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2019/09/04 単式簿記とは?【複式簿記との違いを解説】

単式簿記とは、2つある帳簿付けの方法のうちシンプルで簡単なものです。簿記の知識がなくても帳簿付けをすることが可能ですが、複式簿記より記録しておける内容が少ないのがデメリット。

 

今回は、そんな単式簿記と複式簿記の違いや、単式簿記で帳簿付けする方法を具体的に解説していきます。

メリット・デメリットを把握して、自分に最適な帳簿付けの方法を選びましょう。

 

 

1.≪単式簿記とは?≫

単式簿記とは「簿記」の記帳方法の一つです。対になる言葉として「複式簿記」があり、単式簿記の方が複式簿記よりもシンプルで簡単です。

 

そもそも「簿記」とは、会計報告を行うために帳簿をつけること。この帳簿を元に会計業務を行い、会社や個人事業の財務状況を報告します。

 

(1)単式簿記と複式簿記の違い

単式簿記と複式簿記の違いは、1回の取引につき、1つの項目を使うか、複数の項目を使うか。

単式簿記では「収入or支出」と「勘定科目」「金額」のみを一列に書き記します。複式簿記では帳簿を左右で「借方」と「貸方」に分け、借方と貸方の金額が同じになるように記帳していきます。

 

言葉の説明だけではわかりづらいので、具体的な例を見ていきましょう。

同じ取引を単式簿記と複式簿記のそれぞれの方法で記帳すると、以下のようになります。

 

例1 ◯月◯日、金融機関から100,000円の借り入れを行なった場合

 

単式簿記:◯月◯日 収入 借入金 100,000円

複式簿記:◯月◯日 普通預金 100,000円 / 借入金 100,000円

 

例2 △月△日、10,000円の電気代を現金で支払った場合

 

単式簿記:△月△日 支出 電気代 10,000円

複式簿記:△月△日 電気代 10,000円 / 現金 10,000円

 

例3 ×月×日、50,000円の商品を売って現金を受け取った場合

 

単式簿記:×月×日 収入 商品売上 50,000円

複式簿記:×月×日 現金 10,000円 / 商品売上 10,000円

 

そして、これらの取引が行われた後、単式簿記の帳簿は以下のようになっています。

◯月◯日 収入 借入金 100,000円

△月△日 支出 電気代 10,000円

×月×日 収入 商品売上 50,000円

 

単式簿記の場合は、お金の出入りを「収入・支出」の2パターンのみで管理します。そのため、収入の総額から支出の総額を引けば、収益がプラスかマイナスかがすぐにわかります。

この例だと、借入金10万円から支払いで1万円が減り、そのあと5万円の売上が入ったので、現在「14万円」のプラスだということがわかりますね。

ただし、「預金」「現金」という区別はないので、口座にあるべき金額はいくらか、手元にあるべき金額はいくらかということはわかりません。

 

また、単式簿記ではあとで返済する必要がある借入金も「収入」として計算してしまうので、最終的に手元に残る利益は「4万円」だという情報もわかりません。

さらに、帳簿を付け始める以前の預金額や借り入れ総額もわからないので、会社の会計の大枠を把握するのは難しいです。

 

次に、同じ取引が行われた後の複式簿記の帳簿を見てみましょう。

 

◯月◯日 普通預金 100,000円 / 借入金 100,000円

△月△日 電気代 10,000円 / 現金 10,000円

×月×日 現金 50,000円 / 商品売上 50,000円

 

こちらでは、例えば「電気代を支払った」という情報だけではなく、「電気代を現金で支払った」という情報がわかります。借入金の10万円は普通預金に入り、現金として手元にあるのは4万円だという情報もわかりますね。

複式簿記は単式簿記よりも書き方が複雑ですが、複式簿記の帳簿からは単式簿記よりも多くの情報が読み取ることができるのです。

 

また、複式簿記の場合は、お金の出入りを「資産・負債・純資産・収益・費用」の5つに分けて管理します。

上記の取引だと、「借入金」は「負債」、「電気代」は「費用」、「商品売上」は「収益」です。

 

そして、会計業務の際はこの帳簿をもとに「貸借対照表」と「損益計算書」を作成します。

これは「資産・負債・純資産・収益・費用」それぞれのカテゴリの総額はいくらなのかを算出するものです。これにより、会社がどのような財務状況にあるのかを詳しく分析することが可能になります。

 

(2)単式簿記は目的のみを記録する

単式簿記では、取引により現金が増えたのか・減ったのかという「収入・支出」と、その取引の目的のみを記録します。

「収入」のカテゴリになるのは、勘定科目でいうと借入金・売上金・事業主貸など。逆に「支出」になる勘定科目は、地代家賃・仕入・水道光熱費・通信費・給料賃金など全ての出費です。

 

そして、単式簿記では取引の「手段」の記録はしません。

手段というのは、現金のやりとりがあったのか、クレジットカードや売掛・買掛などで後払いになったのか、口座に振り込みをしたのか…などの支払い方法のことです。そのため、取引にかかった金額の出所はどこなのか、どこに入ったのかという情報はわかりません。

 

個人事業主や規模の小さい会社で、複雑な取引はなく現金の出入りさえわかればいいという場合は単式簿記でも十分です。

しかし大規模な会社では詳細な財務状況の把握が必要になるので、単式簿記が採用されることはほぼありません。

 

2.≪単式簿記のメリット・デメリット≫

それでは、単式簿記のメリット・デメリットを見ていきましょう。

 

(1)単式簿記のメリット

  • 簿記の知識がなくても記帳できる
  • 現金のプラス・マイナスがすぐにわかる
  • 作業工程数が複式簿記より少ない

 

まず、単式簿記の大きなメリットは簿記の知識がなくても記帳できること。

その取引が「収入」か「支出」なのかということは誰でも直感的にわかりますから、付け間違いも少ないです。家計簿をつける感覚で、誰でも帳簿付けができます。

確定申告も、白色申告なら単式簿記の帳簿付けで問題ないので、大きな控除枠が必要ない場合は手間が省けるでしょう。

 

また、単式簿記の帳簿は「収入-支出」というシンプルな計算で総計ができるので、収益がプラスかマイナスかということが一目でわかります。

詳細な経営状況の分析は必要なく、ざっくりプラスかマイナスかわかればいいという場合も単式簿記で十分ですね。

 

そして、単式簿記の場合は、複式簿記のように「貸借対照表」や「損益計算書」に発展させる必要がありません。

複式簿記が他の会計書類を作るための土台としての意味合いが強いのに比べ、単式簿記はそれだけで完結しているのです。

 

(2)単式簿記のデメリット

  • 経営状況が把握しづらい
  • 青色申告ができず、控除額が減る

 

単式簿記のデメリットは、記録しておける情報が少なく経営状況の把握がしづらいこと。ある程度規模が大きく、借入金や株式の配当、買掛金、売掛金など複雑な取引がある事業の帳簿付けは、単式簿記では無理でしょう。

 

また、確定申告で「青色申告」をするためには複式簿記での帳簿付けが義務付けられています。

10万円・65万円の青色申告控除など、青色申告は税制で優遇されるポイントがたくさん。単式簿記の帳簿ではこの優遇が受けられないので、納税額で損をしてしまう可能性があります。

 

3.≪単式簿記の書き方・記入例≫

先の例では不要な項目を省略しましたが、実際に単式簿記で記帳するときには以下の項目が必要です。

1つの取引ごとに、それぞれの項目を埋めて表を作っていくイメージです。

 

  • 日付
  • 収入or支出
  • 勘定科目
  • 金額
  • 摘要

 

記入例

◯月◯日 収入 借入金 100,000円 A銀行

△月△日 支出 電気代 10,000円 B電力

×月×日 収入 商品売上 50,000円 C株式会社

 

4.≪単式簿記の帳簿を作成する方法≫

単式簿記はノートに手書き・エクセル・会計ソフトなどで簡単に作成することができます。会計ソフトを使えば、最初から必要な項目や勘定科目のリストが用意されているので簡単です。

しかし、単式簿記にはあまり多くの項目は必要ないので、手書きやエクセルで1から作成してもそこまで手間はかかりません。

 

5.≪まとめ≫

単式簿記は簿記の知識がなくても作成しやすく、初心者におすすめの帳簿付けの方法です。収益のプラス・マイナスを一目で把握でき、確定申告も白色申告なら単式簿記の帳簿でできます。

 

ただし、事業が大きくなってくると詳細な経営状況は把握できず、複式簿記に切り替えざるを得ません

単式簿記の帳簿では青色申告もできないため、納税額で損をしてしまうというデメリットも把握しておきましょう。

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2019/08/12 青色申告と白色申告の違いとは?【メリット・デメリットを解説】

確定申告とは、税務署に前年の所得額を申告して納税額を確定させる作業のことです。38万円を超える所得があれば個人・法人ともに行う必要がありますが、うっかり忘れてしまうと追徴課税が課せられることも。

今回は、確定申告の種類である「青色申告」「白色申告」について詳しく解説します。自分に適した確定申告の種類を知っておくことは、大幅な節税にも繋がりますよ。

 

 

1.≪確定申告における青色申告と白色申告の違いとは?≫

確定申告とは、その年にあった収入や控除額を税務署に申告し、納税すべき税額を決める手続きのことです。

 

(1)確定申告の種類

確定申告には青色申告(10万円控除・65万円控除)と白色申告があります。

青色申告と白色申告は、大まかに言うと必要になる帳簿の書き方と控除額が違います。

 

・青色申告(65万円控除):青色申告承認申請書が必要・複式簿記・特別控除65万円+基礎控除38万円

・青色申告(10万円控除):青色申告承認申請書が必要・簡易簿記・特別控除10万円+基礎控除38万円

・白色申告:事前の申請必要なし・簡易な記帳・基礎控除38万円のみ

 

また、青色申告をするのは事業所得を得ている人(個人事業主)や法人と不動産所得を得ている人のみ。

その他の人や、青色申告承認申請書を提出していない人・法人は白色申告を行います。

 

(2)誰が確定申告をする必要がある?

確定申告は個人・法人で38万円以上の所得があった人や、給与以外の収入が20万円以上あった人が行います。

 

・配当所得があった人

・不動産所得があった人

・事業所得があった人(個人事業主)

・給与所得があった人(2箇所以上から給与を得ている人や、職場で年末調整を受けていない人)

・退職所得があった人

・譲渡所得があった人

・山林所得があった人

・一時所得があった人

・雑所得があった人(年金、副業による所得などがあった人)

 

給与所得を1箇所のみから得ていて、所属している会社が年末調整を行なっている場合(一般的なサラリーマンなど)は確定申告する必要はありません。

ただし、給与に加えて副業などの所得があった場合や、住宅購入や寄付などをして控除を受ける場合にはサラリーマンも確定申告の必要があります。

 

(3)確定申告の提出時期・期間は

確定申告の提出期限は、毎年2月16日~3月15日。2月16日と3月15日に土曜日・日曜日が重なる場合には、それぞれ後ろ倒しになります。

 

2.≪青色申告と白色申告のメリット&デメリット≫

それでは、青色申告と白色申告の違いやメリット・デメリットを詳しく見ていきましょう。

 

(1)青色申告のメリット

  • 青色申告特別控除
  • 純損失の繰越し控除
  • 青色専従者給与
  • 少額減価償却の特例
  • 家事按分

 

青色申告のメリットは全部でこの5つ。具体的にどのような利点があるのでしょうか。

 

  • 青色申告特別控除

青色申告の最大のメリットは、白色申告より控除額が大きいことです。「青色申告特別控除」といって、帳簿の付け方によって基礎控除に加えて「10万円」「65万円」の控除枠がもらえます。この控除があると、収入額のうち10万円・65万円が無条件に非課税ということになるので、大幅に所得税を節約できます。

 

  • 純損失の繰越し控除

青色申告では、事業が赤字となった場合、その赤字額を3年まで繰り越すことができます。例えば、1年目は100万円の赤字・2年目も100万円の赤字・3年目は200万円の黒字が出た場合、過去2年の赤字を繰り越して3年目の事業所得を0とすることができます。

1年ごとに税額を計算する白色申告では、3年目の200万円にそのまま課税されてしまうので、収入が年によって不安定な場合も青色申告にメリットがあります。

 

  • 青色専従者給与

青色申告は「専従者給与」でも優遇されています。白色申告の場合、家族など生計を同一にする従業員を雇っていた場合、専従者給与として差し引けるのは、配偶者86万円、その他の親族は50万円と決まっています。一方青色申告では、妥当性のある金額であれば専従者給与に上限が設けられていません。

ただし、このシステムを利用するためには、その年の3月15日までに税務署に「青色事業専従者給与に関する届出書」を提出する必要があります。

 

  • 少額減価償却の特例

白色申告の場合、事業に必要な機材などの購入で、一括で減価償却できるのは10万円までです。10万円を超えた分は、耐用年数に応じて少しずつ経費として計上します。

青色申告ではこの一括減価償却が30万円まで可能。これを「少額減価償却の特例」と言います。一括で経費に算入できる額が大きくなるので課税所得が減り、納税額の調整が可能です。

 

  • 家事按分

自宅などで事業を行なっている場合、「家事按分」といって家賃や光熱費などの一部を経費として算入できるシステムがあります。家事按分自体は白色申告にも認められていますが、青色申告ではその範囲が異なります。

白色申告では家事関連の主な部分が業務に関わっていなければ認められませんが、青色申告では業務に必要なことが明白であれば経費に認められます。

 

(2)青色申告のデメリット

一方で、青色申告のデメリットはこの2つです。

 

  • 青色申告承認申請書が必要
  • 帳簿付けが複雑

 

  • 青色申告承認申請書が必要

青色申告をするためには、その年の3月15日までに「青色申告承認申請書」を提出する必要があります。年度の途中で開業した場合には、開業から2カ月以内に提出しなければならなりません。

そのため、確定申告直前に、いきなり「青色申告をしよう!」と思い立ってできるものではないのです。

 

  • 帳簿付けが複雑

青色申告の65万円控除を受けるためには、複式簿記で帳簿をつけなければいけません。手書きで複式簿記をつけるには、専門的な知識が必要ですし手間もかかります。

手間を減らすために会計ソフトを利用したり、税理士事務所に依頼したりするためにもコストがかかるというのがデメリットです。

 

(3)白色申告のメリット

白色申告のメリットは、記帳が簡単で手間が少ないことです。収支内訳書に売上や経費などを記入するだけの、シンプルな帳簿で申告が認められます。

青色申告のように事前申請等も必要がないので、節税よりも時間の節約を選びたい場合におすすめです。

 

(4)白色申告のデメリット

白色申告のデメリットは、以下の2つです。

 

  • 特別控除枠がない
  • 赤字を繰り越せない

 

  • 特別控除枠がない

白色申告で受けることができる控除は、どんな人も無条件で受けられる「基礎控除38万円」のみ。帳簿付けの手間は実質的に「青色申告10万円控除」と変わらないため、青色承認申請書を提出するだけで、追加で10万円の控除を受けることができます。

 

  • 赤字を繰り越せない

先の項目でも触れましたが、白色申告では青色申告とは違い赤字の繰り越しができません。そのため、赤字の年は青色・白色ともに非課税になりますが、黒字の年は過去の赤字で所得を打ち消せない白色申告の方が税額は重くなります。

業績が赤字と黒字を繰り返している場合には、青色申告の方が適しているのです。

 

3.≪個人の青色申告・白色申告について≫

それでは、個人が確定申告をする場合の流れについて、詳しく見ていきましょう。

 

(1)個人は「所得税」

個人が確定申告を行う目的は「所得税」の金額を算定するためです。ちなみに住民税も同じ所得額から計算されるので、「住民税」の金額もここで確定します。

 

(2)個人の青色申告・白色申告の流れ

個人が確定申告をする場合の流れは、以下の5ステップです。

 

  1. 青色申告の場合、「青色申告承認申請書」を提出する
  2. 請求書や領収書を保管しておく・帳簿をつけておく
  3. 確定申告書を入手する
  4. 確定申告書に記入する
  5. 確定申告書を提出する

 

  • 青色申告の場合、「青色申告承認申請書」を提出する

繰り返しになりますが、青色申告をするためには事前に申請が必要です。

また、個人で青色申告が認められるのは「個人事業主」のため、「開業届」を提出して事業主になる必要があります。

 

  • 請求書や領収書を保管しておく・帳簿をつけておく

確定申告には1年分の収支の証明が必要です。1月1日~12月31日までの収支を、それぞれの申告に必要な方法で記録し、その証明となる請求書・領収書を保管しておきましょう。

 

  • 確定申告書を入手する

確定申告書は税務署や市区町村役所の税務課で直接入手したり、税務署のホームページからダウンロードしたりできます。

 

  • 確定申告書に記入する

①住所・氏名などの基本情報を記入する

②所得金額を項目別に記入する

③控除額を項目別に記入する

  • 所得金額から控除額を差し引き、課税所得を算出する

④課税所得を元に納税額を計算し、記入する

 

⑤確定申告書を提出する

確定申告書の提出は、所轄の税務署の窓口に直接提出・郵送・e-Tax3つの方法で行えます。

提出時に必要な書類は、以下の通りです。

  • 確定申告書
  • 収支内訳書(白色申告の場合)
  • 青色申告決算書(青色申告の場合)
  • 医療費控除の明細書(医療費控除を受ける場合)
  • 源泉徴収票(給与所得があった場合)
  • 寄附金の受領証明(ふるさと納税等、寄付をした場合)

 

(3)青色申告向きなのはこんな人

青色申告に向いているのは、以下のような人です。

 

  • 個人事業主・不動産所得がある人・山林所得がある人
  • 特別控除を受けて節税したい人
  • 複式簿記で帳簿付けができる人
  • 年によって年収にばらつきがある人
  • 家族・親族を従業員として雇用している人
  • 自宅で仕事をしているなど家事按分で節税できる人

 

(4)白色申告向きなのはこんな人

  • サラリーマンなど、個人事業主以外の人
  • 給与所得や副業での所得など、青色申告できない所得がある人
  • 帳簿付けが手間だと感じる人

 

青色申告で申告できるのは「事業所得」「不動産所得」「山林所得」のみです。その他の「給与所得」「退職所得」「雑所得」などの収入があった場合には、青色申告はできません。

青色申告の方が白色申告よりメリット面が大きいので、基本的には青色申告できない所得があるかどうかが白色申告をするべき人の見分け方です。

 

4.≪会社の青色申告・白色申告について≫

最後に、会社が確定申告をする場合の流れについて見ていきます。

 

(1)会社は「法人税」

会社が確定申告をするのは「法人税」の納税額を確定するためです。法人の種類と規模によって適用される法人税率が異なるため、自社の法人税率を事前に把握しておきましょう。

 

(2)法人税申告の青色申告と白色申告の流れ

法人税申告の際の流れは、次の4ステップです。

 

  1. 決算の確定
  2. 税務調整をする
  3. 添付書類を用意する
  4. 法人税申告書を提出する

 

決算の確定

法人税の確定申告には、まず決算の確定が必要です。会計上のルールに従って、その年の収支や財務状況を整理します。

 

②税務調整をする

会計上の利益を税務上の利益に適応させるため、調整を行います。そして、法人税申告書の別表を使い、課税所得と法人税額を計算して記入します。

 

③添付書類を用意する

法人税の確定申告に必要な添付書類を準備します。

必要な書類は、以下の5つです。

  • 貸借対照表
  • 損益計算書
  • 株主資本等変動計算書
  • 勘定科目内訳書
  • 法人事業概況説明書

 

④法人税申告書を提出する

添付書類と法人税申告書を税務署に持参するか、郵送・e-Taxで提出します。

 

(3)便利な会計ソフト

法人であれば多くの場合税理士に確定申告を依頼しますが、そうではない場合は会計ソフトが便利です。必要項目を入力するだけで、帳簿付けや確定申告書の作成が自動で完了します。

税理士に丸投げするよりは手間や知識が必要になりますが、コストを大幅に節約することが可能です。

 

5.≪まとめ≫

青色申告には、10万円・65万円の特別控除枠をはじめとしたメリットがたくさん。白色申告にも帳簿付けが義務付けられたので、手間の面では青色申告もあまり大きな差がありません。

所得税・法人税を節税したい場合や、年によって所得にばらつきがある場合は、青色申告が断然有利です。

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2019/07/24 確定申告書の種類・提出方法を解説!

確定申告の書類は種類が色々あって、毎年混乱してしまいますよね。また、普段は確定申告をしないサラリーマンの方も、特定の収入・出費があったときは確定申告をする必要があります。

今回は、確定申告のどの種類の書類が、どんなケースで必要になるのかを具体的に解説していきます。作成した書類の提出方法もご紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。

 

 

1.≪確定申告の用紙の種類≫

確定申告の種類は大きく分けて2種類で、

 

・確定申告書A

・確定申告書B

 

があります。

 

さらに、特定の収入や支出があった時には

・申告書第三表

・申告書第四表

・申告書第五表

・住宅借入金特別控除額の計算明細書

・医療費の明細書

という添付書類も必要です。

 

それぞれについて、詳しく解説していきます。

 

(1)「確定申告書A」

確定申告書Aを使うのは、

・会社員・パート・アルバイトで勤務先からお給料をもらっている人

・老齢年金をもらっている人

・株の配当金をもらっている人

・生命保険の一時金をもらった人

などです。

 

  • 4つの所得に特化

確定申告書Aが対応している所得の種類は、

 

・給与所得:給与・俸給・賃金・賞与など

・雑所得:国民年金・厚生年金・恩給・確定給付企業年金・確定拠出年金・外国年金など

・配当所得:株式などの配当・投資信託の収益の配当など

・一時所得:生命保険の一時金・損害保険の満期払戻金・賞金・懸賞の当選金・ギャンブルの払戻金など

 

の4つのみです。

これ以外の所得がある人は、確定申告書Bを使います。

 

  • 年末調整を受けていない人などが使える

一般的に確定申告書Aを使うのは、会社員・アルバイト・パート、年金受給者などで年末調整を受けていない人です。一般的な会社では、年末調整が行われるため確定申告の必要はありません。

 

具体的に確定申告書Aが必要なケースとしては、

・アルバイトなどを掛け持ちしていて複数箇所から給与を得ている場合

・年末調整に算入されない一時所得があった場合

・公的年金の収入金額が、公的年金等控除+基礎控除の合計額(108〜158万円)を上回る場合

などが挙げられます。

 

  • 予定納税がある場合は使用不可

確定申告書Aは予定納税がある場合は使用できません。予定納税とは、前年の所得税が15万円以上だった場合に前払いで納める税金のことです。

 

(2)「確定申告書B」

確定申告書Bは、確定申告書Aよりも項目が多く、多様な所得に対応している確定申告書です。

・アパートやマンションの経営をしている人

・フリーランスで仕事をしている人

・自営業者

などが確定申告書Bを使用します。

 

  • 10種類すべての所得に対応

確定申告書Bは、全ての所得の区分に対応しています。区分は以下の10種類です。

 

・給与所得:給与・俸給・賃金・賞与など

・雑所得:国民年金・厚生年金・恩給・確定給付企業年金・確定拠出年金・外国年金など

・配当所得:株式などの配当・投資信託の収益の配当など

・一時所得:生命保険の一時金・損害保険の満期払戻金・賞金・懸賞の当選金・ギャンブルの払戻金など

・利子所得:公社債や預貯金の利子、貸付信託や公社債投信の収益の分配など

・不動産所得:不動産、土地の上に存する権利、船舶、航空機の貸付けなどから生じる所得

・事業所得:商業・工業・農業・漁業・自由業など、事業から生じる所得

・退職所得:退職金など

・山林所得:5年を超えて所有していた山林を伐採して売ったり、又は立木のまま売った所得

・譲渡所得:資産を売却して得た所得

 

参考:金融広報中央委員会 知るぽると

 

  • 給与所得・雑所得・配当所得・一時所得だけでもok

確定申告書Aに対応している給与所得・雑所得・配当所得・一時所得しかない人も、確定申告書Bを使用することが可能です。記入できる項目は確定申告書Bの方が多いですが、確定申告書Aを使える人はその部分が空欄になるだけです。

確定申告書Bが正式なバージョン、確定申告書Aは簡易バージョンと考えるとわかりやすいですね。

 

  • 退職金を貰った人や個人事業主、誰でも使える

確定申告書Bは、確定申告書Aに記載できない所得がある人全てが使えます。

例えば、

・退職金をもらった人

・個人事業主やフリーランスで仕事をしている人

・不動産収入を得ている人

など、給与所得以外で生活している人が主に該当します。

 

  • 青色・分離・国出・損失・修正とは

確定申告書Bには、氏名や住所を書く欄の下に「種類」という項目があります。青色・分離・国出・損失・修正と種類が並んでいて丸をつけるようになっていますが、これらは以下のような意味を持っています。

 

・青色:青色申告(個人事業主向けの、特別控除が受けられる申告方法)を行う人

・分離:分離課税(特定の所得をほかと分けて計算する申告方法)を行う人

・国出:国外転出時課税制度が適用となる人

・損失:損失申告を行う人

・修正:一度確定申告したあと、修正があり再度提出する人

 

当てはまるもの全てに丸をつけ、確定申告を行います。なお、一つも当てはまらなければ何も書かなくてOKです。

 

(3)(確定申告書Bに添付する)「申告書第三表(分離課税用)」

特定の取引収入があった場合は、確定申告書Bに「申告書第三表(分離課税用)」を添付する必要があります。

 

  • 土地・建物や株式の譲渡、先物取引、FX取引がある人

申告書第三表を使うのは、

・土地・建物の譲渡

・株式などの譲渡

・FX取引や先物取引

などを行った人です。

 

これらの所得は、他の所得と切り離して特定の税率をかける「分離課税」に該当するためです。もし、普段は給与所得のみで生活していても、不動産や株式を売って収入を得たり、FXや先物取引で一定以上の利益を出したりした時には、確定申告Bと申告書第三表が必要になります。

 

(4)「申告書第四表(損失申告用)」

申告書第四表が必要になるのは、以下のようなケースです。

 

・事業やで赤字が出た場合

・株式や不動産、FXなどの取引で赤字が出た場合

・生活に必要な資産が災害・盗難・横領などの被害を受けた場合

 

これらの損失を申告すると、その金額を翌年以降の所得から差し引くことができ、結果的に支払う税金の額が軽減されます。

 

(5)「申告書第四表(損失申告用)付表 東日本大震災の被災者の方用」

損失の中でも、東日本大震災によって資産が被害を受けた場合であれば、申告書第四表に加えてこの付表を記入し提出します。

 

(6)「申告書第五表(修正申告用)」

一度提出した確定申告書に間違いがあり、修正したい場合は「申告書第五表」を用います。

修正申告は必ず追加で税金を納入しなければいけないので、納税者にとって得な手続きではありません。しかし、間違った申告を放っておくと、延滞税やその他の罰金を支払うことになる恐れがあります。そのため、確定申告の内容に間違いが見つかった場合は、なるべく速やかに修正申告をして是正しましょう。

 

(7)「住宅借入金特別控除額の計算明細書」

「住宅借入金特別控除額の計算明細書」は、住宅を購入するためにローンを組んだ人が使用する書類です。

 

  • 住宅ローン控除を受けるための書類

住宅ローン控除とは、住宅ローン残高に合わせて最大40万円(認定長期優良住宅等の場合は最大50万円)の控除を受けられる仕組みのことです。最大10年、計400〜500万円の控除を受けられるお得な制度なので、ローンを組んで住宅を購入した場合は申告しないと絶対に損です。通常、「住宅借入金特別控除額の計算明細書」は住宅ローンを組んだ金融機関から送付されてきます。

 

  • 「確定申告書A/B」に加えて作成するもの

住宅借入金特別控除額の計算明細書は、この1枚だけでは提出できません。

・サラリーマンなど給与収入を得ている人:確定申告書A

・自営業者などその他の収入を得ている人:確定申告書B

と一緒に作成し、提出します。

 

  • 会社員は1年目だけ確定申告 2年目以降は年末調整

会社員の場合、住宅ローン控除のために確定申告が必要なのは最初の1年目のみです。残りの年数分は、会社に「控除証明書」を提出すると年末調整に算入されます。

 

(8)「医療費の明細書」

1年間で10万円以上の医療費を支払った場合、「医療費の明細書」を確定申告書に添付すると、医療費控除を受けられます。

 

  • 医療費控除を受けるための書類

自分や自分が養っている家族の医療費が年間で合計10万円以上かかった時は、医療費控除を受けるために「医療費の明細書」を作成します。

ここでいう医療費には、以下のものが含まれます。

 

・医師に支払った診療費や治療費

・治療や療養に必要な医薬品の購入(風邪を引いた際の薬代等)

・あん摩マッサージ、はり師、きゅう師、柔道整復師に支払った代金

・出産費用

・市販の医薬品

・手術代金(一部例外あり)

・通院や入院のための交通費

 

  • 「確定申告書A/B」に加えて作成するもの

住宅借入金特別控除額の計算明細書と同じく、医療費の明細書はこの1枚だけでは提出できません。

・サラリーマンなど給与収入を得ている人:確定申告書A

・自営業者などその他の収入を得ている人:確定申告書B

と一緒に作成し、提出します。

 

2.≪白色申告と青色申告とは≫

個人事業主の確定申告方法には、

・白色申告

・青色申告

の2種類があります。

 

(1)申告方法の種類

白色申告と青色申告の違いは、以下の通りです。

 

・白色申告:届出不要、簡単な帳簿で提出できるが、節税効果は低い

・青色申告:白色申告より控除額が大きく、節税効果が高いが、複式帳簿が必要となる

 

(2)白色申告とは

白色申告、青色申告の申請書を提出していない事業者が行う確定申告の方法です。

 

  • 届出は不要

白色申告は届出不要で誰でもできる確定申告の方法です。手軽にできる分、控除枠や税制上の優遇措置は用意されていません。

 

  • 単式簿記でOK 比較的手間のかからない申告方法

2014年以前は、白色申告を行うのであれば帳簿付けは義務ではありませんでした。その後白色申告も記帳が義務付けられましたが、青色申告で使う複式帳簿ではなく単式帳簿でもOKとなっています。帳簿付けの手間が少なく、簿記の知識がなくてもできる申告方法です。

 

  • フリーランス収入の少ない人や経費の少ない人におすすめ

白色申告は、比較的収入の少ない人や、あまり経費がかからない人におすすめです。

そもそも収入や経費が多くなければ大きな控除枠は必要ないので、手間のかからない白色申告の方が時間の節約になります。

 

(3)青色申告とは

帳簿付けの手間はかかりますが、青色申告は税制上で優遇されることが多く、ある程度収入がある個人事業主におすすめの方法です。

 

  • 複式簿記で手間はかかるが特別控除が受けられるメリット

青色申告を行うには、複式簿記で記帳した帳簿が必要です。帳簿付けに手間はかかりますが、その分「10万円」または「65万円」の控除が無条件で受けられるというメリットがあります。

 

  • フリーランス収入が多く、節税したい人におすすめ

青色申告がおすすめなのは、ある程度フリーランスで収入があり、節税をしたい人です。

具体的には、所得税率が一気に上がる330万円以上の所得がある人は青色申告の方がお得になります。

 

  • 「青色申告承認申請書」を税務署へ提出する必要がある

青色申告を行うためには、「青色申告承認申請書」を提出しなければいけません。これにより税務署の承認を得て、青色申告をする権利を得られます。

ただし、承認といっても提出内容に不備や問題がない限り、税務署から特に連絡がくることはありません。

 

  • 新規開業時の申告期限

新規事業を開始した初年度から青色申告をしたい場合、開業日から2ヶ月以内に青色申告承認申請書を提出する必要があります。

 

  • 白色申告からの申告期限

すでに白色申告を行なっていて青色申告に切り替えたい場合、その年の3月15日までに青色申告承認申請書を提出します。

 

3.≪確定申告書を提出するには?≫

確定申告書を提出するには、

・WEB(e-Tax)

・税務署へ持参する

・税務署へ郵送する

の3つの方法があります。

 

(1)WEB(e-Tax)で提出可能

WEB(e-Tax)で確定申告書を提出する方法は、ペーパーレスかつ税務署に出向かなくて済むため手軽です。ただし、e-Taxを使用するためには、「電子申告等開始届出書」の提出やICカードリーダライタの購入などの事前準備が必要となります。

 

(2)税務署へ持参する

記入した確定申告書を税務署の窓口に直接持参することもできます。書き方がわからない人向けに相談会なども行われているので、確定申告初心者におすすめの方法です。

ただし、平日の日中しか税務署は開いていない上、確定申告の時期は窓口が混み合うため、提出に時間がかかります。

 

(3)税務署へ郵送する

封筒さえ準備すればいいため、郵送は手軽な提出方法です。提出用封筒と控えを受け取るための返信用封筒を用意し、所轄の税務署の住所へ送ります。

ただし、郵送に日数がかかるのと、もし不備があった場合は返送・再送が必要になるため、期日まで余裕を持って行うのがおすすめです。

 

4.≪まとめ≫

確定申告書の種類は2種類、添付書類には6種類があります。どれが必要なものなのかは自分で判断しなければいけないので、今回の記事を参考に選んでみてください。

また、個人事業主の場合は、白色申告・青色申告からも種類を選ぶ必要があります。青色申告に切り替えるのは、所得330万円をボーダーラインにするのがおすすめです。

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2019/06/04 フリーランスが支払わなければならない税金と納付時期まとめ|節税方法もチェック!

源泉徴収されないフリーランスの方は、自分で支払うべき税金を計算して申告しなければなりません。フリーになったばかりで、どんな税金をどのくらい払えばいいかわからないという方もおられるのではないでしょうか。

 

今回はフリーランスの方が支払うべき税金と、その計算方法をご紹介します。節税に役立つ情報もご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

 

  1. ≪フリーランスの人が納める税金は?≫

フリーランス1年生の中には、どんな税金をどのくらい納めればいいかわからないという方もいるでしょう。

フリーランスの人が納める税金・保険料は以下の6つです。

 

  • 所得税
  • 住民税
  • 国民健康保険料
  • 国民年金保険料
  • 個人事業税
  • 消費税

 

税務上、フリーランスの収入は事業所得にあたります。年間の所得が38万円を超えると所得税が発生し、確定申告が必要となります。その所得税の確定申告に基づき、住民税の納入額が計算されます。

フリーランスの仕事のみで生計を立てている人は、所得税と住民税はほぼ支払わなければならない税金となります。

 

また、フリーランスはサラリーマンのように会社加入の保険に入っていないため、個人として国民健康保険と国民年金に加入します。「税」という名称ではありませんが、これもフリーランスの人が支払わなければならないお金です。

 

そして、個人事業税・消費税は一定の所得や売り上げを超える人のみに課せられる種類の税金のため、フリーランスだから絶対に支払わなければならないという訳ではありません。とはいえ、今は対象ではないという方も、将来売り上げが上がった時のために課税の仕組みを知っておいたほうがいいでしょう。

 

  1. 所得税

先ほど少し触れましたが、所得税は年間の所得が38万円を超える場合に支払う税金です。この金額を超えると、確定申告をして所得税を納める必要が出てきます。

 

(1)収入と所得はどう違う?

税務の計算をする上では、「収入」と「所得」は異なります。

収入とは「売り上げ」のことで、フリーランスの仕事で実際に受け取った金額が全て収入となります。一方所得は、その収入から必要な経費を除いた金額のことを指します。

経費とは、仕事をする事務所の家賃や仕事に必要なパソコン、製造業なら材料の原価、仕事をするためにかかる交通費などです。

節税をするためには、この経費をなるべく多く計上して所得を減らすのがポイントです。

 

(2)所得税の計算方法

所得税は、

 

所得税額=課税所得金額×適用税率-控除額

課税所得金額=事業収入-必要経費-基礎控除(38万円)

 

という式で計算して求められます。

 

適用税率は所得が大きくなるほど大きくなります。控除も様々な種類・段階があり、0〜479万6,000円と幅広いです。そのため、フリーランスの所得税がどのくらいかというのは一概には言えませんが、課税所得が200万円で5〜9万円、300万円で10〜17万円、400万円で20〜30万円くらいが目安です。

 

(3)所得税の節税となる控除

フリーランスが課税所得金額を減らして所得税を節税するためのポイントとしては、先ほど紹介した経費をなるべく多く計上することに加え、控除を効果的に利用することが挙げられます。

 

フリーランスならではの控除には、「小規模企業共済等掛金控除」があります。これは自営業者のための退職金積立制度のようなもので、フリーランスの仕事を廃業した時に掛け金に一定の利率を上乗せした金額を受け取れます。

支払った掛け金全額が控除金額となるため、フリーランスの方はぜひ利用したい制度です。

 

また、青色申告者の特典として与えられる「青色申告控除」もフリーランスならでは。最大65万円の大幅控除なので、可能なら青色申告を目指すのがおすすめです。

 

その他にも控除にはたくさんの種類があるため、自分が該当するものを把握しておきましょう。

 

  1. ≪その他納めなければいけない税金など≫

その他、フリーランスの人が納める税金について、納付方法や金額の目安をそれぞれの項目で解説していきます。

 

(1)住民税

住民税は所得税の確定申告を元に計算されるため、特に申告は必要ありません。金額は「所得割(一律10%)+均等割(世帯割)」という式で求めます。

年間の所得が一定以下の場合は減額や免除という措置もありますが、その基準は自治体によって異なります。目安としては、所得200万円で10〜17万円、所得300万円で20〜27万円、所得400万円で30〜37万円ほどです。課税所得の10%が住民税の概算額になるということもお聞きになったことがあるかもしれません。

 

(2)個人事業税

個人事業税は公共サービスの財源で、事業を行なっている都道府県に納めます。所得が290万円を超えた時に3〜5%の割合で課されます。税率は業種により異なるため、自分の事業の課税割合を知っておきましょう。

特に申告の必要はなく、確定申告を元に納付が必要かどうか判定されて、自動的に納付書が送られてきます。金額の目安は、所得290万円の場合9〜15万円ほどです。

 

(3)固定資産税

固定資産税とは、土地や家屋といった固定資産を持っている人が納めなければならない税金です。その不動産を事業所に使っているのであれば、固定資産税を経費として計上できます。

税額は「固定資産の評価額×1.4%」という式で求めます。例えば評価額3,000万円の不動産を持っていた場合、42万円が目安です。

 

(4)消費税

消費税は2年前の課税売上高が1,000万円以上の場合に課税されます。

計算方法には本則課税と簡易課税の2種類がありますが、本則課税がベーシックです。「消費税 = 売上の消費税-経費の消費税」という式で計算します。

 

(5)国民健康保険・国民年金

国民健康保険の金額や納付方法は都道府県によって異なります。

基本的には世帯割に加算されるため、住民税より高額になるケースが多いです。年ごとに一括、または半期ごとに各市区町村に納め、その金額が確定申告の時に控除されます。

 

国民年金はフリーランスの場合「第1号被保険者」となります。金額は一定の保険料額に保険料改定率(前年度の物価・賃金変動率などを考慮したもの)を掛けて計算します。

支払いは月々で、滞納するとのちに受け取れる年金の額に影響が出るため注意しましょう。

 

(6)フリーランスの税金支払額【計算例】

それでは、具体的にフリーランスの税金支払い額を計算してみましょう。今回は売り上げ600万円・経費150万円という人を例としてみます。

 

事業収入600万円-経費150万円–基礎控除38万円=412万円

 

上記の式で、まずこの人の課税所得金額が412万円ということが割り出せます。全ての税金は、この課税所得金額をベースに計算していきます。

 

そのため、所得税は

 

412万円×適用税率20%-控除額42万7,500円=39万6,500円

 

という計算で39万6,500円となります。

 

住民税や国民健康保険料は、自治体によって異なります。フリーランスで所得400万円であれば、全ての税金を合わせた額は概算で80〜100万円ほどになります。

 

  1. ≪フリーランスの税金対策3選≫

フリーランスの方が税金を節約するには、確定申告の時に対策をとる必要があります。知っているのと知らないのとでは控除額が大きく変わってくることもあるため、しっかりと把握しておきましょう。

 

(1)確定申告時にしっかり経費を申請する

まず、経費をなるべく多く計上して課税所得を減らすのがもっとも大事です。自宅で仕事をしているなら家賃の一部も経費にできますし、交際費や自家用車、私服の購入費用なども工夫次第で経費に計上できます。

あまりにも度がすぎると差し戻しされてしまう可能性もありますが、できる限り経費はしっかりと申請しましょう。

 

(2)控除の手続きを行う

控除額も、工夫次第で大幅に増える場合があります。例えば、フリーランスの仕事で家族を養っている場合、家族の働き方が少し変わるだけで扶養家族にできることもあります。

また、先ほど紹介した小規模企業共済等掛金控除は節税になる上、退職金の積み立てもできる嬉しい制度です。他にも資産運用に興味のある方はイデコ、従業員さんがいらっしゃる個人事業主の方は「旅費規定」を作成して日当を支給すれば節税になります。

こういった制度を見逃さず控除の手続きを行っておくことで、課税所得を減額することができます。

 

(3)節税が期待できる保険や年金に加入する

生命保険や個人年金は支払額によって控除額の割合が異なります。控除を受けて節税ができれば、その分保険料に利息がついたのと同じことになるので積極的に加入しましょう。

また、フリーランスでかつ不安定な業種の場合、年金や保険は万が一の時に役立つというメリットもあります。

 

  1. ≪経費にできる税金と経費にできない税金≫

税金を経費に計上できれば、かなりの節税効果が見込めます。ここでは、フリーランスが経費にできる税金とできない税金をまとめました。

 

(1)経費にできない税金

基本的には、税金は経費にできないと思っておきましょう。所得税や住民税、フリーランスの仕事に使っていない自宅の固定資産税など、ほとんどの税金は経費にできません。

 

(2)経費にできる税金

例外的に、個人事業税は経費に計上することができます。その名の通り事業にかかる税金のため、事業をしていなければ払う必要がないということで経費にできるのです。

 

また、売り上げにかかる消費税も税込経理をしていれば経費に計上することが可能です。

さらに、自宅で仕事をしている場合は、その仕事場にあたる部分の固定資産税も経費として認められます。仕事場として使っている面積の割合を算出し、その割合を固定資産税額にかけて算出します。

 

  1. まとめ

フリーランスの方にかかってくる税金や保険料について概略を解説してきました。フリーランスは、サラリーマンのように源泉徴収されない分、売り上げから支払う様々な税金があります。

滞納は信用問題にも繋がりますので、必ず正しく申告し、納税を行うようにしましょう。経費や控除を利用して、不正のない範囲で節税するのもフリーランスとして大切な知恵です。

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2019/01/15 所得税の計算方法・税率・控除額を解説!

扶養控除を超える年収があるのであれば、誰もが支払わなければならない所得税

雇用形態がアルバイトやパートであっても、扶養控除の範囲を超えると所得税の支払いが発生します。

 

今回は、意外に複雑な所得税の計算方法控除額所得税の種類などを、簡単に理解できるように工夫しながら解説していきます。

 

  1. ≪所得税の計算方法とは?≫

所得税の計算方法は、「課税所得×税率-税額控除額」です。簡単な計算に思えますが、単純に年収に税率をかけて控除額を引けばいいのかというと、実はそうではありません。

所得の種類や「課税所得」の計算方法について、下の項目で解説していきます。

 

(1)所得は10種類に分かれる

所得というと、一般的には会社から毎月支払われる給与というイメージですが、実はその他にもたくさんの種類があります。

「所得」は、収入の得方によって以下の10種類の区分があります。

 

  • 利子所得

預貯金・公社債の利子や、貸付信託・公社債投信の収益の分配などから生じる収入です。

  • 配当所得

株の配当、出資の剰余金や証券投資信託の収益の分配などから得られる収入のことです。

  • 不動産所得

土地・建物・船舶・航空機などの貸付から得られる収入のことです。

  • 事業所得

商業・工業・農業・漁業・自由業などの事業から生じる収入のことです。

  • 給与所得

アルバイト・パートや会社員の人が、勤めている会社から毎月支払われる給与・賞与のことです。

  • 退職所得

退職時に得られる収入のことです。

  • 山林所得

5年以上所有している山林を売った時(伐採しても立木のままでも)に得られる収入です。

  • 譲渡所得

事業用・家庭用の資産を譲渡した時に得られる収入です。

  • 一時所得

賞金や満期保険金など、一時的な収入のことです。

  • 雑所得

年金・恩給・原稿料・印税など、上のどの項目にも当てはまらない収入のことです。

 

(2)課税所得の計算方法

課税所得とは、収入金額(実際に稼いだ金額・毎月給与所得を得ている方の場合「年収」)から必要経費・社会保険控除・基礎控除などを引いた金額です。

会社勤めで毎月給与をもらっている方は、いわゆる「手取り」+「所得税」が課税所得です。

 

パートやアルバイト、フリーランスなどで毎月給与から源泉徴収されていない場合、

 

課税所得=総支給額(基本給・残業代・手当)-非課税の手当-所得控除

 

という計算式となります。

「非課税の手当」とは、通勤手当や旅費など課税対象ではない収入のことです。

 

(3)所得税計算に含まれない特定支出控除の例

特定支出控除とは、業務に関わる支払いが多い場合、年収から必要経費として控除できる制度です。平成24年にこの制度が見直されて対象項目が広くなり、利用できる人が多くなりました。

 

特定支出控除を利用できる例としては、

 

  • アルバイトや派遣社員で、毎月通勤にかかる費用を自己負担している場合
  • 転勤した場合の引っ越し費用
  • 単身赴任者が帰宅するための旅費
  • 業務に関する研修費用を個人で支払った場合
  • 業務に関する本や新聞を購入した費用
  • 業務に必要な衣服を購入した費用
  • 業務に必要な資格を得るための費用
  • 業務に関する接待費用

などがあります。

 

毎月会社が源泉徴収しているアルバイトや会社員の方も、これらの領収書を保存しておけば確定申告で還付金が戻る場合もあります。

また、フリーランスや事業主の方も、特定支出控除の制度を知っておくと毎月の支出を必要経費として処理できるかもしれません。

 

(4)超過累進税率とは?

所得税は、累進課税制度を採用しています。累進課税制度とは、簡単にいうと年収が高くなるほど税率が上がる仕組みのことです。

所得税の税率は、年収195万円以下で0%、年収4,000万円以上で45%と、かなり大きな差があります。

年収の金額と所得税の税率の関係は、以下の通りです。

 

〜195万円:0%

195〜330万円:10%

330〜695万円:20%

695〜900万円:23%

900〜1,800万円:40%

1,800〜4000万円:45%

 

ただし、この方法で簡単に計算してしまうと、不公平が生じてしまいます。

 

例えば、年収330万円のAさんと年収331万円のBさんがいた場合、

Aさん→330万円×10%で所得税33万円

Bさん→331万円×20%で所得税66万2,000円

となってしまいます。

 

その不公平を埋めるのが「超過累進税率」です。超過累進税率とは、簡単にいうと「一定額を超過した金額にのみ高い税率で課税する制度」です。

 

先ほどのAさんとBさんの例でいうと、

年収330万円のAさん→先ほどと同じく所得税33万円

Bさん→(330万円×10%)+(1万円×20%)という計算となり、所得税は33万2,000円です。

 

そのため、アルバイトやフリーランスの方が自分で所得税を計算するときは、自分の年収から一段階下の年収上限を引いて、超過した分にのみ高い税率をかけるという方法で計算します。

 

(5)一定額を控除する給与所得控除とは?

給与所得控除とは、会社員やアルバイトで、会社から毎月給与をもらっている場合に発生する控除です。

これは簡単にいうと、アルバイトや会社員の必要経費を清算するためにある制度です。

源泉徴収されないフリーランスや事業主の場合は、収入から必要経費を引いて所得を計算しますが、会社勤めの場合、業務のために購入した衣服や靴などを逐一会社に報告して計算するのは現実的ではありません。そのため、年収の額に合わせて一定額を控除し、所得税がかからないようにするのが、この「給与所得控除」です。

 

アルバイトや会社員で、この控除額以上の支出があった場合には、上の項目で解説した「特定支出控除」の制度を利用することができます。

 

(6)大幅な節税になる税額控除とは?

税額控除とは、「いったん計算された所得税からさらに引かれる金額」のことです。控除額が大きいので、これを利用すれば所得税が0円になることもありえます。

 

税額控除には、「配当控除」「外国税額控除」「認定NPO法人等寄付金特別控除」「住宅借入金等特別控除」「住宅耐震改修特別税額控除」「試験研究を行った場合の所得税額等の特別控除」など、全部で19の項目があります。簡単にいうと、国の認定を受けたNPO団体に寄付する、住宅を購入する、住宅に耐震工事をするなど、国が推進している行いをした人に対し、税額を軽くしてサポートする制度です。

一般のアルバイトや会社員はあまり頻繁に利用する制度ではありませんが、頭に入れておくと節税に役立ちます。

 

(7)所得税及び復興特別所得税の申告納税額の計算方法

復興特別所得税とは、簡単にいうと東日本大震災による被災地復興の財源確保のためにある特別措置の国税です。

2013年1月1日~2037年12月31日の間に支払われた所得に対して課されます。復興特別所得税の計算方法は、基準所得税×2.1%です。

 

  1. ≪源泉所得税の計算方法≫

源泉所得税とは、毎月の給与から天引きされる所得税のことです。

所得税は、年に一回年収に対してかかる税金ですが、年に一回の納税では金額が大きく、支払いが負担となってしまいます。そのため、毎月の給与から所得税を概算し、それを引いた金額をアルバイトや会社員に支払う会社が多いです。

 

源泉所得税の計算方法は3種類ありますが、どれも国税庁が公開している「給与所得の源泉徴収税額表」を見れば簡単にわかります。

 

(1)給与計算の場合

給与から引かれる源泉所得税を計算するには、給与が毎月支払われる場合の「月額表」か、日払いや週払いの場合の「日額表」を参照します。

「(収入金額-社会保険料等の控除額)×3.063%」の金額に、扶養親族の数を表から参照し、二つを足して計算します。

 

(2)賞与の場合

賞与にかかる源泉所得税は、「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」を参照しましょう。前月の所得と扶養親族の数から税率を求め「賞与×税率」で計算します。

 

(3)源泉所得税の計算時の注意点

源泉所得税を計算するときは、本人が寡婦・寡夫・勤労学生・障害者の場合、または扶養親族が障害者の場合は、扶養親族を1人多くして計算します。

 

(4)源泉所得税の納付方法

源泉徴収された所得税と復興特別所得税は、源泉徴収を行った翌月の10日までに納付します。「所得税徴収高計算書(納付書)」を作成し、e-taxか所轄の税務署で納付しましょう。

 

ただし、従業員10名未満の事業所では、「源泉所得税の納期の特例」という制度を利用できます。

この制度を利用すると、毎月税務署に出向くことなく、源泉所得税の納付を年2回(1月・7月)にまとめることができます。別途、管轄税務署に「源泉所得税の納期の特例」の届出が必要になります。