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2020/05/15 個人事業の起業には何が必要?リスクを減らして成功させるコツ

会社から独立したり、副業として個人起業したりする人が増えています。

個人起業をすれば誰でも経営者になることができて、収入がアップする・社会的信用が上がるなどというメリットがあります。

 

しかし当然、個人事業の起業にはリスクがつきものです。

今回は、そんな個人事業の起業のリスクを減らし、成功の可能性を高めるコツや、必要な知識やスキルについてご紹介していきます。

 

1.≪個人起業のために必要なもの≫

個人起業とは、その名の通り1人で会社を設立することです。

経営の責任を自分ひとりで負わなければいけないので、個人起業には様々な知識や準備が必要です。

 

(1)知識

個人事業の起業に必要なのは、まずビジネス・お金・社会保険に関する知識です。

個人事業主としての起業は失敗すれば多額の損失が出る大きな賭けなので、知識をきちんと蓄えてロジカルに経営する必要があります。

 

ビジネスに関する知識

良い事業のアイデアが思いついたら、何の根拠もなく「うまくいくに違いない」と思い込んでしまいがち。

業界や経営に関するビジネスの知識がないと、その目論見がまったく的外れということもあります。

 

ビジネスの知識といっても幅広いですが、事業計画を練ったり、安定した経営をしたりするためには、以下のような知識が役立ちます。

 

・起業する業界の知識(業界動向・顧客の志向など)

・マーケティング知識(商品作り・集客の仕組み・値決めなど)

・人を動かすための知識(プレゼン能力・コミュニケーション能力など)

・経営に関する知識(資金調達・財務・経理など)

・法律に関する知識(会社法・労働基準法・安全衛生法など)

 

お金に関する知識

個人事業の起業をするためには、お金に関する知識が不可欠です。

例えば、以下のような知識がないと、お金の出入りがどんぶり勘定になり、経営状況を的確に分析できません。

 

・資金繰り(キャッシュフロー)の知識

・資金調達のやり方・適切な借入額

・決算書の作り方・分析方法

・税申告のやり方、計算方法

・会計業務のやり方

 

お金に関する知識や実務については、顧問税理士に相談したり、専門知識を持つ経理スタッフを雇ったりすることも可能です。

しかし、それにもコストがかかるので、経営者自らお金の知識を持っておくに越したことはありません。

 

社会保険に関する知識

自分ひとりで事業を行うなら、個人事業主という方法もあります。

 

個人事業主と会社設立で異なるのは、社会保険への加入が義務になっている点です。

大きな会社では、保険関係の手続きは社労士が行うのが一般的ですが、個人事業の場合は経営者が責任を持って加入手続きや保険料の納付をしなければいけません。

 

(2)資本

個人事業主として起業をするには、もちろん先立つものが必要です。

起業の際に用意しておくお金を「資本金」と呼び、だいたい100~300万円ほど用意する人が多いです。

資本金に余裕があればあるほど、経営を維持しやすくなります。

 

起業前に必要な費用

個人ではなく、法人として会社設立する場合、起業前に必要となる費用には、以下のものがあります。

 

会社設立費用:合計25~30万円程度(株式会社の場合)

・定款認証手数料:5万円

・謄本作成費用:約2,000円

・登録免許税:15万円

・収入印紙代:4万円

・会社印鑑:1~2万円

・雑費(交通費・証明書発行費用など):約5,000円

 

この他に、打ち合わせを行う場所代や飲食代、手続きを専門家に依頼する場合はその報酬などがかかることもあります。

ちなみに、この会社設立費用は、会社設立後に使う資本金とは別に用意しておきます。

 

起業後に必要な費用

起業をしたら、事業を始めるための開業費と、経営を続けていくための運営費が必要になります。

ここでかかる費用は、事業内容や開業する地域、人を雇うかどうか、クオリティにどの程度こだわるかなどでかなりばらつきがあります。

 

開業費・運営費それぞれの項目に、自分の場合の金額を置き換えて考えてみましょう。

 

開業費に含まれる主な費用

・広告費

・名刺作成費

・事務所や店舗の敷金・礼金・初月家賃

・設備・備品購入費

・内装工事費

・求人費

など

 

運営費に含まれる主な費用

・事務所や店舗の家賃

・水道光熱費

・通信費

・設備・備品購入費

・人件費

・保険料

・支払い利子

など

 

ちなみに、資本金額の目安は「開業費+6ヵ月分の運営費」と言われています。

 

(3)しっかりとした事業計画

事業計画は個人事業主として起業する上で要となります。

「こうすればうまくいきそう」という予測だけではなく、業界や顧客の分析、試行調査を行い、データを元にして理論的に考えましょう。

 

事業計画書は、起業の際の資金調達にも大きく影響を及ぼします。

良いアイデアが浮かんだからといってすぐ起業せず、しっかりと内容を練って実現可能なプランを作るのが大切です。

 

(4)家族の理解

個人事業主として起業をするときに無視してはいけないのが、家族の理解です。

大黒柱の場合、万が一事業に失敗すると、家族に苦しい生活を強いるリスクがあります。

うまくいった場合も、起業直後は気持ちや時間に余裕がなかったり、収入に波があったりして、どこかで我慢させてしまう可能性が高いです。

 

個人事業主として起業した場合、実務面で家族のサポートが必要だったり、資本金が足りず家族からお金を借りたりすることもあるでしょう。

そのため、まず家族の理解を得ることが、個人起業をする上でもっとも大切です。

 

2.≪個人起業を成功させるコツ≫

それでは、個人起業を成功させるためのコツを見ていきましょう。

 

(1)起業の「4つのコツ」

上手くいく起業の4つのコツとは、

利益率が高い

小資本で始められる

在庫を持たない

定期的に売上が立つ(月額課金)

ということです。

 

これらの条件だとなぜ成功しやすいのか、また条件を満たしやすい事業内容について解説していきます。

 

利益率が高い

利益率が高ければ、それだけ経営に余裕が出るということは、誰にでも想像できることです。

しかし、商品やサービスの価格を上げすぎると買い手がつかないので、他者と競争できる料金のまま、いかに原価を下げるかというのが鍵になります。

 

そのため、独自の仕入れルートがあったり、元手がかからない自分のスキルを高く売ったりできるととても有利です。

例えば、前職でのコネを活かせる仕事や、自分のスキルを売るデザイナー、エンジニア、プログラマーなどの仕事は個人起業でも成功しやすいでしょう。

 

小資本で始められる

大掛かりな設備がいらず、小資本で始められる仕事なら、失敗した時のリスクが少ないです。

例えば、PC一台で始められるIT企業などは、個人事業主の起業にとても適しています。

反対に、高額な機械や大きな倉庫が必要な、製造業や卸売業といった業種は、個人事業主の起業には向いていません。

 

在庫を持たない

買い手がつかなければ、在庫はただの負債です。

どんなものでも一気に仕入れれば安いですが、売れるとは限らない在庫を抱えてしまうのはリスクになります。

 

商品が古くなればさらに売れにくくなるので値下げを検討しなければいけませんし、在庫を保管する場所にもコストがかかるので、利益率が下がる原因になります。

個人事業主で起業をした直後は仕入れを制限し、確実に売り切れる量から扱うのが良いでしょう。

 

定期的に売上が立つ

定期的に売上が立てば、毎月の利益を確保できて経営の見通しが立ちやすくなります。

例えば、個人相手の商売の場合、いつ商品を買いたくなるかは顧客次第なので、定期的な売上が見込めません。

しかし、販売する相手が企業であれば、毎月の消費量や予算がある程度決まっているので、定期的に売上を確保することができます。

 

また、一度買ったらしばらく買わない物より、定期的に買い替えが必要なものの方が売上は立ちやすいです。

サービスの場合は、月額で利用できる「サブスクリプション」も、毎月の売上を確保する方法です。

いかに定期的に売上を立てるかを考えることが、個人起業の鍵となります。

 

(2)個人起業が成功しやすい業種は?

個人事業主の起業が成功しやすい業種は、上記の4つの条件をなるべく満たせる業種です。

 

例えば、以下のような業種が当てはまります。

元手が少なくても始められる業種(IT、サービス、コンサルティング、コーチングなど)

自分のスキルを活かせる業種(デザイナー、エンジニア、音楽制作、理美容師など)

 

また、以下のようなビジネスモデルを取り入れることで、既存の業種を個人事業主の起業で成功させることも可能です。

・在庫を抱えすぎない仕組み(レンタル、受注生産など)

・定期的な売上が立つ販路(BtoB、CtoB、サブスクリプションなど)

 

3.≪起業するなら個人事業主と会社設立どちらがいい?≫

個人事業主と会社設立には、どちらにもメリットとデメリットがあります。

個人で事業を行う際、会社設立がおすすめなのは以下のような人です。

 

・将来的に事業を大きくしたり、継承したりしたい

売上が大きく、会社を設立した方が節税できる

・すでに個人事業主として軌道に乗っている

 

逆に、個人事業主が向いているのは以下のような人です。

事業を大きくしたり、継承したりする予定はない

会社設立でかかるコストより、所得税の方が得

法律や他者からの制約を受けず、自由に経営したい

 

会社設立のメリットについてもっと詳しく知りたい方は、「会社設立のメリットとは?個人事業主とどちらが得か見極めるポイント」をお読みください。

 

4.≪個人事業主として起業する時の注意点≫

個人事業主として起業する場合、事業から得た収入に関しては、自分で確定申告を行う必要があります。

会社を設立する場合には、法人税の申告手続きが必要です。

税申告を怠ると、追徴課税などの罰則が課せられる場合があるので、注意してください。

 

また、現在会社勤めをしていて副業禁止の場合、個人で起業したことが知られてしまうと、最悪クビになる可能性もあります。

会社勤めをしながら個人起業をする際は、まず会社の就業規則を調べ、規則の範囲内で行うようにしましょう。

 

5.≪まとめ≫

個人事業主が起業する場合は誰でも経営者になることができ、収入アップが見込めるということもあって、起業する人が増えています。

 

しかし、安易に始めてしまうと、知識や経験、計画が不十分などの理由で失敗してしまうリスクもあります。

資本金1円、取締役1人からの会社設立が可能になっていますが、事業内容や資金繰りはよく検討し、リスクを排除していくことが大切です。

2020/05/13 合同会社(LLC)とは?設立方法やメリット・デメリットを解説

合同会社は2006年から導入された比較的新しい会社形態です。

まだ世間的な知名度は高くありませんが、実はAppleや西友といった大企業も合同会社という形態を採用しています。

 

今回は、合同会社の特徴や、合同会社を設立するメリット・デメリットをご紹介いたします。

合同会社設立の流れと、よくある疑問についても解説していきます。

 

1.≪合同会社(LLC)とは?≫

合同会社とは、会社の設立形態の一つ。

もっとも数が多い株式会社に次いで、2番目に多く設立されています。

日本で合同会社が設立できるようになったのは、2006年に新会社法が施行されて以降。

海外の「Limited Liability Company」をモデルに導入されたので、「LLC」と略される場合もあります。

 

合同会社はと株式会社のもっとも大きな違いは、「出資者=経営者」であること。

また、出資者の立場が出資額に関わらず対等なこと、役員の任期がないなどの点も株式会社と違います。

さらに、設立時の手続きにかかる費用も、株式会社より安いです。

一方、出資者が有限責任だということは、株式会社と共通しています。

 

そのため、以下のような条件で会社設立をしたいと考えている方には、合同会社が適しています。

・自由度の高い経営をしたい

・倒産時のリスクを低くしたい

・会社への貢献度と出資額にばらつきがある

・会社設立時のコストを抑えたい

 

2.≪合同会社設立のメリット・デメリット≫

合同会社のメリットとデメリットは、以下のようになります。

 

(1)メリット

合同会社のメリットは、主に以下の3つ。

 

・設立コストが安い

・設立・運営の手続きが簡単

・経営の自由度が高い

 

まず、合同会社を設立する場合、登録免許税の6万円のみで手続きが可能です。

株式会社の場合、設立に最低でも20万円以上かかりますので、差額を開業費用に回すことができます。

 

合同会社の設立・運営には、株式会社が行なう「定款の認証」「決算書の公告」といった手続きが必要ありません。

そのため、株式会社より事務的な手間がかからないのも合同会社のメリットです。

 

合同会社は出資者が経営者と同一なので、意思決定の自由度が高く、スピーディーな判断も可能です。

株式会社の場合、経営判断をする際に株主総会の承認を得るなどの手続きが必要になり、時間がかかりがちです。

 

また、株式会社は利益の分配をするとき、出資額(持ち株数)に基づいて配当の金額が決まります。

対して、合同会社は利益の分配が自由なので、出資額が少ないものの貢献度が高いメンバーがいる場合などには、合同会社の方が適しています。

 

(2)デメリット

合同会社の主なデメリットは、以下の3点です。

 

・社会的信用度が低い

・社員の意見が割れると意思決定が難しい

・上場できない

 

先にも触れたように、合同会社は2006年から導入された新しい会社の形態です。

そのため、世間一般での知名度が低く、株式会社より社会的信用が低い傾向があります。

また、経営の自由度が高い分、オーナー主体のワンマン企業というイメージを持たれてしまう可能性もあることは知っておきましょう。

 

次に、合同会社は出資額に関わらず、社員全員が同等の決定権を持ちます。

そのため、社員間で意見が割れた場合、スピーディーな運営ができないことも。

また、もし出資者が会社を離れる場合は出資金が戻されるので、資本金が減ってしまいます。

 

最後に、当然ですが合同会社は株式上場ができません。

そのため、将来的に上場企業を目指したいという場合には、合同会社は最初から選択肢ではなくなります。

 

3.≪合同会社を設立する方法≫

それでは、合同会社の設立手続きとその流れを解説していきます。

 

(1)合同会社設立の手順

合同会社を設立するときには、法務局で「設立登記」という手続きが必要です。

 

設立内容・目的の決定

合同会社を設立する時には、最初の準備として会社の基本事項を決定します。

この手順は、合同会社でも株式会社でも同じです。具体的には、以下の内容を決定しましょう。

 

・商号(会社名)

・事業目的

・本店所在地

・事業年度

・資本金

・出資者

 

株式会社の場合は、これに加えて機関設計についても定めます。

しかし、合同会社は社員(出資者)=経営者なので、取締役・監査役・取締役会といった経営機関を設置する必要がありません。

 

印鑑作成

会社設立の手続きでは、様々なシーンで印鑑が必要になります。

以下の4種類の会社の印鑑を作成しましょう。

 

・会社実印:会社の設立登記時に登録する実印で、代表社印ともいう 重要な契約書などに使う

・会社銀行印:銀行口座の開設時に届け出る実印 会社実印とは分け、リスクを分散する

・角印:注文書・請求書・稟議書などに用いる会社の認印で、社印とも呼ぶ

・住所印:会社名・会社住所・電話番号などを記載した印鑑で、ゴム製のものが多いため「ゴム印」とも呼ばれる

 

会社代表個人の印鑑も、様々な書類で必要になりますので、作成して印鑑登録しておきましょう。

ちなみに、株式会社では取締役全員の印鑑と印鑑証明が必要ですが、合同会社の場合は会社代表1人のものだけでOKです。

 

定款作成

定款とは、会社の基本ルールを記載した書類のことです。

定款には以下の内容を記載します。

 

・商号

・目的

・本店の所在地

・設立に際して出資される財産の価額またはその最低額

・発起人の氏名及び住所

・発行可能株式総数

 

株式会社の場合、この定款を公証役場に持っていって認証してもらう必要がありますが、合同会社は定款の認証手続きは必要ありません。

 

出資金払い込み

次に、会社用の口座を用意して、資本金として定めた額を振り込みましょう。

このタイミングで行うのは、次の登記手続きで必要な書類を作成するためです。

資本金の払い込みが終わったら、通帳の以下の部分をコピーしておきましょう。

 

・通帳の記帳欄

・表紙

・個人情報欄

 

登記

最後に、法務局で会社の登記申請を行います。

あとで解説する必要書類を、窓口または郵送で法務局に提出しましょう。

 

登記申請時には、登録免許税として6万円を納付します。

株式会社の場合、登録免許税は15万円なので、ここで設立費用を9万円節約できます。

 

(2)合同会社設立後の手続き

合同会社設立後には、社会保険や税金に関する手続きを行います。

これらの手続きについては、合同会社も株式会社も共通です。

合同会社設立後に必要となる書類と、その提出先は以下の通り。

 

年金事務所に提出する書類(会社設立から5日以内)

・健康保険・厚生年金保険新規適用届

・健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届

・健康保険被扶養者(異動)届

 

ハローワーク(公共職業安定所)に提出する書類(従業員を雇用した翌日から10日以内)

・雇用保険適用事業所設置届

・雇用保険被保険者資格取得届

 

労働基準監督署に提出する書類(従業員を雇用した翌日から10日以内)

・保険関係成立届

・労働保険概算保険料申告書

 

税務署に提出する書類

・法人設立届出書(会社設立から2ヶ月以内)

・給与支払事務所等(給与支払事務所として開設してから1ヶ月以内)

・青色申告の承認申請書(会社設立後3ヶ月以内、または最初の事業年度の末日まで)

 

(3)設立・登記に必要な書類一覧

合同会社を設立するには、法務局で登記申請を行います。

合同会社の登記申請に必要な書類と手数料を、一覧で掲載します。

 

・合同会社設立登記申請書

・登記用紙と同一の用紙

・定款 2部

・収入印紙 4万円分(電子定款の場合は不要)

・本店所在地及び資本金決定書

・資本金の払込証明書

・印鑑届書

・代表社員就任承諾書

・代表社員の印鑑証明書

・登録免許税 6万円

 

4.≪合同会社設立のお金に関するよくある疑問≫

最後に、合同会社設立に関して、よくある疑問を解決していきます。

 

(1)資本金は何円がいい?

2006年の新会社法施行以降、合同会社・株式会社問わず資本金は1円からでも会社設立ができます。

しかし、資本金が1円だと社会的信用度が低いなどデメリットが多いので、実際に1円で起業する人は少ないです。

 

資本金の目安は、「開業資金+半年分の運転資金」です。

具体的な金額でいうと、100~300万円くらいに設定するケースが多くなっています。

ちなみに、資本金が1,000万円以上であると、初年度から消費税の納付免除が適用されなくなるので注意しましょう。大事な論点なので、不明点は税理士に確認して進めるべきです。

 

(2)設立費用はいくらかかる?

合同会社の設立費用は、合計10万円です。

その内訳は、以下の通り。

 

・登録免許税:6万円

・定款に貼る収入印紙:4万円

 

登録免許税は一律で定められている税金なので、節約する方法はありません。

定款に貼る収入印紙に関しては、電子定款だと不要になります。

しかし、電子定款を作成するにも、専門ソフトやカードリーダーの購入などで3万円前後はかかります。

 

ちなみに、電子定款の作成は専門業者に委託することもでき、その場合の料金は5,000円程度。定款は「電子定款+外注」が、もっともお得な合同会社設立の方法です。

 

また、一度、合同会社を設立して、事業の進捗によって途中で株式会社に組織変更することも可能です。

 

5.≪まとめ≫

合同会社は株式会社より経営の自由度が高く、スピーディーな経営判断ができるのがメリット。

その他の部分でも手間やコストが削減でき、特にITなど新しいビジネスにはぴったりの起業方法です。

 

ただし、株式会社に比べて社会的信用が低いなどのマイナス面もあるので、会社の形態はメリット・デメリットをよく吟味して決めましょう。

2020/05/11 法人設立届出書とは?必要な添付書類や記入のポイントを解説

会社を設立したら、税務署や自治体に会社を設立したことを知らせるために「法人設立届出書」を提出します。

法人設立届出書は、法人税の納付に関わる重要な書類なので、どの会社も必ず提出しなければいけません。

 

今回は、法人設立届出書の書き方や提出先、提出期限についてわかりやすく解説いたします。

法人設立届出書と一緒に提出する、添付書類についても全種類解説します。

 

1.≪法人設立届出書とは≫

法人設立届出書とは、会社の設立登記を行なったあと、税務署や自治体に会社設立したことを知らせるために提出する書類のことです。

 

(1)提出先は税務署と市区町村

法人設立届出書の提出先は、以下の3つです。

 

・納税地の所轄税務署

・都道府県税事務所の法人事業税課もしくは法人住民税課

・市町村の法人住民税担当部署

 

各所に提出する内容は、まったく同じで問題ありません。

会社に控えとして残しておくために、合計4部作成します。

 

また、税務署に法人設立届出書を提出する際、控えも一緒に持って行くと、その控えにも受領印がもらえます。

 

(2)提出期限は設立日から2ヶ月以内

法人設立届出書の提出期限は、会社設立日(登記の日付)から2ヶ月以内です。

遅れたとしても特に罰則はありませんが、いずれ提出が必要になる書類なので、会社設立登記が終わったらすぐに取り掛かることをおすすめいたします。

 

(3)書類の入手方法

法人設立届出書は、税務署、もしくは国税庁のホームページからダウンロードして入手できます。

 

2.≪法人設立届出書の書き方≫

それでは、法人設立届出書の書き方を、具体的に解説していきます。

 

(1)基本情報

基本情報は会社の基本事項をそのまま記入するだけなので、特に難しくはありません。

 

届出先税務署名

「届出先税務署名」は、法人設立届出書の提出先です。

会社の本店所在地を管轄する税務署の名前を記入します。

 

本店又は主たる事務所の所在地

「本店又は主たる事務所の所在地」には、会社の本拠地となる事務所や店舗の住所を記入します。

 

納税地・法人名・法人番号・代表者氏名

納税地・法人名・法人番号・代表者氏名は、謄本に記載されている内容をそのまま記入すれば構いません。

 

(2)設立に関する情報

次に、設立に関する情報を記入していきます。

 

設立年月日と事業年度

「設立年月日」は、登記申請を行なった日付のことです。

「事業年度」には、定款で定めた会計期間を記載します。

 

消費税の新設法人に該当することとなった事業年度開始の日

「消費税の新設法人に該当することとなった事業年度開始の日」は、資本金1,000万円以上の会社のみ記入が必要です。

資本金が1,000万円以上だと、設立当初から消費税の課税事業者になるため、ここにも登記申請を行なった日付が入ります。

 

資本金1,000万円未満の会社については、設立後2期、または売上が1,000万円を超えたあと2期の間は消費税の納付が免除されるため、何も書かなくて構いません。

 

③設立時の資本金額又は出資金の額

「設立時の資本金額又は出資金の額」には、定款に記載されている資本金額・出資金額を記入します。

 

④設立の形態

「設立の形態」は、1.~5.までの番号選択制です。

新規に会社を設立した場合は、5.の「その他」に◯を付け、「新たに事業を開始」などと記入します。空欄でも構いません。

 

会社設立以前に個人事業主として営業していて、法人成りをした場合は、1.の「個人企業を法人組織とした法人である場合」を選びましょう。

合併・分割・現物出資などで設立した場合は、それぞれ2.~4.の該当するものを選びます。

 

ちなみに、設立の形態が1.~4.のいずれかの場合は、すぐ下の欄に以前の納税地と事業内容を記入します。

 

⑤「給与支払い事務所等の開設届出書」提出の有無

開業後、給与の支払いを行う場合には、「給与支払い事務所等の開設届出書」の「有」に◯を付けましょう。

自分自身を含め、会社から給与を支払う場合には、法人設立届出書と一緒に「給与支払い事務所等の開設届出書」を提出します。

 

⑥支店・出張所・工場等、添付書類等

納税地として記載した本拠地の他に、支店・出張所として営業していたり、その予定で工場をしていたりする場所がある場合には、その名称と住所も記載します。

 

添付書類等の欄は、法人設立届出書と一緒に提出する添付書類の中で、該当するものに全て◯をつけます。

全部で8つの選択肢がありますが、一般的な会社設立の場合、以下の4種類の書類を添付します。

 

・定款の写し

・設立時の貸借対照表

・株主等の名簿

・登記事項証明書

 

添付書類等の欄の数字でいうと、1、2、3、5です。

これらの添付書類については、次の項目で詳しく解説いたします。

 

3.≪法人設立届出書の添付書類≫

法人設立届出書には、一般的に以下の4種類の書類を添付します。

 

(1)定款の写し

税務署や市区町村に会社の概要を伝えるために、定款の写しを添付します。

定款の認証で作成したような正式な謄本ではなく、会社で保有しているもののコピーで問題ありません。

定款の全ページを、A4の白黒コピーで写し、左側の2箇所をホチキスで留めましょう。

 

(2)設立時の貸借対照表

会社設立時の貸借対照表には決まったフォーマットがないので、エクセルなどを使って自作したり、ネットで配布されているテンプレートを利用したりして作成しましょう。

設立時のものなので、基本的には賃借対照表に記載されているのは資本金のみとなります。

 

例えば、資本金が100万円の場合、賃借対照表の内容は以下の通りです。

 

資産の部

現金および預金:1,000,000円

資産合計:1,000,000円

 

純資産の部

資本金:1,000,000円

純資産合計:1,000,000円

 

現金だけではなく現物出資もある場合、資産の部には「車両運搬具」「土地」といった勘定科目を使うこともあります。

もし、法人設立届出書の提出前に、経費で支払いをしたり売上が出ていたりする場合も、提出するのは設立時の貸借対照表なので記載はしません。

 

(3)株主等の名簿

株主等の名簿は、そのまま会社設立時の株主名簿です。

内容は、以下のものを記載します。

 

・株主の氏名

・株主の住所(法人の場合は本社所在地)

・株主の有する株式の数

・株主の有する株式の金額

・役職名及び当該法人の役員または他の株主等との関係

 

自分1人で会社を設立し、株主も自分だけという場合も、上記の内容をリスト化します。

フォーマットは特に決まっていないので、エクセル等で自作するか、ネットで配布されているテンプレートを使うなどして作成しましょう。

 

(4)登記事項証明書

登記事項証明書は、会社の設立登記が終わった後に法務局で取得できるようになります。

登記事項証明書には、記載する部分によって以下の4種類があります。

 

・全部事項証明書

・現在事項証明書

・履歴事項証明書

・閉鎖事項証明書

 

法人設立届出書の添付書類として使うのは、「全部事項証明書」です。発行にかかる手数料は、1通600円です。

法人設立届出書の提出先3ヶ所全てで必要になるので、3通まとめて発行しておきましょう。

 

5.≪まとめ≫

法人設立届出書は、設立登記をしてから2ヶ月以内に「税務署」「都道府県税事務所」「市町村」の3ヶ所に提出します。

提出が遅れても罰則はありませんが、法人税に関わる重要な書類なので、なるべく速やかに提出しましょう。

記載事項に特に難しいことはありませんので、誰でも簡単に作成できますが、場合によっては少しテクニック的な要素もありますので、不明点は税理士に確認するのがよいでしょう。

 

ただし、添付書類として登記事項証明書が必要なので、設立登記後に3通発行しておくのを忘れないようにしましょう。

2020/05/09 会社設立に必要な期間~必要なこととスケジュールを解説

会社設立は、思い立った時にすぐできるわけではありません。

会社の存在を公的に証明するために、定款の認証登記申請という手続きが必要になります。

 

さらに、これらの手続きには様々な必要書類があるので、その準備期間も必要です。

今回は、会社設立にかかる最短期間と、一般的な期間の目安をご紹介していきます。

 

1.≪会社設立に必要な期間は?≫

会社設立に必要な期間の目安は、全部で1~2ヶ月。

もちろん、事業内容を練ったり資本金を貯めたりするためにはもっと時間が必要ですが、会社設立の手続き自体にはそんなに時間がかかりません。

 

まずは会社設立の流れと、それぞれの期間の目安を解説していきます。

 

(1)会社設立の流れ

会社設立は、以下の流れで進めていきます。

 

1.事業計画・資本金の調達

2.基本事項の決定

3.定款作成

4.定款の認証(株式会社のみ)

5.登記申請

6.社会保険・税金等の手続き

 

(2)会社設立までの最短期間

前項でお伝えした会社設立の流れのうち、定款の認証と登記申請には公的機関が関わるため、事務処理に時間がかかります。

定款の認証は即日できますが、登記申請の処理日数は最短でも1週間ほど。

そのため、事前準備が完璧にできている状態から始めた場合、会社設立にかかる最短期間は1週間ほどです。

 

その前段階の事業計画や資本金の調達、基本事項の決定に関しては、会社によってさまざま。

中には何年もかけて起業を計画する人もいますし、スピード感が必要な事業なら数日で基本事項まで決める場合もあります。

 

定款の作成や、申請に必要な書類の準備期間は、自分で行うなら2週間~2ヶ月ほどが目安です。

専門家に依頼した場合、数日~1週間ほどに期間を短縮することもできます。

 

2.≪会社設立を短期間でできるかは事前準備次第≫

それでは、会社設立の公的な手続きを行うまでの事前準備について、詳しく見ていきましょう。

 

(1)必要事項を決定しておく

会社設立のためには、まず会社の基本事項を決定しておく必要があります。

会社の基本事項とは、以下のような項目のことです。

 

・会社の名前(商号)

・事業目的

・本店所在地

・事業年度

・資本金

・出資者

・株式譲渡の有無

・役員構成

 

これらの基本事項は定款に記載する必要があるので、最初に決めておきます。

会社設立後には簡単に変えることができない事項なので、慎重に決定しましょう。

 

(2)印鑑を準備しておく

会社設立手続きでは、印鑑が必要になるシーンが多くあります。

会社設立に必要な印鑑は、以下の4種類です。

 

会社実印(代表社印):会社の設立登記時に登録する印鑑 主に重要な契約書などに使う

会社銀行印:銀行口座の開設時に届け出る印鑑 会社実印と分けてリスクを分散する

角印(社印):注文書・請求書・稟議書などに用いる会社の認印

住所印(ゴム印):会社名・会社住所・電話番号などを記載した印鑑

 

会社の印鑑はオーダーメイドなので、手元に届くまでには数日~の期間がかかります。

印鑑がないと必要書類が作れないため、早めに準備しておきましょう。

また、会社の発起人や取締役の個人印鑑も必要なので、用意して印鑑登録を済ませておきます。

 

会社設立時の印鑑について詳しくは、「会社設立時に用意すべき印鑑とは?素材や書体はどう決める?」をご覧ください。

 

(3)印鑑証明をもらう

定款の認証手続きには、発起人と取締役の印鑑証明が1通ずつ必要になります。

 

会社印の印鑑証明は登記が終わるまで取得できませんが、個人の印鑑証明は手続きで忙しくなる前に取得しておきましょう。

印鑑証明は、印鑑登録を行なった自治体の役所で、1通300円程度で発行できます。

 

3.≪会社設立に必要なこととその期間≫

次に、公的機関が関わる会社設立手続の手順と、その期間について解説します。

 

定款作成や登記に必要な書類について詳しくは、「会社設立・登記に必要な書類とは?手続き方法、設立後にすべきこと」をご覧ください。

 

(1)定款作成

定款とは、会社の基本事項や基本ルールを記載した書類のことです。

具体的には、以下のような内容を記載します。

 

・商号

・目的

・本店の所在地

・設立に際して出資される財産の価額またはその最低額

・発起人の氏名及び住所

・発行可能株式総数

 

定款は最短1時間程度でも作成できますが、知識のない人が調べながら作ったり、内容にこだわったりした場合にはその分時間がかかることもあります。

 

(2)定款認証

次に、定款の認証手続きです。

定款の認証は、公証役場に必要書類と手数料を持参して行います。

 

①収入印紙購入

定款の認証手続きには、4万円分の収入印紙が必要です。

公証役場内で購入できる場所がある場合もありますが、事前に郵便局などで購入しておいた方が確実です。

 

なお、定款に貼り付けるのは認証手続き当日がおすすめ。

万が一定款に不備があった場合、先に収入印紙を貼り付けておくと無駄になってしまうためです。

 

②公証役場で定款認証を受ける

準備が整ったら、以下の必要書類を公証役場に提出します。

 

・定款 3部

・発起人(出資者)全員の印鑑証明書

・発起人(出資者)の実印

・身分証明書

・公証人へ支払う手数料 5万円

・定款の写し交付手数料 250円×定款のページ数

・収入印紙 4万円分(電子定款の場合は不要)

 

定款の認証手続きにはそれほど時間がかからないので、即日完了します。

 

③資本金を払い込む

定款の認証が終わったら、会社用の口座を用意して、資本金として定めた額を振り込みましょう。

このタイミングで行うのは、次の登記手続きで必要な書類を作成するためです。

 

資本金の払い込みが終わったら、通帳の以下の部分をコピーしておきましょう。

 

・通帳の記帳欄

・表紙

・個人情報欄

 

(3)登記申請書類の準備

次に、登記申請書類を用意します。

登記申請にはたくさんの書類が必要ですが、どれも複雑な作業が必要なものではありません。

 

法務局のホームーページからダウンロードできるフォーマットや、ネット上で配布されているテンプレートに必要事項を記入し、以下の書類を揃えます。

この準備は、1~3日程度でできるでしょう。

 

・登記申請書

・登録免許税納付用台紙

・登記すべき事項を記録した磁気ディスク(CD-Rなど)

・公証人の認証済みの定款

・資本金払込証明書

・役員の就任承諾書

・役員の印鑑証明書

・印鑑届書

・印鑑カード交付申請書

 

(4)登記申請

登記申請書類が揃ったら、法務局で登記申請を行います。

上記の必要書類とともに、株式会社は15万円、合同会社は6万円の登録免許税を納めましょう。

 

ちなみに、会社の設立登記は郵送でも申請できます。

登記申請の事務処理には、1~2週間ほどの期間がかかります。

 

(5)設立後の手続き

会社設立の手続きができたら、開業するために社会保険・税金関係の手続きを行います。

会社設立後、開業までに済ませるべき公的手続きには以下のものがあります。

 

年金事務所に提出する書類(会社設立から5日以内)

・健康保険・厚生年金保険新規適用届

・健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届

・健康保険被扶養者(異動)届

 

ハローワーク(公共職業安定所)に提出する書類(従業員を雇用した翌日から10日以内)

・雇用保険適用事業所設置届

・雇用保険被保険者資格取得届

 

労働基準監督署に提出する書類(従業員を雇用した翌日から10日以内)

・保険関係成立届

・労働保険概算保険料申告書

 

税務署に提出する書類

・法人設立届出書(会社設立から2ヶ月以内)

・給与支払事務所等(給与支払事務所として開設してから1ヶ月以内)

・源泉所得税の納期の特例(必須ではありませんが、通常は会社設立時にセットで届出します。)

・青色申告の承認申請書(会社設立後3ヶ月以内、または最初の事業年度の末日まで)

 

4.≪会社設立への期間はゆとりを持って≫

最初にもお伝えしましたが、会社設立にかかる期間の目安は1~2か月です。

専門家に依頼すれば、複雑な書類作成がスムーズにできるので1~3週間で手続きが完了することもあります。

 

目標とする開業日がある場合、手続きが遅れるとその日に開業できないことも。会社設立を考えている方は、期間にゆとりを持って準備を進めていきましょう。

 

5.≪まとめ≫

会社設立には、定款の作成・認証と登記申請という手続きが必要になります。

会社に関する事項の決定や、書類の準備期間は、自分次第で短縮することも可能です。

 

しかし、公的機関の事務処理期間は短縮できないので、最低でも1週間程度は見込んでおきましょう。

会社設立の専門家に手続きを依頼すれば、手間を省いてスピーディーに会社設立することもできますよ!会社設立は起業家の方の夢への第1歩。税理士にお願いすれば、設立前後の損得の話も多く聞けるでしょう!

2020/05/07 会社設立の準備に必要なこととは

会社設立の準備は、個人で行うのは大変な大仕事。

各手続きでたくさんの書類が必要なので、準備期間は役所に何度も足を運ぶことになります。

 

今回は、会社設立準備をスムーズにするために、ステップごとに必要な書類・お金・モノのチェックリストを掲載いたします。

会社設立の準備は、全体の流れを把握して着実に進めていくのが大切です。

 

1.≪会社設立の準備に必要なこと

会社設立には、「定款の認証」と「登記」という手続きが必要です。

そのためには、まず会社の基本事項を決定し、手続きに必要な書類・物・お金を準備しなければなりません。

 

会社設立をしようと決断したら、まず始めるべき準備について、ステップごとに見ていきましょう。

 

(1)会社の基本事項を決定する

会社設立の準備には、まずは会社の基本事項を決める必要があります。

これらの内容は定款にも記載するので、会社設立を決めたら速やかに決定します。

 

・会社名

・本店所在地

・事業内容(事業目的・事業年度)

・発起人・役員

 

それぞれの決め方や、ルールについて知っていきましょう。

 

①会社名・本店所在地

会社名は事業内容をよく表し、人に覚えてもらいやすいものを考えましょう。

商号に使用できるのは、以下の文字です。

 

・ひらがな

・カタカナ

・漢字

・ローマ字(大文字・小文字)

・アラビア数字

・符号(&、-、・、,など)

 

上記の範囲内なら文字数などは自由ですが、以下のような会社名は使うことができません。

 

・銀行・生命保険・信託など、業種を誤認させるような言葉

・下品な言葉・差別用語など、公序良俗に反する文字・言葉

・○○営業所、○○支店など

・有名企業と全く同じ会社名、商標登録されている名称、同一所在地で同じ名前の会社

 

本店所在地には、主要な事業を行う場所を登録します。

実際の事務所の住所以外に、自宅を本店所在地にすることもありますが、賃貸住宅の場合は大家さんの許可を取ったほうがいいでしょう。

 

②事業目的・事業年度

事業目的には、会社設立後に行う事業の内容を記載します。

 

事業目的は、様々な許認可や社会保険団体の入会条件となることもある重要なものです。

そのため、事前に行政機関や法務局に相談してから決めることをおすすめします。

ちなみに、複数の事業を行う場合、事業目的は全部で10個前後に収め、メイン事業がわかりやすくなるよう記載しておくといいでしょう。

 

事業年度は、決算月を定め、そこから1年間とするのが一般的です。

決算月については、資金繰りや事業の忙しさを考慮して都合が良いように決めることができます。

事業の閑散期には、手が空いていて事務手続きがしやすい反面、売上が少ないので決算書の見栄えが悪くなりがちです。

 

逆に繁忙期に設定すると、資金繰りには余裕がありますが、締め作業などの負担に毎年苦しめられる可能性も。

決算書の内容は、販路拡大や資金調達にも影響しますので、慎重に決める必要があります。

 

③機関設計と役員

機関設計とは、自分の会社の役員や組織の布陣のこと。

代表取締役・取締役・取締役会・監査役・会計参与・株主総会といった、会社の経営権や意思決定権をもつ人の選定・配置を行なっていきます。

 

以前の法律では、株式会社を設立する場合は3人以上の取締役と監査役、取締役会の設置が必要でした。

しかし、現行の会社法では、取締役1人からでも会社設立が可能になっています。

 

(2)必要なお金と物を準備する

次に、会社設立に必要な物とお金を準備する必要があります。

具体的に準備するものは以下の通りです。

 

・資本金

・法人用印鑑

 

①資本金の金額決定

まず、資本金を用意するためには、資本金の金額を決めなければいけません。

 

現行の会社法では、資本金は1円からでも会社設立ができます。

しかし、資本金は会社を運営するための体力で、会社の信用度にも影響するため、実際に1円で起業する人は多くありません。

 

なるべく多く用意するのが理想ですが、資本金が1,000万円以上だと会社設立1期目から消費税の課税事業者になってしまうので、1,000万円未満に設定することが多いです。

資本金額の目安は「開業資金+3~6ヶ月分の運転資金」で、100~300万円くらいの会社が多くなっています。

 

②資金・設立費用を集める

資本金額が決まったら、そのための費用を準備します。

会社設立費用の集め方には、

 

・設立メンバーの自己資金

・投資家からの出資

・クラウドファンディング

 

などの方法があります。

資本金は会社の資産なので、あとで返済する必要がある借入金は資本金にすることができません。

 

③法人用印鑑を準備する

最後に、会社設立手続きに使う法人用印鑑が必要です。

準備しておくべき印鑑の種類は、以下の通り。

 

・会社実印(代表社印):会社の設立登記時に登録する実印。主に重要な契約書などに使う

・会社銀行印:銀行口座の開設時に届け出る実印。会社実印と分けてリスクを分散する

・角印(社印):注文書・請求書・稟議書などに用いる会社の認印

・住所印(ゴム印):会社名・会社住所・電話番号などを記載した印鑑

 

これらの準備費用は5,000~20,000円くらいで、必要なものが揃った会社設立印鑑セットを用意している印鑑屋さんもあります。

 

また、法人用印鑑以外に、会社の代表者個人の実印と認印も様々な手続きで必要になります。

実印は取締役全員が準備し、住んでいる自治体で印鑑登録も済ませておきましょう。

 

2.≪会社設立で準備すべき書類

次に、会社設立に必要な書類を解説します。

全ての書類が準備できていないと手続きができないため、せっかく法務局に行っても無駄足になってしまいます。

また、順番通りに揃えないと取得できない書類もあるため気をつけましょう。

 

(1)定款作成に必要な書類

定款とは、会社の基本ルールを記載した書類で、準備の最初で決めたような会社の基本事項を記載します。

そして、株式会社を設立するには、定款の認証を受ける必要があります。

 

定款の認証を受ける際には、以下の書類を準備して公証役場に提出します。

 

・定款3通

・発起人(出資者)全員の印鑑証明書

・発起人(出資者)の実印

・身分証明書

 

また、定款の認証には以下の費用が必要なので、合わせて持参しましょう。

 

・手数料:5万円                

・謄本作成費用:約2,000円(1ページ250円×必要枚数)

・収入印紙:4万円分

 

ちなみに、株式会社ではなく合同会社を設立する場合、この定款の認証というステップは必要ありません。

定款の作成自体は必要ですが、作成ができたら以下で解説する登記申請の手続きから始めてOKです。

 

(2)登記申請に必要な書類

定款の認証が済んだら、法務局で会社設立登記を行います。

この手続きに必要な書類は、以下の通りです。

 

・登記申請書

・登録免許税納付用台紙

・登記すべき事項を記録した磁気ディスク(CD-Rなど)

・公証人の認証済みの定款

・資本金払込証明書

・役員の就任承諾書

・役員の印鑑証明書

・印鑑届書

・印鑑カード交付申請書

 

また、この登記手続きには登録免許税の払い込みが必要です。

登録免許税の金額は、設立する会社の形態によって異なります。

 

・株式会社:15万円

・合同会社:6万円

 

(3)設立後に必要な書類

会社設立の手続きの後は、会社の運営を始めるための手続きが必要です。

開業前に必要な準備は、大きく分けて「社会保険関係」「税務署関係」の2種類があります。

 

社会保険関係

会社設立後、社会保険関係で提出する書類と、その提出先は以下の通りです。

 

年金事務所に提出する書類(会社設立から5日以内)

・健康保険・厚生年金保険新規適用届

・健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届

・健康保険被扶養者(異動)届

 

ハローワーク(公共職業安定所)に提出する書類(従業員を雇用した翌日から10日以内)

・雇用保険適用事業所設置届

・雇用保険被保険者資格取得届

 

労働基準監督署に提出する書類(従業員を雇用した翌日から10日以内)

・保険関係成立届

・労働保険概算保険料申告書

 

税務署関係

会社設立後、税申告を行うために、税務署に以下の書類を提出します。

 

・法人設立届出書(会社設立から2ヶ月以内)

・給与支払事務所等(給与支払事務所として開設してから1ヶ月以内)

・青色申告の承認申請書(会社設立後3ヶ月以内、または最初の事業年度の末日まで)

 

(4)書類以外に必要な物

会社設立後は、公的な手続き以外にも事業準備で大忙しになります。

開業までにする準備するもののチェックリストは、以下の通り。

 

・オフィス・店舗の賃貸契約

・オフィス・店舗の内装工事

・オフィス・店舗のライフライン契約

・従業員の求人募集・雇用契約

・必要な機材・什器・事務用品などの購入

・商品・材料の仕入れ

・名刺作成

・ホームページ作成

・チラシ・看板作成

・SNSアカウント設置

など

 

3.≪まとめ

会社設立の準備は、用意する書類やお金・モノがたくさんあり大変な作業です。

スムーズに開業の日を迎えるためには、手続きの流れを把握して、必要書類や準備するもののチェックリストを作成しておくのが大切です。

会社設立後も税務署に提出する「青色申告の承認申請書」などは期限もあるため、忘れずに届出しておかないと納税の際に不利益が出てしまう可能性もあります。

今回ご紹介した準備するものリストを、ぜひ会社設立にお役立てください。

2020/05/05 サラリーマンは副業で会社設立が可能?メリット・バレない方法を解説

今の給与に満足していない、空いた時間を使ってもっと稼ぎたいというサラリーマンの方、「副業」や「会社設立」という選択肢を考えたことはありますか?

 

サラリーマンが会社設立をすることは、就業規則で禁じられていない限り可能です。

ただし、会社設立が勤務先にバレると、何かと面倒が起こることも。

 

今回は、サラリーマンが副業で会社設立するメリット・デメリットと、会社にバレない方法を解説していきます。

 

1.≪サラリーマンが副業で会社設立は可能?≫

サラリーマンとして会社勤めをしながら、会社設立をすること自体は可能です。

ただし、会社によっては就業規則として副業が禁止になっていることも。

 

副業が可能な会社であっても、会社設立までしてしまうと本業をおろそかにしていると捉えられ、良い顔をされない可能性はあります。

その部分さえクリアできれば、法律上・制度上はサラリーマンが会社設立をしても何ら問題はありません。

 

会社設立をすると、個人事業主として副業をするのとは異なり、税制上の優遇措置が受けられます。

また、社会的な信頼もアップし、事業拡大がしやすくなるので、将来的に独立を考えている場合は計画を早められることも。

次の項目から、サラリーマンが会社設立をするメリットとリスクについてお伝えしていきます。

 

2.≪サラリーマンの会社設立の3つのメリット

サラリーマンが会社設立をするメリットは以下の3つ。

 

・収入が増える可能性

・節税になる

・対外的な信頼がアップ

 

それぞれについて、詳しく見ていきましょう。

 

(1)収入が増える可能性

サラリーマンが会社設立をすると、副業の分の収入が増えます。

会社が倒産したり、失職したりして給与収入がなくなった時にも、自分の責任で賄える事業収入が残ります。

 

もちろん、あとで解説するリスクも相応にありますが、収入源を会社1本に頼らなくて良くなるのは大きなメリットです。

 

(2)節税になる

副業がある程度軌道に乗った時には、会社設立して「法人成り」することをおすすめします。

 

会社設立をしなくても、副業は個人事業主として始めることも可能です。

しかし、会社と個人事業主では適用される税制が異なり、節税できる範囲は会社の方が大きいからです。

 

①経費の範囲が広がる

個人事業主と会社では、経費として計上できる範囲が違います。

個人事業主の場合、事業に直接的に関係する出費しか経費になりませんが、会社の場合は事業に必要と認められれば経費になるのです。

 

例えば、会社設立をして社宅という名目で自宅を借りれば、家賃全額を経費にすることができます。

家賃以外も、全体的に会社の方が経費に計上できる範囲が広いので、課税所得を減らして節税することができるのです。

 

しかし、賃貸の自宅で事業を行う場合、個人事業主は「家事按分」といって、事業に使用している面積分の家賃しか経費になりません。

 

②給与所得控除の対象に

会社設立をすると、社長も「給与」という形で会社からお金を受け取ることになるので、会社員の場合の経費にあたる「給与所得控除」が受けられます。

個人事業主の場合は、事業で得た利益がそのまま事業主の収入となり、経費を差し引いた所得額に税金が課せられます。

 

もちろん、実際にかかった経費は会社の所得から差し引けるので、二重に控除を受けられます。

給与所得控除の金額は、年間所得の10~40%にもなるので、かなり大きな節税になります。

 

③税率が一定

個人事業主の所得税率は、所得金額が高くなると税金も上がる累進課税制度です。

所得税の税率は、最大45%にもなりますが、会社の所得税にあたる法人税は最大23.2%。

 

所得800万円までの部分は15%、それ以上はいくら稼いでも23.2%と決まっているので、事業所得が大きくなるほど会社設立をした方がお得なのです。

 

④2年間は消費税免除

売上金額が1,000万円を超えた事業者は、その2年後から消費税の納税義務が発生します。

この条件は個人事業主も会社も同じですが、個人事業主から会社設立した場合、個人事業主時代の売上は会社の売上には反映されません。

 

つまり、個人事業主として売上1,000万円を超え、その2年後に会社設立をすると、消費税免税事業者でいられる期間が2年間延長できるということ。

そのため、売上が1,000万円を超えたタイミングで、会社設立を考える個人事業主がとても多いのです。

 

(3)対外的な信頼がアップ

会社設立の3つ目のメリットは、社会的信用がアップすること。

個人事業主より、会社社長という肩書きの方が信頼できるという感覚は、誰でも持っているかと思います。

また、実務面でも、会社設立には費用がかかったり、運営上の事務手続きも複雑だったりするので、会社設立をした方が事業への本気度が高いと見なされます。

 

事業取引や融資契約には信用が大事なので、会社設立をした方が販路拡大はしやすく、金融機関からの融資も引き出しやすくなります。

そのため、会社設立をした方が事業の成長スピードが早く、成功できる可能性が高くなるのです。

 

3.≪サラリーマンの会社設立の3つのリスク

サラリーマンが会社設立する場合、もちろんリスクもあります。

 

・金銭的リスク

・体力・精神的リスク

・副業禁止の会社の場合バレるリスク

 

3つのリスクについて、詳しく見ていきましょう。

 

(1)金銭的リスク

会社設立や運営には、何かとコストがかかります。

会社設立を考えるなら、必要コストを知った上で個人事業主とどちらが得か検討した方がいいでしょう。

 

①毎年のランニングコスト

会社設立をする場合、以下のコストが個人事業主より余計にかかります。

 

・法人住民税

・法人事業税

・地方法人税

・社会保険料

 

事業で得た利益に対して所得税・法人税がかかるのは、会社でも個人事業主でも同じです。

しかし、法人は法律上人格を持つ組織なので、ご自身の住民税とは別に法人住民税を納める必要があります。

また、法人事業税・地方法人税も、個人事業主の場合は支払う必要がない税金です。

 

社会保険料に関しては、会社設立をするとたとえ社長1人でも加入が義務となるため、年間の保険料が発生します。

 

さらに、会社の場合は税務申告などの手続きが複雑なので、税理士などプロの手を借りなければいけないシーンが多くあります。

毎年のランニングコストとして、専門家への報酬も発生することを知っておきましょう。

 

②赤字経営の可能性

事業を始める以上、赤字経営になるリスクは0ではありません。

赤字が出る可能性は会社も個人事業主も同じですが、会社の場合は赤字でも毎年支払わなければいけない税金があります。

それは法人住民税の均等割で、金額は年間約7万円です。

 

また、会社で従業員を雇う場合、赤字経営は従業員の生活にも影響を及ぼすため、相応の覚悟が必要です。

 

③廃業にもコストがかかる

もし会社設立をして失敗した場合、廃業するのにもコストがかかります。

会社の廃業にかかる費用は、最低でも解散登記が3万円、清算結了登記2,000円。

 

個人事業主の場合、辞めるときには特にコストはかからないので、この点でも会社設立には金銭的リスクがあると言えます。

 

(2)体力・精神的リスク

会社設立するのは、もちろん体力・精神的にも大変です。

特にサラリーマンとして本業を継続しながら会社を経営するなら、それなりの覚悟が必要になります。

 

①事務作業などが増える

会社設立をするには、設立時の登記手続きや毎月の経理作業、年に一度の決算などの事務作業が必要になります。

個人事業主が行う帳簿付けや確定申告とは、比べ物にならない作業量です。

 

そのため、会社を設立すると専門の事務員を雇ったり、税理士などプロの手を必要としたりすることがほとんど。

自分で行う場合には時間と手間、人に頼む場合にはコストがかかることは会社設立のリスクと言えるでしょう。

 

②本業との掛け持ち

サラリーマンを継続しながら会社設立をする場合、掛け持ちが負担になるケースもあります。

週5日フルタイムで勤務して、週末や終業後に自分の事業を行うのはかなりハードだということは、誰にでも想像がつくでしょう。

 

本業と掛け持ちするなら、上手な時間の使い方を考えたり、ある程度業務を自動化したりなどの工夫が必要となります。

 

(3)副業禁止の会社の場合バレるリスク

サラリーマンが会社設立する場合、心配する人が多いのが会社にバレるリスクです。

会社設立や副業で事業を行なっていると、収入額が変わるので社会保険や住民税の金額が変わり、そこから会社にバレることがあります。

 

副業が許可されている会社なら堂々としていてもいいのですが、そうはいかないケースもあるでしょう。

会社設立が勤務先にバレたくないなら、次の項目でご紹介するような工夫が必要です。

 

4.≪バレずにサラリーマンが会社設立するには?

それでは、サラリーマンが勤務先にバレずに会社設立したい場合、気をつけるべきポイントを解説していきます。

 

(1)登記内容に注意

会社を設立するときには「登記」という手続きを行いますが、この登記の内容は誰でも簡単に調べられます。

登記するときは配偶者など家族を社長にしたり、会社の住所は自宅と別の場所に置いたりするのがおすすめです。

何かのきっかけで、社内の人に会社の登記内容を調べられてしまった場合、そこに自分の名前や住所が載っていると一発でバレてしまいます。

 

(2)所得額に注意

会社設立をして個人の所得額が増えると、所得額を基準として課税される住民税や社会保険の金額が変わります。

勤務先に会社設立がバレるのは、こういった部分からというパターンが多いです。

 

この対策としては、自分の役員報酬を0円にして、配偶者などの家族に給与を支払うこと。

そうすることで、自分の所得額を変えずに家計に入る金額を増やし、会社にバレるリスクを減らすことができます。

 

(3)住民税の申告に注意

住民税から会社にバレる可能性があるとお伝えしましたが、実は住民税は給与から天引きではなく、自分で納めることもできます。

住民税を自分で納めることを「普通徴収」、給与から天引きにすることを「特別徴収」といい、確定申告時に普通徴収を希望すれば会社に所得金額の情報が伝わらなくなります。

 

しかし、多くの自治体では確実に税金を徴収できる特別徴収を推進しているので、勝手に特別徴収として処理されてしまうことも。

確実に普通徴収してもらいたい場合は、役所の税務課に問い合わせをしましょう。

 

(4)SNSや他の従業員に注意

最後に、自分のSNSや、設立した会社の従業員、こっそり会社設立を打ち明けた同僚などからバレてしまうこともあります。

人の口に戸は立てられませんから、バレたくないなら会社設立のことはなるべく人に話さないのが一番。

SNSなどで会社設立を報告したい場合には、鍵をかけて信頼できる人しか見られないようにしておきましょう。

 

5.≪サラリーマンの会社設立の目安はココ!

会社設立をする目安は、「売上1,000万円」または「利益500万円」を超えるタイミング。

 

先に解説したように、副業の売上が1,000万円を超えた場合は、2年以内に会社設立することで消費税の非課税期間を伸ばすことができ、大幅な節税になります。

また、所得税・法人税の課税率と、社会保険料等の会社運営コストを比較したとき、会社設立が得になるのはだいたい「利益500万円」がボーダーラインです。

 

金銭的に得になるかどうかだけではなく、将来的に独立したり事業を大きくしたいのか、それとも副業でお小遣い稼ぎができればいいのかというビジョンも一つのポイント。

必ずどちらがいいという正解はありませんが、会社設立をするなら制度をよく知り、リスクとメリットを比較した上で決断するのが大切です。

 

6.≪まとめ

サラリーマンが会社設立するのは、制度上不可能なことではありません。

むしろ、経済の先行きが見えない中で、収入が増え、節税にもなる会社設立を選択するサラリーマンは増えていくでしょう。政府も副業を推進する方向性にあります。

ただし当然リスクもあるので、会社設立は制度やコストをよく知った上で決断する必要があります。

2020/04/27 社会保険加入は会社設立時の義務!必要書類と手続き方法を解説

会社設立をしたら、速やかに社会保険の手続きを行い、健康保険・厚生年金保険・雇用保険・労災保険に加入する義務があります。

しかし、ケースによっては、会社設立後も社会保険に加入しなくて良い場合も。

 

今回は、会社設立後に必要な社会保険の手続きを解説し、社会保険に関するよくある疑問にお答えしていきます。

 

≪1.会社設立したら社会保険加入は義務!≫

会社設立をしたら、社会保険に加入することが法律で義務付けられています。

 

「保険料を払いたくないから入らない」「従業員が少ないから入らなくていい」ということはありません。

たとえ社長一人の会社であっても、会社という形式をとる以上、社会保険には加入しなければいけないのです。

(ただし、役員報酬が月額約12,000円未満の場合は年金事務所側から加入を断られるケースもあります。)

 

もし未加入が発覚した場合、過去2年分の保険料を遡って徴収される可能性があります。

実際の現場はケースバイケースなので一概にこうなるとはお伝え出来ませんが、具体的な案件についてご質問いただければ、弊所の社労士がご回答致します。

会社設立をしたら、速やかに保険加入の手続きを行い、適切に保険料を支払いましょう。

 

≪2.会社設立時の社会保険加入手続きと必要書類≫

それでは、会社設立時に行うべき社会保険加入手続きと、その必要書類について解説していきます。

 

ちなみに、社会保険の加入手続きはいつからできるかというと、会社の設立登記が終わった後すぐです。

それぞれの届出期限までに、必ず手続きを完了できるようにしましょう。

 

手続きは自分で行うこともできますが、事業準備などで忙しい場合には社会保険労務士などのプロに委託することも可能です。

 

(1)健康保険・厚生年金

まず、健康保険と厚生年金への加入は、 会社設立から5日以内に、会社所在地を所轄する年金事務所に届け出る必要があります。

2009年までは社会保険事務所という名称が使われていましたが、現在は「年金事務所」に改称しているので注意してください。

 

以下で解説する必要書類は、全て日本年金機構のホームページから入手できます。

提出方法は、郵送・窓口持参・オンライン申請の3つがあります。

 

①健康保険・厚生年金保険新規適用届

「健康保険・厚生年金保険新規適用届」は、新規起業時や個人事業主が法人成りした時など、初めて健康保険・厚生年金に加入する時に提出します。 

適用届けには、会社の登記簿謄本(提出日の90日以内に発行されたもの)の原本を添付します。

設立登記が終わったら、すぐに登記簿謄本を発行しておきましょう。

 

ちなみに、実際の会社の住所が登記した場所と異なる場合には、会社の賃貸借契約書のコピー・公共料金の領収書など、会社の所在地が証明できる書類が必要です。 

 

②健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届

「健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届」は、被保険者となる資格を取得するための書類です。

その時会社に在籍している、社長・役員・従業員まで、被保険者となる人全ての分を提出します。

新規加入後、新たに従業員を雇用した場合には、その都度増えた従業員の分を提出する必要があります。

 

③健康保険被扶養者(異動)届

健康保険被扶養者(異動)届」は、被保険者に扶養家族がいる場合に提出する書類です。

被扶養者届と被扶養者の健康保険被保険者証を添付する必要があるため、従業員にこれらの写しを提出するよう求めましょう。

 

ちなみに、扶養者の年間所得が103万円以上130万円未満の場合は、「課税(非課税)証明書」も添付する必要があります。

 

④保険料の計算方法

健康保険・厚生年金の保険料は、被保険者の標準報酬月額によって決まります。

給与の「等級」ごとに保険料額が決められているので、その金額を納付します。

例えば、東京の会社で標準報酬月額が20万円の場合、健康保険料は17等級で「19,740円」、厚生年金保険料は14等級で「36,600円」となります。

 

ちなみに、保険料は被保険者と会社で折半して支払うので、会社が納付するのは上記の金額の半額です。

 

(2)雇用保険

雇用保険は従業員を雇っている会社が加入します。社長や役員だけの会社には加入義務がありません。

 

雇用保険に加入する場合には、以下の書類を会社がある地域を管轄するハローワーク(公共職業安定所)に提出します。 

それぞれの書類はハローワークのホームページから入手可能で、提出方法は直接提出・電子申請の2種類です。

 

①雇用保険適用事業所設置届

「雇用保険適用事業所設置届」は、会社が雇用保険適用事業所であることを届け出るための書類です。

提出期限は従業員を雇用した翌日から10日以内、会社設立時から従業員がいる場合には設立日の翌日から10日以内です。

この書類には、登記簿謄本の原本を添付して提出します。

 

②雇用保険被保険者資格取得届

「雇用保険被保険者資格取得届」は、各従業員の被保険者資格を取得するための書類です。

従業員を雇用した月の、翌月10日までに提出します。

従業員を複数人雇用する場合には、人数分の提出が必要です。

 

賃金台帳や労働者名簿、出勤簿などの提出が求められる場合もあるので、事前にハローワークに確認しておきましょう。

 

(3)労災保険

最後に、労災保険も従業員を雇用した場合に加入義務がある保険です。

労災保険関係の届出は、会社所在地を管轄する労働基準監督署に提出します。

 

それぞれの申請書は、労働基準監督署のホームページから入手可能です。

窓口に直接持参か、電子申請で提出を行います。

 

①保険関係成立届

「保険関係成立届」は、従業員を雇用した日の翌日から10日以内に提出します。 

会社の登記謄本原本・労務者名簿・賃金台帳・出勤簿を添えて提出しましょう。

従業員が10人以上いる会社の場合、「就業規則届」も必要です。

 

②労働保険概算保険料申告書

「労働保険概算保険料申告書」は、労災保険の保険料について申告する書類です。

提出期限は、保険関係が成立した日から50日以内となっています。

前の項目で解説した保険関係成立届と一緒に提出し、50日以内に納付するというのが一般的です。

 

≪3.会社設立時の社会保険についてのよくあるQ&A≫

最後に、会社設立時の社会保険手続について、よくある質問とその回答をご紹介します。

 

(1)パートやアルバイトの社会保険は?

パートやアルバイトであっても、雇用保険の加入要件を満たしている場合には社会保険に加入させる義務があります。

 

まず、パート・アルバイト従業員の1ヶ月の労働日数と1週間の労働時間が正社員の3/4以上だと、社会保険加入義務が発生します。

 

そうではなくても、下記の条件を満たす場合には社会保険への加入が必要となります。

・週の所定労働時間が20時間以上

・雇用期間が1年以上見込まれる

・賃金の月額が8.8万円以上

・学生でない

・常時501人以上の企業(特定適用事業所)に勤めている

 

また、労災保険については、雇用形態に関わらず、従業員を雇用する限り加入の義務があります。

 

(2)設立後にすぐに社会保険に加入できない場合は?

社長1人の会社でなかなか経営が軌道に乗らず、自分自身に給与を支払えないということもあるでしょう。

先にお伝えしたように、役員報酬が月額12,000円以下だと社会保険への加入を断られることがあります。

 

そのような事情で、会社設立後すぐに社会保険に加入できない場合には、代替の制度を利用します。

健康保険に関しては「国民健康保険」か「協会けんぽの任意継続」、年金は「国民年金保険」も加入しましょう。

 

(3)社員が自分一人でも加入すべき?

社員が自分一人であっても、一定額以上の報酬を得ている限りは社会保険に加入する義務があります。

国民健康保険より社会保険の方が保険料は高いですが、会社設立をすれば社会保険料を損金算入できるため、税制上お得な面もあります。

 

(4)社会保険料を節約する方法はある?

社会保険料は、先にお伝えしたように標準報酬月額を基準として算定されるので、自分や従業員に支払う給与が少なければ保険料も下がります。

 

また、パートやアルバイトは労働時間等で保険加入が義務でない場合もあるため、それを利用して保険料を節約することは可能です。

例として、以下のような方法が考えられます。

 

・役員報酬を必要以上に高くしない

・自宅や社員宅を社宅扱いにし、給与から家賃分を差し引く

・パートやアルバイトを活用し、社員を増やさない

 

≪4.まとめ≫

会社設立をしたら、社会保険の加入が義務になります。

社員が自分一人であっても加入義務がありますが、報酬が著しく少ないなど、加入できない事情がある場合には国民健康保険・国民年金を継続することもあります。

 

しかし、基本的には、会社設立をしたら速やかに保険関係の手続きを行い、未加入のペナルティが課せられないようにしましょう。

2020/04/20 会社の設立・登記の方法は?基本的な流れから必要書類・費用までを解説

会社が会社として成立するには、法務局で会社設立登記という手続きをする必要があります。

会社設立登記は必要書類を用意して提出するだけで完了しますが、その準備がなかなか大変です。

 

今回は、会社設立登記の基本的な流れと、必要書類・費用について解説します。

会社設立をお考えの方は、ぜひお役立てください。

 

≪1.会社設立登記の流れ≫

まずは、大まかな会社設立登記の流れを見ていきましょう。

会社設立登記をするときは、この順番に従って必要な書類を集め、提出や手続きを行っていきます。

 

(1)必要事項を決定する

会社設立の最初のステップは、基本事項の決定です。

最初に決めておくべき基本事項には、以下のようなものがあります。

 

・商号(会社名)

・所在地(登記する正確な住所)

・発起人

・登記簿謄本に記載する事業内容

・資本金額

・決算日

 

また、このタイミングで、以降の手続きに必要な会社の印鑑4種類も作成しておきます。

 

(2)定款を作成する

次に、定款の作成を行います。

 

定款とは、会社の基本的なルールを書面にまとめた書類のことです。

定款には以下のような内容を記載します。

 

・会社名

・所在地

・事業目的

・広告方法

・発行可能株式総数

・株式の譲渡制限

・取締役の員数

・取締役の任期

・事業年度

・設立に際して出資される財産の価額

・設立後の資本金の額

・最初の事業年度

・設立時の役員

・発起人の氏名、住所等

・発起人の記名押印

・出資者全員の捨て印

 

(3)公証役場で定款の認証を受ける

定款が作成できたら、その内容が正しいことを第三者に証明してもらう「認証」の手続きを行います。

公証役場に定款を提出して手数料を納付し、公証人による認証を受けます。

 

ちなみに、この定款の認証は、株式会社を設立する場合のみ必要な手続きです。合同会社設立の場合は必要ありません。

 

(4)資本金を払い込む

会社設立時の資本金額を準備し、振り込みます。

会社法の改正により、資本金は1円からでも起業できますが、実際には資本金は多く用意した方が社会的信用は得やすいです。

 

後の会社設立登記で「資本金の払込証明書」が必要になるので、このタイミングで会社用の口座を用意し、資本金として定めた額を振り込みましょう。

 

(5)法務局で設立登記する

会社設立の最後の手続きが、登記申請です。

会社の設立登記は、法務局に必要書類を提出して行います。

 

この会社設立登記の手続き方法には、「直接提出」「郵送」「オンライン提出」の3つがあります。

登記手続きに必要な書類については、次の項目で詳しく解説いたします。

 

≪2.会社設立の登記に必要な書類≫

それでは、会社設立登記の必要書類を、1つずつ見ていきましょう。

 

(1)必須となる書類

以下で解説する書類は、設立する会社の形式や規模に関わらず、どんな会社の設立登記にも必要です。

 

・登記申請書

・登録免許税納付用台紙

・登記すべき事項を記録した磁気ディスク(CD-Rなど)

・公証人の認証済みの定款

・資本金払込証明書

・役員の就任承諾書

・役員の印鑑証明書

・印鑑届書

・印鑑カード交付申請書

 

①登記申請書

登記申請書のテンプレートは、法務省のホームページからダウンロードすることができます。

テンプレートを使わず、同じ内容を記載した書類を作成しても問題ありません。

内容は以下の事項をA4用紙に横書きにするだけなので、特に難しくはないでしょう。

 

・会社の基本事項(会社名・所在地・登記の事由・資本金額・登録免許税額)

・添付書類の内訳

・申請年月日

・本店と代表者の氏名・住所

 

②登録免許税納付用台紙

登録免許税納付用台紙には、株式会社の場合15万円分、合同会社の場合は6万円分の収入印紙を貼り付けて提出します。

 

この書類には、特に決まった形式はありません。法務局の窓口で申し出て入手することもできますし、ネット上でテンプレートを探してダウンロードしたり、ただの白紙に収入印紙を貼り付けて提出したりしても問題ありません。

 

③登記すべき事項を記録した磁気ディスク(CD-Rなど)

登記事項を保存した書類は紙媒体で提出することもできますが、その場合は用紙を法務局で直接入手する必要があります。

法務省のホームページにある作成例を参考にしながら、自分のPCで作成した方が効率的です。

 

内容はテンプレートに従って必要事項を記入するだけなので、そこまで難しくありません。

作成が終わったら、CD-RかFDに保存し、会社名を書いたシールを貼り付けて提出します。

 

④公証人の認証済みの定款

株式会社を設立する場合、登記の一つ前のステップで公証人の認証を受けた定款が1部必要です。

合同会社の場合、定款の認証は必要ありませんが、登記の際に定款を1部提出します。

 

⑤資本金払込証明書

資本金払込証明書は資本金の払い込みを行なったあと、取得した通帳のコピーから作成します。

 

通帳の記帳欄、表紙、個人情報欄のコピーに表紙をつけ、製本しましょう。

各見開きページの綴り部分には、契印をしておきます。

 

⑥役員の就任承諾書

役員の就任承諾書は、「取締役・代表取締役に就任したことを承諾した」ということを証明するための書類です。 

 

内容は「○年○月○日の取締役会で取締役(代表取締役)に選任され、承諾しました」という文章と、その人の署名です。

インターネット上でテンプレートが取得できるため、日付と署名欄を埋めるだけで問題ありません。

 

⑦役員の印鑑証明書

役員の印鑑証明書は、会社の役員は住民票を置いている自治体の役所で入手します。

定款の認証を受ける際に取得したものと、同じ印鑑証明が必要です。

 

役員が複数人いる会社の場合、全員のものを用意しましょう。

ただし、取締役会がある場合は、代表取締役1名の印鑑証明のみで手続きが可能です。

 

⑧印鑑届書

印鑑届書は、登記の際に会社実印の印鑑登録をするために必要な書類です。

法務局のホームページでテンプレートを入手できるため、必要事項を記入して提出しましょう。

 

⑨印鑑カード交付申請書

会社実印の印鑑登録をしたあと、印鑑証明書を入手するために印鑑カードが必要です。

印鑑届書と同じく、法務局のホームページで入手したテンプレートに必要事項を記入して提出します。

 

会社の印鑑証明書は会社設立後の様々な手続きに使いますが、同じく設立後の手続きで必要になる登記簿謄本については、事前に申請しなくても誰でも取得できます。

 

(2)場合によっては必要な書類

場合によっては会社設立登記をする時、上記の他に以下の書類が必要になることもあります。

 

・発起人決定書

・調査報告書

・財産引継書

・資本金の額の計上に関する証明書

 

まず「発起人決定書」は、定款に取締役・代表取締役・本店所在地の番地・電子定款のURLなどの記載がない場合に必要です。

「調査報告書」「財産引継書」「資本金の額の計上に関する証明書」は、資本金や出資金に現金以外の現物出資が含まれる場合に必要な書類です。

 

≪3.会社設立登記の申請・手続きの方法≫

それでは、会社設立登記の具体的なやり方や費用について解説していきます。

 

(1)申請先と申請期限

会社設立登記の申請先は、法務局です。

法務局の窓口に必要書類を持参して出向くか、法務局の住所に郵送、または専用の申請システムを使ってオンライン申請で行います。

 

また、会社設立登記を行う期間「設立時取締役の調査完了日、もしくは発起人が定めた日から2週間以内」です。

期限を過ぎた後の申請も可能ですが、過ぎてしまうと「登記懈怠」となり、罰金の対象となるので注意しましょう。

 

(2)登記に必要な費用

登記に必要な費用は、ステップごとに以下のものがあります。

 

①定款認証関連

株式会社を設立する場合、定款の認証に以下の費用がかかります。

 

・定款に貼り付ける収入印紙:40,000円(電子定款の場合は不要)

・公証人に払う手数料:50,000円

・定款の謄本交付手数料:約2,000円(250円×ページ数)

 

②設立登記関連

登記申請の際には登録免許税がかかりますが、登録免許税の金額は会社の形式や資本金の額により異なります。

 

・株式会社:150,000円(資本金の0.7%が150,000円以上の場合、その金額)

・合同会社:60,000円(資本金の0.7%が60,000円以上の場合、その金額)

 

③その他の費用

会社設立登記にかかるその他の費用としては、印鑑の作成費用・各種証明書の交付費用・交通費などがあります。

これらの雑費については、合わせて10,000円ほど見込んでおけばいいでしょう。

 

≪4.会社設立登記の後に必要な手続き≫

会社設立登記の後に必要な手続きは、大きく分けて以下の3つがあります。

 

・税務署への各種届出

・健康保険・厚生年金保険への加入

・労災保険・雇用保険への加入

 

どの手続きも、事業開始後の税申告や、従業員の保護のために必要な手続きです。

手続きを怠ると、後でペナルティが課せられる可能性があるため、会社設立登記の後に速やかに行いましょう。

 

≪5.まとめ≫

会社設立登記は、会社設立を行う中で最後のステップです。登記が完了することで、初めて会社として成立します。スムーズに会社設立登記を行うには、手続きの流れと必要書類をしっかり理解し、順序よく準備を進めていく必要があります。

会社設立後に税理士に顧問をご依頼される場合、弊所では司法書士手数料が無料になりますのでご依頼されることを検討してみてはいかがでしょうか?今回ご紹介した会社設立業務を丸投げでご依頼可能です。

 

会社設立をお考えの方は、ぜひ今回解説した内容を参考にしてみてください。

2020/04/13 会社設立のメリットとは?個人事業主とどちらが得か見極めるポイント

会社設立には、何かと手間とコストがかかります。

それでも会社設立する人が多いのは、事業の運営や税制上、得られるメリットが大きいためです。

 

今回は、会社設立のメリットとデメリットについて詳しく解説。

個人事業主と法人成りのどちらが得か見極めるポイントや、個人事業主が会社設立(法人成り)すべきタイミングについてもご紹介します。

 

≪1.会社設立と個人事業主との違い≫

現在サラリーマンで、これから独立を考えている方には、事業を行う方法として「個人事業主」「会社設立」の2つの選択肢があります。

 

会社と個人事業主のもっとも大きな違いは、法律上「法人」と扱われるか「個人」と扱われるかということです。

個人事業主は事業を行なっていてもあくまで個人なので、適用される法律や税金は個人向けのものです。

会社を設立すると、「法律上、人格を持つ組織」である法人になり、個人事業主とは根本的に扱いが変わります。

 

会社設立のためには個人事業より複雑な手続きが必要になり、運営上のルールが課せられるなど厳しい側面もあります。

しかし、その分税制上の優遇措置は法人の方がはるかに多く、メリットが大きいです。

社会的な信用度も個人事業主より法人の方が高いので、事業拡大を目指すなら会社設立の方が適しています。

 

≪2.会社設立の7つのメリット≫

会社設立のメリットは、大きく分けて7つあります。

 

・取引先からの信頼を得られる

・節税になる

・融資・資金調達しやすい

・決算日を決められる

・人材を集めやすい

・相続税が発生せず、継承しやすい

・有限責任なので経営のリスクが減る

 

それぞれについて、詳しく解説していきます。

 

(1)取引先からの信頼を得られる

会社経営者と個人事業主では、一般的には会社経営者の方が社会的信用度は高いです。

それは、会社の作り方には定款の作成や登記といった複雑な手続きが必要で、手軽に開業できる個人事業主より事業への本気度が高いと判断されるためです。

 

また、資本金や定款・登記手続きの費用など設立にかかるコストも高く、それだけ事業に確実性があると見なされます。

 

(2)節税になる

会社設立には、以下のような様々な税制上のメリットもあります。

法人に適用される税金の軽減措置を利用できることは、個人事業主と比べて大きなメリットでしょう。

 

①給与所得控除

給与所得控除とは、サラリーマンが給与の中から仕事に必要なものを買ったりするための必要経費として、給与所得から一定額が非課税になるというものです。

この給与所得控除は役員報酬にも適用されるため、会社を設立して社長や役員になると、所得のうち一定額は自動的に非課税になります。

個人事業主の場合、非課税になるのは実際に使った必要経費のみです。

 

また、社長や役員は、実際に使った経費を必要経費として会社に申請した上で給与所得控除が適用されるので、二重に得をすることができます。

 

②家族に給与を支払える

会社設立を行うと、家族を従業員として雇い、給与を支払うことができます。

法人であれば給与の額に制限がなく、事業の状況に応じて柔軟に給与額を定めることができます。

会社なら家族へ支払った給与を必要経費にできるので、事業に従事する家族が多いほど大きな節税になるのです。

 

個人事業主も、家族を雇って給与を支払うこと自体は可能ですが、上限額が定められていたり、給与額を自由に変動させられなかったりと様々な制約があります。

また、個人事業主は、基本的に家族に支払った給与を経費にすることができません。

 

③消費税の免除を受けられる

基準期間の課税売上高が1,000万円以下の事業者、また1,000万円を超えてから2事業年度以内の事業者は、消費税の免税事業者となり、消費税を納付する必要がありません。

基本的には、課税売上高が1,000万円を超えた2年後から、消費税の納付義務が発生します。

 

この条件は会社でも個人事業主でも同様ですが、個人事業主が法人化(会社設立)を行うと、それまでの事業と会社設立後の事業は切り離して考えることになります。

つまり、課税売上高の記録がリセットされ、会社設立から2年間はまた免税事業者になれるということになります。

そのため、会社設立を行うと、免税事業者でいられる期間が4年間に伸び、大きな節税になるのです。

 

④所得税・法人税率の差

会社に課せられる法人税は累進課税で、最大税率は23.2%です。

一方、個人事業主に課せられる所得税では、最大45%までの累進課税制度が採用されています。

 

利益が大きくなるほど納税額の差も開いていくため、純利益が500~1,000万円くらいのラインで「法人成り(会社設立)」を行う個人事業主も多いです。

 

⑤退職所得で節税

会社が利用できる控除には、「退職所得控除」というものもあります。

先にご説明した「給与所得控除」よりもこの退職所得控除の方が枠は大きく、また課税対象となる金額自体も、退職金から退職所得控除を差し引いた額の半額のみです。

 

そのため、従業員の給与の一部を退職金として積み立てておき、後で退職金として支払うことで、課税額を減らして節税することができるのです。

個人事業主の事業形態では、退職金という概念自体がないので、会社設立をする大きなメリットと言えます。

 

⑥必要経費の幅が増える

会社設立を行うと、個人事業主より必要経費の幅が増えます。

例えば、会社名義で借りた不動産を「社宅」とすることによって、その家賃が必要経費になります。

これにより、自分や従業員の家賃を利用して節税することが可能です。

 

また、交際費や、個人事業主では家事按分が適用される必要経費についても、会社の方が経費にできる枠が大きく、節税に繋がりやすいです。

 

⑦欠損金を10年繰り越せる

欠損金の繰越とは、ある年に生じた赤字を翌年以降に繰り越し、後の年度の利益と相殺して課税所得を減らすことです。

会社設立を行うと、赤字が発生した年から10年間この欠損金の繰越が認められます。

 

個人事業主の場合、欠損金の繰越が認められるのは最長3年なので、こちらの面でも会社設立をした方が有利です。

 

⑧保険の半額損金算入が可能

会社設立をすると、社会保険に加入する義務が発生します。

従業員の保険料を半額負担するのでコストは増えますが、そのぶん保険料を損金算入して課税所得を減らし、節税することが可能です。

 

⑨相続税・贈与税なしで事業を引き継げる

個人事業を次の世代に継承するとき、多くの財産を持っている場合は多額の相続税や贈与税が課せられます。

 

しかし、事業を法人化して会社設立しておけば、財産は法人所有のものとなり相続税がかかりません。

これは、最初の項目で解説した「会社は法律上、人として扱われる組織」ということがポイントになります。

会社は法人格を持っているので財産を所有でき、相続税・贈与税の対策にもなるのです。

 

(3)融資・資金調達しやすい

先にもお伝えしたように、会社設立をすると個人事業主より高い社会的信頼性が得られます。

「フリーランスや個人商店より、会社の方が信頼できる」という心象面のほか、実務の面で、登記簿謄本により会社の重要事項を確認できるということも重要です。

 

融資や資金調達には信用が重視されるので、会社設立を行った方が多くの融資・資金を引き出しやすくなります。

そのため、会社設立をすると大規模な事業が可能になり、事業拡大のスピードも速くなるでしょう。

 

(4)決算日を決められる

会社の事業年度は、会社設立時に自由に設定することが可能ですが、個人事業主の場合は毎年1月1日~12月31日と決まっています。

 

そのため、資金繰りに余裕がある時期に設定したり、繁忙期を避けて決算業務がしやすい時期に設定したりと、自社にとって有利に決算を行うことができるのです。

 

(5)人材を集めやすい

会社設立で高い社会的信用が得られることは、人材集めにも影響します。

誰でも、働くなら安定した職場で長く働きたいと思うのは当然。会社なら、社会保険や退職金といった制度がしっかりしているということで求職者の信頼感が増し、人が集まりやすくなるのです。

 

(6)相続税が発生せず、継承しやすい

先にもお伝えしましたが、法人の事業承継には相続税や贈与税がかかりません。

自分一代だけではなく、子供や孫に代々事業を続けていってほしいと考える場合には、会社設立を検討するのがおすすめです。

 

(7)有限責任なので経営のリスクが減る

個人事業主の場合、事業主は事業に対して無限責任を負います。

つまり、多額の借金を抱えて事業が倒産した場合、個人の財産を処分してでも借金を返済する必要があるのです。

 

対して、株式会社や有限会社の社長や役員は有限責任なので、出資額以上の責任を負うことはありません。

万が一事業がうまくいかなかった場合のリスク回避にも、会社設立という方法が使えるのです。

 

≪3.会社設立でのデメリットとは≫

会社設立には、メリットだけではなくデメリットがあります。

両方をしっかり比較して、会社設立をするべきかどうか検討した方が良いでしょう。

 

(1)赤字でも発生する税金がある

法人の場合、法人住民税の均等割りがあるため、利益が全く無くても毎年最低7万円を納税する必要があります。

 

しかし、個人事業主だと、赤字で利益がない場合には所得税は課税されず、納税の義務があるのは年数千円程度の個人住民税の均等割りのみです。

 

(2)社会保険への加入が必要

法人は、従業員を守るために社会保険加入の義務があります。

そして会社は、従業員にかかる社会保険料の半分を負担しなければなりません。

 

先にお伝えしたようにその保険料は損金算入できますが、従業員を雇うごとにコストが増えるというのは会社設立のデメリットです。

従業員が社長1人だけの場合も、国民健康保険と国民年金を納める個人事業主よりも社会保険料は高額です。

 

(3)会社のお金を使う場合に制限がある

個人事業主の場合は、稼いだお金は全て事業主のものとなり、自由に使うことができます。

しかし、会社設立をすると、会社と個人のお金が明確に区別されるようになります。

社長の給料も、役員報酬として会社から受け取るという形に変わります。

 

また、役員報酬の額は自由に変更することができず、決算日の翌日から3ヶ月以内に決定した「定期同額給与」しか経費として計上することができません。

 

(4)税務会計など、事務作業が煩雑

会社設立をすると、個人事業の時よりも提出書類が増え、しかも複雑になります。

確定申告の提出資料だと、個人事業主は書類3~4枚で済ませられますが、法人の場合は法人税の決算申告で少なくとも30~50枚も必要となります。

 

そのため、手続きのために従業員を雇う、申告のために税理士と契約をするなどの必要が出てくるでしょう。

そのためのコストがかかるのも、会社設立のデメリットです。

 

(5)設立と解散に手間と費用がかかる

会社設立には、個人事業よりも何かと費用がかかります。

例えば、個人事業の開業なら書類を提出するだけなので0円ですが、株式会社設立には手続き費用として、登録免許税などが最低でも20万円ほどかかります。

 

また、会社設立をすると税務や保険関係の手続きが複雑になるため、税理士や社労士に依頼する費用もかかります。

さらに、会社を廃止するときにも、解散手続きや官報広告費用に8万円ほどの費用がかかることを知っておきましょう。

 

≪4.メリットはある?会社設立すべきかのポイント≫

会社設立のメリットは、シンプルにいうと「信用性」と「節税」です。

 

すでに個人事業を行なっていて、経営のノウハウが備わり、今後も事業拡大の見込みがある場合は、会社設立をするメリットが大きいです。

節税できる額が、会社設立費用やランニングコストを上回った時点で会社設立を考えていいでしょう。

ちなみに、実利の面では、個人事業主より会社設立をした方が得になるボーダーラインは「事業所得600~800万円」と言われています。もちろん、従業員を雇用しているケースなどもありケースバイケースではあるため、税理士に一度シュミレーションしてもらいましょう。

 

また、新規事業を開始したいときなど、まとまった事業資金が必要なタイミングに合わせて会社設立をするのも一つの方法です。

完全に新規起業をする場合は、「その仕事で自分や家族が食べてさえいければいいのか」、それとも「事業を成長させていずれは大企業に育てたいのか」という将来のビジョンが重要になります。

法人化や、会社設立をするタイミングは人それぞれですが、いずれにせよしっかりした事業計画と必然性があるということが重要です。

 

≪5.まとめ≫

会社設立のメリットは、社会的な信用が高く、事業の運営がスムーズになること。

税制上の優遇措置も法人向けのものの方が多く、節税目的で会社設立する人もいます。

 

しかし、会社設立には何かとコストがかかり、リスクが大きいのも事実。

会社設立を行うなら、事業のビジョンをしっかりと検討し、得になるタイミングを見極める必要があります。

2020/04/06 会社設立の基本的な流れは?かかる費用と節約方法も解説

会社設立を考えている方は、まずその手続きの流れを知っておく必要があります。

会社設立時にはやることが多いので、流れを把握して順序よく必要書類を集めていかなければなりません。

 

今回は、会社設立時の基本的な流れについてわかりやすく解説いたします。

会社設立にかかる費用や節約方法もご紹介しますので、ぜひ最後までお読みいただければ幸いです。

 

≪1.会社設立の前に知っておきたい基礎知識≫

会社設立の流れを知る前に、まずどんな形式の会社を設立するべきか、そもそも会社設立をするべきかどうかを知っていきましょう。

 

(1)株式会社・合同会社どちらがいい?

一般的に新規設立される会社は、「株式会社」「合同会社」の2種類が多いです。

株式会社と合同会社は、出資者の扱いや設立費用、役員の任期、最高意思決定機関などが異なります。

 

➀【株式会社の場合】

出資者:株主

設立費用:20万円~

役員の任期:10年

最高意思決定機関:株主総会

 

➁【合同会社の場合】

出資者:社員

設立費用:6万円~

役員の任期:なし

最高意思決定機関:社員総会

 

株式会社と合同会社のもっとも大きな違いは、会社の方針を社長の一存で決められるかどうかということ。

 

株式会社の運営には株主総会の承認が必要な他、法律の面でも合同会社より制約が多いです。

しかし、株式会社には合同会社より高い社会的信頼性があり、資金集めなどの面でも事業拡大がしやすいという長所もあります。

 

株式会社と合同会社でどちらが優れているとははっきり言えないため、会社の経営方針によってより良い方を選択するべきです。

 

(2)会社設立のメリット・デメリット

会社設立のメリットは、大まかにいうと以下の3つです。

 

・社会的信用度が上がる

・人材・資金を集めやすくなる

・税務上のメリットがある

 

事業を開始するだけなら、個人事業主という形態でも可能ですし、個人事業主は会社設立より事前準備が少ないため手軽です。

しかし、それでも会社を設立する人が多いのは、社会的信用度が上がることで事業拡大がしやすくなるため。

 

また、課税される税の種類も、個人事業主は「所得税」、会社は「法人税」と異なります。

個人向けの税金と法人向けの税金は、根本から制度が異なり、事業の規模が大きいほど法人税の方がお得になります。

 

対して、会社設立には次のようなデメリットもあります。

 

・設立・運営・廃止に時間とコストがかかる

・保険加入の義務がある

・赤字でも払う税金がある

 

経営判断のスピード感や手間とコストの少なさは、個人事業主の方が上です。

また、会社設立をすると従業員を社会保険に加入させる義務が生じ、従業員の保険料の半額は会社の負担となります。

さらに、利益が出ず赤字であっても、最低7万円の法人住民税が発生することも会社設立のデメリットと言えるでしょう。

 

≪2.会社設立の流れ≫

会社を設立するには、定款の承認と会社設立登記という手続きが必要です。

会社設立の流れを、順を追って見ていきましょう。

 

(1)会社の基本事項を決める

会社設立の最初のステップは、基本事項の決定です。

最初に決めておくべき基本事項には、以下のようなものがあります。

 

・商号(会社名)

・所在地(登記する正確な住所)

・発起人

・登記簿謄本に記載する事業内容

・資本金額

・決算日

 

(2)実印作成

会社設立のための書類を作成するには、会社の実印が4種類必要になります。

会社の商号が決まったら、印鑑4種を作成し、その印鑑証明書も準備しておきましょう。

 

会社設立に必要な実印の種類は、以下の通りです。

 

・会社実印(代表社印)

・会社銀行印

・角印(社印)

・住所印(ゴム印)

 

(3)資本金振り込み

会社設立時の資本金額を準備し、振り込みます。

会社法の改正により、資本金は1円からでも起業できますが、実際には資本金は多く用意した方が社会的信用を得やすいです。

 

後の登記手続きで「資本金の払込証明書」が必要になりますので、このタイミングで会社用の口座を用意し、資本金として定めた額を振り込みましょう。

 

(4)必要書類を準備・作成する

次のステップは定款の作成と、手続きに必要な書類の準備です。

 

定款とは、会社の基本的なルールを書面にまとめた書類のことです。

定款には以下のような内容を記載します。

 

・会社名

・所在地

・事業目的

・広告方法

・発行可能株式総数

・株式の譲渡制限

・取締役の員数

・取締役の任期

・事業年度

・設立に際して出資される財産の価額

・設立後の資本金の額

・最初の事業年度

・設立時の役員

・発起人の氏名、住所等

・発起人の記名押印

・出資者全員の捨て印

 

(5)公証役場で定款認証を受ける

定款が作成できたら、その内容が正しいことを第三者に証明してもらう「認証」の手続きを行います。

公証役場に以下の必要書類を持参し、公証人による認証を受けます。

 

ちなみに、この定款認証は、株式会社を設立する場合のみ必要な手続きです。

 

・定款3通

・発起人(出資者)全員の印鑑証明書1通ずつ

・収入印紙40,000円分

・公証人に払う手数料50,000円

・定款の謄本交付手数料約2,000円(250円×ページ数)

・委任状(発起人以外が定款認証を行う場合)

 

(6)法務局で登記申請

会社設立の最後の手続きが、登記申請です。

登記手続きに必要な書類は、定款の作成ほど複雑ではありません。用意する数は多いですが、一つ一つの作成や入手は簡単です。

 

登記登録に必要な書類は、以下の通りです。

 

・定款

・資本金の払込証明書

・発起人の決定書

・設立時役員の就任承諾書

・印鑑証明書

・株式会社設立登記申請書

・登録免許税貼付用台紙

・登記すべき事項を保存したCD-Rまたはフロッピーディスク

・印鑑届出書

 

これらの書類を法務局に提出して、会社の登記、つまり設立が完了します。

一連の会社設立の流れにかかる期間は、およそ2週間が目安です。

 

≪3.会社設立をした後の流れ≫

会社設立をした後も、やることは山積みです。

会社設立から、営業開始までに行う手続きの流れをご説明します。

 

(1)印鑑証明書の交付

会社の設立届など、この後の手続きを行うには、会社の印鑑証明書と登記簿謄本が必要になります。

 

これらは法務局で入手しますが、交付できるようになるのは登記手続きが終わった後です。

それぞれ必要な部数を確認し、交付を受けましょう。

 

(2)税務署へ各種届出をする

会社設立後、税務申告を行うために所轄税務署に各種届出を行う必要があります。

税務署に提出が必要な書類は、以下の通りです。

 

・法人設立届出書

・青色申告の承認申請書

・給与支払事務所等の開設届出書

・源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書

 

(3)健康保険・厚生年金保険へ加入する

会社を設立すると、健康保険・厚生年金への加入義務が発生します。

本店所在地を所轄する年金事務所で、これらの手続きを行いましょう。

 

・健康保険・厚生年金保険 新規適用届

・健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届

・健康保険 被扶養者(異動)届(国民年金第3号被保険者関係届)

 

上記の書類に必要事項を記入し、提出します。

 

(4)労災保険・雇用保険へ加入する

設立した会社で従業員を雇用する場合、労災保険・雇用保険への加入が必要です。

労災保険は、正社員・パート・アルバイト・単発雇用など雇用形態に関わらず、従業員を1人でも雇ったら加入義務が生じます。

 

雇用保険は、以下の2つの条件を満たす従業員が1人以上いる場合に加入します。

・1週間の所定労働時間が20時間以上

・31日以上継続して雇用する

 

≪4.会社設立にかかる費用≫

会社設立時には、手続きやそれに必要な物の用意など、それなりに費用がかかります。

ここでは大まかな費用の合計額と内訳を解説しますので、もっと詳しく知りたい方は「会社設立にかかる費用は?最低金額・内訳を解説」をご覧ください。

 

(1)登記や印鑑作成など

会社設立の一連の流れにかかる費用を合計すると、以下の金額になります。

 

・株式会社:242,000円+雑費

・合同会社:100,000円+雑費

 

雑費以外の費用は、登記の際にかかる登録免許税など法定費用です。

雑費に含まれる費用には、以下のようなものがあります。

 

・印鑑作成費用

・各種証明書の交付費用

・交通費

など

 

これらの雑費は、合わせて10,000円ほど見込んでおけばいいでしょう。

また、厳密には会社設立の手続きにかかる費用ではありませんが、事業の元手として資本金の用意も必要になります。

 

(2)費用を抑えることは可能?

会社設立の手続きにかかる法定費用は、相場の変動や安く抑える方法がある訳ではありません。

ただし、株式会社・合同会社ともに定款に貼り付ける収入印紙4万円分だけは、電子定款を利用することで節約できます。

ただし、電子定款の作成には専用ソフトとカードリーダーが必要なので、その購入に3万円程度はかかります。

 

会社設立以降の事業にソフトを使わないなら、税理士や司法書士に電子定款の作成を依頼するのがもっとも安上がりです。

電子定款の作成料金は、5,000円ほどとなっていることが多いです。

 

また、資本金は1,000万円以下に抑えると、会社設立から2年間は消費税の非課税事業者となり、後々の税金を節約できます。

 

≪5.会社設立は流れを押さえれば自分でもできる?≫

会社設立は、自分で行うことも可能です。

設立手続きには特に資格などは必要ないので、流れをしっかり把握しておけば、あとは必要書類を順番に揃えて提出するだけです。

 

しかし、この必要書類の準備にはそれなりに手間がかかります。

また、手続きのために何度も公的機関に足を運ぶのも、事業準備に忙しいタイミングだと面倒に感じがちです。

税理士や司法書士といった専門家に依頼すれば、会社設立の複雑な書類の作成や提出を代行してもらえます。

自分で用意する書類についても専門知識を元に指示してもらえるので、スムーズかつ確実に会社設立ができますよ。

 

≪6.まとめ≫

会社設立の流れは、「基本事項の決定」→「定款の作成」→「定款認証」→「会社設立登記」という順番で進めます。

流れ自体はわかりやすいですが、そこに必要な書類の準備はそれなりに複雑です。

 

また、会社設立後にも、税務署や保険機関への届け出などやることが山積みです。

これらのタスクは自分で処理することもできますが、専門家に依頼すればよりスムーズに手続きが進み、事業準備に集中できますよ。

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