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2019/04/23 書き方一つで会社の未来を左右する?事業計画書とは

事業資金を調達するための鍵ともなる、事業計画書。初めて起業する方の中には、事業計画書のテンプレートを用意してみたものの、書き方がわからないという人もおられるかと思います。

今回は、そんな事業計画書の具体的な書き方を解説していきます。テンプレートの項目ごとに例をあげて解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

 

  1. ≪事業計画書の目的とは?何に必要?≫

簡単に言うと、事業計画書とはこれから始める事業計画について簡潔にまとめたものです。詳しい項目の例についてはあとで解説しますが、事業の実現可能性や採算性・安全性・成長性などについて、客観的にまとめて記入します。

 

事業計画書を作る目的は、まずは事業内容をより具体的にし、より安全性の高い経営を可能にすることです。良い会社経営とは、短期で爆発的な利益を得るのではなく、長期に渡って着実に成長していくことです。

事業計画書の作成を通じてこれから始めようとしている事業の将来性や継続性を客観的に分析することで、それまでは見えなかった欠点が洗い出されることがあります。そういった欠点を補い、再度事業計画を練り直すことで、より長く安全な経営ができるようになるのです。

 

また、銀行や支援者に融資を頼むときにも、事業計画書は重要な役割を果たします。事業計画書が曖昧で成功するかどうかわからないと、どんな銀行や投資家も融資してくれません。

より細かに分析され、安全性が高いと感じさせる事業計画書があれば、融資も通りやすくなります。スムーズに事業を開始し継続していくために、事業計画書を作成するのです。

 

  1. ≪事業計画書に記入する項目リスト≫

事業計画書に記入する項目の代表例は、以下の通りです。項目ごとの詳しい内容や、なぜ必要なのかは、後の「事業計画書の書き方・例」で解説します。

 

  • 会社概要・事業概要
  • 創業者のプロフィール・創業メンバー
  • ビジョン・理念・目的
  • 自社の強み・特徴
  • 市場環境・競合について
  • 販売・マーケティング戦略
  • 売上予想
  • 損益計算書予想
  • リスクとその対処法
  • 開業資金

 

これらはあくまでも例なので、全てを盛り込む必要はありませんし、自分の事業に必要であれば他の項目を追加しても構いません。決まったフォーマットはないので、より効果的に事業をプレゼンできる項目を選びましょう。

また、ダウンロードした既存のテンプレートを使う場合は、テンプレートによっても記載項目が異なります。

 

  1. ≪事業計画書の作成におすすめのテンプレート≫

項目例でも解説しましたが、上記はあくまでも例であり、最終的に必要となる項目は会社によって異なります。フォーマットは会社ごとに異なりますが、あまりにも独創的なフォーマットの事業計画書では読みにくく、内容を精査しにくいです。自分でワードやパワーポイントを使って一からフォーマットを作るのも不可能ではありませんが、どこか抜けがあったり素人っぽい出来になったりしてしまうことも。そのため、事業計画書を初めて作る場合には、ウェブで無料ダウンロードできるテンプレートを使うと安心です。

事業計画書のテンプレートは、様々なビジネス指南サイトで無料配布されています。自分の事業のアピールポイントに適したテンプレートを見つけ、ダウンロードすると良いでしょう。

また、事業者をサポートする日本政策金融公庫のホームページでも、事業計画書のテンプレートをはじめとした様々なテンプレートがダウンロードできます。

https://www.jfc.go.jp/n/service/dl_kokumin.html

 

  1. ≪事業計画書の書き方・例≫

ここでは、先ほどご紹介した項目ごとに、どんなことを書けば良いかをご紹介いたします。

 

(1)会社概要・事業概要

会社概要・事業概要は、事業計画書に必ず必要な項目です。

簡潔かつ客観的に、この事業はどのようなビジョンを持ち、どんな方法で実現するのかを明らかにしましょう。

 

(2)創業者のプロフィール・創業メンバー

次に、創業者・創業メンバーのプロフィールです。

これから始める事業の成功に根拠を持たせるため、事業に関連するこれまでの経歴を紹介しましょう。直接関係ない経歴は、蛇足となるため省きます。

 

(3)ビジョン・理念・目的

事業が叶えたい目的や社会的な意義、事業にかけている想いなどを伝えます。

経験が乏しくても、ビジョンがはっきりとしていれば心を動かされる投資家もいます。

 

(4)自社の強み・特徴

既存の会社と同じ事業で新規参入し、特に強みもなければ成長性が見込めません。自社にしかない価値や独自性、新たな視点など、自社の強みをアピールしましょう。

この項目のために、競合他社の研究も必須となります。

 

(5)市場環境・競合について

投資家や銀行が、その業界の事情について詳しいとは限りません。必要であれば、今の業界を取り巻く環境や現状を伝えましょう。

市場の規模や潜在的な顧客の数も予測できると、より利益の算出がしやすいです。

 

(6)販売・マーケティング戦略

マーケティング戦略は、会社の知名度を高めて利益を産むために大切なことです。あまり重要視されない項目ではありますが、かと言って商品やサービスさえ優れていれば自然に売れるという訳ではありません。

どのように自社事業を広め、顧客を増やしていくのかも解説しましょう。

 

(7)生産方法・仕入れ先など

仕入先や生産方法が決まっていないまま事業を始めると、予定していた予算で仕入れができず、利益率が下がる可能性があります。

事業計画書をまとめる段階で、取引先を決定し原価を確定させておきましょう。

 

(8)売上予想

自社の製品やサービスの特徴・業界の状況から売り上げの予想を立て、数字を作っていきます。

理想論的な数字ではなく、リアルに実現できる数字を算出するのが大切です。

 

(9)損益計算書予想

最初の数年の損益計算書を作成し、利益と支出を予想します。

 

(10)リスクとその対処法

事業を行っていく上で、全くリスクがないということはありえません。万が一の場合の損失と、その対処法を決めておきましょう。

 

(11)開業資金

この事業計画を実行するには、開業資金としていくら必要なのかを計算します。

 

  1. ≪良い事業計画書とは?≫

良い事業計画書の条件とは、「簡潔なこと」「具体性があること」「実現性があること」の3つです。

それぞれについて詳しく解説いたします。

 

(1)「簡潔なこと

まず、投資家の目を惹きつけるために必要です。投資家が事業計画書に目を通し始めてからの1分で、何を実現するための会社であるのかがわかるようにしましょう。

 

あなた自身は、事業を立ち上げるだけあって、何十分でも自分の計画について語り続けられるでしょう。しかし、銀行や投資家は、融資をするか否かの判断にそこまでの時間を割けません。

事業計画書は、まずフォーマットの最初で会社概要やビジョンを説明し、端的に事業のあらましを説明する必要があります。

 

(2)「具体性があること

これも事業計画書の大切な要素です。単に簡潔なだけで大雑把な事業計画では、利益の算出もどんぶり勘定になりがちです。しっかり練った具体的な経営計画を、簡潔な事業計画書に落とし込むのが重要なのです。

具体的なロジックは言葉で解説するとわかりにくくなりがちなので、フォーマットの中盤でグラフなどを使って視認できるようにすると良いでしょう。

 

(3)「実現性があること

どんなに理論的で、机上では理想的に見える事業計画も、実際に行ってみると立ちいかないということは多くあります。事業計画書を作るときには、理論だけではなくそれを実証するテストが必要なのです。

実際に事業をテストし、どれだけの利益があったかを検証することで、事業計画がぐっと現実的になります。

また、実際の利益も算出しやすくなるので、より安全性の高い経営が可能になるというメリットもあります。フォーマットの最後で、自分の理論がどれだけの実現性を伴っているのか、根拠を提示すると良い事業計画書になります。

 

(4)良い事業計画書の例

それでは、具体例をあげて良い事業計画書を解説していきます。

今回は、仮にパン屋さんを新規オープンさせると仮定して記入していきます。あくまでも例なので、良い事業計画書の大まかな傾向として捉えてください。

 

・ビジョン・理念・目的

リーズナブルな美味しい食パンで地域の食生活を豊かにする

「パン屋のパンは美味しいけれど高い」という常識を覆す

 

・会社概要・事業概要

食パンに特化したパン専門店

 

・創業者のプロフィール

○○調理師学校卒。有名ブーランジェリー「××」でパン職人として10年間勤務、うち5年間は食パン部門のチーフを担当。販売していた食パンは雑誌やテレビで紹介され、1日で3000個売り上げたことも。

 

・自社の強み・特徴

スーパーで売られている工場製の食パンと同じ価格帯で、焼きたての食パンを販売する。

独立前から取引のある卸売店からの格安仕入れに加え、他の種類のパンを販売しないことで仕入れコストをカット。

事業が軌道に乗るまでは1日500個の限定販売とし、確実な利益を確保し原料のロスをゼロに。

「××」出身のパン職人というブランドで、同じレシピの食パンを本店の半額以下で食べられることをアピール。

 

良い事業計画書には、ビジョンが簡潔かつ明確で、一貫した理念を持っていることが欠かせません。

今回挙げた例では、まず有名なパン屋で10年間修行したという確かな経歴・具体的な売上実績で売上の確実性をアピールしています。その中でも自分がもっとも得意なパンに絞って販売するという新たな業態を提案し、限定販売という方法でリスク回避も万全です。

また、「工場製の食パンと同じ価格帯」「本店の半額以下」といった具体的な価格設定で、売れる理由もしっかりアピールできる事業計画書となっています。

実際の事業計画書では、後の項目でさらに細かな原価率や開業資金の算出が必要となります。

 

(5)悪い事業計画書の例

次に、悪い事業計画書の例をご紹介していきます。上の事業計画書と同じフォーマットで、同じくパン屋を新規オープンする場合の例を見ていきましょう。

比較しやすいよう、同じ業態・同じ条件の創業者として解説していきます。

 

・ビジョン・理念・目的

美味しいパンでお客様に喜んでもらう

 

・会社概要・事業概要

食パンに特化したパン専門店

 

・創業者のプロフィール

居酒屋でのアルバイト経験で、美味しいもので人を喜ばせることの嬉しさを知る。そんな経験から、パン職人を目指して○○調理師学校へ進学。

卒業後は有名ブーランジェリー「××」で10年間勤務後、独立。

 

・自社の強み・特徴

「××」で学んだレシピで作る美味しい食パンを、リーズナブルな価格でお客様に楽しんでもらう。

 

こちらの事業計画書では、同じ条件でも具体的な勝算が見えてきません。例えば、居酒屋のアルバイト経験は「美味しいもので人を喜ばせたい」という動機にはなっていても、パン職人としての能力とは無関係です。

また、「美味しいパン」「リーズナブルな価格」といった表現は曖昧で、売上が見込めるかどうかの判断がつきません。「お客様に喜んでもらう」というビジョンと「食パンに特化する」という業態の関連も不明です。

事業計画書は、具体性や実現性と共に、全体のフォーマットが一つのストーリーとして一貫していることが大切なのです。

 

  1. ≪まとめ≫

事業計画書の書き方次第で、会社の未来が決まるといっても過言ではありません。

事業計画書は、起業をする上でそれだけ重要なものなのです。しっかりと計画を練り、具体的な事業計画書を作ることで、資金調達も起業後の経営もスムーズになります。

長期的に安定した経営ができるよう、事業計画書の内容はしっかり練って作成しましょう。

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2019/04/16 確定申告を郵送するための注意点まとめ

確定申告は、郵送でも提出できるのをご存知ですか?

しかし、いざ確定申告を郵送しようと思っても、意外と宛名や封筒のサイズなどの細かいポイントがわからないものです。「どんな書類が必要かわからない」「控えを受け取る方法は?」など、疑問がある方も多いのではないでしょうか。

今回は、そんな方のために、確定申告を郵送で行う方法を解説していきます。

 

1. ≪実は確定申告は郵送でもできる?≫

確定申告の書類は、郵送でも提出できます。郵送すれば、わざわざ税務署まで足を運んだり、確定申告時期の長い行列に並んだりする必要がなくなるため、とても便利ですよね。

 

しかし、いざ確定申告を郵送しようと思うと、宛名や封筒のサイズ、必要な書類など、わからないことが多い方も多いのではないでしょうか。

郵送での提出には直接持参するより日数がかかるので、直前になって焦ることがないように知っておきたいところですよね。

 

  1. ≪確定申告を郵送するメリット・デメリット≫

確定申告を郵送するメリットは、直接税務署へ行かなくてもいいということです。

基本的に、税務署は平日の昼間しか窓口が開いていませんし、確定申告の時期は人が殺到して長い待ち時間がかかることもあります。平日は忙しくて税務署に行けない方や、待ち時間がもったいないという方は郵送を利用するのが便利です。

また、税務署に行くための交通費よりも郵送料金の方が安い場合が多いので、節約をしたい方にもおすすめです。

 

一方で確定申告を郵送するデメリットは、税務署で書類の書き方などを尋ねることができないため、自分で確定申告のやり方を学ばなければいけないということです。

また、書類や封筒の宛名に不備があった場合、訂正や再提出に手間がかかります。書類が送り返されたり、再度郵送したりするのにも日数がかかるので、確定申告の郵送は期限より早めに送っておきましょう。

 

  1. ≪確定申告を郵送で行う場合の必要書類≫

確定申告を郵送で行う場合は、以下の書類が必要です。

 

  • 確定申告書
  • 源泉徴収票
  • 生命保険料控除証明書や地震保険料控除証明書
  • 国民年金控除証明書
  • 医療費控除の明細書
  • 返信用封筒

 

特に返信用封筒は忘れてしまいやすいですが、確定申告書の控えを返送してもらうために必要なので注意しましょう。宛名に自分の住所と名前を記入し、切手も忘れず貼り付けて同封してください。

なお、源泉徴収票は控えやコピーではなく、原本を提出することが義務付けられています。

 

  1. ≪確定申告を郵送する際のよくある質問≫

確定申告を郵送する時に、よくある質問に答えていきます。疑問を解消して、不備がないように書類を郵送しましょう。

 

(1)普通郵便で大丈夫なの?

確定申告は「信書」という扱いになるので、ゆうパックや各運送会社のサービスでは送ることができません。

確定申告を郵送する場合は、普通郵便で送ります。普通の手紙と同じように、封筒に宛名を書いて切手を貼り、ポストに入れれば送ることができます。

封筒の宛名面に「信書便物」「確定申告書類等在中」などと記載すると親切です。

ちなみに、確定申告が受理された後の控えも、普通郵便で届けられます。

 

(2)封筒の大きさは決まっている?

確定申告を郵送するための封筒の大きさは、特に決まっていません。確定申告の書類はA4サイズなので、その書類が入るサイズなら大丈夫です。また、小さな封筒に、書類を折って入れても問題ありません。

ちなみに、A4サイズの書類を折らずにちょうど入れられる封筒のサイズは「角形2号」です。

 

控えを受け取るために同封する返信用封筒も、サイズは特に決まっていません。送付するときの封筒と同じものを折って入れてもいいですし、サイズの小さいものを入れてもいいでしょう。

間違いなく控えを受け取れるように、自分の名前と住所をあらかじめ記載し、切手を貼って同封しましょう。

 

(3)送り先・宛名はどこ?

確定申告を郵送する場合、宛名は「納税地(住所地・居所地・事業所等の所在地)の管轄税務署」となります。直接出向いて確定申告を提出する場合と、同じ税務署に郵送します。

宛名に記載する税務署の住所は国税庁のホームーページから調べられます。

 

また、宛名を書く時には、住所を書いた後「◯◯税務署 御中」と書きましょう。特定の担当者宛に送付するわけではないので、敬称は「御中」になります。

重要書類なので、裏面にはしっかり自分の住所と名前も書いておきましょう。

 

(4)郵送の場合提出日はいつになる?

確定申告の通常の提出期限は、毎年3月15日です。

曜日の関係で前後することもありますが、郵送で提出する場合にはこの期限日の消印が有効になります。郵送の場合は、宛名の不備で返送されるなどすると届くまでに日数がかかってしまう可能性もあるので、期限に関わらず早めに提出するのがおすすめです。

ただし、還付金が発生する場合や、その年の事業が赤字だった場合など納税額が発生しない場合には、期限より後の消印でも受け付けてもらえます。

 

  1. ≪その他の税務署へ行かずに確定申告をする方法≫

郵送以外に、税務署へ行かずに確定申告する方法はあるのでしょうか。自分が出向けないときや、時間がないときなどにできる2つの方法をご紹介します。

 

(1)代理人に提出してもらう

確定申告は、本人ではなく代理人に提出してもらうこともできますが、ただ誰にでも頼めるという訳ではありません。

まず、確定申告の書類を代理で作成し、提出できるのは本人か税理士のみです。有償か無償かは関係なく、本人以外で確定申告の書類を作成できるのは税理士のみと決まっているので、どんなに時間がなくても素人に書類作成の依頼はやめておきましょう。

 

本人が作成した書類を、税務署に提出するだけなら税理士以外でも問題ありません。配偶者など近しい家族や親族なら「代理で持参した」という旨だけ窓口で伝えれば不受理になることはまずないでしょう。念のため、代理人が本人と血縁関係や婚姻関係にあることがわかる書類などを持参すると安心です。

 

家族以外の友人や知人に代理人を頼むのは、おすすめできません。

確定申告は重要な手続きのため、いくら親しくても友人・知人に頼むのは違和感があります。詐称を疑われるなどトラブルに巻き込まれ、友人や知人に迷惑をかけてしまうこともあるため、代理を頼むなら家族にお願いするのが無難です。

 

また、代理人に提出をお願いすると、代理人がその場で確定申告の控えを受け取ることになります。確定申告の控えは、ローンを組むときや奨学金の申請、保育園の入園手続きなどに必要になります。提出だけ頼んで安心せず、受理された後には控えを渡してもらうのを忘れないようにしましょう。

 

(2)e-Taxを利用する

もう一つ、直接税務署に行かずに確定申告ができる方法が、e-Taxです。

e-Taxは事前の準備や登録が必要ですが、利用できる環境が整っていればPC上のみで確定申告書類の作成・提出が行えます。郵送より時間も切手や封筒代もかからず、手軽な提出方法といえます。

e-Taxでの提出なら控えもメールで送付されてくるため、紛失する心配がありません。毎年必ず確定申告をする個人事業主の方は、e-Taxを使えるようにしておくと便利です。

 

  1. ≪まとめ≫

確定申告を郵送するには、基本的には窓口で提出するのと同じ書類を全て揃え、普通郵便扱いでポストに投函するだけです。

不備があると訂正に手間がかかるため、確定申告を郵送するときはなるべく間違いがないようによく確認してください。スムーズに郵送で確定申告をしてみましょう。

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2019/04/09 当てはまっていませんか?医療費控除の条件と申請ガイド

確定申告で「医療費控除」という制度を利用したことはありますか?会社勤めだから確定申告は必要ないと思っている方も、実は医療費控除の対象者かもしれません。

 

そんな医療費控除は平成29年分の確定申告から領収書の添付が不要になり、手続きがとてもシンプルになりました。

今回は、医療費控除はいくらから適用されるのか、確定申告で医療費控除を申請する方法などについて詳しく解説します。

     ⒈≪医療費控除とは?≫

医療費控除とは、年間で支払った医療費が一定額を超えた場合、年収から医療費が控除されて支払った税金が戻ってくる制度です。確定申告をすれば支払った医療費がそのまま返ってくるという訳ではありません。

 

会社員の場合、年収から計算された所得税が天引きされて給与が支払われます。

しかし、医療費での支出が多かった場合、支払った医療費を年収から引き、再計算された税額との差額が還付されるのです。

医療費控除の申請は、一年ごとに確定申告をして行います。医療費控除の申請方法や、医療費控除を受けられるのはいくらからかなど、詳細は後の項目で解説していきます。

 

  1. ≪医療費控除申請の流れ≫

会社員・個人事業主に関わらず、医療費控除の申請は確定申告で行います。自分が医療費控除の対象かどうか判断するため、病院の診療費や薬を購入した時の領収書は1年分保管しておくといいでしょう。

 

「医療費控除の対象です」といった通知が税務署から来るわけではないので、確定申告で医療費控除を申請するかどうかは自分で判断する必要があります。

まずは、自分が支払った医療費の合計額と、医療費控除がいくらから受けられるのかを知っておきましょう。

 

  1. ≪医療費控除が受けられるのはどんな場合?≫

確定申告で医療費控除が受けられるのはいくらからかというと、その年の1月1日から12月31日までに支払った医療費が10万円を超えた場合です。厳密には、「支払った医療費−保険などで補填された額−10万円」が医療費控除額となります。

 

ちなみに、「保険などで補填された額」には、生命保険の入院給付金や出産一時金、健康保険で支払われる高額医療費なども含まれます。

以下に挙げる医療費控除の対象となる医療費全ての合計を、確定申告で申請して控除を受けることができます。

 

(1)治療が目的の場合

治療を目的に支払った医療費は、医療費控除の対象です。

 

  • 病院での診療費・治療費・入院費
  • 医師からの処方箋を元に購入した医薬品の費用
  • 治療に必要な松葉杖など、医療器具の購入費用
  • 通院に必要な交通費
  • 歯の治療費(保険適用外の費用を含む)
  • 子供の歯列矯正費用
  • 治療のためのリハビリ・マッサージ費用
  • 介護保険の対象となる介護費用

 

このように、ほとんどの医療費は医療費控除の対象になると思っていいでしょう。

 

(2)妊娠・出産の場合

妊娠・出産に関わる医療費では、以下のものが主に医療費控除の対象になります。

 

  • 妊婦健診費
  • 分娩費、入院費
  • 通院にかかった公共交通機関の運賃
  • 出産時に利用したタクシー代(公共交通機関を利用することが困難な場合)
  • 入院時に病院が用意した食事代

 

ただし、マイカー通院の費用や病院に対する謝礼、入院に際して購入した雑貨など、自己都合と見なされる費用は対象とはなりません。

 

(3)介護の場合

介護に関わる医療費は、以下のものが主な医療費控除の対象です。

 

  • 訪問介護・看護
  • 訪問入浴介護
  • 居宅療養管理指導
  • 訪問リハビリテーション
  • 通所リハビリテーション
  • デイサービス利用
  • 短期入所療養介護
  • 介護施設の入居費用の半額(特別養護老人ホームなど福祉施設の場合)
  • 介護施設の入居費用の半額(保険施設・医療施設の場合)
  • おむつ代
  • 病院交通費

 

介護に関わる費用は、ほとんどが医療費控除の対象になると思っていいでしょう。

 

(4)10万円以下でも医療費控除が適用される場合も

基本的に、医療費控除が適用されるのは、年齢や病気の種類に関わらず一律10万円からです。ただし、総所得金額が200万円以下の人の場合は「総所得の5%」から医療費控除の対象です。

 

総所得金額というのは、年収ではなく「給与所得控除後の金額」のことで、副収入がないサラリーマンの場合は手取り年収のことを指します。つまり、手取り年収が200万円以下の方は、医療費控除はいくらからという決まりはなく、年収の5%を超えた額からということになります。

また、年収いくらからと決まっているわけではないので、所得税を納めている方は、パートやフリーターでも確定申告で医療費控除を申告できます。

 

  1. ≪医療費控除の金額を計算してみよう≫

それでは、具体的なケースごとに医療費控除の金額を計算してみましょう。

先にご紹介したように、医療費控除の計算方法は「支払った医療費−保険などで補填された額−10万円」です。

 

  • 病気の治療と入院のために合計100万円を支払い、保険の入院給付金などが30万円分補填された

100万円(医療費)−30万円(保険金)−10万円=医療費控除額60万円

 

  • 妊娠・出産をして、検診と入院分娩費用の合計が80万円、出産一時金を42万円受け取った

80万円(医療費)−42万円(出産一時金)−10万円=医療費控除額28万円

 

  • 持病があり、1万円の薬や治療器具を年間で12回購入した

12万円(医療費)−10万円=医療費控除額2万円

 

ちなみに、1年間でかかった医療費・家計を同一にしている家族の医療費は全てまとめて確定申告できます。

大きな病気はしていなくても、年間の医療費となると積もり積もって10万円を超える家庭は多くあるため、1年分の医療費の領収書はまとめて保管しておくのがおすすめです。

 

  1. ≪医療費控除の申請の方法≫

医療費控除がいくらからなのか、また、自分の医療費控除額がわかったら、いよいよ医療費控除を申請しましょう。

確定申告で医療費控除を申請する具体的な方法について、解説していきます。

 

(1)医療費控除は確定申告で申請する

繰り返しになりますが、医療費控除は確定申告で申請をします。会社勤めをしている人も、医療費控除の申請は個人的に確定申告で行いましょう。

 

確定申告の期間は、毎年2月15日〜3月15日までです。この確定申告期間に、前年の1月1日〜12月31日までの医療費を計算し、申告を行います。

また、確定申告の期間を過ぎてしまっても、医療費控除は対象の年から5年間は申請や申請のやり直しが可能です。

 

(2)医療費控除の申請に必要な書類とは

医療費控除の申請に必要な書類は、「医療費控除の明細書」です。

以前までは医療費の領収書が必要でしたが、平成29年分より領収書の添付は不要になりました。ただし、領収書の開示を求められた時には提出しなければならないため、実際に還付を受けるまでは大切に保管しておきましょう。

 

(3)医療費控除の明細書の書き方

医療費控除の明細書は、医療費の領収書から必要な項目を書き写して作ります。フォーマットは確定申告書と一緒に配布されているものを使うか、国税庁のホームページからダウンロードできます。

 

医療費控除の明細書に必要なのは、以下の項目です。

 

  • 医療を受けた人の氏名
  • 病院・薬局など支払先の名称
  • 医療費の区分
  • 支払った医療費の額
  • 保険で補填される金額

 

これらの項目を、基本的に領収書1枚につき1段ずつ、そのまま書き出します。

医療費の区分は、「診療・治療」「介護保険サービス」「医薬品購入」「その他の医療費」のチェックボックスがあるので、適したものを選びましょう。

最後に、書類の下にある「控除額の計算」の欄で、最終的な医療費控除額を計算します。

欄を埋めて足し引きをするだけなので、特に難しい計算はありません。

 

(4)医療費控除のための確定申告書の書き方

医療費控除のために確定申告をするには、「医療費控除の明細書」の他に「確定申告書」も必要です。

会社から源泉徴収票をもらっている場合には、基本的にその内容を書き写せば問題ありません。「支払金額」「給与所得控除後の金額」「社会保険料」「生命保険料」などを、それぞれの項目にそのまま書きましょう。

注意点は、「基礎控除」という項目に、誰でも全員38万円と書き込む必要があるということくらいです。

 

医療費控除の項目は、確定申告書の左側下方にあります。ここに、「医療費控除の明細書」で計算した医療費控除額を書き込みましょう。

 

次に、確定申告書の記載に従い、右側の欄で税額の計算を行います。

医療費控除を受けられる場合、払い過ぎた税金が還付されるはずなので、右側下部の「還付金」欄に算出された額を記入して確定申告書を提出します。

 

  1. ≪ここに注意!医療費控除におけるポイント≫

最後に、確定申告で医療費控除の申請をするにあたって、注意すべきポイントをご紹介いたします。

 

(1)医療費控除が受けられないケースとは?

病院で支払った費用が全て医療費控除の対象になるかというと、それは違います。

以下のような、予防・美容・健康促進など病気の治療と見なされない医療費や、自己都合でかかった費用は医療費控除の対象外です。

 

  • 人間ドックなど健康診断(病気が発見され治療をした場合は対象)
  • 予防注射
  • 美容整形
  • 漢方薬やビタミン剤
  • マイカー通院のガソリン代・駐車料金
  • 里帰り出産のための交通費
  • 自己都合で利用した差額ベッド代

 

病気の治療や、妊娠・出産・介護などに必ずしも必要ではない費用は、医療費控除の対象外と覚えておきましょう。もし、必要な治療と予防・美容などが目的の治療を一緒に行なった場合は、領収書を分けてもらうのをおすすめします。

 

(2)医療費控除とセルフメディケーション税制

セルフメディケーション税制とは「医療費控除の特例」とも言います。簡単に言うと、健康診断などをきちんと受けて、自分の健康に気を使っている人は、一部の市販薬を購入した時に所得控除を受けられるというものです。

これも確定申告時に申請することで、所得税が減額されます。

 

セルフメディケーション税制が受けられるのはいくらからかというと、年額12,000円からです。医療費控除の10万円よりハードルが低いため、家族全員の出費を合計すると該当する家庭は多いです。

大きな病気はしていなくても、市販薬を買った時の領収書は確定申告の時期まで手元にとっておきましょう。

 

(3)保険金を受け取った場合どうなる?

先にも解説していますが、保険金の受取額が多いと医療費控除額は少なくなります。例えば、保障が充実した民間の医療保険などに加入していて、医療費が全額保険金で賄えた場合などは、医療費控除の対象にはなりません。

医療費控除の対象は、あくまで実際に支払った医療費が10万円以上の場合と覚えておきましょう。

 

  1. ≪まとめ≫

医療費控除は、制度を知っているだけで医療費の負担が減り、万一の時の助けになります。収入に対して大きな出費があった方は、ぜひ領収書を見直して医療費控除の対象になるかどうか確かめてみてください。

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2019/04/02 知らないと絶対に損!扶養控除の基礎知識

よく耳にする「扶養控除」という言葉ですが、その具体的な意味や仕組みはご存知でしょうか?「年収◯◯◯万円の壁」や扶養親族の範囲など、実はきちんと理解できていない方も多いと思います。

今回は、そんな扶養控除の基礎知識について解説していきます。扶養控除は税額の算出に直接関わることなので、知っておかないと絶対に損ですよ。

 

  1. ≪扶養控除とは?≫

扶養控除とは、収入がない・または少ない親や子供などの親族を養っている場合、一定の金額の控除を受けられる制度のことです。簡単にいうと「養っている家族が多いと大変なので、優遇しましょう」ということですね。

 

納税者の所得から控除額を引き、その額に税率がかかるので、結果的に納税額が減免されます。扶養親族の年齢や同居をしているかどうかで金額は変わりますが、控除額は38〜63万円です。

扶養控除の手続きは、会社勤めの場合は年末調整、個人事業主の場合は確定申告によって行います。

 

  1. ≪配偶者控除・配偶者特別控除とはどう違う?≫

配偶者控除・配偶者特別控除と扶養控除のもっとも大きな違いは、扶養している対象が配偶者か、子供や両親などそれ以外の親族かということです。

配偶者の年収が少ない場合、配偶者を「扶養に入れる」と表現することがありますが、厳密には配偶者は扶養控除ではなく配偶者控除の対象となります。また、内縁の妻・夫など法律上の配偶者ではない人は扶養控除・配偶者控除どちらの対象にもなりません。

配偶者控除・配偶者特別控除はの計算は、扶養控除とは少し異なりますので、詳しくは後の項目で解説します。

 

  1. ≪扶養控除の対象の範囲は?≫

扶養控除の対象となる親族の範囲には、以下の条件があります。

 

  • 年齢が16歳以上
  • 配偶者以外の親族(6親等内の血族及び3親等内の姻族)または都道府県知事から養育を委託された児童(里子)や市町村から養護を委託された老人
  • 納税者と生計を一にしている
  • 年間の合計所得金額(年収)が38万円以下であること(給与のみの場合は給与収入が103万円以下
  • 青色申告者の事業専従者としてその年に一度も給与の支払いを受けていないこと又は白色申告者の事業専従者でないこと

 

(1)子供は何歳から何歳まで対象?

上記の条件で挙げられているように、16歳未満の親族は扶養控除の対象にはなりません。子供を扶養に入れる場合には、16歳以上が対象になります。

平成23年以前は16歳未満の子供も扶養控除の対象だったのですが、これはこども手当の財源とするため廃止されました。

 

一方、その年の12月31日に19歳以上・23歳未満の子供は「特定扶養家族」に区分され、控除額が上がります。この期間は大学進学などでお金がかかる時期なので、税額の上でも優遇されているのです。

 

ちなみに、子供であっても、アルバイトなどで年収を103万円以上得ていると扶養親族から外れてしまいます。「年収103万円の壁」とはここから来ていて、子供が扶養を外れると親の年収に対して税金が多くかかってしまうため、注意が必要です。

 

(2)親も扶養控除の対象?

先の条件で挙げた通り、扶養控除の対象になるのは「6親等内の血族及び3親等内の姻族」です。

 

この範囲の親族とは、

・1等親:父母・子供

・2等親:祖父母・兄弟姉妹・孫

・3等親:曽祖父母・曽孫・叔父叔母・甥姪

 

ここまでは自分の親族・および配偶者の親族が扶養控除の対象です。

 

・4等親:高祖父母、玄孫、祖父母の兄弟姉妹、いとこ

・5等親:高祖父母の父母、来孫、いとこの子供

・6等親:高祖父母の祖父母

これらの親族は、自分の血族、つまり実際に血の繋がりがある親族が扶養控除の対象となります。そのため、1等親である自分の両親・配偶者の両親は、もちろん扶養控除の対象です。

 

(3)同居していないと扶養控除は受けられない?

扶養控除の対象となる親族ですが、同居している必要は特にありません。納税者の収入で生活している、または納税者と支援をしあっている親族は、「生計を一にしている」と見なされて扶養控除の対象です。

そのため、別居している祖父母や、単身赴任の親、留学している子供なども扶養控除の対象になります。ただし、70歳以上の老人扶養親族の場合、同居の有無によって控除額が変わります。

 

  1. ≪扶養控除の金額算出方法≫

扶養控除の金額は、納税者の年収に関わらず一定です。扶養親族一人当たり、以下の金額が年収から控除されます。

 

  • 一般の控除対象扶養親族:38万円
  • 特定扶養親族:63万円
  • 老人扶養親族のうち同居老親等以外の者:48万円
  • 老人扶養親族のうち同居老親等:58万円

 

「一般の控除対象扶養親族」とは、上の項目で挙げた条件に当てはまる、16歳以上の親族のことです。

「特定扶養親族」は、先の項目でも少し触れましたが、12月31日に19歳以上・23歳未満の子供です。

そして、「老人扶養親族」は、その年の12月31日に年齢が70歳以上の扶養親族です。そのうち同居している親族が「同居老親等」となり、別居の老人扶養親族と金額が異なります。

 

扶養している親族が二人以上の場合、一人当たりの金額を全て合計した額が年収から控除されます。

ただし、家庭内に2人以上納税者がいて親族を扶養している場合、1人の扶養親族は1人の納税者の扶養にしか入ることができません。例えば、両親が共稼ぎで16歳以上の子供を扶養している場合、子供の扶養控除を重複させたり、控除額を半分ずつ分けたりすることはできないのです。

 

  1. ≪法律改正で扶養控除・配偶者控除はどう変わった?≫

2018年1月に、配偶者控除と配偶者特別控除の制度が改正されました。

もっとも大きな変化は、扶養者の年収によって控除額が変わるということです。

 

改正前までは、扶養控除の仕組みと同じように、扶養者の年収がいくらであっても、配偶者の年収が103万円以下なら満額の38万円の控除を受けられました。

しかし、改正後は、扶養者の年収が高ければ高いほど控除される金額が少なくなります。扶養者の年収が1,120万円以下の場合、配偶者控除の額は以前までと同じ38万円です。ここから年収が上がるにつれ、1,170万円以下で26万円・1,220万円以下で13万円と金額が下がり、1,220万円以上になると配偶者控除はなくなります。

 

また、配偶者特別控除というのは、被扶養者の年収が103万円を超えている場合、段階的に控除額が下がっていくという制度です。2018年1月の改正で、満額の控除を受けられる年収が150万円まで引き上げられ、そこから201万円までは段階的に控除を受けられます。

この配偶者特別控除も、扶養者の年収が上がる控除額が下がり、1,220万円以上の年収では控除が受けられません。

 

これらの改正により、新たに控除を受けられたり控除額が増えたりするケースが増え、多くの家庭で減税が期待できるようになりました。

ただし、扶養者の年収が高い家庭では、改正の影響で税額が増えるケースもあります。

 

  1. ≪まとめ≫

親族を扶養している場合、扶養控除の仕組みは知っておかないと損です。特に配偶者や家族がボーダーラインに近い年収の場合は、働き方を少し変えるだけで節税して得ができるかもしれませんよ。

親族を扶養に入れるには、働いている会社や確定申告での申請が必要です。ぜひ、扶養控除の仕組みをよく知り、家族の働き方を見直してみてください。

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2019/03/21 減価償却ってどういう意味?計算方法・よくあるQ&Aまとめ

 

建物・パソコン・車両などの購入費を分割して計上する「減価償却」。言葉だけは聞いたことがあっても、詳しい意味や計算方法を理解していないという方もおられるかと思います。

今回は、減価償却の意味や計算方法について解説していきます。ケース別の処理方法や、節税に役立つ知識もご紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。

 

1. ≪減価償却費はどんな経費?≫

そもそも、減価償却とはどういう意味か知らないという方もいると思います。

とは言え、意味を知らなくても、「減価」という文字から何かの価値が減っていくというイメージは想像できるのではないでしょうか。

 

減価償却費とは、企業や個人事業主が長期間に渡って使う物を購入した時、毎年一定の割合ずつ経費として計上するものです。ある程度高価な品物は、一度使ったからといって価値がゼロにはならないためで、例えば事業所の建物、車両、パソコンなどの機材の購入費などが挙げられます。

年月とともに減っていく価値を、一年で減った分だけ経費に計上するというのが減価償却の基本的な考え方となります。

 

なお、減価償却で価値がゼロになる期間のことを耐用年数といいます。車は6年パソコンは4年など、物品の種類ごとに耐用年数が決まっているので、減価償却費はこれを元に計算します。

減価償却は、厳密には耐用年数が1年以上で、価格が10万円以上の物にのみ適用されます。

減価償却の詳しい計算方法は、下の項目でご紹介します。

 

  1. ≪減価償却の計算方法は?≫

上の項目で減価償却の意味をご説明しましたが、減価償却の計算方法には大きなものとしては2種類あります。

それぞれの計算方法や基本の計上方法を、解説していきます。

 

(1)基本的な計上方法

減価償却費の計算方法には「定額法」「定率法」の2種類がありますが、基本的には「定額法」を使います。特に個人事業主は、事前の届け出をしない限り定額法が適用されます。

なお、2007年3月31日以前に取得した減価償却の対象物には、「旧定額法」「旧定率法」が適用されるので注意しましょう。

 

(2)計算が簡単な定額法

定額法とは、毎年同じだけ価値が減っていくという意味で、毎年同じ価格を計上していく計算方法です。

1年分の減価償却額は、「取得価格 ÷ 耐用年数」の額とほぼ一致し、厳密な計算方法は「取得価格 × 定額法の償却率」となります。

「定額法の償却率」は物品の耐用年数によって定められており、国税庁が計算表を公開しています。

 

ただし、耐用年数の最後の1年のみ、帳簿上に物品の購入履歴を残すという意味で便宜的に1円の価値を残します。そのため、耐用年数が終了する年だけ、減価償却額は他の年より1円少なくなります。

例えば、耐用年数4年、価格40万円のパソコンを購入した場合、最初の3年の減価償却費は10万円ずつ、最後の1年のみ99,999円という計算になります。

 

(3)定率法

定率法は、毎年決まった割合で価値が減っていくという意味の計算です。保証率によって償却保証額を設定し、その金額に達するまで購入金額の残高に決められた割合をかけて計算します。

 

計算式は「未償却残高 × 定率法の償却率」です。

「保証率」と「定率法の償却率」は耐用年数によって異なります。国税庁が定めて計算表を公開しているので、それを元に計算しましょう。

 

また、上記の計算で残高が償却保証額以下になった時には、「改定取得価額 × 改定償却率」の式で計算します。

定額法の例と同じように、耐用年数4年・価格40万円のパソコンを購入した場合は、以下のような計算になります。

1年目:購入金額400,000円 × 耐用年数4年の償却率62.5% = 250,000円

2年目:残高150,000円 × 62.5% = 93,750円

3年目:残高56,250円 × 62.5% = 35,156円

4年目:残高21,094円 × 62.5% = 13,183円

こういった計算で、徐々に減価償却額が少なくなっていくのが定率法です。

ただし、全てのものが定率法で計算できるわけではありません。建物や建物付属設備、無形固定資産、生物など、定率法が適用されないものもあるので注意しましょう。

 

(4)定額法と定率法どちらがいい?

定額法と定率法は、個人事業主は定額法を使い、法人は定率法を使うのが基本になります。

ただし、建物は定額法を適用するなど、その固定資産によって計算方法が決まっているものもあります。

計算が簡単で、明確なのが定額法のメリットです。また、毎年の経費が一定になるので、経営戦略を立てやすいという側面もあります。

定率法は、償却期間の前半は負担が重く、後半は軽くなるのが特徴です。例えば、投資した設備の利益が早く出ていれば、早く償却を済ませられる定率法にメリットがあります。

そのため、定額法と定率法は、事業の経営状態によって使い分ける必要があります。

 

  1. ≪耐用年数と減価償却期間の関係≫

耐用年数とは、先に解説した通り、その物品が利用できる年数という意味です。

減価償却期間も耐用年数から計算し、新品を購入した場合は基本的に減価償却期間と耐用年数は同じです。ただし、中古の物品を購入した場合は、残存耐用年数が減価償却期間となります。

また、既に耐用年数をオーバーしている場合、最短4年を限度として好きな年数を減価償却期間として設定できます。その物品や施設への投資がどのくらいの期間で回収できるのかを見極めるのが、節税や事業拡大のポイントとなるのです。

 

  1. ≪減価償却に関するよくあるQ&A≫

減価償却に関する、よくあるQ&Aをご紹介します。減価償却の計算に迷った時に、ぜひ参考にしてみてください。

 

(1)中古品を購入した場合はどうすればいい?

購入した中古品の価格が新品の50%以上だった場合、法定耐用年数がそのまま減価償却期間となります。それ以下の価格の中古品は、法定耐用年数ではなく、その事業に今後使い続けると思われる見込みの期間を減価償却期間に設定します。

期間の見積もりが難しい場合、耐用年数が終わっている資産は「耐用年数×20%」、耐用年数の一部が終わっている資産は「耐用年数−経過した年数+経過した年数の20%」という計算になります。

ただし、計算結果に1年未満の端数が出る場合は切り捨て、2年未満になる場合は全て2年と設定します。

 

例えば、新品のパソコンの耐用年数は4年です。既に4年使用された中古のパソコンを購入した場合、4年 × 20% = 9.6ヶ月なので、切り上げて2年です。

また、1年使用されただけの中古のパソコンは、4年 – 1年 + 1年 × 20% = 3年2.4ヶ月です。その場合は2.4ヶ月を切り捨てて3年が減価償却期間となります。

 

(2)1年の途中に購入したらどうすればいい?

1年の途中に物品を購入した場合、その月から12月までの月割の金額で減価償却します。

例えば、耐用年数4年・価格40万円のパソコンを10月に購入・使用開始した場合、1年あたりの減価償却額10万円の1/4である25,000円をその年の経費として計上します。

 

(3)売った場合はどうすればいい?

法人が減価償却中の資産を売却した場合、売れた金額が未償却の残高より高いかどうかで処理方法が違います。

売却で利益が出た場合「未償却残高」「売却益」に分けて仕訳帳に記入します。逆に損失が出た場合は「未償却残高」「売却損」です。

 

(4)処分してしまったらどうすればいい?

物品が耐用年数の途中で壊れるなどして処分した場合、帳簿上の未償却残高をゼロにする処理を行います。

「固定資産除却損」として未償却残高の金額を仕訳帳に記載することで、未償却残高がリセットされます。

 

(5)減価償却しないものってある?

長年使用しても、価値が落ちないと判断される資産は減価償却できません。

例えば、土地や電話加入権、絵画、骨董品、ゴルフ会員権などは、時間の経過によって価値が減るものではないので減価償却しません。売却や廃棄するまで、資産として計上します。

 

  1. ≪青色申告の少額減価償却資産の特例とは?≫

青色申告には、「30万円未満のものは、一括でその年の経費として計上することが可能」という特例が用意されています。

例えば、パソコン、オフィスチェア、デスク、コピー機、エアコンなど、減価償却できる資産で30万円未満のものは多くあります。そういったものは、青色申告の個人事業主・法人に限り、合計300万円まで一括で経費に計上できるのです。経費を嵩増しできるので、知っておくことで節税に使えるテクニックです。

ただし、年内に購入しても、使わず放置していた資産は計上できません。また、年の途中で開業した場合は、300万円を月割にして算出した金額が限度額となるため注意しましょう。

 

  1. ≪まとめ≫

減価償却の意味や計算方法が、よく理解できましたでしょうか。

減価償却は単純そうに見えて、意外と細かな計算が必要な処理です。しかし、決算や確定申告を行うには必ず必要な知識なので、ぜひやり方を覚えておきましょう。

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2019/03/14 貸借対照表の見方|合わないときはどうすればいい?

貸借対照表は、企業や個人事業の経営状態の判断の指標となる重要な書類です。確定申告の青色申告65万円控除にも必要な書類なので、個人事業主の方もきちんと書き方を覚える必要があります。

 

しかし、意外と貸借対照表の見方・書き方がわからないという方も多いのではないでしょうか。今回は、そんな方に向けて貸借対照表の基礎知識を解説していきます。

 

 

1. ≪貸借対照表とは?≫

「貸借対照表」とは、バランスシートとも呼ばれることがある会計書類です。企業が持っている資産・負債・資本が現時点でいくらずつあるのかをまとめて記載してあるので、現在の財産状況が一目でわかるのが特徴です。

 

四半期や半期など、決算期ごとに作成したり、月末ごとに財産状況を確認したりするために作成します。

個人事業主が、青色申告65万円控除を適用して確定申告をする時にも必要になる書類です。

 

  1. ≪貸借対照表の見方≫

貸借対照表は、左側が「借方」、右側が「貸方」になっています。

左側(借方)には資産を記載していき、現在企業が持っているプラスの資産の額がわかります。右側(貸方)は上下に分かれていて、上部は負債、下部は純資産です。

負債は現在企業が負っている借金などのマイナスの資産、純資産は資本金など流動しない企業の運転資金を指します。

 

貸借対照表のどこに何が記載されているかわかったところで、貸借対照表の見方を解説していきます。

 

(1)貸借対照表の仕組み

貸借対照表は、左側の借方と右側の貸方が必ず同額になるようになっています。同額にならないときは何かが間違っているので、合うまでチェックが必要です。

貸借対照表の書き方や合わない時の対処方法は、後の項目で解説します。

 

貸借対照表は、資産・負債・資本の3つのバランスで、企業の財政が健全かどうかを判断できます。

詳しい見方について、次の項目で解説します。

 

(2)貸借対照表のここをチェックしよう!

  • 安全性の指標の一つ「自己資本比率」

貸借対照表の見方でまずチェックするのは、「自己資本比率」です。

自己資本比率は、以下の式で求めます。

 

自己資本比率 = 自己資本 / 総資本

 

この数字が高いほど、財産状況が健全な企業ということになります。

全ての資本の中で、企業の運営に使える資本金(純資産)が多いほど、経営が安定している・安全性が高いということです。やみくもに高ければ良いということではありませんが、大まかな経営状況の指標になります。

自己資本比率は、貸借対照表の見方でまずチェックすべき項目です。ちなみに、赤字企業の平均がマイナス4%~5%、黒字企業の平均が25%~26%くらいという統計もあります。

 

  • 会社の支払能力が分かる「流動比率」

貸借対照表の見方で次にチェックするのは「流動比率」です。

 

流動比率 = 流動資産 / 流動負債

 

流動比率は、という式で求めます。

流動資産とは、1年以内に現金化できる資産のことで、貸借対照表の借方の中でも最も上部に記載します。流動負債は、1年以内に返さなければならない負債のことです。

流動資産が流動負債より少なければ、1年以内に支払いができなくなり、資本金などを切り崩す必要があるということになります。逆に、流動資産が多いほど、支払能力に余裕があり経営が順調だということになります。

流動比率は、150%を超えるのが理想とされています。

 

  • 会社の支払能力を更に厳しくチェックする「当座比率」

次に、貸借対照表の見方でわかるのが「当座比率」です。

 

当座比率 = 当座資産 / 流動負債

 

という式で求めます。

当座資産とは、流動資産から1年以上回収できないリスクがある「棚卸資産」を除いたものです。売れ残る可能性がある在庫や、1年以内に廃棄する可能性がある在庫がこれに当たります。

当座比率とは、流動比率より厳しく支払能力をチェックするものです。当座比率は100%を超えるのが理想です。

 

  1. ≪貸借対照表の勘定科目リスト≫

先にご紹介したように、貸借対照表は大きく分けて「資産」「負債」「純資産」の3つの項目でできています。

それぞれの項目が細かな勘定科目に分かれるので、解説していきます。貸借対照表の詳しい見方や書き方を知りたい方は、こちらを参考にしてみてください。

 

(1)会社の全財産である「資産」

左側の借方に書く「資産」は、「流動資産」「固定資産」「繰延資産」の3つに分かれています。

それぞれ、さらに細かな勘定科目があるため、解説していきます。

 

「流動資産」

・現金預金:現金・預金など、企業が持っているキャッシュ

・売上債権:売掛金など、商品やサービスの対価として発生し、まだ受け取っていない金額

・有価証券:株券・国債などの中で、1年以内に満期になる金額

・棚卸資産:今後販売する商品や原材料などの在庫

・その他の流動資産:1年以内に返済される短期貸付金・仮払金・前渡金など

 

「固定資産」

・有形固定資産:土地・建物・車両・機械・備品など

・無形固定資産:電話加入権・特許権・借地権・ソフトウェアなど

・投資その他の資産:投資有価証券・関連会社株式・出資金・保証金など

 

「繰延資産」

・創立費・開業費・株式交付費・社債発行費・開発費

 

貸借対照表の借方欄は、これらの勘定科目の金額をそれぞれ記入し、最後に「流動資産」「固定資産」「繰延資産」の合計と、それらの総合計の「資産合計」を算出します。

 

(2)返さなければならない「負債」

「負債」は、「流動負債」と「固定負債」の2つに分かれています。

流動負債は1年以内に返済しなければいけない負債、固定負債は返済期間が1年より長い負債のことを指します。

 

流動負債

・支払手形・買掛金・短期借入金・未払金・前受金・預り金など

 

固定負債

・社債・長期借入金・退職給付引当金など

 

負債は、それぞれ個別の勘定科目の金額を記入し、「流動負債」「固定負債」それぞれの合計を算出します。最後に「流動負債」と「固定負債」を合計した「負債合計」を算出し、貸借対照表の貸方上部に記入します。

 

(3)返さなくてもよい「純資産」

純資産は、「株主資本」「評価・換算差額等」「新株予約権」の3つに分かれます。

株主資本

・資本金:開業時に用意した資本金、増資して増えた資本金

・新株式申込証拠金:新規の株式を発行し譲渡した時の対価

・資本剰余金:資本準備金など

・利益剰余金:株式の配当で余った利益など

・自己株式:自社で保持している株式

 

評価・換算差額等

・その他有価証券評価差額金・繰越ヘッジ損失・土地再評価差額金

 

新株予約権

・新株予約権:今後発行される株式を購入できる権利

 

純資産は、勘定科目の金額を算出し、「株主資本」「評価・換算差額等」「新株予約権」それぞれの合計額を算出します。その後、全ての合計を「純資産合計」として貸方下部に記載します。

 

そして、「負債合計」と「純資産合計」を足した額が「負債・純資産合計」です。

この金額は、必ず「資産合計」の額と一致します。合わない場合は間違いがあるということなので、合うまでチェックしたり、下の項目でご紹介する合わない時の対処法で処理したりしましょう。

 

  1. ≪貸借対照表が一致しないときはどうすればいい?≫

確定申告初心者や、貸借対照表の書き方をきちんと理解していない方が作成した場合、借方と貸方の数字が合わないということが発生します。

個人の確定申告でも企業の決算でも、借方と貸方が合わないと受理してもらえません。確定申告をスムーズに終わらせるためにも、貸借対照表が合わない場合の書き方を知っておきましょう。

 

(1)対策①勘定科目が正しい箇所にあるかチェックする

確定申告初心者が、意外と間違えてしまいがちなのが勘定科目の書き方。左が資産・右が負債と純資産ということは理解していても、細かな勘定科目の配置を間違ってしまっていることがあります。

例えば、「現金」は必ず左側にある勘定科目です。右側にある場合は、仕訳や転記の時に間違えているということなので、勘定科目をチェックすることで間違った箇所を見つけやすくなります。

 

(2)対策②異常に金額が大きい(小さい)勘定科目がないかチェック

パソコンで貸借対照表を作成している場合、起こりがちなのが入力ミス。数字の打ち間違いでありえない数値を入力してしまい、左右が合わないという可能性もあります。

各勘定科目の金額を見直し、ありえない数字になっていないかどうかチェックしましょう。

 

(3)対策③どうしても合わない場合は「事業主貸し借り」

上のチェック方法を試しても間違っている箇所が見つからない場合、「事業主貸し借り」または「店主勘定」で処理します。

合わない金額を事業主に貸した、または事業主から借りたということにして帳尻を合わせるということです。

 

ただし、これは、法人の経理の方は使えないテクニックです。基本的には、貸借対照表が合わないときは徹底的にミスを探して合わせます。

個人事業主の方が、確定申告の期限までにどうしてもミスを見つけられない時の緊急避難法として覚えておきましょう。

 

もちろん、確定申告はこの書き方でごまかしたからといって、ミスを残したままにするわけにはいきません。確定申告が終わったら、改めて仕訳表をチェックし、どこが間違えているのか徹底的に探しましょう。

そして再度ミスが起こらないよう対策することで、次の確定申告をスムーズに乗り切ることができます。

 

  1. ≪まとめ≫

「バランスシートはバランスしない」というジョークがあるほど、貸借対照表は作成時にミスが起こりやすく、合わないことが多々あるものです。基本の書き方は単純なので、仕訳や転記でミスがないよう気をつけて作成しましょう。

そして、確定申告にどうしても間に合わないという個人事業主の方は、「事業主貸し借り」・「店主勘定」で帳尻を合わせる方法で乗り切りましょう。

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2019/02/19 還付申告はやらないと損!対象事例とやり方を解説

納め過ぎた税金が確定申告時に戻ってくる、還付申告。

しかし、還付申告は、該当する場合でも国や税務署から案内などが来る事はありません。自分から申告しないと還付金は戻らないので、今まで還付申告をしたことがない人は知らず知らずのうちに損をしているかもしれませんよ。

今回は、そんな還付申告のやり方や注意点、申告の期限について解説していきます。

 

1. ≪還付申告って何?≫

還付申告とは、何らかの理由で税金を納め過ぎている場合、確定申告をすることで超過分を還付金として受け取れる制度のことです。

サラリーマンなど会社から給与を受け取っている人は、事前に年間の所得税額を年収から算出し、毎月給与から天引きされる形で支払っています。これを「源泉徴収」といいます。

 

しかし、様々な理由から、源泉徴収した額より実際の所得税の額が少なくなることがあります。具体的なケースは次の項目で解説しますが、この払い過ぎた税金の返還を求めるのが還付申告です。

 

還付申告は、確定申告で実際の年収や控除を申告することで行います。

会社でも予定納税の額と実際の納税額が食い違わないよう年末調整をしますが、年末調整と確定申告は別物です。会社が把握していない控除もあるので、年末調整をされているとしても確定申告が必要なケースもあります。

 

還付申告をする必要がある人は、ご自身で自ら行わない限り税金が返ってくることはありません。国や税務署から「還付申告が必要です」という通知がきたり、自動で還付金が支払われたりすることはないのです。

しなかったからといって罰則はありませんが、払い過ぎた税金が戻る還付申告をしない理由はないですよね。以下に挙げるケースに当てはまる方は、ぜひ確定申告をして還付申告を行いましょう。

 

  1. ≪還付申告ができるのはどんなケース?≫

では、還付申告が必要なのは、どのような場合なのでしょうか。実際に還付申告が必要となるケースについて解説していきます。

 

(1)年の途中で会社を辞め、年末調整を受けていない場合

先ほども解説したように、ほとんどの会社では年末調整が行われるので、基本的に会社員やアルバイトの方など、給与収入を得ている方は確定申告をする必要はありません。

しかし、年の途中で退職した場合、年末調整を受けられず源泉徴収された金額が実際に払うべき税額より多くなってしまう場合があります。退職したその年に再就職をせず給与所得を得なかった場合には、年収は源泉徴収の算出基準となっている額より低くなりますから、税金を納め過ぎていることになります。そのため、会社がする年末調整の代わりに、自分で確定申告をして還付申告を行う必要があるのです。

ただし、退職と同じ年に再就職すれば、新しい勤め先に前の職場の源泉徴収票を提出して年末調整を受けられるので、還付申告の必要はなくなります。

 

(2)マイホームを購入・改築し、住宅ローンがある場合

一定の基準を満たしたマイホームを購入したり、耐震基準を満たすためやバリアフリー化のための改修をしたりした場合、「住宅借入金等特別控除」または「特定増改築等住宅借入金等特別控除」が適用されます。これは、購入から10年に渡ってローン残高×1%(上限40万円)の控除が認められ、大幅な節税となるので、住宅ローンを抱えている方は還付申告をしないと損です。

住宅ローン控除の申請は、購入して最初の確定申告で10年分の申請書類を貰えます。2年目以降はその書類を会社の年末調整時に提出すれば、確定申告の必要はありません。住宅ローン控除の適用が初年度の場合にのみ確定申告が必須となります。

また、災害や盗難などで住宅や資産に大きな損害を受けた場合も、還付申告をすれば一定の控除を受けることができます。

 

(3)医療費を10万円以上支払った場合

年間で多額の医療費を支払った場合も、医療費控除を受けることができ還付申告ができます。自分や配偶者、生計を一にする親族の医療費を支払った場合、実際に支払った金額−10万円の控除を受けることができます。

大きな手術や入院はしていなくても、医薬品の購入や診察費も医療費に含まれるので、年間を通すと家族全員の合計が10万円を超えるケースは多いです。

医療費控除については、平成29年から領収書の提出が不要になりました。医療費の明細書に支払った医療費の内訳を記入して提出しますが、税務署から領収書の開示を求められる場合もあるので、医療費の領収書は自宅で5年間保管しておく必要があります。

 

(3)還付申告の対象外はどんなケース?

還付申告の対象外となる所得もあります。それは、預貯金の利子や抵当証券などの利息、養老保険や損害保険の差益など、「源泉分離課税」の対象となる所得です。

源泉分離課税とは、収入額の20.315%が源泉徴収されることで課税手続きを終える制度です。課税の時点で手続きが終わっているので、事後的な還付の対象にはなりません。

超低金利が続いているので、微々たる額になる利子や利息の税額を正確に計算するのは非現実的であることから、このようなシステムになっています。

 

  1. ≪還付申告のやり方≫

ここでは、還付申告のやり方や、期限について解説していきます。

 

(1)必要な書類

還付申告には還付申告専用の書類がある訳ではなく、やり方は通常の確定申告と同様です。

会社員・パート・アルバイトなどの給与所得者は、通常「確定申告書A」を用います。確定申告書Aの記入には会社から貰った源泉徴収票が必要なので、還付申告をするときはこの2つの書類を用意しておきましょう。

 

確定申告書Aの表面(第一表)には、まず住所・氏名・マイナンバーなど基本的な個人情報を記載します。

 

他に記入が必要な項目は、以下の通りです。

  • 支払金額:1年間に支払われた給与の合計額。税金や保険が引かれる前の税込み年収
  • 基礎控除:全ての人が38万円
  • 給与所得控除後の金額:支払金額から給与所得控除額を引いた金額
  • 所得控除の額の合計額:配偶者控除や扶養控除、社会保険料控除など控除額の合計
  • 社会保険料等の金額:給与から天引きされた社会保険の額(厚生年金・健康保険・雇用保険など)
  • 生命保険料の控除額:生命保険料や個人年金保険料を支払った場合の控除額。最大12万円
  • 地震保険料の控除額:地震保険の保険料を支払った場合の控除額。最大5万円
  • 支払者の氏名又は名称:給与を支払った会社名

これらは全て源泉徴収票に記載されているはずなので、そのまま書き写しましょう。

 

次に、会社が把握していない控除を記入します。

以下の項目で該当するもの全ての欄に、支払ったり寄付をしたりした金額、ローン残高などを記入します。

  • 医療費控除
  • 寄附金控除(ふるさと納税など)
  • 住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)
  • 住宅耐震改修特別控除
  • 住宅特定改修特別税額控除
  • 認定長期優良住宅新築等特別税額控除

 

全ての控除欄に記入後、申告書右側の「税金の計算」の欄で「課税される所得金額」を計算し、記入して提出します。

 

(2)還付申告に期限はある?

還付申告は、確定申告とやり方は同じですが期限は違います。

確定申告期間は毎年2/15〜3/15頃で、期限後の提出にはペナルティが付きます。一方還付申告の期限は、税金を払い過ぎた翌年の1月1日から5年間です。

その年の確定申告の期限は終わっても還付申告の期限には間に合うので、うっかり忘れていて確定申告の期限に間に合わなかったとしても焦らず対応しましょう。

 

(3)還付申告をするときに気をつけたいこと

還付申告をするには、申告する控除の証明書・領収書が必要となります。

医療費控除のように領収書の添付が不要な控除もありますが、もし税務署から開示を指示された場合には提出しなければなりません。そのため、控除額を証明する領収書等は、還付申告の期限である5年間、自宅で大切に保管しておきましょう。

 

  1. ≪還付申告に関するよくある質問≫

最後に、還付申告に関するよくある質問に回答していきます。

 

(1)自分が還付の対象かどうか、どうしたらわかる?

還付申告は、国や税務署から対象者に通知が行くことはありません。そのため、還付金を受け取るためには、自分が対象者かどうか自分で判断して還付申告をしなければなりません。

基本的には、多額の医療費や仕事の必要経費を支払った人・住宅ローンを組んだ人・災害や犯罪の被害者となり損害を受けた人・転職や退職をした人・寄付やふるさと納税をした人が対象と覚えておくといいでしょう。

 

(2)還付申告をするデメリットはある?

還付申告は払い過ぎた税金が帰ってくる制度なので、該当する人は誰が行っても基本的に損をすることはありません。強いてデメリットを挙げるなら、申告書類の記入や税務署への提出に手間がかかることくらいです。

また、副業や贈与の収入を隠していた場合など、脱税をしている場合には確定申告がきっかけとなって追徴を受ける可能性があります。

 

(3)還付金はいつ振り込まれる?

還付申告で確定した還付金が振り込まれるのは、基本的には申告をしてから約1ヶ月後です。しかし、確定申告期間など、時期によっては税務署が多忙で処理が遅くなる場合もあります。

なお、紙の書類を税務署の窓口や郵送で提出するより、e-taxからの申請の方が早く処理される傾向がありますし、e-taxで申告をすると還付金の処理状況をリアルタイムで確認することが可能です。

 

  1. ≪まとめ≫

還付申告は、該当する人はやらないと損な制度です。多少の手間はかかりますがデメリットはありませんので、大きな出費があった方や転職・退職をした方はぜひ面倒がらずに申告しましょう。

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2019/01/29 確定申告はいつまで?税金・贈与税・消費税の提出期限も解説!

個人事業主やフリーランスの方にとって、年に一度の大仕事である「確定申告」。毎年行っていても、年に一度のことなので期限や期間を忘れてしまう人も多いですよね。

2019年の確定申告期間がいつからいつまでかというと、2019年2月18日(月)〜3月15日(金)ですが、申告する税の種類によっては異なる場合もあります。

こちらのページでは、2019年の確定申告(2018年分)について、様々な「いつから?」「いつまで?」期限が過ぎたらどうなるのかについて解説していきます。

 

1. ≪2019年の確定申告の期限はいつまで?≫

確定申告の期間は、申告する国税の区分によって違います。

個人が申告する主な国税(個人事業主やフリーランスの所得税、消費税・地方消費税、贈与税)の区分別に、確定申告をいつからいつまでに行うのか、期間を過ぎたらどうなるのかについて解説していきます。

 

また、還付金の受け取りについても期間が定められているので、そちらの期間がいつからいつまでなのか、万が一過ぎたらどうなるかもご紹介します。

 

(1)個人事業主やフリーランスの場合は?

個人事業主やフリーランスの方の確定申告の期間がいつからいつまでかというと、2019年2月18日(月)〜2019年3月15日(金)です。個人事業主やフリーランスの方は、会社員のように会社が年末調整をしてくれないため、自分で確定申告をして所得税などの税額を確定する必要があります。

この期間中に、白色申告者は「確定申告書」「収支内訳書」青色申告者は「確定申告書」と「青色申告決算書」を提出します。

また、必要に応じて源泉徴収票など添付書類も提出します。

 

これらの書類が揃って初めて確定申告ができるので、申告期間が始まる前から帳簿付けや書類作成を開始して、速やかに確定申告ができるようにしましょう。

個人事業主やフリーランスではなくても、給与所得が2,000万円以上の方や住宅ローン減税を初めて受ける方、医療費の控除で所得税が還付される方、ふるさと納税をしてワンストップ特例制度を利用していない方なども、同じ期間中に所得税の確定申告を行います。

 

ちなみに、2019年3月15日(金)の期限を過ぎたらどうなるのでしょうか。

結論からいうと、確定申告の期間が終わった後も確定申告をすること自体は可能です。

 

ただし、期間を過ぎた後の確定申告は「期限後申告」となります。確定申告の期限から1ヶ月以内の申告には「延滞税」が、それ以後の申告には「延滞税」と「無申告加算税」が加算されるので注意しましょう。

延滞税や無申告加算税は遅れた日数によって年利が膨らむので、万が一確定申告を忘れていて期間が過ぎていた場合は、気付き次第できるだけ早く書類を提出しましょう。

 

(2)消費税及び地方消費税の申告はいつまで?

消費税及び地方消費税の確定申告期間がいつからいつまでかというと、2019年1月1日(火)〜2019年4月1日(月)です。

消費税・地方消費税の確定申告が必要なのは課税事業者で、簡単にいうと消費者から売上とともに預かっている消費税の額を、国に納付する作業となります。

免税事業者については、消費税や地方消費税の確定申告をする必要はありません。

 

課税事業者と免税事業者の違いは、2年前(基準期間)の課税売上が1,000万円以上かどうかです。

起業した初年度など、2年前の売り上げが存在しない場合には免税事業者となるので、消費税の確定申告は不要となります。

 

ちなみに消費税・地方消費税も、確定申告期間が過ぎたら期限後申告となり「無申告加算税」が発生します。

ただし、「確定申告期間から2週間以内の申告」かつ「期限内に申告する意思が認められた場合」には無申告加算税が加算されません。

「期限内に申告する意思」とは、期限後申告に関わる税額を全額法定納期限までに納付していることと、過去5年に無申告加算税を課されていないことが条件になっています。

申告期間を過ぎたら即罰金という訳ではなく、こういった救済措置が用意されているので、確定申告は毎年正しい期間内に終わらせて税務署の信頼を勝ち得ておきましょう。

 

(3)贈与税の申告はいつまで?

贈与税の申告はいつからいつまでかというと、2019年2月1日(金)~2019年3月15日(金)です。

贈与税の確定申告が必要な人は、前年1月1日〜12月31日までの1年間に財産の贈与を受けた人です。

ただし、贈与された財産の価額が110万円以下の場合には、贈与税がかからないため確定申告をする必要がありません。

 

贈与税の確定申告の期限が過ぎたら、税務調査を受けてペナルティの事前通知を受け取る可能性があります。

このペナルティは「申告を忘れていた場合」「申告したが額が過小だった場合」「意図的に申告しなかった場合」という悪質度合いや、税務調査の前か後かによって税率が大きく異なります。

 

贈与税の無申告ペナルティは最大50%にまでなり、申告期限を過ぎたら多額の罰金を支払う必要があります。せっかく贈与された財産を無駄にしないためにも、申告期限がいつからいつまでなのかをしっかり把握し、正しい金額を申告しましょう。

 

(4)税金の納付はいつまで?

確定申告で確定した税金の納付はいつまでかというと、所得税は2019年3月15日(金)、消費税及び地方消費税は2019年4月1日(月)、贈与税は2019年3月15日(金)までです。

基本的に、税金の納付期限は確定申告の期限と同じです。

 

(5)還付金の受け取りはいつまで?

事前に税金を納め過ぎていた場合や、住宅を購入した場合、多額の医療費を支払った場合など、確定申告によって還付金が受け取れる場合があります。

ただし、還付金については、税務署側から「還付金を受け取れますよ」という内容の通知が来ることはありません。

還付の対象になるかどうかを自分で調べて、自分から還付金の申請を行う必要があります。

 

還付金の申請がいつからいつまでかというと、原則的に確定申告期間と同じ2019年2月18日(月)〜2019年3月15日(金)です。

ただし、会社員の方で住宅を購入したり多額の医療費を支払ったりした場合など、確定申告をしていないために還付金を受け取れなかった場合は、以後5年の間なら更生の請求をして還付金を受け取ることができます。

過去数年以内に大きな出費があった方は「確定申告期間を過ぎたら還付金がもらえない」と思い込まずに税務署に相談してみましょう。

 

(6)国外財産調書及び財産債務調書の提出はいつまで?

日本国外に5,000万円以上の財産がある方は「国外財産調書」を、退職金を除く給与所得が2,000万円以上あった方は「財産債務調書」を提出する必要があります。

これらの提出期限がいつからいつまでかというと、確定申告期間と同じ2019年2月18日(月)〜2019年3月15日(金)です。

提出をせずに期限が過ぎたら、また提出したものの記載漏れがあった場合などは、税務署に申告していない金額に対して5〜20%の無申告加算税が課せられます。

これらの書類は、所得や財産が多額な方が提出する書類なので、自然と罰金の額も大きくなりやすいです。

提出すれば相続税の軽減などメリットもある書類なので、該当する方は忘れずに提出するようにしましょう。

 

  1. ≪確定申告は土日でもできる?≫

原則的に、土・日・祝日は税務署の閉庁日のため、税務署での確定申告の受付は行なっていません。

ただし例外もあるので、土・日・祝日に確定申告をしたい方のために解説を行なっていきます。

 

(1)一部日曜日に申告書の提出が可能な場合も

毎年、確定申告期間の一部の日曜日には税務署が開庁していて、確定申告や相談の受付を行なっています。

2019年は、2月24日3月3日の2回が日曜の開庁日です。平日はどうしても都合がつかないという方は、この日に税務署へ足を運んで確定申告を済ませておきましょう。

 

(2)e-taxを使えば24時間いつでも可能

国税庁が運営している電子申告・納税システム「e-tax」なら、期間中24時間いつでも確定申告が可能です。

2〜3月の寒い時期に税務署まで足を運ぶ必要がなく、またペーパーレスで確定申告ができるため手軽に素早く手続きを終えられます。

 

ただし、e-taxを利用するにはソフトのインストールやマイナンバーカード、カードリーダーの用意など、事前準備が必要です。事前準備には意外と手間がかかるので、確定申告期間が始まってからでは準備が間に合わないこともあります。

初めてe-taxを利用する方は、確定申告期間がいつからいつまでなのかを把握して、事前登録などの準備は期間前に済ませておくのがおすすめです。

 

  1. ≪確定申告の提出期限を過ぎた場合≫

それぞれの項目でもご紹介した通り、確定申告の期間を過ぎてしまうと「期限後申告」となり、延滞税や無申告加算税などのペナルティが課せられます。

救済措置が用意されている場合もありますが、日数が経つに連れて税率が上がり、放置すると膨大な罰金を支払うことになりかねません。確定申告をうっかり忘れていた方は、速やかに書類を提出するようにしましょう。

 

  1. ≪税務署の窓口が開いている時間帯は?≫

税務署の開庁時間は、平日(月〜金曜日)の午前8時30分から午後5時です。

確定申告の期間には、申告者が殺到しているため待ち時間が長くなる可能性もあります。

手続きがスムーズに終わるよう、必要書類をしっかりと準備し、時間に余裕を持って税務署を訪れましょう。

 

  1. ≪税務署の相談会場が便利≫

確定申告がいつからいつまでか、期限が過ぎたらどうなるのかなどを解説してきましたが、まだまだ確定申告についてわからないことがあるという方も多いでしょう。

そういった方は、税務署が開設している相談会場で相談するのがおすすめです。

日曜の開庁日である2019年2月24日と3月3日の2回、全国の税務署に相談会場が設けられます。

確定申告や還付に関する疑問や質問に専門家が答えてくれるので、自力で確定申告をするのが不安な方はぜひ利用してみましょう。

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2019/01/15 所得税の計算方法・税率・控除額を解説!

扶養控除を超える年収があるのであれば、誰もが支払わなければならない所得税

雇用形態がアルバイトやパートであっても、扶養控除の範囲を超えると所得税の支払いが発生します。

 

今回は、意外に複雑な所得税の計算方法控除額所得税の種類などを、簡単に理解できるように工夫しながら解説していきます。

 

  1. ≪所得税の計算方法とは?≫

所得税の計算方法は、「課税所得×税率-税額控除額」です。簡単な計算に思えますが、単純に年収に税率をかけて控除額を引けばいいのかというと、実はそうではありません。

所得の種類や「課税所得」の計算方法について、下の項目で解説していきます。

 

(1)所得は10種類に分かれる

所得というと、一般的には会社から毎月支払われる給与というイメージですが、実はその他にもたくさんの種類があります。

「所得」は、収入の得方によって以下の10種類の区分があります。

 

  • 利子所得

預貯金・公社債の利子や、貸付信託・公社債投信の収益の分配などから生じる収入です。

  • 配当所得

株の配当、出資の剰余金や証券投資信託の収益の分配などから得られる収入のことです。

  • 不動産所得

土地・建物・船舶・航空機などの貸付から得られる収入のことです。

  • 事業所得

商業・工業・農業・漁業・自由業などの事業から生じる収入のことです。

  • 給与所得

アルバイト・パートや会社員の人が、勤めている会社から毎月支払われる給与・賞与のことです。

  • 退職所得

退職時に得られる収入のことです。

  • 山林所得

5年以上所有している山林を売った時(伐採しても立木のままでも)に得られる収入です。

  • 譲渡所得

事業用・家庭用の資産を譲渡した時に得られる収入です。

  • 一時所得

賞金や満期保険金など、一時的な収入のことです。

  • 雑所得

年金・恩給・原稿料・印税など、上のどの項目にも当てはまらない収入のことです。

 

(2)課税所得の計算方法

課税所得とは、収入金額(実際に稼いだ金額・毎月給与所得を得ている方の場合「年収」)から必要経費・社会保険控除・基礎控除などを引いた金額です。

会社勤めで毎月給与をもらっている方は、いわゆる「手取り」+「所得税」が課税所得です。

 

パートやアルバイト、フリーランスなどで毎月給与から源泉徴収されていない場合、

 

課税所得=総支給額(基本給・残業代・手当)-非課税の手当-所得控除

 

という計算式となります。

「非課税の手当」とは、通勤手当や旅費など課税対象ではない収入のことです。

 

(3)所得税計算に含まれない特定支出控除の例

特定支出控除とは、業務に関わる支払いが多い場合、年収から必要経費として控除できる制度です。平成24年にこの制度が見直されて対象項目が広くなり、利用できる人が多くなりました。

 

特定支出控除を利用できる例としては、

 

  • アルバイトや派遣社員で、毎月通勤にかかる費用を自己負担している場合
  • 転勤した場合の引っ越し費用
  • 単身赴任者が帰宅するための旅費
  • 業務に関する研修費用を個人で支払った場合
  • 業務に関する本や新聞を購入した費用
  • 業務に必要な衣服を購入した費用
  • 業務に必要な資格を得るための費用
  • 業務に関する接待費用

などがあります。

 

毎月会社が源泉徴収しているアルバイトや会社員の方も、これらの領収書を保存しておけば確定申告で還付金が戻る場合もあります。

また、フリーランスや事業主の方も、特定支出控除の制度を知っておくと毎月の支出を必要経費として処理できるかもしれません。

 

(4)超過累進税率とは?

所得税は、累進課税制度を採用しています。累進課税制度とは、簡単にいうと年収が高くなるほど税率が上がる仕組みのことです。

所得税の税率は、年収195万円以下で0%、年収4,000万円以上で45%と、かなり大きな差があります。

年収の金額と所得税の税率の関係は、以下の通りです。

 

〜195万円:0%

195〜330万円:10%

330〜695万円:20%

695〜900万円:23%

900〜1,800万円:40%

1,800〜4000万円:45%

 

ただし、この方法で簡単に計算してしまうと、不公平が生じてしまいます。

 

例えば、年収330万円のAさんと年収331万円のBさんがいた場合、

Aさん→330万円×10%で所得税33万円

Bさん→331万円×20%で所得税66万2,000円

となってしまいます。

 

その不公平を埋めるのが「超過累進税率」です。超過累進税率とは、簡単にいうと「一定額を超過した金額にのみ高い税率で課税する制度」です。

 

先ほどのAさんとBさんの例でいうと、

年収330万円のAさん→先ほどと同じく所得税33万円

Bさん→(330万円×10%)+(1万円×20%)という計算となり、所得税は33万2,000円です。

 

そのため、アルバイトやフリーランスの方が自分で所得税を計算するときは、自分の年収から一段階下の年収上限を引いて、超過した分にのみ高い税率をかけるという方法で計算します。

 

(5)一定額を控除する給与所得控除とは?

給与所得控除とは、会社員やアルバイトで、会社から毎月給与をもらっている場合に発生する控除です。

これは簡単にいうと、アルバイトや会社員の必要経費を清算するためにある制度です。

源泉徴収されないフリーランスや事業主の場合は、収入から必要経費を引いて所得を計算しますが、会社勤めの場合、業務のために購入した衣服や靴などを逐一会社に報告して計算するのは現実的ではありません。そのため、年収の額に合わせて一定額を控除し、所得税がかからないようにするのが、この「給与所得控除」です。

 

アルバイトや会社員で、この控除額以上の支出があった場合には、上の項目で解説した「特定支出控除」の制度を利用することができます。

 

(6)大幅な節税になる税額控除とは?

税額控除とは、「いったん計算された所得税からさらに引かれる金額」のことです。控除額が大きいので、これを利用すれば所得税が0円になることもありえます。

 

税額控除には、「配当控除」「外国税額控除」「認定NPO法人等寄付金特別控除」「住宅借入金等特別控除」「住宅耐震改修特別税額控除」「試験研究を行った場合の所得税額等の特別控除」など、全部で19の項目があります。簡単にいうと、国の認定を受けたNPO団体に寄付する、住宅を購入する、住宅に耐震工事をするなど、国が推進している行いをした人に対し、税額を軽くしてサポートする制度です。

一般のアルバイトや会社員はあまり頻繁に利用する制度ではありませんが、頭に入れておくと節税に役立ちます。

 

(7)所得税及び復興特別所得税の申告納税額の計算方法

復興特別所得税とは、簡単にいうと東日本大震災による被災地復興の財源確保のためにある特別措置の国税です。

2013年1月1日~2037年12月31日の間に支払われた所得に対して課されます。復興特別所得税の計算方法は、基準所得税×2.1%です。

 

  1. ≪源泉所得税の計算方法≫

源泉所得税とは、毎月の給与から天引きされる所得税のことです。

所得税は、年に一回年収に対してかかる税金ですが、年に一回の納税では金額が大きく、支払いが負担となってしまいます。そのため、毎月の給与から所得税を概算し、それを引いた金額をアルバイトや会社員に支払う会社が多いです。

 

源泉所得税の計算方法は3種類ありますが、どれも国税庁が公開している「給与所得の源泉徴収税額表」を見れば簡単にわかります。

 

(1)給与計算の場合

給与から引かれる源泉所得税を計算するには、給与が毎月支払われる場合の「月額表」か、日払いや週払いの場合の「日額表」を参照します。

「(収入金額-社会保険料等の控除額)×3.063%」の金額に、扶養親族の数を表から参照し、二つを足して計算します。

 

(2)賞与の場合

賞与にかかる源泉所得税は、「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」を参照しましょう。前月の所得と扶養親族の数から税率を求め「賞与×税率」で計算します。

 

(3)源泉所得税の計算時の注意点

源泉所得税を計算するときは、本人が寡婦・寡夫・勤労学生・障害者の場合、または扶養親族が障害者の場合は、扶養親族を1人多くして計算します。

 

(4)源泉所得税の納付方法

源泉徴収された所得税と復興特別所得税は、源泉徴収を行った翌月の10日までに納付します。「所得税徴収高計算書(納付書)」を作成し、e-taxか所轄の税務署で納付しましょう。

 

ただし、従業員10名未満の事業所では、「源泉所得税の納期の特例」という制度を利用できます。

この制度を利用すると、毎月税務署に出向くことなく、源泉所得税の納付を年2回(1月・7月)にまとめることができます。別途、管轄税務署に「源泉所得税の納期の特例」の届出が必要になります。

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2018/12/25 年末調整って何!?流れや書き方について

経理の求人・人材は派遣より安くて高品質の東京・大阪経理代行へ! 

こんにちは。代表で税理士の古殿哲士です。

 

今年も残すところあと僅かになりました。われわれのような会計事務所は年末調整業務で忙しくなる時期です。

 

1.≪年末調整の流れ≫

 

年末調整というと会社勤めをされている方にとっては、勤務先から渡された書類に必要事項を記入して押印し、生命保険料控除証明書などを貼りつけて提出すれば、年末の給与支給時と同時にプチボーナスがもらえるくらいの感覚かもしれません。

しかし、いざ起業された方にとっては、年末調整は自分でやらなければならない重要な業務となります。

 

まず基本的な仕組み・やり方を経営者としてしっかり理解する必要があります。

そこで今回は、年末調整ついて詳しく説明したいと思います。

 

(1)年末調整とは

年末調整を理解する前提として、まず源泉徴収からおさえておきましょう。

 

源泉徴収とは会社や個人が人を雇って給与を支払う場合、その支払金額に応じた所得税を差し引き、まとめて納税するシステムです。この所得税を差し引いて、国に納める義務のある者を源泉徴収義務者といいます。

この源泉徴収によって給与所得者(サラリーマン)の方は所得税を納めていますが、毎月の給料や賞与から天引きされている所得税は「概算」の金額となります。

 

そのため、1年間の給与総額が確定する年末に、この概算の所得税とその年に納めなければならない所得税とを比べて、過不足額を精算する手続きが必要となります。

 

(2)なぜ過不足が生じるの?

その人によって異なりますが、以下の理由が挙げられます。

 

  • 概算の税額は源泉徴収税額表に基づき、年間を通して毎月の給与の額に変動がないものとして作られていて、実際は年の中途で給与の額に変動があるため
  • 結婚など年の中途で控除対象扶養親族の数などに異動があっても、その異動後の支払分から修正するだけで、遡って各月の源泉徴収税額を修正しないため
  • 配偶者特別控除や生命保険料、地震保険料の控除などは、年末調整の際に控除するため

このような過不足を精算する手続を「年末調整」といいます。

 

給与所得者(サラリーマン)の方は一つの勤務先から受ける給与以外に所得がないか、給与以外の所得があってもその金額が少額であるという人がほとんどです。

年末調整が「サラリーマンの確定申告」などとよく言われるのは、勤務先が行う年末調整によって所得税の精算が済みますので、確定申告の手続きが必要なくなるからです。

 

(3)個人事業主でも年末調整は必要?

個人事業主でも従業員に給料を支払っている場合(源泉徴収義務者になっている場合)には年末調整をする必要があります。配偶者を青色専従者として給与を支払っている場合ももちろん年末調整を行います。

 

2.≪確定申告した方が得する場合って?≫

 

さて、先ほどは年末調整とは?について説明しましたので、今回は年末調整実践編として具体的な流れについて詳しくご紹介していきたいと思います。

 

(1)年末調整業務の流れを確認してみましょう。

①11月末までに行う業務

  • 従業員の方へ扶養控除等申告書、保険料控除申告書を配付する。
  • 配布した申告書に記載・押印をしてもらう。
  • 生命保険料や社会保険料、住宅借入金等の控除証明書を回収する。

 

②12月中に行う業務

  • 回収した書類を確認し、不足資料があれば請求する。

 

③12月給与締日経過後に行う業務

  • 12月支給分の給与・賞与額の計算
  • 1年間の支給合計の算出
  • 所得控除の確認(扶養控除等申告書、保険料控除申告書、配偶者特別控除申告書より)
  • 年税額の計算
  • 税額控除の確認(住宅借入金等特別控除申告書より)
  • 年調年税額の計算

 

④年内最後の給与支給日に行う業務

  • 差額の還付または徴収
  • 給与明細の交付
  • 源泉徴収票の交付

 

⑤翌年1月10日までに行う業務

  • 年末調整による徴収額、還付額を加減算した金額を納付

※源泉所得税の納期の特例の承認を受けている場合には、20日が納期限となります。

 

短い期間でこれだけの事をやらなければならないので年末年始はかなり忙しくなります。

体調管理はしっかりとしておかないといけないですね。

 

(2)年末調整の対象となる人、ならない人は?

年末調整は、原則として給与の支払者に扶養控除等(異動)申告書を提出している人の全員について行いますが、すべての方が年末調整の対象になるわけではありません。

 

例外的に年末調整の対象とならない人もいます。

 

①年末調整の対象になる人

  • 1年を通じて勤務している人
  • 年の中途で就職し、年末まで勤務している人(前職がある方は、必ず前職分の源泉徴収票が必要になります)
  • 12月中に支給期の到来する給与の支払いを受けた後に退職した人 等

 

②年末調整の対象にならない人

  • 年末調整対象となる人のうち、年間給与収入が2,000万円を超える人
  • 年の途中で退職した人(死亡退職、12月支給の給与を受けた後の退職を除く)
  • 2箇所以上から給与をもらっている人で、他のところで年末調整をする人
  • 非居住者
  • いわゆる日雇いの労働者 等

 

<参考>平成28年分 年末調整のしかた

 

3.≪年末調整の書類と控除について≫

 

さて、先ほどは年末調整の流れについて説明しましたので、ここでは具体的に書類や対象となる控除、必要な添付書類について詳しくご紹介していきたいと思います。

 

(1)年末調整の基本はまずこの書類

①給与所得者の扶養控除等(異動)申告書

【この書類により受けられる控除】

配偶者控除、扶養控除、障害者控除、寡婦控除、寡夫控除、勤労学生控除、基礎控除

 

<注意事項>

役員を含む従業員全員分必要になります。本人または扶養親族の扶養区分をしっかりと確認しましょう。

来年分の用紙を回収します。(今回であれば平成29年分)これは来年の最初の給与を支払う前日までに回収しなくてはいけないというルールがあるためで、便宜上年末調整のこの時期に来年分を回収します。

今年分は前年に回収しているという前提です。扶養親族に変更があった人には修正してもらう必要があります。

また年の中途で入社した人は今年分(今回であれば平成28年分)も回収します。

 

②給与所得者の保険料控除申告書 兼 給与所得者の配偶者特別控除申告書

【この書類により受けられる控除】

配偶者特別控除、生命保険料控除、地震保険料控除、社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除

 

<注意事項>

こちらは今年分の用紙を年末調整の時に回収します。(今回であれば平成28年分)

 

また以下の添付資料が必要です。

・生命保険料控除を受ける場合…生命保険料控除証明書

・地震保険料控除を受ける場合…地震保険料控除証明書

・国民年金を払っていた場合…社会保険料控除証明書(あるいは納付の際の領収書)

・小規模企業共済等掛金控除…掛金払込証明書

 

③【対象者のみ】給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書

【この書類により受けられる控除】

(特定増改築等)住宅借入金等特別控除

 

<注意事項>

購入した年は本人が確定申告をしないと受けられませんが、2年目以降の控除は年末調整で受けることができます。

金融機関発行の借入金残高証明書が添付資料として必要です。

 

控除額が確定した後は、いよいよ年調年税額を計算します。

国税庁発行の「年末調整のしかた」を参考にすると良いでしょう。

 

しかし、この計算は手間がかかり手計算でやるにはミスがおきやすいため、基本的には専用ソフトを使うことをオススメします。

年末の時期に本業で忙しい方は税理士事務所や信頼できる経理代行に委託することも選択肢の一つです。

 

※ちなみに年末調整では「医療費控除」「寄附金控除」「雑損控除」の3つは対象になりません。これらの控除がある方は、年末調整を終えた後に確定申告をする必要があります。

 

4.≪年末調整の書類の見方・書き方≫

 

最後に、年末調整の書類の見方・書き方がわからないという方向けに、それぞれの書類の見方と2018年版の書き方を解説していきます。

 

(1)パートでも必要「扶養控除等(異動)申告書」

扶養控除等(異動)申告書とは、「扶養控除」「障害者控除」「寡婦・寡夫控除」「勤労学生控除」を受けるために記入する書類です。正社員ではない、パートやアルバイトの方も入社の際には必ずこの書類を記入します。

2018年から、それまでの書類とは書き方が異なっているため、毎年年末調整をしている方でも注意しましょう。

 

まず、一番上の欄に、あなたの氏名や住所、個人番号、勤め先、給与額など、基本的な情報を書きます。次に真ん中の「源泉控除対象配偶者と控除対象扶養親族」です。

この欄がこちらの書類のメインとなります。

 

2018年に、「配偶者控除」と「配偶者特別控除」の制度が大きく見直しを受けました。

2018年から、これまでになかった「源泉控除対象配偶者」という言葉が登場しています。

 

この源泉控除対象配偶者の条件は、

  • あなたの2018年の所得見積額が900万円以下
  • あなたと生計を一にする配偶者
  • 配偶者の2018年中の所得の見積もりが85万円以下
  • 青色事業専従者として給与の支払を受ける人や白色事業専従者でないこと

となっています。

 

この「所得」とは、配偶者がパートやアルバイトの場合、実際に受け取った給与額(収入)から65万円を引いた金額です。そのため、この条件に当てはまるのは、所得85万円+65万円で、実際に受け取る見込みの給与額が150万円以下の配偶者となります。

ややこしい書き方ですが、配偶者の収入をそのまま記入してしまわないよう気をつけましょう。

 

その下は、この条件に当てはまらない16歳以上の家族について記入する「控除対象扶養親族(16歳以上)」欄です。

70歳以上の父母や祖父母を扶養している場合は「老人扶養親族」となります。同居の場合58万円、同居でない場合は48万円が控除となります。学生やパート・アルバイトで年収103万円以下の19歳〜23歳の家族は「特定扶養親族」で63万円控除です。

それ以外で16歳以上の扶養家族は「一般の控除対象扶養親族」となり、38万円の控除が受けられます。

16歳以下の扶養家族は控除なしなので、一番下の別の項目に記入します。

 

(2)制度が大きく変わった「配偶者控除等申告書」

これは、2018年に配偶者控除・配偶者特別控除の制度が変わったため、名称も変更された書類です。2018年以前は無かった書類なので、年末調整の書類の書き方は一通りわかっているという方でもしっかり確認しましょう。

結婚していて配偶者がいても、あなたの年収が1220万円以上の場合や、配偶者の年収が201万6000円以上の場合は記入しません。

 

まず、あなたと配偶者の基本的な情報を記入してから、「あなたの合計所得」の見積もりを出します。

「合計所得」は給与の総額ではなく、給与の総額に決まった計算式を用いて算出します。算出ツールもたくさんあるので、インターネットなどで検索してみてください。給与所得以外に副業などで収入がある場合にも記入します。

この合計所得が900万円以下ならA、900〜950万円ならB、950〜1000万円ならCと3つの区分に分かれます。

 

その後あなたの配偶者の合計所得を計算します。あなたの合計所得と同様、給与の総額ではなく専用の計算式で合計所得を求めて記入しましょう。

また、パートなどの給与の他に雑所得や不動産収入がある場合は記載し、自営業の場合は必要経費も記入します。

これの合計額が38万円以下で70歳以上なら①、70歳未満なら②、38〜85万円なら③、85万円〜123万円なら④という区分になります。

 

あなたの区分ABC、配偶者の区分①〜④の組み合わせで控除額が変わる仕組みとなっています。

一番下の欄にこの組み合わせ表があるので、その表に記載された控除額を書いて完成です。

12月時点で配偶者の所得や必要経費の見通しが立たない場合は、1月以降に確定申告で「配偶者控除等申告書」を提出しても構いません。

 

(3)還付金がもらえる「保険料控除申告書」

この書類は、「生命保険」「社会保険」「地震保険」「小規模企業共済掛金」の控除を受ける場合に必要です。特に難しい書き方はないため、基本的に欄の説明ごとに保険証や控除証明書などを見ながら記入すれば大丈夫です。

ただし生命保険料控除の計算だけは複雑なので、各生命保険の計算ツールなどを使って金額を算出しましょう。

 

(4)住宅ローン控除の「住宅借入金等特別控除申告書」

こちらはローンを使って住宅を購入した方で、現在もローン返済中の方が対象になる書類です。

住宅を購入した最初の年は、自分で申請して確定申告も必要です。確定申告が受理されると、数ヶ月後に税金が還付されることになっています。2年目からは確定申告は必要なく、年末調整で申請することが可能です。

この「住宅借入金等特別控除申告書」は、1年目の確定申告が受理された後、その先9年分の9枚の書類が送付されてきます。

9年間毎年申請しなければいけないので、紛失に気をつけましょう。

 

まず、「新築又は購入に係る借入金等の年末残高」に、12月末時点のローン残高を記入します。次に「家屋又は土地等の取得対価の額」、つまり土地や住宅を買った値段を書きます。その後、「家屋の総床面積の土地全体に対する割合」を記入します。

そして、「新築又は購入に係る借入金等の年末残高」か「家屋又は土地等の取得対価の額」のどちらか金額が低い方に、「家屋の床面積の土地全体に対する割合」を掛けます。

これが「住宅借入金等特別控除額の計算の基礎となる借入金等の年末残高」です。

 

この金額の1%が「住宅借入金等特別控除額」となり、年末調整や確定申告が受理された後に還付される金額となります。

年末調整や確定申告が受理されると、その年の12月の給与や1〜2月の給与に上乗せされる形で還付金が返ってきます。

 

(5)年末調整を書くときに注意すべきポイント

年末調整を書くときに注意すべき3つのポイントについて解説していきます。

 

  • 必要な書類は厳重管理しましょう

源泉徴収票や保険の証書など、年末調整や確定申告に必要な書類は厳重に管理しましょう。

もし失くしてしまうと、会社や保険会社に再発行を頼まなければならず、非常に手間も時間もかかります。万が一、会社が定めている期限までに年末調整の書類が揃わないと、周りに迷惑がかかるだけではなく自分で確定申告をする手間も増えてしまいます。

周りのためにも自分のためにも、書類の管理は万全にしておきましょう。

 

  • 所得ではなく収入を記載すること!

先の項目でも解説しましたが、「給与総額」と「収入額」は違います。間違った金額を記載すると、余計な税金を支払うことにもなりかねません。

税金に関する書類には、普段使わない独特な言葉も多いです。自分で適当に解釈して記入せず、わからない言葉があったら調べたり、会社の経理担当者に聞いたりしてみましょう。

 

  • 〇のつけ方には注意が必要

特に間違えても計算には影響が出ませんが、意外と間違える人が多いのが○の付け方。書類に記載する内容をきちんと理解せず、トンチンカンな場所に○をつけているととても恥ずかしいです。

特に多いのが、扶養親族の「同居老親等」の欄。書類の大きさの都合で改行してあり「同居」「老親等」とも読めるので、老親ではない自分の子供に対して「同居」に○を付けている人が多いです。

 

勘違いで間違った書き方をしていると恥をかいてしまうので、書き方をわかっているつもりでも一つ一つの項目を確認しながら書類を作成しましょう。

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