

 

また、パートやアルバイトは労働時間等で保険加入が義務でない場合もあるため、それを利用して保険料を節約することは可能です。

例として、以下のような方法が考えられます。

 

・役員報酬を必要以上に高くしない

・自宅や社員宅を社宅扱いにし、給与から家賃分を差し引く

・パートやアルバイトを活用し、社員を増やさない

 

≪4.まとめ≫

会社設立をしたら、社会保険の加入が義務になります。

社員が自分一人であっても加入義務がありますが、報酬が著しく少ないなど、加入できない事情がある場合には国民健康保険・国民年金を継続することもあります。

 

しかし、基本的には、会社設立をしたら速やかに保険関係の手続きを行い、未加入のペナルティが課せられないようにしましょう。

2020/04/20 会社の設立・登記の方法は?基本的な流れから必要書類・費用までを解説

会社が会社として成立するには、法務局で会社設立登記という手続きをする必要があります。

会社設立登記は必要書類を用意して提出するだけで完了しますが、その準備がなかなか大変です。

 

今回は、会社設立登記の基本的な流れと、必要書類・費用について解説します。

会社設立をお考えの方は、ぜひお役立てください。

 

≪1.会社設立登記の流れ≫

まずは、大まかな会社設立登記の流れを見ていきましょう。

会社設立登記をするときは、この順番に従って必要な書類を集め、提出や手続きを行っていきます。

 

(1)必要事項を決定する

会社設立の最初のステップは、基本事項の決定です。

最初に決めておくべき基本事項には、以下のようなものがあります。

 

・商号(会社名)

・所在地(登記する正確な住所)

・発起人

・登記簿謄本に記載する事業内容

・資本金額

・決算日

 

また、このタイミングで、以降の手続きに必要な会社の印鑑4種類も作成しておきます。

 

(2)定款を作成する

次に、定款の作成を行います。

 

定款とは、会社の基本的なルールを書面にまとめた書類のことです。

定款には以下のような内容を記載します。

 

・会社名

・所在地

・事業目的

・広告方法

・発行可能株式総数

・株式の譲渡制限

・取締役の員数

・取締役の任期

・事業年度

・設立に際して出資される財産の価額

・設立後の資本金の額

・最初の事業年度

・設立時の役員

・発起人の氏名、住所等

・発起人の記名押印

・出資者全員の捨て印

 

(3)公証役場で定款の認証を受ける

定款が作成できたら、その内容が正しいことを第三者に証明してもらう「認証」の手続きを行います。

公証役場に定款を提出して手数料を納付し、公証人による認証を受けます。

 

ちなみに、この定款の認証は、株式会社を設立する場合のみ必要な手続きです。合同会社設立の場合は必要ありません。

 

(4)資本金を払い込む

会社設立時の資本金額を準備し、振り込みます。

会社法の改正により、資本金は1円からでも起業できますが、実際には資本金は多く用意した方が社会的信用は得やすいです。

 

後の会社設立登記で「資本金の払込証明書」が必要になるので、このタイミングで会社用の口座を用意し、資本金として定めた額を振り込みましょう。

 

(5)法務局で設立登記する

会社設立の最後の手続きが、登記申請です。

会社の設立登記は、法務局に必要書類を提出して行います。

 

この会社設立登記の手続き方法には、「直接提出」「郵送」「オンライン提出」の3つがあります。

登記手続きに必要な書類については、次の項目で詳しく解説いたします。

 

≪2.会社設立の登記に必要な書類≫

それでは、会社設立登記の必要書類を、1つずつ見ていきましょう。

 

(1)必須となる書類

以下で解説する書類は、設立する会社の形式や規模に関わらず、どんな会社の設立登記にも必要です。

 

・登記申請書

・登録免許税納付用台紙

・登記すべき事項を記録した磁気ディスク(CD-Rなど)

・公証人の認証済みの定款

・資本金払込証明書

・役員の就任承諾書

・役員の印鑑証明書

・印鑑届書

・印鑑カード交付申請書

 

①登記申請書

登記申請書のテンプレートは、法務省のホームページからダウンロードすることができます。

テンプレートを使わず、同じ内容を記載した書類を作成しても問題ありません。

内容は以下の事項をA4用紙に横書きにするだけなので、特に難しくはないでしょう。

 

・会社の基本事項(会社名・所在地・登記の事由・資本金額・登録免許税額)

・添付書類の内訳

・申請年月日

・本店と代表者の氏名・住所

 

②登録免許税納付用台紙

登録免許税納付用台紙には、株式会社の場合15万円分、合同会社の場合は6万円分の収入印紙を貼り付けて提出します。

 

この書類には、特に決まった形式はありません。法務局の窓口で申し出て入手することもできますし、ネット上でテンプレートを探してダウンロードしたり、ただの白紙に収入印紙を貼り付けて提出したりしても問題ありません。

 

③登記すべき事項を記録した磁気ディスク(CD-Rなど)

登記事項を保存した書類は紙媒体で提出することもできますが、その場合は用紙を法務局で直接入手する必要があります。

法務省のホームページにある作成例を参考にしながら、自分のPCで作成した方が効率的です。

 

内容はテンプレートに従って必要事項を記入するだけなので、そこまで難しくありません。

作成が終わったら、CD-RかFDに保存し、会社名を書いたシールを貼り付けて提出します。

 

④公証人の認証済みの定款

株式会社を設立する場合、登記の一つ前のステップで公証人の認証を受けた定款が1部必要です。

合同会社の場合、定款の認証は必要ありませんが、登記の際に定款を1部提出します。

 

⑤資本金払込証明書

資本金払込証明書は資本金の払い込みを行なったあと、取得した通帳のコピーから作成します。

 

通帳の記帳欄、表紙、個人情報欄のコピーに表紙をつけ、製本しましょう。

各見開きページの綴り部分には、契印をしておきます。

 

⑥役員の就任承諾書

役員の就任承諾書は、「取締役・代表取締役に就任したことを承諾した」ということを証明するための書類です。 

 

内容は「○年○月○日の取締役会で取締役(代表取締役)に選任され、承諾しました」という文章と、その人の署名です。

インターネット上でテンプレートが取得できるため、日付と署名欄を埋めるだけで問題ありません。

 

⑦役員の印鑑証明書

役員の印鑑証明書は、会社の役員は住民票を置いている自治体の役所で入手します。

定款の認証を受ける際に取得したものと、同じ印鑑証明が必要です。

 

役員が複数人いる会社の場合、全員のものを用意しましょう。

ただし、取締役会がある場合は、代表取締役1名の印鑑証明のみで手続きが可能です。

 

⑧印鑑届書

印鑑届書は、登記の際に会社実印の印鑑登録をするために必要な書類です。

法務局のホームページでテンプレートを入手できるため、必要事項を記入して提出しましょう。

 

⑨印鑑カード交付申請書

会社実印の印鑑登録をしたあと、印鑑証明書を入手するために印鑑カードが必要です。

印鑑届書と同じく、法務局のホームページで入手したテンプレートに必要事項を記入して提出します。

 

会社の印鑑証明書は会社設立後の様々な手続きに使いますが、同じく設立後の手続きで必要になる登記簿謄本については、事前に申請しなくても誰でも取得できます。

 

(2)場合によっては必要な書類

場合によっては会社設立登記をする時、上記の他に以下の書類が必要になることもあります。

 

・発起人決定書

・調査報告書

・財産引継書

・資本金の額の計上に関する証明書

 

まず「発起人決定書」は、定款に取締役・代表取締役・本店所在地の番地・電子定款のURLなどの記載がない場合に必要です。

「調査報告書」「財産引継書」「資本金の額の計上に関する証明書」は、資本金や出資金に現金以外の現物出資が含まれる場合に必要な書類です。

 

≪3.会社設立登記の申請・手続きの方法≫

それでは、会社設立登記の具体的なやり方や費用について解説していきます。

 

(1)申請先と申請期限

会社設立登記の申請先は、法務局です。

法務局の窓口に必要書類を持参して出向くか、法務局の住所に郵送、または専用の申請システムを使ってオンライン申請で行います。

 

また、会社設立登記を行う期間「設立時取締役の調査完了日、もしくは発起人が定めた日から2週間以内」です。

期限を過ぎた後の申請も可能ですが、過ぎてしまうと「登記懈怠」となり、罰金の対象となるので注意しましょう。

 

(2)登記に必要な費用

登記に必要な費用は、ステップごとに以下のものがあります。

 

①定款認証関連

株式会社を設立する場合、定款の認証に以下の費用がかかります。

 

・定款に貼り付ける収入印紙:40,000円(電子定款の場合は不要)

・公証人に払う手数料:50,000円

・定款の謄本交付手数料:約2,000円(250円×ページ数)

 

②設立登記関連

登記申請の際には登録免許税がかかりますが、登録免許税の金額は会社の形式や資本金の額により異なります。

 

・株式会社:150,000円(資本金の0.7%が150,000円以上の場合、その金額)

・合同会社:60,000円(資本金の0.7%が60,000円以上の場合、その金額)

 

③その他の費用

会社設立登記にかかるその他の費用としては、印鑑の作成費用・各種証明書の交付費用・交通費などがあります。

これらの雑費については、合わせて10,000円ほど見込んでおけばいいでしょう。

 

≪4.会社設立登記の後に必要な手続き≫

会社設立登記の後に必要な手続きは、大きく分けて以下の3つがあります。

 

・税務署への各種届出

・健康保険・厚生年金保険への加入

・労災保険・雇用保険への加入

 

どの手続きも、事業開始後の税申告や、従業員の保護のために必要な手続きです。

手続きを怠ると、後でペナルティが課せられる可能性があるため、会社設立登記の後に速やかに行いましょう。

 

≪5.まとめ≫

会社設立登記は、会社設立を行う中で最後のステップです。登記が完了することで、初めて会社として成立します。スムーズに会社設立登記を行うには、手続きの流れと必要書類をしっかり理解し、順序よく準備を進めていく必要があります。

会社設立後に税理士に顧問をご依頼される場合、弊所では司法書士手数料が無料になりますのでご依頼されることを検討してみてはいかがでしょうか?今回ご紹介した会社設立業務を丸投げでご依頼可能です。

 

会社設立をお考えの方は、ぜひ今回解説した内容を参考にしてみてください。

2020/03/26 会社設立・登記に必要な書類とは?手続き方法、設立後にすべきこと

会社設立には、資金集めや人・モノ集め、様々なルールの決定など、準備することが膨大です。

中でも、公証人役場や法務局で行う手続きは、必要書類や手続きのステップが複雑です。

 

そこで、今回は、会社設立の必要書類と手続きの流れをわかりやすく解説。

全体の流れを把握することで、必要書類の揃え方や準備するタイミングがわかります。

 

1.≪会社設立・登記に必要な書類一覧≫

会社設立には、以下の11種類の書類が必要です。

 

・登記申請書

・登録免許税分の収入印紙を貼り付けたA4用紙

・定款

・発起人の決定書

・取締役の就任承諾書

・代表取締役の就任承諾書

・監査役の就任承諾書

・取締役の印鑑証明書

・資本金の払い込み証明書

・印鑑届出書

・登記すべき事項を保存したCD-Rまたはフロッピーディスク

 

会社設立時には、これらの書類を法務局に提出して手続きを行います。

以下の項目で、詳しい準備方法や手続きの流れについて解説していきます。

 

2.≪会社設立前の必要書類の準備プロセス≫

会社設立に必要な書類は、以下の順番で準備していきます。

用意する順番を間違えると、手続きがスムーズにできないことがあるので注意してください。

 

(1)印鑑を作成する

会社設立の必要書類を準備するにあたっては、まず法人用の印鑑を作成します。

会社設立の手続きや、開業後すぐに必要となる印鑑は、以下の4種類です。

 

・会社実印(代表社印):会社の設立登記時に登録する実印。主に重要な契約書などに使う

・会社銀行印:銀行口座の開設時に届け出る実印。会社実印と分けてリスクを分散する

・角印(社印):注文書・請求書・稟議書などに用いる会社の認印

・住所印(ゴム印):会社名・会社住所・電話番号などを記載した印鑑

 

(2)設立の基本事項を決定

次に、会社の基本事項を決定します。

会社設立にあたって、最初に決めておくべき基本事項には以下のようなものがあります。

 

・会社名

・所在地

・発起人

・事業目的

・事業年度

 

(3)定款を作成する

いよいよ、会社設立の手続きでもっとも重要な定款の作成に移ります。

定款とは、会社の基本的なルールを書面にまとめたもののことです。

定款には、以下の内容を記載します。

 

・会社名

・所在地

・事業目的

・広告方法

・発行可能株式総数

・株式の譲渡制限

・取締役の員数

・取締役の任期

・事業年度

・設立に際して出資される財産の価額

・設立後の資本金の額

・最初の事業年度

・設立時の役員

・発起人の氏名、住所等

・発起人の記名押印

・出資者全員の捨て印

 

(4)定款の認証を受ける

定款が作成できたら、その内容が正しいことを第三者に証明してもらう「認証」の手続きを行います。

 

定款の認証は、法務局ではなく公証人役場で行うため、まずは登記予定の地域に所属する公証人役場を調べましょう。

行くべき公証人役場が決まったら、以下の書類や手数料を持参して定款の認証を受けます。

 

・定款 3部

・発起人(出資者)全員の印鑑証明書

・発起人(出資者)の実印

・身分証明書

・公証人へ支払う手数料 5万円

・定款の写し交付手数料 250円×定款のページ数

・収入印紙 4万円分(電子定款の場合は不要)

 

(5)資本金を払い込む

次に行うのが、資本金の払い込みです。会社用の口座を用意して、資本金として定めた額を振り込みましょう。

 

このタイミングで行うのは、次の登記手続きで必要な書類を作成するためです。

資本金の払い込みが終わったら、通帳の以下の部分をコピーしておきましょう。

 

・通帳の記帳欄

・表紙

・個人情報欄

 

(6)設立登記をする

最後のステップが、設立登記申請です。

はじめに挙げた11種類の必要書類は、この段階で全て作成・取得が可能になっているはずです。

全ての書類を法務局に持参し、提出しましょう。

 

それぞれの書類の詳しい作成方法は、下の項目で解説します。

 

3.≪会社設立時、法務局に提出する書類≫

それでは、最初の必要書類一覧でご紹介した書類の役割や、作成方法を解説していきます。

 

(1)登記申請書

登記申請書のテンプレートは、法務省のホームページからダウンロードすることができます。

テンプレートを使わず、同じ内容を記載した書類を作成しても問題ありません。

内容は以下の事項をA4用紙に横書きにするだけなので、特に難しいステップではないでしょう。

 

・会社の基本事項(会社名・所在地・登記の事由・資本金額・登録免許税額)

・添付書類の内訳

・申請年月日

・本店と代表者の氏名・住所

 

(2)認証済みの定款

先の手続きで認証を受けた定款が、登記申請用に1部必要です。

 

(3)取締役・代表取締役の就任承諾書

「取締役・代表取締役に就任したことを承諾した」ということを証明するための書類です。 

内容は「◯年◯月◯日の取締役会で取締役(代表取締役)に選任され、承諾しました」という文章と、その人の署名です。

インターネット上でテンプレートが取得できるため、日付と署名欄を埋めるだけで問題ありません。

 

(4)発起人の決定書

発起人の決定書には、以下の内容を記載します。

 

・本店の詳細な所在地

・電子公告のURL

・発起人全員の記名捺印

こちらも、インターネット上でテンプレートのダウンロードが可能です。

 

(5)資本金の払込を証明する書類

資本金の払い込みを行なったあと、取得した通帳のコピーから作成します。

通帳の表紙、個人情報欄、記帳欄のコピーに表紙をつけ、製本しましょう。

各見開きページの綴り部分には、契印をしておきます。

 

(6)会社の印鑑届書

印鑑届書は、会社実印の印鑑登録をするために必要な書類です。

法務局のホームページでテンプレートを入手できるため、必要事項を記入して提出しましょう。

 

(7)代表取締役・取締役個人の印鑑証明

定款の認証を受ける際に取得したもの、同じ印鑑証明を使います。

それぞれが住民票を置いている自治体の役所で入手しましょう。

 

取締役が複数人いる会社の場合、全員の印鑑証明書が必要です。

ただし、取締役会を設置している場合は、代表取締役1名の印鑑証明のみで手続きができます。

 

(8)登記事項を保存した書類または磁気ディスク

登記事項を保存した書類は紙媒体で提出することもできますが、その場合は用紙を法務局で直接入手する必要があります。

そのため、法務省のホームページにある作成例を参考にしながら、自分のPCで作成した方が効率的です。

 

内容はテンプレートに従って必要事項を記入するだけなので、そこまで難しくありません。

作成が終わったら、CD-RかFDに保存し、会社名を書いたシールを貼り付けて提出します。

 

4.≪会社設立後、税務署への提出が必要な書類≫

法務局で設立登記が終わったら、それで会社設立は完了というわけではありません。

設立後、営業開始にあたって税務署に対する手続きも必要です。

税務署での手続きの、必要書類を解説していきます。

 

(1)法人設立届出書

法人設立届出書は、簡単にいうと税務署に「会社を設立しました」という報告を行う書類です。

会社設立から2ヶ月以内に提出を行います。

 

テンプレートは国税局のホームページからダウンロードでき、それに従って代表者氏名・住所・事業目的・事業開始年月日などを記入します。

また、添付書類として定款の写しが必要です。

 

(2)給与支払事務所等の開設届出書

給与支払事務所等の開設届出書とは、従業員等に給与を支払う場合に提出が必要な書類のことです。

こちらも、テンプレートは国税局のホームページで入手できます。

提出期限は、給与支払事務所として開設してから1ヶ月以内です。

 

(3)青色申告の承認申請書

青色申告の承認申請書は、法人税等の申告を青色申告で行うために必要です。

他に「白色申告」という申告方法もありますが、青色申告の方が税制上何かと有利です。

申告時に提出する帳簿の種類などを記入し、提出します。

 

提出する帳簿の種類は「現金出納帳」「預金出納帳」「売掛帳」「買掛帳」「総勘定元帳」の5つが基本です。

提出期限は会社設立後3ヶ月以内、または最初の事業年度の末日です。

 

5.≪合同会社設立の必要書類≫

ここまで解説してきたのは、もっとも数が多い「株式会社」を設立するための必要書類や手続き方法です。

合同会社を設立する場合、手続きや必要書類はもっとシンプルになります。

 

合同会社設立に必要な書類は、以下の通りです。

 

・合同会社設立登記申請書

・登記用紙と同一の用紙

・定款2部

・代表社員の印鑑証明書

・払込証明書

・印鑑届書

・代表社員就任承諾書(場合によって必要)

・本店所在地及び資本金決定書(場合によって必要)

 

合同会社を設立する場合、定款の認証というステップが必要ありません。

また、登録免許税も株式会社は15万円、合同会社の場合は6万円という違いがあります。

その他の手続き方法は、基本的には株式会社設立の場合と同じです。

 

6.≪まとめ≫

会社設立の必要書類は、全部で11種類です。

定款以外の書類は作成や入手がそこまで難しくありませんが、種類が多いので抜けや間違いがないように気をつける必要があります。

スムーズに登記申請まで終えるために、手続きの流れを把握してステップごとに準備を進めていきましょう。

2020/03/19 会社設立時に用意すべき印鑑とは?素材や書体はどう決める?

会社設立時には、会社の印鑑が4種類、個人の印鑑が3種類必要になります。

全て同じタイミングで必要というわけではありませんが、会社を設立し、開業していく中で必ず必要になるものです。

そのため、印鑑は会社設立に先んじて全種類作成しておくのがおすすめ。

 

今回は、会社設立に必要な印鑑の種類と、字体や素材の選び方のポイントを解説していきます。

 

1.≪会社設立時の印鑑の役割≫

会社設立をするとき、必要になる印鑑は4種類あります。

 

会社実印(代表社印):会社の設立登記時に登録する実印。主に重要な契約書などに使う

会社銀行印:銀行口座の開設時に届け出る実印。会社実印と分けてリスクを分散する

角印(社印):注文書・請求書・稟議書などに用いる会社の認印

住所印(ゴム印):会社名・会社住所・電話番号などを記載した印鑑

 

会社実印と会社銀行印は会社設立の手続きに、角印と住所印は開業後すぐに必要となる印鑑です。

使うタイミングは違いますが、どのみち全種類を作成することになりますので、会社設立の手続きを始める時点で全て用意しておくといいでしょう。

 

以下の項目で、それぞれの印鑑に必要な条件や選び方について、詳しく解説していきます。

 

2.≪会社設立したら作成すべき印鑑≫

それでは、会社設立に必要な印鑑について、詳しくご紹介します。

印鑑作成をする時のために、それぞれの用途と目安となる大きさ、刻印の内容について知っておきましょう。

 

(1)実印(代表者印)

会社実印(代表社印)は、会社設立の時に登録する印鑑です。丸い形をしていることから、丸印と呼ばれることもあります。

 

会社設立以降は、会社の意思決定を示すための重要な書類や、会社の存在の証明が必要となる取引・法的手続きなどに使用します。

会社実印が必要となるのは、以下のような場合です。

 

・会社の設立登記をする時

・代表取締役の変更があった時

・株券を発行する時

・法人が不動産を売却する時

・不動産を担保にいれる時

・連帯保証をする契約を結ぶ時

・他の企業を買収する時

など

 

会社実印のサイズは、法務局により「1cm以上3cm以内の正方形に収まるサイズ」と定められています。

実際には、18~21mmくらいのサイズを選ぶ人が多いです。

 

また、「照合に適するものでなければならない」という規定もあるため、シャチハタやゴム印は会社実印として使うことができません。

刻印の内容には特に決まりはありませんが、「株式会社〇〇 代表取締役印」と彫られるのが一般的です。

 

(2)銀行印

銀行印は銀行に届け出る会社の印鑑で、主に銀行・お金に関わる場面で使う印鑑です。

具体的に、銀行印が必要になるシーンは以下の通り。

 

・会社の銀行を開設する時

・融資契約を締結する時

・手形や小切手を発行する時

など

 

こちらは経営者ではなく、経理部長などが管理することが多くなっています。

経営者自身が銀行印を管理する場合、会社実印と銀行印に同じ印鑑を使っているケースもあります。

制度上は同じものを用いることもできますが、リスク分散のために銀行印は実印とは別に作成・管理しておくのがおすすめです。

 

一般的な刻印内容は、「株式会社〇〇 銀行印」です。

デザインや大きさには特に規定はありませんが、会社実印と区別するために会社実印より一回り小さいものを選ぶ場合が多いです。具体的には、16.5~18mmくらいが目安になります。

 

(3)角印(社印)

角印(社印)は、会社実印や銀行印に比べて、日常で使う頻度が高い印鑑です。

その名の通り、四角い形をしていることで他の印鑑と区別できます。

 

角印は、以下のような場面で必要になります。

 

・領収書を発行する時

・見積書を発行する時

・請求書を発行する時

・発注書を発行する時

など

 

角印に刻印する内容は、基本的には「会社名」のみ。

サイズに規定はありませんが、ある程度大きめの20~30mmほどのものが多くなっています。

 

(4)認印・ゴム印

認印とは、実印ではない全ての印鑑のことを指します。

認印が必要になるのは、以下のようなシーンです。

 

・宅急便の受け取り

・書留の受け取り

・社内文書

など

 

この認印は、会社の名前ではなく経営者や社印個人のものを使うことも多いです。

デザインや刻印内容には特に決まりはありませんが、厳重に保管すべき実印や銀行印とは必ず分けるようにしましょう。

 

一方ゴム印は、住所印と呼ばれることもある大きめの印鑑です。

その名の通りゴム製の場合が多く、会社名だけではなく住所や電話番号まで記載されています。

必ずゴム印が必要というよりは、毎回住所などを書く手間を減らす、印刷コストの削減などのために使われることが多いです。

ゴム印を使うのは、以下のような書類です。

 

・契約書・請求書・社内文書

・手形・小切手

・納品書・領収書

・会社封筒

など

 

刻印内容は、「会社名・会社住所・電話番号・代表者名・役職者名」などが多く、特に決まりはありません。

サイズにも決まりはありませんが、20mm×60mmが一般的なサイズとされています。

 

(5)代表者個人の印鑑も用意する

会社名だけではなく、代表者個人の印鑑も様々な場面で必要です。

会社設立時には「実印」「銀行印」「認・仕事印」の3種類を、個人名でも作っておきましょう。

 

会社印鑑と個人印鑑の違いは、刻印に会社名が入っているかどうかです。

個人印の刻印内容は、「姓・名」「姓のみ」「名のみ」どのタイプでも正式な印鑑として使えます。

ただし、経営者として重要な場面で使うこともあるので、偽造されやすい市販のものは避けたほうがいいでしょう。

 

また、実印・銀行印として登録するものには、シャチハタやゴム印は使えないので注意してください。

 

3.≪会社設立時の印鑑注文のポイント≫

次に、会社設立時に印鑑を注文する時のポイントをまとめてご紹介します。

 

(1)会社印鑑におすすめの材質は?

印鑑の素材は、大きく分けて「木材系」「角・牙系」「金属・樹脂系」の3種類があります。

印鑑として加工できればどんな素材も使用可能ですが、会社印鑑として使うのは、耐久性に優れ、長く使い続けられる素材がおすすめです。

会社設立・運営に必要な印鑑を揃えた「会社設立印鑑セット」で人気なのは、以下の3つの素材です。

 

・チタン

・黒水牛

・彩樺

 

これらの素材は、どれも耐久性が高く、劣化しにくいのが特徴です。

特にチタンはメンテナンスフリーで、耐食性、耐火性、耐水性全てが優れているので、万が一の事故や災害でも重要な会社印を失うことがありません。

 

(2)字体の選び方

会社の実印や銀行印は、重要な契約にも使う大切な印鑑です。

万が一、偽造されてしまうと非常に損失が大きいため、会社の印鑑は偽造されづらい複雑な字体を選ばなければいけません。

また、欠けたり磨耗したりして、当初と形状が変わってもいけないので、耐久性の高いデザインを選ぶ必要があります。

 

上記の条件を満たすおすすめの字体には、以下のようなものがあります。

 

・吉相体(きっそうたい)

・篆書体(てんしょたい)

・太枠篆書体(ふとわくてんしょたい)

 

対して認印は、「誰がこの書類を承認したか」がわかる必要があるため、読みやすさが求められます。

認印には、可読性の高い以下のような字体がおすすめです。

 

・古印体(こいんたい)

・隷書体(れいしょたい)

 

4.≪会社設立時の印鑑登録方法≫

会社設立をするときは、個人が自治体で印鑑登録をするように、会社は法務局で印鑑登録をする必要があります。

印鑑登録をすることで、印鑑証明書が取得できます。

印鑑登録・印鑑証明書の取得を経て、その印鑑が正式なものと証明し、効力を持たせることができるのです。

 

(1)印鑑届出書の提出が必要

会社設立の手続きでは、印鑑届出書を提出して法務局に会社実印を登録する必要があります。

印鑑届出書を提出すると印鑑カードが交付され、必要な時に印鑑証明書の交付申請を行うことができるようになります。

 

この印鑑証明書は会社の口座開設時に必要となるため、印鑑届出書を提出しないと資本金の払い込みができません。

ただし、印鑑証明書には期限があり、発行後3ヶ月以内に設立登記を申請する必要があるため注意しましょう。

 

(2)印鑑届出書記載時の注意点

印鑑届出書の記入自体は、決して難しくはありません。

しかし、左上と右下に押印する欄があり、それぞれ違う印鑑を押して提出するため、ここを間違えないよう気をつける必要があります。

印鑑届出書に押印する欄と印鑑は、以下のようになっています。

 

左上:代表社印

右下:印鑑提出者の実印(代理人が提出する場合、代理人の認印)

 

代理人が印鑑届出書を提出する場合、印鑑提出者は委任状を作成し、その委任状に実印を押す必要があります。

この実印は事前に自治体に登録し、印鑑証明書も同時に提出する必要があるため、早め早めに準備しておきましょう。

 

5.≪まとめ≫

会社設立時には、4種類の印鑑を準備します。それぞれ違う場面で必要になり、用途や重要度も異なる印鑑です。

 

多くのハンコ屋さんでは、会社設立に必要な印鑑がセットになった「会社設立セット」を用意しています。

価格も一つずつ購入するより割安なので、こういったセットを利用してまとめて用意するといいでしょう。

 

素材やデザインは自由度が高いので、ぜひご自分の会社印として愛着を持てる印鑑を作成してみてください。

2020/03/12 会社設立にかかる費用は?最低金額・内訳を解説

会社設立の費用は、設立したい会社の種類によって異なります。

現在、設立できる会社の種類は「株式会社」「合同会社」「合名会社」「合資会社」の4種類。

ただし、実際に設立される会社の数は株式会社・合同会社の2種類が圧倒的に多いです。

 

今回は、その株式会社・合同会社の設立に関する費用について解説していきます。

 

1.≪株式会社設立の費用≫

それではまず、株式会社の設立にかかる費用を解説していきます。

株式会社の設立には、定款の認証・登記という手続きが必要となり、合同会社よりも設立費用が高くなります。

 

(1)必要な法定費用は242,000円

株式会社設立の手続きにかかる費用は、資本金・雑費を除くと24万2,000円。

その内訳は、以下のようになっています。

 

定款認証手数料:5万円

収入印紙代:4万円

定款の謄本手数料:2,000円

登録免許税:15万円

 

これらを合計すると、上記の24万2,000円という金額になります。

これは会社設立の手続きに必ず必要になるものです。相場などによる変動や、安くする方法はありません。

 

ただし、収入印紙代の4万円については、電子定款で会社を設立する場合にはかかりません。

電子定款を選択すると、紙媒体の定款自体が存在しないので、定款に印紙を貼り付ける必要がなくなるためです。

そのため、電子定款で株式会社を設立する場合、費用の合計は20万2,000円となります。

 

(2)その他にかかる雑費

株式会社設立の手続きを行うためには、必要な書類や印鑑の作成費用がかかります。

手続きにあたってかかる雑費の相場は、全て合わせて1万円ほど。

その内訳は、以下のようになります。

 

実印作成費(4本分):約5,000円~

印鑑登録の費用:約300円

印鑑証明書の発行費:約450円×必要枚数

登記簿謄本の発行費:約500円×必要枚数

 

雑費の中でもっとも大きな出費となるのが、実印作成費。

会社を設立する手続きには、「会社実印(代表社印)」「会社銀行印」「角印(社印)」「住所印(ゴム印)」という4種類の印鑑が必要となります。

安くても1本1,000円以上はかかるので、合計5,000円ほどは見込んでおいた方がいいでしょう。クオリティにこだわると、もっと費用がかかります。

 

印鑑証明や登記簿謄本の発行費は、自治体によって金額が異なるので、上記の金額は目安程度と思っておいてください。

 

(3)資本金はいくらにすべき?

株式会社の設立には資本金が必要です。

2006年に新会社法が施行されてからは、資本金1円からでも会社設立が可能になりました。

しかし、安易に資本金1円で起業してしまうと、様々なデメリットがあります。

 

資本金とは、端的にいうと会社の運転資金なので、これが少なすぎると経営を維持する力が弱いということになります。

金融機関や取引先から「すぐに倒産するのでは?」と思われてしまうと、資金調達や販路拡大が難しくなってしまうのです。

株式会社の資本金は、業種にもよりますが100~1,000万円くらいが相場となっています。可能な限りで、できるだけ多く資本金を集めた方が、設立後の事業がやりやすくなるでしょう。

 

ただし、多ければ多いほど良いというわけではありません。

なぜなら、先にご紹介した登録免許税は、資本金が2,140万円以上になると15万円より高くなるためです。

登録免許税の金額は、正式には「15万円、または資本金の0.7%(資本金の0.7%が15万円を上回る場合)」となっています。

「資本金の0.7%=15万円」となるのが2,140万円なので、これを超えると手続きにかかる法定費用が高くなるということは知っておきましょう。

 

2.≪合同会社設立の費用≫

次に、合同会社を設立するための費用について解説していきます。

合同会社の場合、手続きのステップが少なく、登録免許税も株式会社より安いので、設立費用を抑えることができます。

 

(1)必要な法定費用は10万円

合同会社設立の手続きに必要な費用は、10万円です。

こちらも、国に支払う法定費用なので、相場による変動や安い金額に抑える方法はありません。

費用の内訳は、以下のようになっています。

 

収入印紙代:4万円

登録免許税:6万円

 

合同会社を設立する場合、株式会社で必要な定款の認証という手続きが不要です。

そのため、定款認証手数料や、認証に必要な謄本の作成費用は必要ありません。

 

株式会社の場合と同様、電子定款の場合は収入印紙代の4万円も不要となります。

ですから、合同会社設立に最低限必要な費用は、登録免許税の6万円のみです。

 

資本金の0.7%が6万円を超える場合には、登録免許税はそちらの金額になります。

つまり、資本金が8,571,428円を超えると法定費用が高くなるということは覚えておきましょう。

 

(2)その他の雑費は株式会社とほぼ同じ

法定費用以外にかかる雑費の相場は、株式会社とほぼ同じで合計1万円程度です。

 

実印作成費(4本分):約5,000円~

印鑑登録の費用:約300円

印鑑証明書の発行費:約450円×必要枚数

登記簿謄本の発行費:約500円×必要枚数

 

そのため、合同会社設立にかかる費用の合計は、最低7万円ほど。

株式会社設立にかかる費用の1/3以下なので、とにかく安い方法を選びたい方には合同会社設立がおすすめです。

 

(3)資本金はいくらにすべき?

合同会社の資本金は、株式会社の場合と同じく最低1円でもOKです。

しかし、こちらも株式会社の場合と同じく、資金調達や販路拡大が難しいというデメリットがあります。

 

合同会社の資本金の相場は、50~300万円ほどです。

具体的には、「事業の準備にかかる資金+3~6ヶ月分の運転資金」を計算して、適切な金額を考えましょう。

ただし、先にもお伝えしましたが、資本金857万円を超えると登録免許税が高くなるということは知っておいてください。

 

3≪会社設立の費用を安くする方法≫

会社設立の費用を安くする方法は、あまり多くありません。

ここまでも何度かお伝えしてきましたが、会社設立の手続きにかかる費用は国に支払う法定費用のためです。

 

唯一削れるのは、定款に貼る収入印紙代の4万円。定款を紙ではなく電子定款にすれば、収入印紙代を支払わずに済みます。

ただし、電子定款は誰でも無料で作成できるわけではありません。

 

まず、電子定款はPDFで作成し、その中に電子署名を挿入する必要があります。

PDFデータ自体はフリーソフトでも簡単に作ることができますが、電子署名を挿入するにはAdobe Acrobatなどの専門ソフトを使わなければいけません。

このAdobe Acrobatの購入には、3万円ほどの費用がかかります。

 

また、電子署名を作成するには、あらかじめ電子証明書の交付を受けておく必要があります。

電子証明書の交付を受けるために、マイナンバーカードを読み取るカードリーダーを用意しなければいけません。

カードリーダーの価格は2,000円ほどなので、電子定款を作成する費用相場は32,000円程度と思っておきましょう。

 

ちなみに電子定款は、税理士や司法書士に作成を依頼することも可能です。

この場合、ソフトやカードリーダー代を節約できる代わりに、報酬として5,000円ほどがかかります。

そのため、もっとも法定費用が安いのは、「電子定款+作成を外注」という方法です。

 

4.≪会社設立費用を経費として計上するには≫

会社設立にかかった費用は、開業前のものも含めて会社の経費にすることが可能です。

設立時の費用は、「創立費」と「開業費」の2種類に分けて経費に計上します。

 

創立費:設立の準備にかかった費用(設立手続きに必要な書類の作成費用、登録免許税など)

開業費:設立後の開業準備段階に費用(調査費用、事前広告費、打ち合わせにかかった飲食代など)

 

ただし、会社設立後も経常的にかかっていく費用については、創立費または開業費として経費計上することができません。

設立と同時にかかった費用であっても、以下のようなものは通常の仕訳を行います。

 

・土地や建物の賃借料

・通信費

・事務用消耗品費

・仕入れ費用

・社員の給与

など

 

また、事務所や店舗を借りた時の敷金など、後日戻ってくるお金も開業費にすることはできません。

 

5.≪まとめ≫

会社設立にかかる費用は、株式会社で「約25万円」、合同会社で「約10万円」。この他に、会社の運転資金として使う資本金も必要です。

 

会社設立の費用は法定費用なので安くする方法は少ないですが、紙ではなく電子定款を選択することで収入印紙代4万円の節約が可能です。

ただし、電子定款の作成にもソフトなどの購入費や、外注する場合は報酬がかかることは知っておきましょう。

2020/03/05 会社設立時の資本金はいくら用意すべき?資本金額を決めるポイントとは

資本金とは、会社設立時に元手として用意するお金のことです。

新会社法の施行で、資本金は1円でも会社設立ができるようになりましたが、実際にはある程度まとまった金額を用意する経営者が多いです。

 

今回は、資本金の意味や、資本金の金額はどのように決めるべきかを詳しく解説。

資本金が少なすぎることのデメリットや、実際の払い込み手順についても知っていきましょう。

 

1.≪会社設立には資本金が必要≫

会社設立の際には、資本金が必要となります。

ただし、4種類ある会社の形態のうち、「合名会社」「合資会社」の2つでは信用や労務、現物出資が可能で、必ずしも現金を集める必要はありません。

しかし、実際に設立される会社に多い形態は、残り2つの「株式会社」「合同会社」です。この2種類の会社を設立する場合には、資本金が必須となります。

 

そもそも、資本金とは何かというと「事業を開始し、当面の間運営していくための資金」です。

もちろん、金融機関などから融資を受けたり、出資を募ったりして資金を増やすことはありますが、全ての元手になるのがこの資本金です。

 

その資本金はいくら用意すればいいかという、明確な決まりはありません。2006年の新会社法施行以降、資本金1円からでも会社設立ができるようになりました。

 

しかし、1円起業にはデメリットも多いので、ほとんどの起業家はある程度まとまった金額を資本金として用意します。

1円起業のデメリットや資本金額の目安については、後の項目で詳しく解説します。

 

ちなみに、資本金と似た言葉に「資本準備金」というものがあります。

これは、簡単にいうと万が一の時のための積立金。資本準備金の金額は、資本金の半額までと定められていて、業績が悪化した場合には資本準備金を取り崩すことで会社財産を維持することができます。

資本金とは異なり、資本準備金は必須のものではありません。

 

2.≪会社設立時の資本金の決め方≫

それでは具体的に、資本金はいくら用意すればいいのかを解説していきます。

もちろん、業種や経営方針によって必要な金額は異なりますが、基準となるポイントを見ていきましょう。

 

(1)目安は3ヶ月~半年分の運転資金

多くの会社が資本金額の目安とするのが、開業資金+3~6ヶ月分の運転資金です。

 

起業してすぐに経営が軌道に乗り、十分な利益が出せる会社というのはごく少数。ほとんどの会社は、開業からしばらくは赤字や少ない利益で会社を維持していくことになります。

そんなとき、資本金が少なすぎるとすぐに資金が底をつき、せっかく設立した会社がすぐに潰れてしまいます。

 

ですから、安定した利益を出せるようになるまで、会社を維持する体力として資本金が必要なのです。

開業後、赤字でもかかる経費(固定費)としては、以下のようなものがあります。

 

・事務所や店舗の家賃

・商品の仕入れ代金

・従業員の給与

・水道光熱費・通信費

など

 

毎月かかるこれらの経費を計算し、3~6ヶ月は赤字でも経営していけるように備えましょう。

 

また、当然それとは別に開業資金も必要です。

開業資金として必要な額は、業種によってかなり幅があります。例えば、大規模な工場が必要な製造業なら数千万円かかることもありますし、PC1台で始められるITやサービス業なら数十万円で十分ということも。

資本金を決定する前に、まずは開業準備と半年後までの経営の見通しを立て、必要な金額を算出してみましょう。

 

(2)取引先・金融機関からの信用を考慮する

次に、取引先や金融機関といった、他者から見た場合の資本金について考えていきましょう。

 

先に解説したように、資本金が少ない会社は開業直後に潰れてしまうリスクが高いです。

そんな会社に、商品を卸したり融資したりしたくないのは、当然と言えるでしょう。

そのため、資本金が少ないと取引先や金融機関から敬遠されてしまい、事業がうまく拡大できない可能性も。取引先や金融機関からの信用を得るためには、資本金は多いに越したことはないのです。

 

(3)税金負担額とのバランスを見る

一方、資本金は多ければ多いほどいいという訳ではない面もあります。

それは、税金負担額にも資本金が関わってくるためです。

資本金額によって税務上の違いが生じるボーダーラインは、1,000万円1億円です。

 

まず、1,000万円のボーダーラインで変わるのが消費税。

資本金1,000万円未満の会社の場合、設立から2年間は消費税の納付が免除されますが、1,000万円以上で起業すると、初年度から消費税の納付義務が生じてしまいます。

 

また、法人住民税の均等割についても、資本金1,000万円をボーダーラインとして変わります。

金額は自治体によりますが、例えば、東京都内で従業員が50人の会社の場合、資本金が1,000万円以下では7万円、1,000万円超では18万円と、倍以上の差があります。

 

資本金1億円のボーダーラインでは、さらに様々な違いが出てきます。

これは、資本金1億円以上の会社は「大企業」、1億円未満の会社は「中小企業」と定義されているためです。中小企業と大企業では、法人税の税率や交際費の経費計上、欠損金の繰戻還付など、税制上の扱いが根本的に異なります。

また、国や地方自治体が実施している中小企業向けの施策や補助金等も、資本金1億円をボーダーラインとして適用されなくなるものが多いです。

 

(4)許認可に資本金額が必要な業種も

最後に、業種ごとに定められている資本金額について解説します。

 

基本的に、会社設立は資本金1円から可能ですが、業種によっては一定額以上の資本金がないと、営業の許認可が取れない場合があります。

許認可に資本金の要件がある業種と金額は、以下の通りです。

 

・人材派遣業:2,000万円

・特定建設業:2,000万円

 

3.≪会社設立時の資本金が低すぎることによるリスク≫

先にもお伝えしましたが、資本金は最低1円からでも会社設立が可能です。

しかし、資本金が少なすぎるとデメリットが多く、思うように事業を運営できない可能性も。

資本金が少なすぎることで、起こりうるリスクについて知っていきましょう。

 

(1)融資が受けられない可能性がある

資本金が少ないと、まず銀行からの融資を受けにくくなります。

先にもお伝えした通り、資本金は会社の体力なので、資本金が少ないとすぐに倒産してしまいかねません。

回収の当てがない会社にお金を貸したくないのは当然で、金融機関からの融資を断られてしまう可能性が高くなります。

 

また、起業時に利用する方が多い日本政策金融公庫の新創業融資も、融資の条件に「創業資金の3分の1以上の自己資金を確認できること」があります。

他にも、資本金が少ない場合、法人口座を作ることもできないケースがあります。形式上、会社を作ることができるのと会社の信用力は別のものであることを理解しましょう。

 

(2)取引してもらえない可能性がある

よく知らない会社について調べる際、資本金を重視する人は多いです。

資本金が多ければ、それだけ会社の体力があるということで、もし事業がうまくいっていなくても長く運営を続けていけるという指標になります。

また、資本金が多いほうが事業への本気度が高いとみなされ、資本金が少ないと遊びの延長のように思われてしまいかねません。

 

新規起業でこれから顧客や取引先を確保しなければいけないという場合、信用を得づらくなり、事業拡大がしにくくなるのです。

 

(3)債務超過になりやすくなる

債務超過とは、債務者の負債の総額が資産の総額を超える状態ということです。

少なすぎる資本金で会社を設立すると、少額の借入をしただけですぐに債務超過になってしまいます。

 

債務超過の会社は、取引先・金融機関・出資者などからのイメージが非常に悪いです。

起業して早々に債務超過にならないためにも、やはり開業資金と当面の運転資金は用意しておいたほうがいいでしょう。

 

4.≪資本金の払い込み方≫

最後に、会社設立時に資本金の払い込みを行う方法について解説します。

 

(1)発起人の銀行口座を用意

会社設立時には、まず発起人名義の個人口座を用意し、そこに資本金を入金します。

口座の開設はいつでも問題ありませんが、入金のタイミングは定款認証日よりも後である必要があるので注意してください。

 

入金を行ったら、会計処理を行います。

例えば資本金を300万円用意した場合、仕訳処理の方法は以下の通りです。

 

借方:現金 3,000,000円

貸方:資本金 3,000,000円

摘要:資本金の払込

 

(2)通帳のコピー作成

資本金の払い込みを行ったら、会社の設立手続きのためにその証明が必要となります。

その証明に必要なのが、通帳のコピーと払込証明書です。

通帳は、

 

・表紙

・表紙裏

・振込内容が記帳されているページ

 

の3ヶ所をコピーします。

証明には支店名・支店番号、銀行印が必要なので、その箇所が含まれているかどうか確認しましょう。

 

また、振込内容が記帳されているページは、発起人の名前と金額にマーカーなどで印をつけておくと、会社設立時の手続きがスムーズになります。

 

(3)払込証明書を作成

最後に、以下の内容を記載した払込証明書を作成します。

 

・日付

・本店所在地

・会社名(商号)

・代表取締役の氏名

・払込があった金額

・払込があった株数

・1株の払込金額

 

この7つの項目と、「証明書の左上」「代表取締役氏名の右側」の2ヶ所に会社代表印が必要となります。

資本金の証明をして登記が終わったら、いつでも資本金を使うことができます。

発起人個人の口座から法人口座へ資本金を移動し、初期費用などにあてましょう。

 

5.≪まとめ≫

資本金は開業後の経営の元手となり、対外的にも会社の持続力をあらわす重要なお金です。

最低1円からでも会社設立はできますが、開業後の経営を考えるとある程度まとまった金額を用意したほうがスムーズです。

 

資本金は会社設立の手続きの前に現金で用意する必要があるので、計画的に準備を進めていきましょう。

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