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2019/07/24 確定申告書の種類・提出方法を解説!

確定申告の書類は種類が色々あって、毎年混乱してしまいますよね。また、普段は確定申告をしないサラリーマンの方も、特定の収入・出費があったときは確定申告をする必要があります。

今回は、確定申告のどの種類の書類が、どんなケースで必要になるのかを具体的に解説していきます。作成した書類の提出方法もご紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。

 

 

1.≪確定申告の用紙の種類≫

確定申告の種類は大きく分けて2種類で、

 

・確定申告書A

・確定申告書B

 

があります。

 

さらに、特定の収入や支出があった時には

・申告書第三表

・申告書第四表

・申告書第五表

・住宅借入金特別控除額の計算明細書

・医療費の明細書

という添付書類も必要です。

 

それぞれについて、詳しく解説していきます。

 

(1)「確定申告書A」

確定申告書Aを使うのは、

・会社員・パート・アルバイトで勤務先からお給料をもらっている人

・老齢年金をもらっている人

・株の配当金をもらっている人

・生命保険の一時金をもらった人

などです。

 

  • 4つの所得に特化

確定申告書Aが対応している所得の種類は、

 

・給与所得:給与・俸給・賃金・賞与など

・雑所得:国民年金・厚生年金・恩給・確定給付企業年金・確定拠出年金・外国年金など

・配当所得:株式などの配当・投資信託の収益の配当など

・一時所得:生命保険の一時金・損害保険の満期払戻金・賞金・懸賞の当選金・ギャンブルの払戻金など

 

の4つのみです。

これ以外の所得がある人は、確定申告書Bを使います。

 

  • 年末調整を受けていない人などが使える

一般的に確定申告書Aを使うのは、会社員・アルバイト・パート、年金受給者などで年末調整を受けていない人です。一般的な会社では、年末調整が行われるため確定申告の必要はありません。

 

具体的に確定申告書Aが必要なケースとしては、

・アルバイトなどを掛け持ちしていて複数箇所から給与を得ている場合

・年末調整に算入されない一時所得があった場合

・公的年金の収入金額が、公的年金等控除+基礎控除の合計額(108〜158万円)を上回る場合

などが挙げられます。

 

  • 予定納税がある場合は使用不可

確定申告書Aは予定納税がある場合は使用できません。予定納税とは、前年の所得税が15万円以上だった場合に前払いで納める税金のことです。

 

(2)「確定申告書B」

確定申告書Bは、確定申告書Aよりも項目が多く、多様な所得に対応している確定申告書です。

・アパートやマンションの経営をしている人

・フリーランスで仕事をしている人

・自営業者

などが確定申告書Bを使用します。

 

  • 10種類すべての所得に対応

確定申告書Bは、全ての所得の区分に対応しています。区分は以下の10種類です。

 

・給与所得:給与・俸給・賃金・賞与など

・雑所得:国民年金・厚生年金・恩給・確定給付企業年金・確定拠出年金・外国年金など

・配当所得:株式などの配当・投資信託の収益の配当など

・一時所得:生命保険の一時金・損害保険の満期払戻金・賞金・懸賞の当選金・ギャンブルの払戻金など

・利子所得:公社債や預貯金の利子、貸付信託や公社債投信の収益の分配など

・不動産所得:不動産、土地の上に存する権利、船舶、航空機の貸付けなどから生じる所得

・事業所得:商業・工業・農業・漁業・自由業など、事業から生じる所得

・退職所得:退職金など

・山林所得:5年を超えて所有していた山林を伐採して売ったり、又は立木のまま売った所得

・譲渡所得:資産を売却して得た所得

 

参考:金融広報中央委員会 知るぽると

 

  • 給与所得・雑所得・配当所得・一時所得だけでもok

確定申告書Aに対応している給与所得・雑所得・配当所得・一時所得しかない人も、確定申告書Bを使用することが可能です。記入できる項目は確定申告書Bの方が多いですが、確定申告書Aを使える人はその部分が空欄になるだけです。

確定申告書Bが正式なバージョン、確定申告書Aは簡易バージョンと考えるとわかりやすいですね。

 

  • 退職金を貰った人や個人事業主、誰でも使える

確定申告書Bは、確定申告書Aに記載できない所得がある人全てが使えます。

例えば、

・退職金をもらった人

・個人事業主やフリーランスで仕事をしている人

・不動産収入を得ている人

など、給与所得以外で生活している人が主に該当します。

 

  • 青色・分離・国出・損失・修正とは

確定申告書Bには、氏名や住所を書く欄の下に「種類」という項目があります。青色・分離・国出・損失・修正と種類が並んでいて丸をつけるようになっていますが、これらは以下のような意味を持っています。

 

・青色:青色申告(個人事業主向けの、特別控除が受けられる申告方法)を行う人

・分離:分離課税(特定の所得をほかと分けて計算する申告方法)を行う人

・国出:国外転出時課税制度が適用となる人

・損失:損失申告を行う人

・修正:一度確定申告したあと、修正があり再度提出する人

 

当てはまるもの全てに丸をつけ、確定申告を行います。なお、一つも当てはまらなければ何も書かなくてOKです。

 

(3)(確定申告書Bに添付する)「申告書第三表(分離課税用)」

特定の取引収入があった場合は、確定申告書Bに「申告書第三表(分離課税用)」を添付する必要があります。

 

  • 土地・建物や株式の譲渡、先物取引、FX取引がある人

申告書第三表を使うのは、

・土地・建物の譲渡

・株式などの譲渡

・FX取引や先物取引

などを行った人です。

 

これらの所得は、他の所得と切り離して特定の税率をかける「分離課税」に該当するためです。もし、普段は給与所得のみで生活していても、不動産や株式を売って収入を得たり、FXや先物取引で一定以上の利益を出したりした時には、確定申告Bと申告書第三表が必要になります。

 

(4)「申告書第四表(損失申告用)」

申告書第四表が必要になるのは、以下のようなケースです。

 

・事業やで赤字が出た場合

・株式や不動産、FXなどの取引で赤字が出た場合

・生活に必要な資産が災害・盗難・横領などの被害を受けた場合

 

これらの損失を申告すると、その金額を翌年以降の所得から差し引くことができ、結果的に支払う税金の額が軽減されます。

 

(5)「申告書第四表(損失申告用)付表 東日本大震災の被災者の方用」

損失の中でも、東日本大震災によって資産が被害を受けた場合であれば、申告書第四表に加えてこの付表を記入し提出します。

 

(6)「申告書第五表(修正申告用)」

一度提出した確定申告書に間違いがあり、修正したい場合は「申告書第五表」を用います。

修正申告は必ず追加で税金を納入しなければいけないので、納税者にとって得な手続きではありません。しかし、間違った申告を放っておくと、延滞税やその他の罰金を支払うことになる恐れがあります。そのため、確定申告の内容に間違いが見つかった場合は、なるべく速やかに修正申告をして是正しましょう。

 

(7)「住宅借入金特別控除額の計算明細書」

「住宅借入金特別控除額の計算明細書」は、住宅を購入するためにローンを組んだ人が使用する書類です。

 

  • 住宅ローン控除を受けるための書類

住宅ローン控除とは、住宅ローン残高に合わせて最大40万円(認定長期優良住宅等の場合は最大50万円)の控除を受けられる仕組みのことです。最大10年、計400〜500万円の控除を受けられるお得な制度なので、ローンを組んで住宅を購入した場合は申告しないと絶対に損です。通常、「住宅借入金特別控除額の計算明細書」は住宅ローンを組んだ金融機関から送付されてきます。

 

  • 「確定申告書A/B」に加えて作成するもの

住宅借入金特別控除額の計算明細書は、この1枚だけでは提出できません。

・サラリーマンなど給与収入を得ている人:確定申告書A

・自営業者などその他の収入を得ている人:確定申告書B

と一緒に作成し、提出します。

 

  • 会社員は1年目だけ確定申告 2年目以降は年末調整

会社員の場合、住宅ローン控除のために確定申告が必要なのは最初の1年目のみです。残りの年数分は、会社に「控除証明書」を提出すると年末調整に算入されます。

 

(8)「医療費の明細書」

1年間で10万円以上の医療費を支払った場合、「医療費の明細書」を確定申告書に添付すると、医療費控除を受けられます。

 

  • 医療費控除を受けるための書類

自分や自分が養っている家族の医療費が年間で合計10万円以上かかった時は、医療費控除を受けるために「医療費の明細書」を作成します。

ここでいう医療費には、以下のものが含まれます。

 

・医師に支払った診療費や治療費

・治療や療養に必要な医薬品の購入(風邪を引いた際の薬代等)

・あん摩マッサージ、はり師、きゅう師、柔道整復師に支払った代金

・出産費用

・市販の医薬品

・手術代金(一部例外あり)

・通院や入院のための交通費

 

  • 「確定申告書A/B」に加えて作成するもの

住宅借入金特別控除額の計算明細書と同じく、医療費の明細書はこの1枚だけでは提出できません。

・サラリーマンなど給与収入を得ている人:確定申告書A

・自営業者などその他の収入を得ている人:確定申告書B

と一緒に作成し、提出します。

 

2.≪白色申告と青色申告とは≫

個人事業主の確定申告方法には、

・白色申告

・青色申告

の2種類があります。

 

(1)申告方法の種類

白色申告と青色申告の違いは、以下の通りです。

 

・白色申告:届出不要、簡単な帳簿で提出できるが、節税効果は低い

・青色申告:白色申告より控除額が大きく、節税効果が高いが、複式帳簿が必要となる

 

(2)白色申告とは

白色申告、青色申告の申請書を提出していない事業者が行う確定申告の方法です。

 

  • 届出は不要

白色申告は届出不要で誰でもできる確定申告の方法です。手軽にできる分、控除枠や税制上の優遇措置は用意されていません。

 

  • 単式簿記でOK 比較的手間のかからない申告方法

2014年以前は、白色申告を行うのであれば帳簿付けは義務ではありませんでした。その後白色申告も記帳が義務付けられましたが、青色申告で使う複式帳簿ではなく単式帳簿でもOKとなっています。帳簿付けの手間が少なく、簿記の知識がなくてもできる申告方法です。

 

  • フリーランス収入の少ない人や経費の少ない人におすすめ

白色申告は、比較的収入の少ない人や、あまり経費がかからない人におすすめです。

そもそも収入や経費が多くなければ大きな控除枠は必要ないので、手間のかからない白色申告の方が時間の節約になります。

 

(3)青色申告とは

帳簿付けの手間はかかりますが、青色申告は税制上で優遇されることが多く、ある程度収入がある個人事業主におすすめの方法です。

 

  • 複式簿記で手間はかかるが特別控除が受けられるメリット

青色申告を行うには、複式簿記で記帳した帳簿が必要です。帳簿付けに手間はかかりますが、その分「10万円」または「65万円」の控除が無条件で受けられるというメリットがあります。

 

  • フリーランス収入が多く、節税したい人におすすめ

青色申告がおすすめなのは、ある程度フリーランスで収入があり、節税をしたい人です。

具体的には、所得税率が一気に上がる330万円以上の所得がある人は青色申告の方がお得になります。

 

  • 「青色申告承認申請書」を税務署へ提出する必要がある

青色申告を行うためには、「青色申告承認申請書」を提出しなければいけません。これにより税務署の承認を得て、青色申告をする権利を得られます。

ただし、承認といっても提出内容に不備や問題がない限り、税務署から特に連絡がくることはありません。

 

  • 新規開業時の申告期限

新規事業を開始した初年度から青色申告をしたい場合、開業日から2ヶ月以内に青色申告承認申請書を提出する必要があります。

 

  • 白色申告からの申告期限

すでに白色申告を行なっていて青色申告に切り替えたい場合、その年の3月15日までに青色申告承認申請書を提出します。

 

3.≪確定申告書を提出するには?≫

確定申告書を提出するには、

・WEB(e-Tax)

・税務署へ持参する

・税務署へ郵送する

の3つの方法があります。

 

(1)WEB(e-Tax)で提出可能

WEB(e-Tax)で確定申告書を提出する方法は、ペーパーレスかつ税務署に出向かなくて済むため手軽です。ただし、e-Taxを使用するためには、「電子申告等開始届出書」の提出やICカードリーダライタの購入などの事前準備が必要となります。

 

(2)税務署へ持参する

記入した確定申告書を税務署の窓口に直接持参することもできます。書き方がわからない人向けに相談会なども行われているので、確定申告初心者におすすめの方法です。

ただし、平日の日中しか税務署は開いていない上、確定申告の時期は窓口が混み合うため、提出に時間がかかります。

 

(3)税務署へ郵送する

封筒さえ準備すればいいため、郵送は手軽な提出方法です。提出用封筒と控えを受け取るための返信用封筒を用意し、所轄の税務署の住所へ送ります。

ただし、郵送に日数がかかるのと、もし不備があった場合は返送・再送が必要になるため、期日まで余裕を持って行うのがおすすめです。

 

4.≪まとめ≫

確定申告書の種類は2種類、添付書類には6種類があります。どれが必要なものなのかは自分で判断しなければいけないので、今回の記事を参考に選んでみてください。

また、個人事業主の場合は、白色申告・青色申告からも種類を選ぶ必要があります。青色申告に切り替えるのは、所得330万円をボーダーラインにするのがおすすめです。

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2019/07/17 資金調達の方法は?融資以外や返済不要の調達方法もご紹介

会社を経営する上で悩まされることも多い資金調達。金融機関からの融資以外にも、様々な資金調達方法があります。

ここでは低金利・低リスクの方法から最新の資金調達方法まで、14種類についてメリット・デメリットをご紹介いたします。個人で利用可能なものや、返済不要な方法もありますので、ぜひ最後までお読みください。

 

1.≪資金調達の方法≫

資金調達の方法には、大きく分けて以下の方法があります。

 

・ファクタリング

・日本政策金融公庫からの融資

・商工組合中央金庫からの融資

・自治体の制度融資

・銀行からの融資

・ビジネスローン

・私募債

・手形割引

・クラウドファンディング

・自治体の補助金・助成金制度

・知り合いや家族から借りる

・ベンチャーキャピタルからの出資

・個人投資家からの出資

・ICO(イニシャル・コイン・オファリング)

 

それぞれのメリット・デメリットや仕組みについて解説していきます。

 

(1)ファクタリング

ファクタリングとは、売掛金を専門の業者に買い取ってもらって行う資金調達の方法のことです。メリットは短い審査期間で返済不要な現金が手に入ること。「今すぐ現金が必要」という緊急性の高いシチュエーションに適しています。

ただし、金融機関などの金利に比べて、高額の手数料がかかるというデメリットも。ファクタリングを利用するかどうかは、調達コストと緊急性を見極めて決めましょう。

 

(2)日本政策金融公庫からの融資

日本政策金融公庫は政府出資100%の金融機関で、中小企業向けに融資を行っています。他の金融機関等より大幅に低金利なため、資金調達に時間がかかっても構わないなら、もっとも得ができる資金調達方法と言えるでしょう。

ただし、審査が厳しく、さらに審査には3週間〜1ヶ月かかるため、緊急性の高い資金調達には適していません。

 

(3)商工組合中央金庫からの融資

商工組合中央金庫は日本政策金融公庫と同じく政府系の金融機関です。日本政策金融公庫との違いは、信用保証協会の保証がつくことと、未上場なら中小企業以外も利用できること。全体的に、日本政策金融公庫を利用する企業よりも会社ステージが進んだ企業が受ける融資です。

なお、低金利というメリットや、審査に時間がかかるというデメリットは日本政策金融公庫と同じです。

 

(4)自治体の制度融資

自治体の制度融資とは、各自治体が信用保証協会・金融機関と連携し、融資を斡旋する仕組みです。制度は自治体によって異なりますが、日本政策金融公庫・商工組合中央金庫より低い金利で融資を受けられることもあります。

上限額などの条件は細かく異なるため、事業所を置いている自治体に問い合わせてみてください。

 

(5)銀行からの融資

銀行からの融資には、

・プロパー融資

・制度融資

の2種類があります。

 

  • プロパー融資

プロパー融資とは、民間の金融機関がリスクを負って資金を貸し出すことです。そのため、ある程度信用を勝ち得るだけの業績がなければ、プロパー融資での資金調達はできません。創業間もない企業には、かなり厳しい方法です。

 

  • 制度融資

制度融資とは、銀行と借主の間に信用保証協会を置く融資方法です。信用保証協会は国の機関で、万が一事業者が借りたお金を返済できなくなっても、リスクを銀行に代わって負ってくれます。銀行にはリスクがないため、創業したばかりの企業でも比較的審査に通りやすいです。

民間の銀行が打ち出している新規創業者向けの融資は、ほとんど信用保証協会を使っています。

 

(6)ビジネスローン

ビジネスローンは銀行や消費者金融が提供している法人向けローンです。無担保・無保証で借りることができ、審査も厳しくないのがビジネスローンのメリット。まだ実績がない中小企業でも借りることができます。

ただし、金利は高いのですぐに返せる目処が立っていない場合はあまり利用しないほうがいいでしょう。

 

(7)私募債

私募債は社債を発行して少数の投資家から資金調達する方法です。無担保・無保証ですが、魅力的な実績がなければ資金を出してくれる投資家がつきません。

また、私募債は投資家からの借金なので、金利の支払いと借金返済が必要になります。

 

(8)手形割引

手形割引とは、商取引で受け取った手形を銀行に売却し現金に変えることです。すでに持っている権利を売って資金調達するという意味では、ファクタリングに似ています。

ただし、手形割引の場合、売却した手形が不渡りになった場合には、その手形を買い戻す義務があります。

なお、利用にあたっては通常の融資と同じく審査があります。

 

(9)クラウドファンディング

クラウドファンディングとは、事業内容に賛同してくれる人を集め、その人々から少額ずつ出資を募ることです。

 

クラウドファンディングには、

・融資型クラウドファンディング

・投資型クラウドファンディング

・購入型クラウドファンディング

・寄付型クラウドファンディング

の4種類があります。

 

  • 融資型クラウドファンディング

融資型クラウドファンディングは、投資家が資金を企業に貸付する形式のクラウドファンディングです。投資家にとっては、貸し出した資金から利益を得られるので、資産運用ができるというメリットがあります。

企業側は、銀行等ほど厳しくない審査・金利で融資を受けられるのがメリットです。

 

  • 投資型クラウドファンディング

投資型クラウドファンディングは、出資額に応じて株式を譲渡して資金調達をする方法です。少額でも出資者は株主となるので、ある程度株主の意向に沿った運営が必要となります。

また、まだ実現していない事業で投資型クラウドファンディングを行う場合、技術不足などで事業が実行できず、出資者にリターンができない可能性も。投資型クラウドファンディングを行う場合は、本当に実現可能な事業かどうかよく考えておくことが必要です。

 

  • 購入型クラウドファンディング

購入型クラウドファンディングとは、資金調達の目標金額を達成した場合、出資額に応じた商品をリターンとして提供するものです。出資者は消費者感覚で参加する人が多く、事業の事前広告にもなります。

欲しがる人の多いアイデア商品の実現などに用いられることが多い方法です。

 

  • 寄付型クラウドファンディング

寄付型クラウドファンディングとは、特に投資家に見返りを用意することなく出資を募る方法です。社会的に意義がある事業や、創業者自身を応援したいと思う人が多ければ、利益がなくても資金が集まることも。

企業だけではなく、ボランティア活動や慈善事業、個人的な夢を叶えるための資金調達としても用いられることが多いです。

 

(10)自治体の補助金・助成金制度

補助金・助成金制度は、自治体が独自に定めた条件に合致することで、返済義務のない融資・出資を受けられる制度です。例えば、特定の事業を応援する補助金や、従業員に特定の研修を行った時に受け取れる助成金などがあります。

条件は自治体ごとに様々なので、当てはまる補助金・助成金はないかどうか調べてみましょう。

 

(11)知り合いや家族から借りる

身近に資金を持っていて、事業を応援してくれる人がいるなら、その人から個人的に借りるのも手です。

ただし、身近な人といえども、お金のやりとりは信用問題。もし後々トラブルになった場合、人間関係が崩壊してしまいかねません。身内からお金を借りる時も、借りる前にはしっかりと条件を決め、借用書や契約書を用意するようにしましょう。

 

(12)ベンチャーキャピタルからの出資

ベンチャーキャピタルとは、ベンチャー企業や新規事業に投資するための機関のことです。スタートアップ企業の株を購入し、当初の株式の額と、公開後の売却額の差額で利益を出すことを目的にしています。

返済義務や限度額がありませんが、ベンチャーキャピタル側も投資目的のため、利益を出せる見込みがないと株主にはなってくれません。また、ベンチャーキャピタルが株主になるということは、ベンチャーキャピタルの意向にある程度沿った経営をする必要も出てきます。

 

(13)個人投資家からの出資

個人投資家はエンジェル投資家とも呼ばれ、有望な新規事業に投資支援を行っています。元起業家の個人投資家も多いので、有望だと見込まれればまとまった額の投資や経営アドバイスを受けることもできます。

ただし、将来の展望がない業種では投資家がつかないほか、必要以上に経営に口出しをする投資家もいるため注意が必要です。

 

(14)ICO(イニシャル・コイン・オファリング)

ICO(イニシャル・コイン・オファリング)とは、企業が「トークン」と呼ばれる独自の仮想通貨を発行し、そのトークンを世界中の投資家に購入してもらうことで資金調達を行う方法です。クラウドファンディングに似ていますが、違うのは企業が成長していくにつれてトークンの価値が高まっていくことや、投資家間でトークンの売買もできること。

新規事業の新たな資金調達方法として注目を集めています。

 

2.≪資金調達方法の選び方≫

上の項目でご紹介した資金調達方法は、担保や返済義務の有無、融資を受けられるまでの期間、条件など様々です。その中のどれを選べばいいのか、資金調達方法の選び方を解説します。

 

(1)会社の目指す方向によって変わる

資金調達には「必ずこれがいい」という方法はありません。会社の状況や目指す方向性によって、おすすめの資金調達方法は違います。

例えば、これから創業するスタートアップ企業は、事業実績や今後事業が軌道に乗る保障がないため、銀行からの融資は難しいです。

そのため、

・日本政策金融公庫の融資

・ベンチャーキャピタルからの出資

・個人投資家(エンジェル投資家)からの出資

・クラウドファンディング

など、返済義務がなくある程度まとまった額が調達できる方法がおすすめです。

 

(2)企業向け、個人向けで選ぶ

上でご紹介した資金調達方法を、企業向け・個人向けに分けると以下のようになります。

 

企業向け

・ファクタリング

・日本政策金融公庫からの融資

・商工組合中央金庫からの融資

・自治体の制度融資

・銀行からの融資

・ビジネスローン

・私募債

・手形割引

・クラウドファンディング

・自治体の補助金・助成金制度

・ベンチャーキャピタルからの出資

・個人投資家からの出資

・ICO(イニシャル・コイン・オファリング)

 

個人向け

・日本政策金融公庫からの融資

・自治体の制度融資

・知り合いや家族から借りる

・クラウドファンディング

・自治体の補助金・助成金制度

 

企業向けの資金調達方法に比べ、個人向けは選択肢が少なく、規模も小さくなりがち。個人で出資を受けたい場合は、自然と選択の幅は狭まるでしょう。

 

(3)返済義務のない調達方法を選ぶ

万が一事業が失敗した場合、返済義務のある資金調達方法を選んでいると多額の借金を抱えることになります。そのため、創業間もなくてまだ軌道に乗っていない企業は、できる限り返済義務のない資金調達方法を選ぶのがおすすめ。信用保証協会を利用すると手数料が取られますが、大きなリスクを負うよりはずっと気楽ですよ。

 

4.≪まとめ≫

資金調達には、様々な方法があります。金利・融資額・審査期間・その後のリスクなども、方法によって千差万別。

そのメリット・デメリットを知っておいて、自分の企業にもっとも適した資金調達方法を選べるようになりましょう。

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2019/07/03 学生や主婦でも起業する時代!起業するために必要なこととは

「起業したい」という志を抱く人は多いですが、どんなことから始めればいいか知っていますか?漠然と考えているだけでは、いつまでたっても起業はできません。逆に、優れたビジネスモデルがあれば、学生や主婦でも成功をつかむことも可能です。

今回は、起業をしたい方のために、起業をするためのステップを解説します。

 

 

1.≪起業する理由や目的、事業内容を考える≫

起業するには、企業のアイデアや目的が不可欠です。漠然と「起業したい」というだけでは事業は始まらないので、まず自己分析をして企業したい理由を煮詰めていきましょう。

 

(1)なぜ起業したいのかを明確にする

「何でもいいからとにかく社長になりたい」「起業って面白そう」「〇〇をやってみたら儲かりそう」など、曖昧な理由で起業した会社では、軸が定まらず失敗する可能性が大。「起業する」だけではなく「起業して成功する」には、しっかりと事業の軸になる理由や目的が必要なのです。

 

ビジネスモデルを描き出す前に、

・なぜ起業したいのか

・起業して何を実現したいのか

・起業することで、自分はどうなりたいのか

を突き詰めて考えておきましょう。

 

(2)どのような事業を行うのかを決める

起業する目的が決まったら、それに沿ってどんな事業を行うのか決めていきます。すでにアイデアがある人は、そのアイデアを具体的に実現するための手段を考えましょう。

 

また、なかなかアイデアが浮かばないという方は、以下のような発想を持つのがおすすめです。

・既存の商品やサービスを発展させる方法

・既存の商品やサービスを組み合わせる方法

・自分の趣味や特技、専門知識を活かす方法

・海外で成功している事業を輸入する方法

・日常的に感じる不便を解消する方法

自分の中で考えるだけではなく、家族や友人、インターネットの声などを参考にすると、アイデアが生まれやすいかもしれません。

 

(3)どのような価値を提供できるのかを考える

次に、自分の事業でどのような価値を世間に提供できるかを考えます。できれば、既存の企業がまだ実現していないオリジナルの価値を見出せると良いでしょう。

既存事業と似た内容で起業する場合には、どこで他社と差別化できるかを考えてみてください。

 

(4)具体的なビジネスモデルにする

最後に、事業内容を噛み砕き、具体的なビジネスモデルにしていきます。

具体的であればあるほど現実味が増しますが、少なくとも

・「誰に」

・「何を」

・「どうやって」

という3つの軸はしっかり決めておきましょう。

 

  • 主な顧客は?ターゲット層

まずは、自分のサービスや商品を「誰に」売るのかというターゲット層を決めます。万人ウケする商品やサービスは既に出揃っていることが多いので、今までにない価値を生むならピンポイントにターゲットを定めるのが重要です。

さらに、ターゲット層は具体的に定めておきましょう。例えば、「若い女性」というだけではなく、「18〜25歳の女性」「○○が好きな若い女性」など。そうすると、その層の平均収入や生活スタイルから求められているものが見えてきやすいです。

 

  • 「何を」売りたいモノ・サービスは?

次に、ターゲット層から見えてきたニーズを形にします。このとき、ただ理想を追い求めるだけではなく、原価率や生産効率などが現実的かどうかも重視しましょう。

モノやサービスを具体的にしていく中で何度もブラッシュアップを重ね、他社にはない独自の価値が創造できるといいですね。

 

  • 「どうやって」販売方法は?

最後に、流通経路を決めていきます。

・受注生産

・店舗販売

・通信販売

など、どの販売形態が顧客にアプローチしやすいか考えてみましょう。

また、商品を宣伝するマーケティング方法についても合わせて考えます。ネットショップでの販売・SNSを活用した広報活動など、販売・広報に資金を割かずに事業を行うこともできますよ。

 

2.≪資金の計画・調達方法≫

具体的なビジネスモデルが決まったら、次に実際に資金を集めていきます。

資金調達は、

・企業資金の把握

・自己資金を貯める

・融資や助成金など他者から調達

というステップで行なっていきます。

 

(1)必要な起業資金を試算・把握する

どれくらいの資金が必要かわかっていないと、集めようにも集められません。資金が潤沢であるに越したことはありませんが、起業するにはどれくらいの金額がかかるのか把握しておきましょう。

 

  • 店舗・事務所・機械などにかかる設備資金

起業するのにまずかかるのは、店舗・事務所・機械などにかかる設備資金です。設備資金は、起業資金の中でも大きな割合を占めることが多くなります。

 

以下のようなものが、設備資金に含まれます。

・店舗・事業所関係:敷金、礼金、仲介手数料、改装費、看板制作費 など

・設備費:机、椅子、パソコン、プリンター、電話、車、レジスター、棚、厨房機器 など

・備品費:ユニフォーム、食器、事務用品 など

・広告宣伝費:チラシ、Webサイト、雑誌広告 など

 

店舗や事務所を借りるための初期費用は、家賃の10ヶ月分くらいが目安。改装などを行う場合、さらに500〜2,000万円ほどかかることもあります。

なお、必ずしも事業所が必要ないビジネスモデルなら、まずは自宅で始めると大幅に資金を節約できますよ。

 

  • 仕入れ・給料・広告費などの運転資金

次に、仕入れ・従業員の給与・広告費など、事業を運転していくための資金も必要です。以下のような費用(運転資金)が毎月いくらかかるのか把握しておきましょう。

 

・家賃

・人件費・経営者の生活費

・仕入れ代金

・水道光熱費

・通信費

・広告宣伝費

・借入れ返済額

 

運転資金が尽きるのが早いと、起業直後に倒産を余儀無くされてしまいます。事業が軌道に乗るまで、半年〜1年くらいは赤字でも運転できるくらいの資金は用意しておきたいものです。

 

(2)自己資金を貯める

自己資金とは自分の貯金の中で事業に回せる資金のことです。返済や利息が必要ないので、自己資金の割合が高いほど余裕を持って事業を運営することができます。可能であれば、全て自己資金で起業できるのが理想でしょう。

ただし、融資の審査は起業時より起業後の申込みの方が厳しくなります。自己資金のみで起業すると、もし立ち行かなくなって融資を受けたいときに審査が通りにくい場合があるので注意が必要です。

 

(3)他から調達する場合

自己資金だけでは起業できない場合、他から融資を受けて起業資金を調達します。

 

  • 金融機関から融資を受ける

銀行などの金融機関から融資を受けるのはとてもポピュラーな方法です。

しかし、個人で起業をしたい場合、メガバンクから創業融資を受けることは基本的にできません。地方銀行は、地元の起業家を応援する意味もあって起業融資に積極的なことが多いです。

 

  • 日本政策金融公庫の新創業融資制度を利用する

日本政策金融公庫は、少額の融資で起業家を応援してくれます。事業実績がない企業でも、無担保・無保証で3,000万円(うち運転資金1,500万円)まで融資を受けることが可能です。

 

  • 助成金・補助金など自治体の支援制度を利用する

国や自治体が、起業家を応援するための助成金・補助金を設けていることもあります。事業内容や事業所を置く場所によって限定的に受けられる助成金・補助金もあるので、ビジネスモデルを考えるときにチェックしておきましょう。

 

  • クラウドファンディングを活用する

 

近年注目されている資金調達方法が、クラウドファンディング。インターネットを通じて、事業内容に賛同してくれる人たちから少額ずつ融資を募るものです。

資金調達段階からPRの代わりになるので、マーケティングを兼ねることもできます。

 

3.≪起業の種類≫

次に、起業に向けての手続きを行います。

・法人を設立する

・個人事業主として開業する

それぞれの方法で、必要となる手続きが異なります。

 

(1)法人を設立する

法人を設立するには、公証人役場・法務局・税務署・年金事務所・労働基準監督署での手続きが必要です。

 

以下のステップを踏んで、法人登録をしていきます。

・定款を作成し、公証人役場の認証を受ける

・法務局に行き、設立登記を行う

・税務署に行き、法人設立届出書を提出する

・年金事務所で、健康保険と厚生年金保険加入の手続きをする

・労働基準監督署で、労働保険加入の手続きをする(従業員を雇う場合)

 

(2)個人事業主として開業する

個人事業主として開業するのは、法人の設立よりもずっと簡単です。

 

  • 手続きは税務署で開業届を提出するだけ

 

個人事業主として起業する手続きは、税務署に「個人事業の開業・廃業等届出書」を提出するだけです。この手続きは、開業から1ヶ月以内に行います。費用は特に必要ありません。また、青色申告を行う場合や、従業員を雇って給与を支払う場合は別の届け出が必要になります。

このような計画がある場合は、開業届と一緒に手続きを行うとスムーズです。

 

4.≪高校生におすすめ!大学で起業を勉強できる時代≫

アップルやマイクロソフト、フェイスブックなど、学生起業家が起こした大企業は多数あります。若い起業家は、フレッシュなアイデアや学生のエネルギーを利用できるのが最大のメリットです。

 

(1)起業家支援施設や育成施設がある

「起業をしてみたいけど、知識がなくて不安」という学生向けに、起業家支援施設や育成施設が増えています。知識が豊富なスタッフや、同じく起業を志す仲間と出会う場にもなるため、起業を考えている学生は一度訪れてみるのがおすすめです。

起業に役立つ知識はもちろん、空き店舗の斡旋や起業後の経営相談をしてくれる施設もありますよ。

 

(2)学生の企業への出資制度がある大学も

学生の起業をサポートするために、学生の企業に出資などの支援を行う大学があります。

 

・日本経済大学

・慶應義塾大学

・早稲田大学

・京都大学

・大阪商業大学

・同志社大学

・岡山大学

・九州情報大学

など

 

大学時代に起業をしたいと思っている高校生は、起業家支援を軸に大学を選んでみてはいかがでしょうか。

 

(3)専属アドバイザーがいることも

学生の起業支援に力を入れている大学では、専属の起業アドバイザーの力を借りられることもあります。経済・経営系の学部なら、豊富な知識を持つ教授が相談に乗ってくれることも。

学生起業家は、周りの力を借りやすいというメリットもあるのです。

 

5.≪独立起業するのは難しい?≫

独立起業は、決して難しいことではありません。元手がかからず、パソコン一台で始められる事業もあります。まずは挑戦してみて、軌道に乗りそうなら本業化するというのも一つの方法です。

 

(1)会社に勤めながらネット副業 週末起業する人も

今は、クラウドソーシングなどを利用して誰でもフリーで仕事ができる時代です。ライティング、プログラミング、デザインなど、仕事で培ったスキルがあれば、会社の給与より高収入が得られることも。まずは副業から始め、事業が軌道に乗ったところで退職して本業化すると、収入が途切れることがなく安心です。

 

(2)女性起業家も増加 主婦の趣味・経験を活かした起業例

結婚後は家に入るのではなく、自分のスキルを活かした起業をする女性も多くなっています。

 

  • 子育て経験を活かして 育児ビジネス

子育て中、様々な不便に気づいて「こんな商品・サービスがあればいいのに」と思う女性は多いです。そんなアイデアを行かせるのが、子育て経験のある女性による育児ビジネス。子育て中のピンポイントなニーズを押さえた商品やサービスなど、女性による育児関連の起業が注目されています。

また、自分の子育てが終わったあと、ベビーシッターとして活躍する女性も多いですね。

 

  • 自宅でできる お教室やエステサロン

料理・洋裁・ヨガ・フラワーアレンジメントなど、自分の興味や特技を活かせるのが自宅で行うお教室。結婚や出産で退職したエステティシャン・ネイリストが、自宅でサロンを開くというケースも多いです。家庭の都合で出勤や長時間勤務が難しい、人に教えられる特技があるという女性におすすめの起業方法です。

 

  • カフェなどの飲食店経営も

 

「個人で起業」というと思い浮かべる人の多い、カフェなどの飲食店経営。飲食店経営には保健所の飲食店営業許可、お酒を扱う場合は税務署の酒類販売業免許が必要ですが、スキルの面では比較的ハードルが低い起業方法です。

 

6.≪起業を考えたら≫

「起業」というワードが頭に浮かんだら、まずは行動あるのみです。経営者には行動力が必須スキルですから、第一歩を踏み出してみるのが大切ですよ。

 

(1)まずはネットや本で勉強してみる

起業に関するノウハウを書いた本は、書店に数え切れないほどあります。また、インターネットでは無料の起業関連サイトも多く、知識の入り口としておすすめです。漠然と「起業したい」と思うだけでは始まりません。本やネットの知識をもとに起業について多方面から考えてみましょう。

 

(2)税金やお金の知識は必須

ビジネスは理想や熱意があれば成功するものではありません。起業をするなら、一般常識以上の税金やお金の知識は必須となります。できれば簿記の資格を持っていると、起業後に帳簿付けなどの作業がスムーズにできますよ。

 

7.≪まとめ≫

起業するには、実現可能なビジネスモデルを具体的に考えるのが大事です。その後、起業するまでには資金調達・起業の手続きというステップがあります。

学生や主婦、いま会社勤めをしている方でも、やり方次第で起業は可能。起業したいと思ったら、まず知識集めから始めてみましょう。

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2019/05/20 会社設立に必要な費用とは?なぜ必要?

 

自分で会社を設立する時、まず心配なのが費用のこと。

今回は、株式会社設立・合同会社設立にかかる費用を、項目ごとにご紹介します。会社設立にまつわる手続きを自分で行なった場合・行政書士に依頼した場合それぞれについて解説いたしますので、ぜひ参考にしてみてください。会社設立の費用を経費として計上するときの方法やその科目についても解説します。

 

1.≪会社設立の費用っていくら?≫

会社設立の費用は、株式会社か合同会社かによって異なります。

株式会社と合同会社の違いは、大まかにいうと株式を公開できるかどうか。株式を持つ株主がいるかどうかで、資金調達や会社の意思決定の面で違いがあります。

会社設立の費用においては、株式会社と合同会社では登記費用や登録免許税の額が異なります。それぞれの会社設立にかかる費用について、詳しく見ていきましょう。

 

2.≪会社設立に必要な費用|株式会社≫

まず、株式会社設立に必要な費用について見ていきましょう。株式会社設立には、「登記」という手続きが必要になり、費用も大部分は登記に関わるものとなっています。

 

(1)株式会社設立に必要な法定費用

株式会社設立にかかる費用は、242,000円です。これは、資本金や開業のための設備投資、行政書士への報酬などは含まず、株式会社を登記するための法定費用です。

 

金額の内訳は、以下のようになります。

 

  • 定款の認証手数料:50,000円
  • 定款の謄本手数料:2,000円
  • 定款に貼る収入印紙代:40,000円
  • 設立にかかる登録免許税:150,000円

 

「定款に貼る収入印紙代」の40,000円は、電子定款を選択すれば不要となります。しかし、電子定款の作成には専用の機器が必要で、行政書士への依頼が必要になるため、依頼をせず自分で株式会社設立をする場合には24万2,000円の実費がかかります。

 

また、「設立にかかる登録免許税」150,000円に関しては、資本金の0.7%が150,000円を超えている場合には不要です。ということは、資本金が2,140万円以上ある場合には「設立にかかる登録免許税」は不要ということになります。

 

(2)株式会社設立に必要な雑費

会社設立のために必要な費用には、上で解説した法定費用の他に以下のものがあります。

 

  • 設立する会社の実印作成費:5,000円程度
  • 設立時に必要な個人の印鑑証明取得費:300円×必要枚数
  • 新しい会社の登記簿謄本の発行費:500円×必要枚数

 

これらの費用が合わせて10,000円程度となるため、株式会社設立には25万円ほどかかるという認識を持っていればいいでしょう。

 

(3)株式会社設立を行政書士に依頼する場合

上でご紹介した金額は会社設立の手続きを全て自分で行なった場合のため、行政書士などの専門家に依頼した場合には別途代行手数料がかかります。代行手数料の相場は、50,000〜90,000円ほどです。

 

行政書士に依頼した場合には、電子定款での手続きとなるため収入印紙の40,000円が不要となります。そのため、行政書士に株式会社設立を依頼した場合、260,000〜300,000円ほどが費用としてかかると考えておきましょう。

 

3.≪会社設立に必要な費用|合同会社≫

次に、合同会社を設立する場合の費用をご紹介します。合同会社の設立は、株式会社に比べて費用を抑えられ、手続きもシンプルです。

 

(1)合同会社設立に必要な法定費用

合同会社設立の費用は、100,000万円です。こちらも、資本金や行政書士への報酬を除いた法定費用の実費となります。

費用の内訳は、以下の通りです。

 

・定款に貼る収入印紙代:40,000円

・設立にかかる登録免許税:60,000円

 

株式会社設立と同じく、「定款に貼る収入印紙代」40,000円は、電子定款を選択した場合はかかりません。また、「設立にかかる登録免許税」60,000円は、資本金の0.7%が60,000円以上なら不要となるため、資本金が857万円以上あれば必要ありません。

 

(2)合同会社設立に必要な雑費

合同会社設立にも、株式会社設立と同じく以下の雑費がかかります。

 

  • 新しく設立する会社の実印作成代:5,000円程度
  • 設立時に必要な個人の印鑑証明取得費:300円×必要枚数
  • 新しい会社の登記簿謄本の発行費:500円×必要枚数

 

これらの合計は約10,000円のため、合同会社設立には約110,000円かかると思っておきましょう。

 

(3)合同会社設立を行政書士に依頼する場合

合同会社設立の代行を行政書士に依頼した場合、代行手数料の相場は40,000〜80,000円ほどです。その場合は電子定款となり収入印紙代が不要となるため、合同会社設立を行政書士に依頼した場合の費用は110,000円〜150,000円ほどとなります。

 

4.≪会社設立のコストを削減する方法≫

 

会社設立には一定の費用がかかりますが、できることなら安く済ませたいものです。コストを抑えて会社設立する方法はあるのでしょうか。

 

(1)資本金を多く用意する

会社設立にかかる費用は、ほとんど法定費用といって必ずかかる費用です。そのため、大幅にコストを削減するのは難しいですが、一つ目の方法として、まず資本金を多めに用意するということがあります。先にも触れましたが、「設立にかかる登録免許税」は資本金が株式会社で2,140万円、合同会社で857万円以上ある場合には必要ありません。それぞれ15万円・6万円の費用が削減できますので、可能なら資本金を多く用意すると会社設立の費用が大幅カットできます。

ただし、資本金が1,000万円を超えてしまうと税制の優遇が受けられなくなり、削減したコスト以上に損をしてしまうこともあるため注意しましょう。

 

(2)行政書士に依頼する

行政書士に依頼して、電子定款を利用すれば「定款に貼る収入印紙代」4万円を節約することができます。もちろん行政書士への報酬が別途かかりますが、会計事務所によっては会社設立後の顧問契約を条件に会社設立代行を無料で行なってくれる場合も。さらに、行政書士は会社設立にあたってのアドバイスも行なってくれるので、初めて会社設立する方には心強い存在です。4万円のコストを削減しつつ専門家のサポートも受けられるので、会社設立には行政書士の手を借りるのがおすすめです。

 

(3)合同会社を設立する

会社設立費用を大幅に削減する方法としては、株式会社ではなく合同会社を設立するという手もあります。

先に解説した通り、株式会社の設立費用は約25万円、合同会社の設立費用は約10万円と、15万円ほどの差があります。合同会社は株式を発行できないため資金調達が難しいですが、株主がいない分会社の意思決定がスムーズというメリットもあります。

会社設立の手続きも合同会社の方がシンプルなので、とにかく費用と手間を削減して会社を設立したいという方は合同会社という方法もあることを覚えておきましょう。

 

5.≪会社設立費用を自分で立替えた場合は?≫

会社設立のためにかかった費用は、もちろん会社設立後に経費として計上します。会社設立費用を経費として計上するときは、全ての費用を会社の設立日に発生したものとして総勘定元帳に記入します。

 

経費として計上する方法は複数ありますが、社長が会社設立費用を全て立替えた場合、貸方に「役員借入金」「短期借入金」「未払金」「仮受金」などの科目を用いて記入しましょう。

または、会社の設立日に現金で清算したことにして、現金出納帳に記載することもできます。この場合の科目は「創立費」「開業費」などを用います。

ちなみに、会社設立までにかかった費用は法定費用だけではなく、法務局の駐車場代や定款のコピー代、行政書士と打ち合わせに使ったカフェ代など、細かな経費まで「創立費」の科目で計上できます。これらの「創立費」の科目は、決算時に全額を償却するか、5年で償却する処理をします。

 

6.≪まとめ≫

会社設立の費用は、株式会社か合同会社か、自分で手続きを行うかなどによって変わってきます。

損してしまうことのないよう、ご紹介した情報をしっかり理解しておいてくださいね。