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2020/06/04 会社設立時の登録免許税とは?納付方法・軽減措置も解説

会社設立時の登記手続きを行うには、「登録免許税」を納める必要があります。

この登録免許税は、会社設立をする以上は必ず納めなければならない費用です。

 

今回は、そんな登録免許税の金額や計算方法、納付方法をお伝えいたします。

新規起業で利用できる、登録免許税の軽減措置についても解説しますので、ぜひ最後までお読みください。

 

1.≪会社設立時に発生する登録免許税とは≫

登録免許税とは、登記・登録・特許・免許・許可・認可・認定・指定・技能証明を行うときに、国に納める税金(国税)です。

様々な手続きに際して課せられる税金なので、金額や計算方法は一定ではなく、個別の手続きごとに定められています。

 

会社設立時には、設立登記を行うために法務局に登録免許税を納めます。

会社関連だと、他には会社の登記内容(定款・代表者・所在地など)を変更したい時にも、登記手続きごとに課税されます。

 

その他、一般の方に身近な登録免許税といえば不動産関連のものがあり、不動産の取得や名義変更をした時に登録免許税がかかります。

 

(1)算出方法

会社設立時の登録免許税の金額は、会社形態と資本金額によって決まります。

株式会社・合同会社それぞれの形態ごとの、登録免許税の金額は以下の通りです。

 

・株式会社の場合

資本金2,143万円未満の会社:15万円

資本金2,143万円以上の会社:資本金額×0.7%

 

・合同会社の場合

資本金857万円未満の会社:6万円

資本金857万円以上の会社:資本金額×0.7%

 

(2)払わない・足りない場合は?

会社設立時に、登録免許税を払えない、または足りないという場合は、当然会社設立はできません。

登録免許税は登記手続き時に必ず納めなければならないものなので、「お金がないから払えない」「支払いを待ってほしい」ということはできないのです。

 

しかし、登録免許税全額の納付が厳しい場合には、減免を受ける方法もあります。

その方法とは、各自治体の「創業支援事業」を利用することです。

この創業支援事業については後の項目で詳しく解説いたしますが、適用されると登録免許税が半額になります。

 

創業支援事業の条件を満たせなかったり、半額でも支払いが厳しかったりいという場合は、会社設立を諦め、登記が必要ない「個人事業主」として事業を始める選択肢もあります。

 

2.≪会社設立での登録免許税の納付方法≫

次に、会社設立の登記手続き時に登録免許税を納める方法と、その注意点についてお伝えしていきます。

 

(1)納付方法は2種類

登録免許税の納付方法は、

・収入印紙

・現金

の2種類があります。

 

収入印紙

1つ目の方法は、登記申請の手続き時に、印紙貼用台紙に金額分の収入印紙を貼り付けて提出する方法です。

印紙貼用台紙と登記申請書をホチキスで留め、契印をして提出します。

 

台紙に使う紙には、特に指定はありません。A4のコピー用紙などを用いるのが一般的です。

法務局の窓口で申し出れば、台紙をもらうこともできます。

 

現金

もう一つは、現金で納付する方法です。

登記申請前に、法務局が指定する銀行口座に指定金額を振り込みます。

 

振り込み時に銀行でもらった領収書・領収書控えを印紙貼用台紙に貼り付けて登記申請することで、支払い済の証明ができます。

このとき、領収書控えは切り取らず、領収書と一緒に貼り付けるようにしてください。

 

(2)納付時の注意点

登録免許税の納付時には、以下のポイントに注意しましょう。

 

・印紙の種類

・割り印

・印紙・領収書の扱い方

 

まず、 登録免許税の納付に使える印紙の種類は「収入印紙」です。

登記手数料の納付に使う「登記印紙」とは違うので注意してください。

 

次に、印紙と印紙貼用台紙には、割印を押しません。

印紙貼用台紙と登記申請書に押す契印と、間違えないようにしましょう。

 

最後に、印紙や領収書は、一度印紙に貼り付けたら剥がしてはいけません。

もし、貼り方が曲がってしまったなど単純なミスがあっても、一度剥がして貼り付けたものは受理してもらえない可能性があります。

 

3.≪会社設立時の登録免許税の仕訳はどうなる?≫

会計上、会社設立時に支払った登録免許税は「創立費」に分類されます。

登記手続きが終わるまでは会社そのものが存在していませんが、プライベートではなく会社のために使ったお金なので、もちろん経費に計上できます。

 

例として、株式会社を設立し、登録免許税15万円を支払った場合には、以下のように記帳します。

借方:創立費 150,000円

貸方:現金 150,000円

 

ちなみに、会社設立以外の場面で、会社運営に関して支払った登録免許税は、「租税公課」の勘定科目を使用することが多いです。

 

4.≪会社設立時の登録免許税が軽減される「創業支援事業」とは?≫

「創業支援事業」とは、中小企業支援の一環として、各自治体が実施している制度です。

平成26年に策定された産業競争力強化法に基づき、地域の銀行・信用組合・商工会議所が連携して実施しています。

 

創業支援事業について、減免条件と減免額を解説いたします。

 

(1)減免を受ける方法

創業支援事業で登録免許税の減免が適用される条件は、自治体によって異なります。

 

・事業開始まで(または開始してから)の期間

・前職・個人事業主としての経験

・地域が実施する起業セミナーへの参加

などが条件となっていることが多いです。

 

例として、東京都千代田区の創業支援事業対象事業者の条件は、以下の通りです。

 

1.事業を営んでいない個人で、個人事業の場合は1か月以内、法人設立の場合は2か月以内(下記「特定創業支援事業」を受ける場合はそれぞれ6か月以内)に新たに事業を開始する具体的計画を有すること。 

2.会社が自らの事業の全部または一部を継続して実施しつつ、新たに会社を設立して事業を開始する具体的計画を有すること。 

3.上記1または2で創業してから5年未満であること。

 

出典:https://www.city.chiyoda.lg.jp/koho/shigoto/jigyosho/sogyoshien.html

 

創業支援事業は、各役所の企業支援課や、中小企業支援団体が窓口になっているので、そこから利用申請ができます。

 

(2)登録免許税の減免額

創業支援事業を利用し、各自治体が定めている条件を満たすと、登録免許税の半額が軽減されます。

そのため、株式会社設立なら本来15万円のところが「7万5,000円」、合同会社なら本来6万円が「3万円」になります。

 

また、創業支援事業を利用すると、他にも次のような様々な特典を受けられます。

・無担保、第三者保証人なしの創業関連保証が事業開始6ヵ月前から対象となる

・日本政策金融公庫の新創業融資制度の自己資金要件が充足しているものとみなされる

・日本政策金融公庫の新規開業支援資金の貸付利率の引き下げが受けられる

 

創業支援事業を利用すると、軽減された登録免許税の半額を開業資金にまわすことができ、日本政策金融公庫の貸付条件も有利になります。

これから会社設立をする人なら、自然に利用条件を満たしているということも多いので、知っていることで他の起業家と差をつけられる制度です。

 

日本政策公庫の新創業融資制度について詳しくは、「新創業融資制度のメリット・デメリットと審査のポイント」をご覧ください。

 

5.≪まとめ≫

会社設立時の登録免許税は、株式会社が15万円、合同会社が6万円です。

会社設立をする以上は、避けることができない出費ですので、創立費にあらかじめ盛り込んでおきましょう。

 

新規起業をする方は、創業支援事業を利用すると、登録免許税が半額になります。

一定の条件はありますが、知っておいて損はない制度なので、ぜひ一度起業する地域の制度について調べてみてください。

2020/06/03 合同会社の「代表社員」の役割は?他の役職とはここが違う!

合同会社を設立する際には、「代表社員」という役職を決定します。

代表社員とは、会社の意思決定権を持つ人のことで、実質的に合同会社の最高責任者です。

 

今回は、代表社員の役割、他の役職や肩書きとどう違うかを解説いたします。

代表社員の決め方や変更方法もご紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。

 

1.≪合同会社の「代表社員」とは≫

合同会社の代表社員とは、会社の「代表権」を持つ人のことです。

 

合同会社では会社設立時に出資した人が全員「社員」となり、その全員が平等な意思決定権を持ちます。

しかし、もし社員間で意見の統一ができなかった場合、全ての社員の立場が平等だと混乱を招く可能性があります。

そのため、合同会社は社員の中から代表者を決め、決定権の所在を明確にしておくよう会社法で定められています。

 

代表社員は、この社員の中の代表者のことです。

社員(=出資者=経営者)が1人の場合、当然その人が代表社員となります。

代表社員は合同会社を設立する手続きの最初に決定し、定款や登記簿にも明記されます。

 

代表社員は一般的に認知度が高い言葉だと「社長」と意味合いが近いですが、厳密には違います。

もちろん、「社長=代表社員」という合同会社も多いですが、「代表権」と「社長という肩書」は別物なのです。

例えば、実質的な経営の決定権を持つ「代表社員」とは別の「社長」の肩書を持つ人が、対外的な会議などに出席しているということもありえます。

 

2.≪代表社員の役割と責任≫

代表社員の役割は、会社の様々な意思決定を行うことです。

例えば、取引の最終意思決定や、融資審査の面談への出席、会社の基本事項変更などの手続きなどが、代表社員の仕事です。

 

先にお伝えしたように、合同会社の設立時に出資した社員は平等に経営権を持ちますが、最終的な書類上での決定は代表社員が行います。

当然、その決定により起こった会社への影響は、代表社員の責任となります。

また、多くの場合、代表社員はこれらの意思決定以外にも、社長や役員として会社の実務に携わります。

 

3.≪代表社員と他の役職との違い≫

次に、代表社員と他の合同会社の役職との違いを解説していきます。

 

(1)「業務執行社員」との違い

合同会社には、「業務執行社員」という役職もあります。

業務執行社員と代表社員の違いは、「代表権」があるかどうかです。

業務執行社員が複数人いる場合、その中から代表社員を選び、意思決定権のありかを明らかにします。

 

業務執行社員とは、株式会社でいうと「取締役」に相当する立場で、出資と経営の両方に携わる社員のことです。

合同会社では、会社設立時に出資した人が全員社員になりますが、出資する人の中には「お金を出しただけで、開業後の経営には関わらない」という人がいる可能性があります。

 

そういった場合に、業務執行社員という役職を定め、経営に携わる社員と、出資のみの社員を区別します。

業務執行社員は何人いても問題ありませんが、「業務執行社員」という役職を設ける場合は、それ以外の社員は経営に携わることはできません。

ただし、業務に携わらない社員であっても、業務状況や財産の監視など、監査を行う権限は持っています。

 

業務執行社員が一人だけの場合、その人が代表社員です。

ちなみに、業務執行社員という役職を設ける場合、出資のみの社員が代表社員になることはできません。

 

(2)代表取締役や社長との違い

先にもお伝えしましたが、「会社の代表権を持っていること」と「社内での肩書」は別問題なので、合同会社の代表社員は名刺などで好きな肩書を名乗ることができます。

例として、代表社員は以下のような肩書きを使用することが多いです。

 

・社長

・CEO

・代表

・代表執行役員

・最高経営責任者

 

そのため、「社長」は、他に該当する人がいなければ代表社員が名乗っても良い肩書きの一つです。

 

ただし、合同会社の代表社員が「代表取締役」を名乗ることはおすすめできません。

「代表取締役」は株式会社の代表者が名乗る肩書きなので、会社の形態について誤解を招く可能性があるためです。

代表社員が代表取締役を名乗ったとしても違法ではありませんが、思わぬトラブルに発展するリスクがあるため避けましょう。

 

代表社員は特に名乗るべき肩書きが決まっていないので、その時の気分によって違う肩書きを名乗るという人もいます。

しかし、例えば取引先に渡した資料と名刺で肩書きが違っているなどの事態が起こると、無用な混乱を招きかねません。

代表社員の肩書きは会社設立時に定款などで定め、社内で統一しておきましょう。

 

4.≪代表社員の給与は役員報酬となる≫

代表社員は「社員」という名称ではあるものの、経営に携わる役員です。

そのため、会社が代表社員に支払う給与は役員報酬となります。

 

代表社員の報酬に関わるルールは、株式会社の役員報酬と同じです。

定期同額給与」といって、事業年度開始日から3ヶ月以内に決定した報酬額を、期首から期末まで毎月決めた日にずっと支払い続けます。

 

基本的に、役員報酬の金額は、一度決めると1年間は変更することができません。これは、役員報酬の金額で会社の利益調整をすることを防止するためです。

期首に役員報酬を決定したら、それを証明するために議事録に残しておきます。

 

ただし、会社の経営状況に合わせてやむを得ず報酬額を変更しなければいけない時や、代表社員の社内での立場が変わった時には役員報酬の変更も可能です。

役員報酬の変更について詳しく知りたい方は、「役員報酬を変更するには?覚えておきたいポイントまとめ」をご覧ください。

 

5.≪代表社員の決め方と人数≫

代表社員の選び方には、特に決まりはありません。

立候補、多数決、話し合い、じゃんけん、くじ引きなど、社員全員が納得した上の決定であればどんな方法で決めても良いです。

 

ただし、代表社員は他の社員より多くの役割を持ち、責任も重大です。

決め方にルールはないとはいえ、あまりに安易に決めることはおすすめできません。

 

(1)1名が多いが複数もOK

合同会社の代表社員は、1人に絞ることが多いです。

そもそも社員が1人なら当然代表社員も1人ですし、会社の意思決定権は1人が握っていた方が何事もスムーズに決まりやすいです。

 

ただし、代表社員を複数人にしても、特に問題はありません。

例えば、1つの合同会社で全く分野が違う2つの事業を扱っている、国際的に展開する事業で「国内の責任者」と「海外の責任者」がいた方が良いという場合。

そういったケースでは、代表社員を複数人にして、それぞれ責任を持つフィールドを割り振ることで、より意思決定がスムーズになります。

 

(2)法人にすることも可能

法人とは、会社や団体など「法律上、人格を持つ組織」のことです。

法律上は人として扱われるので、法人が代表社員になることも可能です。

 

ただし、その場合は、実際に業務を遂行する「職務執行者」を選任する必要があります。

この職務執行者は法人の代表者とは限らず、法人の従業員や外部の公認会計士、税理士、経営コンサルタントといった経営の専門家が就任することもあります。

 

6.≪代表社員を変更する方法≫

合同会社の代表社員は、定款や登記簿に記載されているため、変更するためには法務局で登記手続きをする必要があります。

代表社員の変更手続きは、以下の流れで行います。

 

  1. 新しい代表社員を決定
  2. 定款の変更
  3. 変更登記

 

新しい代表社員の選出方法は、「総社員の同意」もしくは「業務執行社員の互選」の2種類があります。どちらの方法で決めるかは、定款に定められています。

また、定款の変更には、基本的に総社員の同意が必要です。

代表社員の変更に伴って社員の退社や追加手続きが発生する際は、その変更についても記載します。

 

最後に、定款の変更から2週間以内に、法務局に必要書類を提出して変更登記の手続きを行います。

変更登記に必要な登録免許税は、変更1件につき1万円(資本金1億円以上の会社は3万円)です。

 

7.≪まとめ≫

代表社員は合同会社の社員を代表し、最終的な意思決定権を持つ役職です。

社長が代表社員を務めることもありますし、社長以外の社員が代表社員となることもあります。

 

代表社員の決め方にはルールはありませんが、重大な責任を負う立場なので、社員全員が納得できる方法で決定する必要があります。

2020/06/02 合同会社から株式会社に変更するには?手続きとメリット・デメリットを解説

合同会社とは、社員が出資者となり、自由度の高い経営ができる会社形式。それに対して、株式会社は、出資者に株式を発行し、株式上場を目指せる会社形式のことです。

組織変更」という登記手続きを行うことで、これらの会社の形式は変更することが可能です。

 

今回は、合同会社を株式会社に変更するメリット・デメリットと、具体的な手続きの方法を解説していきます。

 

1.≪合同会社を株式会社に変更するメリット・デメリット≫

合同会社を株式会社に変更することには、メリットとデメリットの両面が存在します。

組織変更を行う前に、まずは合同会社と株式会社の違いをしっかり理解しておきましょう。

 

(1)メリット

合同会社を株式会社に変更するメリットは、大まかに言うと以下の4つです。

 

・社会的信頼度・知名度アップ

・上場できる

・資金集めがしやすくなる

・事業継承が容易に

 

①社会的信頼度・知名度アップ

合同会社は、2006年から新設された新しい会社の形態なので、まだ世間的な認知度が高くありません。

これに対して、株式会社は、古くからある形態で知名度が高く、社会的な信頼度が高いと言うメリットがあります。

 

実務面でも、株式会社の設立や税務申告には、合同会社より手間やコストがかかります。

そのため、事業への本気度が高いと見なされやすく、高い信用を得られるのです。

 

②上場できる

当然のことではありますが、会社形態を株式会社に変更すると、株式を発行することができるようになります。

株式上場は株式会社にしかできないため、将来的に事業を大きくしたい場合には株式会社に組織変更するのがおすすめです。

 

③資金集めがしやすくなる

また、上記2つのメリットは、資金集めのしやすさに直結します。

社会的信用度が高ければ金融機関から高額融資を引き出しやすくなりますし、株式が発行できれば株を売ることで投資家からの出資が受けられます。

 

④事業継承が容易に

株式会社は、株の持ち主が亡くなると相続人に株式の所有権が移るため、事業継承がしやすいです。

合同会社の場合、創立者が亡くなっても出資した資本金が相続されることはないため、事業継承を考えるタイミングで組織変更をするケースも多くなっています。

 

(2)デメリット

逆に、合同会社を株式会社に組織変更するデメリットには、以下のものがあります。

 

・決算公告が必要

・経営の自由度が減る

・役員任期に制限

 

①決算公告が必要

合同会社には決算公告の義務がありませんが、株式会社になると株主や取引先に決算を報告する義務があります。

そのため、会社の経営事情が外部に知られやすいということは、株式会社に組織変更することのデメリットです。

 

②経営の自由度が減る

合同会社は、会社の意思決定を社長の一存で決めることも可能です。

しかし、株式会社の場合、重要な意思決定の際は株主総会の決議が必要になります。

 

組織変更をすることで、経営の自由度やスピード感が失われることもあるのです。

 

③経営任期に制限

株式会社では、役員の任期が「非公開会社の場合は最大10年公開会社の場合、取締役は原則2年、監査役は原則4年)」と定められています。

株式会社には「公開会社」と「非公開会社」という区分があります。
これは上場しているかどうかではなく、株式に譲渡制限(株主は承認なしに株を譲渡できないこと)をかけているか否かという会社法上の区分です。そして、世の中の大半の中小企業は非公開会社になります。この記事では、非公開会社を前提に考えていきます。

 

また、役員が退任または継続するときには手続きが必要なので、実務面の手間が増えることもデメリットです。

 

2.≪合同会社⇒株式会社の変更に必要な手続き≫

それでは、合同会社を株式会社に変更する「組織変更」の手続きを、ステップごとに解説していきます。

 

(1)組織変更計画書を作る

合同会社を株式会社に変更するには、まず株式会社としての基本事項を決定し、組織変更計画書を作成します。

具体的に決めるべき項目は、以下の通りです。

 

・商号

・事業内容

・本店所在地

・発行可能株式総数

・定款

・取締役

・株式会社へ変更後の発行株式数

・合同会社の社員の役職割り当て

・効力の発生日

 

(2)総社員からの同意を得る

次に、株式会社に組織変更をすること、また組織変更計画書の内容について、合同会社の総社員からの同意を得る必要があります。

効力発生日の前日までに、全員の同意を得ましょう。

 

ここで言う総社員とは、従業員全員のことではなく、出資などで持分があるメンバー全員という意味です。

もし、社長1人で始めた合同会社であれば、社長の一存で組織変更をすることもできます。

 

(3)債権者の保護手続きを行う

債権者がいる場合、債権者は組織変更に際して異議申し立てができるので、債権者保護手続きで申告します。

1ヶ月の間に異議を唱える債権者がいなければ、次の組織変更の手続きに進むことが可能です。

官報に公告掲載を行うほか、会社が認識している債権者がいれば、個別に勧告します。

 

(4)効力発生→登記申請

上記の手続きが終わり、組織変更計画書に記載した効力発生日を迎えると、組織変更の登記申請ができるようになります。

組織変更の登記申請は、法務局に「組織変更による株式会社の設立登記申請書」と定款などの必要書類を提出して行います。

 

3.≪合同会社から株式会社への変更に必要な費用≫

合同会社から株式会社に変更する手続きには、合計約9万円〜の費用がかかります。

その内訳について、解説していきます。

 

(1)官報への公告掲載費

合同会社から株式会社に変更するときには、官報への公告掲載が義務付けられています。

会社概要や発行部数によっても異なりますが、この費用は約3万円です。

 

また、先にも触れましたが、会社に債権者がいる場合には、組織変更を行う前に官報で告知する必要があります。

この時の公告掲載費用は、3万5,000円ほどのことが多いです。

 

(2)登録免許税

登録免許税とは、登記手続きを行う際、法務局に納める税金です。

組織変更の登録免許税は合計6万円ですが、その内訳は以下のようになっています。

 

・合同会社解散の登録免許税:3万円

・株式会社設立の登録免許税:3万円、または資本金額1.5/1000のどちらか大きい金額

 

合同会社から株式会社に組織変更するためには、いったん合同会社を解散し、それから株式会社を新たに設立するということになります。

ちなみに、組織変更ではなく、株式会社を新規設立する時の登録免許税は15万円なので、実は合同会社設立→株式会社に変更した方が登録免許税自体は節約することができます。

 

4.≪合同会社から株式会社への変更にかかる期間≫

合同会社を株式会社に変更する登記申請には、事務手続きに1週間ほどの期間がかかります。

申請から1週間ほどで登記手続きが完了すると、株式会社としての登記簿謄本が取得できるようになります。

 

ちなみに、会社に債権者がいる場合、債権者保護の手続きに1ヶ月必要なので、組織変更にかかる最低期間は1ヶ月+1週間となります。

 

5.≪合同会社から株式会社への変更時にできること≫

合同会社から株式会社に変更する時には、会社の重要事項に変更を加えることも可能です。

 

(1)会社名・役員の変更や事業目的の追加

合同会社から株式会社に変更する時、変えられる基本事項の項目は以下の3つ。

 

・商号・会社名

・構成される役員

・事業目的

 

会社の基本事項は、登記申請を行うと容易に変更できなくなるので、組織変更は基本事項を今一度確認するチャンスです。

 

(2)できないこと

合同会社から株式会社に変更する際、合同会社の登記内容から変えられないものもあります。

 

・本店所在地の変更

・資本金の増減

・印鑑カードの引継ぎ

 

組織変更と同じタイミングで、本店所在地の変更や資本金の増減をするケースもあるかと思います。

本店所在地の変更・資本金の増減を行うこと自体は可能ですが、会社の組織変更の登記とまとめてはできません。

同時に別の申請書を提出することで、タイミングを合わせて行うことは可能です。

 

印鑑については、一度会社を解散してから新規設立をすることになりますので、同じ印鑑を継続して使うことはできません。

別途、株式会社用の新しいものを用意する必要があります。

 

6.≪自分で組織変更を行うことは可能?≫

会社の組織変更を自分で行うことは、不可能ではありません。

ただし、官報への公告掲載や債権者の保護など複雑な手続きもあるので、会社経営をしながらだとなかなか難しいことも多いです。

会社の組織変更の手続きは、司法書士などの専門家に委託することも可能です。

 

7.≪まとめ≫

合同会社から株式会社に組織変更すると、株式会社としてのメリットを得られるだけではなく、登録免許税も少しだけお得になります。

ただし、合同会社のメリットである、経営のスピード感や自由度などは失われることも知っておきましょう。

 

会社の組織変更申請は自分で行うこともできますが、司法書士など専門家に依頼するとスピーディーかつ確実です。

2020/06/01 合同会社設立の費用はいくら?法定費用から資本金の目安まで解説

合同会社は、2006年に新設された新しい会社形態。

経営の自由度が高いのが特徴の合同会社ですが、もう一つ、会社設立のコストが安いということも合同会社のメリットです。

 

今回は、合同会社設立の手続きにかかる費用を詳しく解説していきます。

合同会社設立費用を最大限節約する方法もお伝えしますので、ぜひ最後までお読みください。

 

1.≪合同会社とは≫

合同会社とは、2006年の新会社法施行と同時に新設された、新しい会社形態です。

合同会社の最大の特徴は、出資者が経営権・意思決定権を持ち、経営の自由度が高いこと。

さらに、出資者の立場が出資額に関わらず対等なこと、役員の任期がないなどの点も株式会社と違います。

 

一方、出資者が有限責任だということは株式会社と共通していて、会社が倒産した場合も出資者は出資額以上の責任を負うことはありません。

合同会社設立の手続きは株式会社設立より簡易で、設立にかかる費用も少ないです。

 

2.≪合同会社設立時にかかる費用≫

それでは、合同会社設立にかかる費用を具体的に解説していきます。

 

合同会社設立にかかる費用は、最低「6万円+実費」。この他に、専門家に手続きを代行してもらう場合は手数料がかかり、実際に事業を始めるための資本金も必要です。

 

これらの詳しい内訳や、費用相場について解説していきます。

 

(1)法定費用は6万円~

合同会社設立時には、法務局で「設立登記」という手続きを行います。

この時に、登録免許税として「6万円」を納めます。これは法定費用なので、合同会社を設立する以上、節約する方法はありません。

 

手続き時に提出する定款には「収入印紙4万円分」を貼り付ける必要があります。

そのため、合同会社設立にかかる法定費用は合計「10万円」です。

 

しかし、株式会社を設立する場合には、登録免許税として合同会社の倍以上の「15万円」を納めます。

さらに、株式会社の場合は定款の認証という手続きが必要で、それには認証手数料として「5万円」がかかります。定款の謄本手数料としても「2千円」がかかります。

これに定款に貼る収入印紙代4万円を加えると、株式会社設立の法定費用は合計「24万2千円」となります。

 

合同会社は株式会社の半額以下の法定費用で設立できるので、設立コストをとにかく抑えたい方には合同会社設立がおすすめです。

ちなみに、定款に貼る収入印紙代の「4万円分」は節約することが可能なので、詳しくは後の項目で解説します。

 

(2)その他実費

合同会社設立の手続きをするには、必要な印鑑や書類を集めておく必要があります。

これらにかかる実費合計は、約1万円~です。その内訳は、以下の通り。

 

・会社の実印作成費(4本分):約5,000円~

・会社代表の実印作成費:約1,000円~

・印鑑登録の費用:約300円

・印鑑証明書の発行費:約450円×必要枚数

・登記簿謄本の発行費:約500円×必要枚数

 

合同会社設立にかかる実費は、主に印鑑の素材やクオリティにどの程度こだわるかで左右されます。

 

(3)専門家への手数料

合同会社設立の登記手続きを行うために、書類を集めたり、法務局に出向いたりすること自体には特に資格は要りません。

全ての合同会社設立手続きを、会社代表が自分で行うこともできます。

 

しかし、合同会社設立の手続きは、素人には難しいです。

また、会社代表は設立後の事業準備等で忙しく、なかなか手続きに時間を割けないということもあります。

 

そういった場合は、司法書士などの専門家に合同会社設立業務を委託することも可能です。

専門家に依頼すれば、手数料はかかりますが、合同会社設立手続きを確実かつスピーディーに済ませられます。なお、税理士の顧問も会社設立からつける場合は、会社設立時の司法書士報酬を無料で手続きさせていただくことができます。結果的に、法定費用など実費だけで会社設立が可能です。

日本税理士連合会の実態調査によると、税理士の顧問料相場は、法人の場合で月額3万~5万円が平均的です。

 

また、会社の基本事項決定や定款の内容についても相談に乗ってくれるため、自分でするより有利な条件で会社が設立できることも。

合同会社設立を考えている方は、一度専門家の無料相談や見積もりを検討してみてもいいでしょう。

税理士の顧問をつけることなく、合同会社設立に関して専門家に相談したり、登記手続などを代行してもらったりする手数料は、「5~8万円」程度が相場になっています(司法書士手数料)。

 

(4)その他初期費用

合同会社設立には、もちろん実際の事業開始にかかる費用(資本金)も必要です。

これらの初期費用の金額は業種によって大きくばらつきがあります。

例えば、建設業の場合、建設業許可を会社設立時から取得するのであれば、資本金は500万円以上にする必要があります。とにかく会社という箱ができればいいのであれば、資本金1円でも会社設立はできます。

ただし、通常、資本金は「開業費+6ヶ月分の運転資金」を目安として用意するパターンが理想的です。

 

開業費・運転資金に含まれる項目には以下のようなものがありますので、自社の場合の金額を想定して計算してみてください。

 

開業費に含まれる主な費用

・事務所や店舗の敷金・礼金・初月家賃

・設備・備品購入費

・内装工事費

・広告費

・HP作成費

・名刺作成費

・求人費

など

 

運営費に含まれる主な費用

・事務所や店舗の家賃

・水道光熱費

・通信費

・設備・備品購入費

人件費

・保険料

・支払い利子

など

 

3.≪合同会社設立の費用~資本金はいくら必要?≫

先にもお伝えしましたが、合同会社設立時の資本金の目安は「開業費+6ヶ月分の運転資金」です。

実際のところ、具体的な金額をリサーチすると、100~300万円くらいに設定する会社が多い実情があります。

 

基本的に、資本金は多ければ多いほど有利ですが、「1,000万円」未満にするのがおすすめ。

なぜなら、資本金1,000万円未満の会社の場合、設立から2年間は、基本的には消費税の納税が免除されるためです。

資本金1,000万円以上で会社を設立すると、初年度から消費税の納税義務が生じてしまうため注意しましょう。

(ちなみに、会社設立時に資本金が1,000万円未満で、1期目の途中で増資を行った結果、資本金が1,000万円以上になったケースだと、1期目の消費税は免除になりますが、2期目には消費税の申告が必要になってしまいます。)

 

法人住民税の均等割も資本金1,000万円がボーダーラインとなっていて、資本金1,000万円以下なら7万円、1,000万円超では18万円(従業員50人以下に限る)と、倍以上の差があります。

 

また、もし資本金が1,000万円を超える場合、次のボーダーラインは「1億円」です。

資本金が1億円を超えると「大企業」として扱われるようになり、法人税の税率や交際費の経費計上、欠損金の繰戻還付など、税制上の扱いが中小企業とは根本的に異なってきます。

国や地方自治体による中小企業向けの施策や補助金等も、適用ラインを資本金1億円としているものが多いです。

 

4.≪合同会社の設立費用を節約することは可能?≫

先にもお伝えしましたが、合同会社の設立費用の中で、登記手続き時に定款に貼る「収入印紙4万円分」は節約することが可能です。

定款を紙ではなく電子定款で提出する場合、物理的に収入印紙が貼り付けられないため、収入印紙代は不要になります。

 

ただし、電子定款は素人が簡単に作成できるものではありません。

電子定款の作成には専門ソフトやカードリーダーの購入が必要で、その費用として3万円前後はかかります。

 

ちなみに、電子定款の作成は専門業者に委託することもでき、その場合の料金は5,000円程度です。

つまり、定款は電子定款を選択し、外注してしまうのが、もっともお得な合同会社設立の方法と言えます。

 

5.≪合同会社設立の流れ≫

合同会社の設立は、以下のような流れで進めていきます。

 

1.会社の基本事項を決定

2.印鑑の作成・必要書類の取得

3.定款の作成

4.出資金の払い込み

5.登記手続き

6.社会保険・税務手続き

 

合同会社設立の場合、株式会社で必要な「定款の認証」というプロセスが必要ないため、手続きは比較的簡易です。

ただし、書類作成や法務局へ足を運ぶことに手間がかかるのは変わりないので、事業準備に専念したい方には司法書士など専門家への依頼をおすすめします。

 

6.≪まとめ≫

合同会社設立に必要な費用は、法定費用の登録免許税である6万円です。

収入印紙代の4万円は電子定款なら不要で、専門家に作成を依頼すれば5,000円ほどまで節約することが可能です。

 

合同会社設立を税理士や司法書士などの専門家に依頼すれば、確実かつスピーディーに手続きが可能です。事業準備にも専念できて、会社設立がスムーズになります。

会社設立時から成功に近づいている方の特徴は、「本業に一点集中」されていることです。創業時は特にこの考え方が重要です。自分で何でもかんでもやろうとしないこと。会社が大きくなっていく過程で組織は形成されていき、自社でできることは多くなっていくでしょう。

ただし、創業時は一にも二にもとにかく売上を追求し続けることが最も重要です。逆を言えば、本業と関係ないことに時間を取られてはいけません。安く外注できることは外注して、本業の売上を1円でもあげることが成功への最短ルートです。

2020/05/31 会社設立における発起人とは?役割や選び方を解説

会社設立の手続きには、「発起人」という言葉がよく登場します。

発起人とは会社の設立手続きを中心になって進める人で、資本金の出資や手続の遂行に責任を持ちます。

 

今回は、そんな発起人の役割や選び方、発起人になるための資格などを解説していきます。

発起人が複数になる場合の注意点についてもご紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。

 

1.≪会社設立における「発起人」とは≫

発起人とは、会社を設立するにあたって、その手続きなどの責任者となる人のことです。

会社の設立登記が終わるまで、それに必要となる意思決定や書類作成などに責任を持ち、中心となって行います。

 

(1)発起人の役割

会社設立時、発起人が担う役割には以下のものがあります。

 

・会社に出資する(株式を引き受ける)

・会社の取締役の選任など、重要事項を決定する

・定款の作成・認証などの会社設立手続きを行う

 

基本的に、会社設立までの手続きは全て、発起人が責任を持って行います。

 

(2)発起人が負う責任

発起人は、会社設立を行う上で、以下の責任を負います。

 

・会社設立ができなかった場合、その後始末を行なう

・発起人としての役割を怠り、会社や第三者に損害を与えた場合、その補填を行う

・現物出資を行った場合、その出資評価額を支払う

・金額に達しなかった場合、不足額を支払う

 

要するに、会社設立までに何かトラブルが生じた場合、責任は発起人にあるということです。

設立後の役員の責任ではありません。

 

(3)取締役・株主との違い

発起人と取締役は同じ人がなることも多いので混同されがちですが、発起人は会社設立までの手続きの責任者取締役は会社設立後の経営の責任者という違いがあります。

設立後、発起人は取締役や役員として経営に携わることもありますし、経営に関わらない株主の一人になることもあります。

 

一方、株主とは会社の株を所有している人のことです。

株主は株の持分に比例した議決権を持ち、株主総会で会社の意思決定に携わります。

株の譲渡や売買、新規発行によって、経営や設立に関わっていない人が株主になることもありますが、発起人は設立時に会社に出資しているため必ず株主になります。

なお、設立後に発起人が株を譲渡や売却するのは自由です。

 

(4)発起人の要件・資格

発起人になるための要件は、「15才以上の人物または法人」です。

学生や団体、外国人であっても発起人になることが可能です。

人数にも制限がないので、複数人が発起人になることもあります。

 

ちなみに、発起人はそのまま取締役になることも多いですが、取締役はもう少し就任の条件が厳しいです。

成年後見人がついている人や、執行猶予中の人は取締役にはなれないので注意しましょう。

 

2.≪発起人を決定する手順≫

それでは、発起人を決定する手順について、

 

・発起人の選び方

・発起人が用意するもの

 

の2点から解説していきます。

 

(1)発起人の選び方

発起人の選び方は、会社の設立メンバーの人数や、選出する発起人の人数によって異なります。

 

発起人が1人の場合

まず、1人で会社を立ち上げる場合、自分が発起人になるしかありません。

1人の会社で発起人として会社を設立した後は、そのまま発起人が取締役として就任します。

ただし、実際に事業を企画したり、経営に携わっていったりするのが自分だけだったとしても、設立時に資本金が足りず誰かからお金を借りた場合は、その人たち全員が発起人となります。

 

複数人のチームで会社を立ち上げるものの、発起人が1人になるというケースはあまり多くありません。

なぜなら、発起人=出資者=株主なので、設立後の意思決定権や利益が発起人に集中してしまうためです。

事業への貢献度合いやメンバー同士の人間関係にもよりますが、同じ立場の人の中から1人を選んで発起人にするというのはトラブルの元になります。

 

発起人が複数いる場合

発起人は、複数人になることもあります。

設立後に経営に携わるかどうかや、事業の企画に関わったかどうかは関係なく、「設立時に出資した人全員」が発起人です。

 

発起人の人数は、多ければ多いほど資本金を集めやすいですが、そのぶん意見の対立がトラブルに繋がることもあります。

発起人は会社の重要事項を決めるという役割を担っているため、建設的な議論を行えることや、人同士の相性が重要です。

そのため、複数の発起人といってもあまり大人数になることはなく、2~3人程度が一般的です。

 

(2)選ばれた発起人は何を用意する?

会社の発起人となったら、会社を設立するための準備を進めていきます。

 

個人が発起人になる場合

個人が発起人になる場合、その1人で会社の重要事項を決め、「発起人決定書」を作成します。

その後、定款の作成や認証など、会社設立の手続きに進んでいきます。

 

手続き面の他に、発起人個人が用意するものは以下の3点です。

 

・印鑑(実印)

・印鑑証明書

・資本金

 

発起人が1人の場合、資本金は一人で全額用意する必要があります。

また、印鑑・印鑑証明書は会社設立手続の中で必要になるので、早めの準備をおすすめいたします。

 

法人が発起人になる場合

複数人の発起人がいる場合、まず発起人全員で「発起人会」を開催し、その中で代表者となる「発起人総代」を決定する必要があります。

その後、発起人同士で話し合いながら会社の重要事項を決め、「発起人議事録」を作成します。

 

発起人が複数人の場合、全員が以下のものを用意します。

 

・印鑑(実印)

・印鑑証明書

・資本金(自分の出資分)

 

3.≪発起人が複数いる場合の注意点≫

発起人が複数いると、トラブルの原因になることもあります。

複数人が発起人となって会社を設立するときには、以下のポイントに気をつけましょう。

 

(1)意見の相違・対立がないようにする

発起人を複数人にする際には、スムーズな意思決定や建設的な議論ができるメンバーを選ぶことが大切です。

発起人同士で意見が分かれたり、対立してしまったりすると、会社の重要事項決定に時間がかかります。

場合によっては会社の設立自体が頓挫してしまうこともあるので、発起人は全員が同じ方向を向いていることが重要です。

 

もちろん、議論によってより良いアイデアが生まれることもありますが、あまりにも水と油のように意見が合わない人とは、共同で発起人を務めないほうが良いでしょう。

 

(2)株式比率に注意

会社設立後、発起人はそのまま株主になります。

株の持分は、設立時の出資割合とまったく同じです。

例えば、全部で100万円の資本金を、「40万円・30万円・30万円」と3人で出し合った場合、株の持分も「4:3:3」になります。

 

この株の持分は、そのまま株主総会での議決権の割合になります。

株主総会では多数決で意思決定を行うため、この3人は誰も過半数以上の株を持っておらず、「自分1人の意見を通せない」ということになります。

そのため、例えば、取締役に就任する人が1人で意思決定をできるようにしておきたい場合、その人は発起人として5割以上の出資をする必要があるのです。

 

5.≪まとめ≫

発起人とは、会社の設立手続きを中心的に行い、責任を持つ人のことです。

取締役や株主と混同されがちですが、発起人とは会社設立までに必要となる役割で、取締役・株主は設立後の役割という部分が違います。

 

発起人は、15才以上であれば誰でも務めることができますが、複数人になる場合は注意するべきポイントもあります。

発起人は会社の意思決定に後々まで影響を及ぼすので、慎重な決定が必要となります。

2020/05/25 会社設立時に利用できる助成金・補助金の種類は?受給の注意点も解説!

助成金・補助金は、新規事業や人材開発を応援するために、公的・民間機関が実施している制度です。

会社設立時、設備投資をしたり、人材を雇用したりした場合に利用できる助成金・補助金は多数あります。

 

今回は、会社設立の際に利用できる補助金・助成金の種類と支給要件・金額についてご紹介します。

補助金・助成金を利用する場合の注意点についても知っていきましょう。

 

1.≪会社設立時に利用できる補助金・助成金とは≫

会社設立時には、補助金・助成金を利用して経費を削減できることがあります。

まずは補助金と助成金の違いや、実施している団体、支給額の決まり方といった基礎知識を知っていきましょう。

 

(1)助成金と補助金の違い

補助金と助成金は、似ているようで少し異なります。

まず、補助金は主に経済産業省や地方自治体の管轄です。補助金には審査が必須で、申請した全てがもらえるわけではありません。

 

一方、助成金は厚生労働省が管轄しているものが多いです。

助成金の中には審査不要なものもあり、要件を満たしていれば申請することで受け取ることが可能です。

 

(2)助成金・補助金を実施している団体

助成金・補助金を実施している団体は、公的機関から民間まで様々です。

公的機関では経済産業省、厚生労働省、地方自治体など、民間では助成金の支給要件を応援している企業・団体が実施しています。

 

実施している団体については、補助金・助成金のポータルサイトや、各団体のホームページなどで知ることができます。

 

(3)支給額はどう決まる?

補助金・助成金の支給額の決まり方は、それぞれのルール次第です。

設備投資や制度整備に関する補助金・助成金は、実際にかかった経費に対して割合や上限額が決められていることが多いです。

雇用促進や人材開発に関する補助金・助成金の場合、「1人あたり◯円」「1人1時間あたり◯円」という規定になっていることもあります。

 

基本的に、補助金・助成金は後払いで、実際に経費を使ったり、雇用・研修などを行なったりした後で申請し、支給額が決定します。

 

2.≪会社設立時に利用できる経済産業省の補助金≫

それでは、会社設立時に利用できる3つの補助金について解説します。

 

(1)創業・事業継承補助金

「創業・事業継承補助金」は、新たに事業を始めた人や、事業継承を機会に新たな取り組みを行った人が受給できる補助金です。

新規雇用拡大、経営革新を応援するために、中小企業庁が実施しています。

 

創業補助金の支給額は、創業資金の1/2まで。具体的な金額は、以下の通りです。

・外部資金調達がない場合:50万円以上100万円以内

・外部資金調達がある場合:50万円以上200万円以内

 

事業継承補助金は、事業革新のためにかかった経費の2/3の範囲の金額となっています。

・事業所の廃止・既存事業の廃止・集約を伴わない場合:100万円以上200万円以内

・事業所の廃止・既存事業の廃止・集約を伴う場合:100万円以上500万円以内(経営革新に関する費用の上限200万円、事業所の廃止等に関する費用の上限300万円)

 

申請は、創業・事業継承補助金事務局に必要書類を郵送、またはオンライン申請で行うことができます。

 

(2)小規模事業者持続化補助金

「小規模事業者持続化補助金」は、商工会・商工会議所が窓口となり、中小企業庁が実施している補助金です。

個人事業主を含む中小企業が、商工会や商工会議所のアドバイスを受けて販路拡大に向けた取り組みを行う場合に受給できます。

 

具体的には、以下の条件に当てはまる事業者が支給対象となります。

 

商業・サービス業(宿泊・娯楽業除く):常時使用する従業員の数が5人以下

宿泊業・娯楽業:常時使用する従業員の数が20人以下

製造業その他:常時使用する従業員の数が20人以下

 

補助金額は、補助対象経費の2/3以内(上限50万円)です。

申請は必要書類を商工会議所に提出、またはオンライン申請で行います。

 

(3)ものづくり補助金

「ものづくり補助金」は、中小企業の経営革新や新規事業立ち上げを支援するための補助金です。

全国中小企業団体中央会が実施しています。

審査があるため申請者全員が受給できるわけではありませんが、革新的なサービス開発・試作品開発・生産プロセスなどを行う場合に申請できます。

 

補助金額は経費の1/2(特別枠・小規模事業者は2/3・上限1,000万円)です。

申請は、ものづくり補助金の特設ページからオンライン申請で行います。

 

3.≪会社設立時に利用できる厚生労働省の助成金≫

次に、会社設立時に利用できる、厚生労働省が実施している助成金について解説します。

 

(1)キャリアアップ助成金

「キャリアアップ助成金」は、非正規雇用の従業員の雇用条件を変更するなど、キャリアアップさせる活動をした事業者に支給される助成金です。

 

対象となるのは、以下の中小企業です。

・小売業(飲食店を含む):資本金5,000万円以下、従業員50人以下

・サービス業:資本金5,000万円以下、従業員100人以下

・卸売業:資本金1億円以下、従業員100人以下

・その他の業種:資本金3億円以下、従業員300人以下

 

キャリアアップ助成金には次の7つのコースがあります。

・正社員化コース 

・賃金規定等改定コース

・健康診断制度コース

・賃金規定等共通化コース

・諸手当制度共通化コース

・選択的適用拡大導入時処遇改善コース

・短時間労働者労働時間延長コース

 

それぞれの条件に該当する非正規雇用従業員1人につき、最大60万円が支給されます。

申請は労働局・ハローワーク・支給申請窓口のいずれかに、必要書類を提出して行います。

 

(2)トライアル雇用奨励金

「トライアル雇用助成金」は、年齢に見合った就労経験がない人、生活保護受給者など、通常の就労が難しい人をトライアル雇用した場合に受給できる助成金です。

さらに、トライアル期間後も引き続きその人材を雇用すれば、特定求職者雇用開発助成金の一部も受給することができます。

 

助成金額は対象者1人につき月額4万円(最長3か月・計12万円)です。

申請は労働局・ハローワーク・支給申請窓口のいずれかに、必要書類を提出して行います。

 

4.≪その他の会社設立時に利用できる助成金・補助金≫

他にも、地方自治体や民間団体が実施している助成金・補助金は数多くあります。

会社設立時に利用する人が多い、代表的なものについて解説していきます。

 

(1)地域中小企業応援ファンド

「地域中小企業応援ファンド」は、中小企業基盤整備機構が実施している制度です。

通常の補助金・助成金とは異なり、ファンド運営会社に対象事業が採択されると、そのファンド運用益から資金の助成を受けられるというシステムになっています。

 

支給対象は以下に該当する人です。

・中小企業者・創業者

・中小企業者・創業者の支援機関

・その他、NPO法人など

 

主に研究・商品開発・需要の開拓にかかる費用が助成の対象となり、採択するファンドによって助成額は様々です。

申し込みは、中小企業基盤整備機構の高度化事業部高度化事業推進課を通して行います。

 

(2)その他の助成金

その他にも、実施する設備投資の内容や、会社の事業内容によって様々な助成金を利用できる可能性があります。

例えば、地方自治体では「ホームページ作成支援事業補助金」または類似の制度を設けているケースが多く、ホームページの作成費用が補助されます。

 

また、会社設立にあたって店舗や事務所を借りる場合は、「新規開業賃料補助制度(東京都港区)」や、各自治体の類似した制度を利用できます。

地方の特色が出た個性的な助成金も数多くあるので、ぜひポータルサイトなどで自社に該当するものがないか調べてみてください。

 

5.≪助成金・補助金を受ける場合の注意点≫

最後に、会社設立にあたって、助成金・補助金を利用する場合の注意点を解説します。

 

(1)申請しても100%受けとれるわけではない

先にも少し触れましたが、審査がある補助金・助成金の場合、申請者全員が受け取れるわけではありません。

特に金額が大きな助成金は、採択によって選ばれた数社しか受給できない場合もあるので、期待しすぎないことも大切です。

 

(2)受給の準備が煩雑

補助金・助成金を受給するための申請書類は、作成に手間がかかります。

補助金・助成金は基本的に返済不要なぶんチェックが厳しく、申請書などに不備があると却下されてしまうこともあるのです。

 

却下されると再申請ができない場合もあるので、わからない部分があれば実施団体の職員に確認しながら、しっかり準備する必要があります。

 

(3)支給は基本的に後払い

補助金・助成金は、基本的には後払いです。

先に設備投資や人材の雇用などを行なって支給要件を満たし、それを証明する書類を提出して受給が決まるという流れになっていることが多いです。

 

支給までに数ヶ月の期間がかかることもあるので、それまで補助がなくても経営を維持できるだけの持久力が必要です。

 

(4)ある程度の自己資金は必要

補助金・助成金は、原則的に実際にかかった費用に対して助成されます。

また、費用全額が助成されるケースは少なく、「かかった費用の1/2」「上限◯万円」などの上限が設定されていることがほとんどです。

補助金・助成金を利用する時には、同時に自己資金の出費も必要なことを知っておきましょう。

 

6.≪まとめ≫

会社設立の際には、費用が助成される補助金・助成金が大きな助けになります。

会社設立時、設備の新設や商品開発、人材の雇用などを行うなかで、自然に支給要件を満たしていることも多いです。

自社に該当する補助金・助成金を知っておくことで、スタートダッシュが有利になりますよ。

2020/05/19 「制度融資」とは?利用するメリット・デメリットを解説

制度融資とは、各自治体が実施している中小企業の支援制度です。

金融機関から融資を受ける際、自治体が保証料などをサポートすることで、起業まもない会社でも融資を受けやすくなります。

 

今回は、制度融資の仕組みや利用方法、メリット・デメリットを説明します。

同じく起業時に利用することが多い、日本政策金融公庫の融資との比較ポイントについても解説いたします。

 

1.≪制度融資とは≫

制度融資とは、金融機関から直接融資を受けることが難しい中小企業の資金調達を支援するためにある制度です。

各自治体が窓口となり、資金調達をしたい企業に信用保証協会をつけ、銀行からの融資を斡旋します。

 

(1)制度融資の仕組み

制度融資は、地方自治体と信用保証協会が貸す側の金融機関借りる側の企業の間に入るという仕組みで、中小企業も資金調達がしやすくなっています。

 

まず、制度融資でお金を借りたい企業は、地方自治体の窓口で申請をします。

すると、地方自治体が融資の斡旋を行い、信用保証協会がその保証人になります。

 

そして地方自治体が預託金を金融機関に預け、企業は保証金を信用保険協会に支払うことで、貸し倒れのリスクを抑えることが可能になります。

もちろん、借りたお金は企業が全額返済するのが前提ですが、地方自治体が協力することで融資のハードルを下げ、地域の中小企業の事業維持に繋がるのです。

 

(2)利用できる制度融資の例

制度融資を利用可能な事業者の基準は、各地方自治体で異なります。

業種や会社の規模などの要件があるので、事業所のある地方自治体の制度融資を調べてみることをおすすめいたします。

 

例えば、大阪府の制度融資可能な企業の業種・規模は次の通りです。

 

・製造業、建設業、運輸業、以下に掲げる以外の業種:資本金3億円以下・従業員300人以下(ゴム製品製造業は900人以下)

・卸売業:資本金1億円以下・従業員100人以下

・小売業(飲食業を含む。):資本金5,000万円以下・従業員50人以下

・サービス業:資本金5千万円以下・従業員100人以下

・ソフトウェア業、情報サービス業:資本金3億円以下、従業員300人以下

・旅館業:資本金5,000万円以下、従業員200人以下

・医療法人等:資本金条件なし・従業員300人以下

 

出典:http://www.pref.osaka.lg.jp/attach/246/00000000/1annai%20.pdf

 

また、地方自治体によって、業種と規模の他に

・都道府県内に事業所(住居)があること

・事業税などの租税の未申告、滞納がないこと

・許認可や登録等を必要とする事業で、当該許認可または登録等を受けていること

・暴力等不法行為者でないこと

・申し込みに際して、いわゆる「金融あっせん屋」などの第三者が介在していないこと

といった条件が課せられることもあります。

 

そして、制度融資の内容も、自治体によって様々です。

東京都の例を挙げると、以下のような制度融資があります。

 

・創業融資(上限 3,500万円)

・小口零細企業保証制度(上限 2,000万円)

・一般事業資金融資(上限 28,000万円)

・企業再生支援(上限 20,000万円)

など

 

(3)制度融資の利用方法

制度融資の手続きは、以下のようなプロセスで進んでいきます。

 

1.地方自治体の窓口に申請

2.金融機関へ融資の申し込み

3.信用保証協会へ保証の申し込み

4.信用保証協会の審査・面接

5.金融機関の最終審査

6.融資の実行

7.返済

 

これから制度融資を受けたいと思っている方は、まずは地方自治体の金融課・商工課・労働課などに問い合わせてみましょう。

 

2.≪制度融資のメリット≫

制度融資は中小企業を支援するための制度なので、利用すると様々なメリットがあります。

主な5つのメリットについて、解説していきます。

 

(1)審査のハードルが低め

制度融資のメリット1つ目は、審査のハードルが低いことです。

 

金融機関から直接融資を受けようと思うと、ある程度の社会的信用や経営実績が必要になります。

これは起業したての企業にとっては厳しい条件であり、資金調達ができないので事業拡大もできないという負のスパイラルに陥ってしまいます。

制度融資はこの状態を防ぐためにあります。もし返済が滞ったとしても、信用保証協会による立て替えがあるため融資リスクが低く、審査もそのぶん甘くなっているのが実態です。

 

(2)金利が低い

2つ目の制度融資のメリットは、金利が低いことです。

 

制度融資の金利相場は、1.0〜3.0%となっています。

ちなみに、中小企業が銀行で保証協会付き融資を受けると、金利の相場は0.9〜3.5%。保証協会付きの融資の場合は他に保証料もかかるので、金利自体は同程度でも割高になります。

ビジネスローンの金利相場は3.0〜18.0%で、制度融資よりもかなり高いです。

 

(3)据え置き期間が長い

据置期間とは、元本を返済せずに金利だけを支払う期間のことです。

制度融資だとこの据置期間が1年間であることが多いので、その間は少額の返済で済みます。

余裕を持った返済計画を立てられるので、起業間もなく、安定した利益が出ていない企業も安心です。

 

(4)経営支援が受けられることも

地方自治体によっては、制度融資の対象事業者に対して経営支援を行なっています。

これは地方を活性化するためには、中小企業の成長が重要となるためです。

利子補給や保証料の補助、経営アドバイスなどで、中小企業経営者をサポートしています。

 

(5)基本的に連帯保証人不要

制度融資は信用保証協会が保証人となるので、原則として連帯保証人は不要です。

ただし、場合によっては社長の連帯保証が必要になることもあるので、詳しくは利用したい制度の要件をチェックしてください。

 

3.≪制度融資のデメリット≫

制度融資には、デメリット面も存在します。

制度融資の利用を検討する際は、以下の点に気をつけましょう。

 

(1)上限金額がある

制度融資は、利用する制度ごとに上限金額が定められています。

多額の資金が必要になる業種では、融資金額が足りないということも起こりうるでしょう。

利用前にリサーチして、自分の事業にぴったりの制度を見つける必要があります。

 

(2)融資実行までに時間がかかる

制度融資は、申し込みから融資実行まで2〜3ヶ月ほどかかります。

これは、企業と金融機関の他に自治体・保証協会が関わるので、それぞれの機関で審査や事務手続きに時間がかかるためです。

そのため、緊急性の高い資金調達には、あまり向いていないと言えます。

 

(3)融資を受ける手続きが煩雑

制度融資に関わっている機関が多いため、それぞれに提出する書類の作成などで手続きが煩雑です。

利用プロセスがシンプルでないのも、制度融資のデメリットと言えます。

 

(4)自治体ごとに内容が違う

繰り返しになりますが、制度融資は各自治体が実施しているものです。

そのため、企業が本拠地を置いている自治体によって、利用できる制度融資が異なります。

利用要件・上限額・利率などにばらつきがあるので、自分のニーズにあった制度がないというケースもあるのです。

 

(5)連帯保証を求めるものもある

制度融資では信用保証協会が保証人になりますが、さらに会社代表が連帯保証人になるよう求められることもあります。

また、担保に関しても、利用する制度によっては必要になることがあります。

 

4.≪制度融資は日本政策金融公庫より得?≫

制度融資と並んで、創業時に利用する人が多いのが、日本政策金融公庫の「創業融資」です。

制度融資と日本政策金融公庫は、どちらが得とは一概に言い切れません。

それは、制度融資の内容は自治体によって違うので、金利や上限額の設定がまちまちのためです。

 

ただし、日本政策金融公庫の「新創業融資」は無保証で利用できるのに対し、制度融資は必ず信用保証協会の保証をつける必要があります。

その分、新創業融資は金利が高めなので、保証料と金利の差でどちらが得になるのかが、見極めのポイントとなるでしょう。

 

5.≪制度融資と他の融資の併用は可能?≫

制度融資は、他の融資と併用することができます。

創業時に利用する人が多い、日本政策金融公庫の創業融資とも併用が可能です。ビジネスローン、ファクタリング、個人投資家などの資金調達と併用しても、問題ありません。

 

制度融資以外の資金調達方法について詳しく知りたい方は、「資金調達の方法は?融資以外や返済不要の調達方法もご紹介」もご覧ください。

 

6.≪まとめ≫

制度融資は、自治体が地域の中小企業を支援するために行なっている制度です。

金融機関からの借り入れのハードルが下がるので、起業してまもない会社でも利用できるのが大きなメリットです。

 

また、経営アドバイスなど、資金面以外でもサポートを受けられることがあります。

各自治体で利用できる制度融資について知りたい方は、地域の労働局のホームページをチェックしてみてください。

2020/05/15 個人事業の起業には何が必要?リスクを減らして成功させるコツ

会社から独立したり、副業として個人起業したりする人が増えています。

個人起業をすれば誰でも経営者になることができて、収入がアップする・社会的信用が上がるなどというメリットがあります。

 

しかし当然、個人事業の起業にはリスクがつきものです。

今回は、そんな個人事業の起業のリスクを減らし、成功の可能性を高めるコツや、必要な知識やスキルについてご紹介していきます。

 

1.≪個人起業のために必要なもの≫

個人起業とは、その名の通り1人で会社を設立することです。

経営の責任を自分ひとりで負わなければいけないので、個人起業には様々な知識や準備が必要です。

 

(1)知識

個人事業の起業に必要なのは、まずビジネス・お金・社会保険に関する知識です。

個人事業主としての起業は失敗すれば多額の損失が出る大きな賭けなので、知識をきちんと蓄えてロジカルに経営する必要があります。

 

ビジネスに関する知識

良い事業のアイデアが思いついたら、何の根拠もなく「うまくいくに違いない」と思い込んでしまいがち。

業界や経営に関するビジネスの知識がないと、その目論見がまったく的外れということもあります。

 

ビジネスの知識といっても幅広いですが、事業計画を練ったり、安定した経営をしたりするためには、以下のような知識が役立ちます。

 

・起業する業界の知識(業界動向・顧客の志向など)

・マーケティング知識(商品作り・集客の仕組み・値決めなど)

・人を動かすための知識(プレゼン能力・コミュニケーション能力など)

・経営に関する知識(資金調達・財務・経理など)

・法律に関する知識(会社法・労働基準法・安全衛生法など)

 

お金に関する知識

個人事業の起業をするためには、お金に関する知識が不可欠です。

例えば、以下のような知識がないと、お金の出入りがどんぶり勘定になり、経営状況を的確に分析できません。

 

・資金繰り(キャッシュフロー)の知識

・資金調達のやり方・適切な借入額

・決算書の作り方・分析方法

・税申告のやり方、計算方法

・会計業務のやり方

 

お金に関する知識や実務については、顧問税理士に相談したり、専門知識を持つ経理スタッフを雇ったりすることも可能です。

しかし、それにもコストがかかるので、経営者自らお金の知識を持っておくに越したことはありません。

 

社会保険に関する知識

自分ひとりで事業を行うなら、個人事業主という方法もあります。

 

個人事業主と会社設立で異なるのは、社会保険への加入が義務になっている点です。

大きな会社では、保険関係の手続きは社労士が行うのが一般的ですが、個人事業の場合は経営者が責任を持って加入手続きや保険料の納付をしなければいけません。

 

(2)資本

個人事業主として起業をするには、もちろん先立つものが必要です。

起業の際に用意しておくお金を「資本金」と呼び、だいたい100~300万円ほど用意する人が多いです。

資本金に余裕があればあるほど、経営を維持しやすくなります。

 

起業前に必要な費用

個人ではなく、法人として会社設立する場合、起業前に必要となる費用には、以下のものがあります。

 

会社設立費用:合計25~30万円程度(株式会社の場合)

・定款認証手数料:5万円

・謄本作成費用:約2,000円

・登録免許税:15万円

・収入印紙代:4万円

・会社印鑑:1~2万円

・雑費(交通費・証明書発行費用など):約5,000円

 

この他に、打ち合わせを行う場所代や飲食代、手続きを専門家に依頼する場合はその報酬などがかかることもあります。

ちなみに、この会社設立費用は、会社設立後に使う資本金とは別に用意しておきます。

 

起業後に必要な費用

起業をしたら、事業を始めるための開業費と、経営を続けていくための運営費が必要になります。

ここでかかる費用は、事業内容や開業する地域、人を雇うかどうか、クオリティにどの程度こだわるかなどでかなりばらつきがあります。

 

開業費・運営費それぞれの項目に、自分の場合の金額を置き換えて考えてみましょう。

 

開業費に含まれる主な費用

・広告費

・名刺作成費

・事務所や店舗の敷金・礼金・初月家賃

・設備・備品購入費

・内装工事費

・求人費

など

 

運営費に含まれる主な費用

・事務所や店舗の家賃

・水道光熱費

・通信費

・設備・備品購入費

・人件費

・保険料

・支払い利子

など

 

ちなみに、資本金額の目安は「開業費+6ヵ月分の運営費」と言われています。

 

(3)しっかりとした事業計画

事業計画は個人事業主として起業する上で要となります。

「こうすればうまくいきそう」という予測だけではなく、業界や顧客の分析、試行調査を行い、データを元にして理論的に考えましょう。

 

事業計画書は、起業の際の資金調達にも大きく影響を及ぼします。

良いアイデアが浮かんだからといってすぐ起業せず、しっかりと内容を練って実現可能なプランを作るのが大切です。

 

(4)家族の理解

個人事業主として起業をするときに無視してはいけないのが、家族の理解です。

大黒柱の場合、万が一事業に失敗すると、家族に苦しい生活を強いるリスクがあります。

うまくいった場合も、起業直後は気持ちや時間に余裕がなかったり、収入に波があったりして、どこかで我慢させてしまう可能性が高いです。

 

個人事業主として起業した場合、実務面で家族のサポートが必要だったり、資本金が足りず家族からお金を借りたりすることもあるでしょう。

そのため、まず家族の理解を得ることが、個人起業をする上でもっとも大切です。

 

2.≪個人起業を成功させるコツ≫

それでは、個人起業を成功させるためのコツを見ていきましょう。

 

(1)起業の「4つのコツ」

上手くいく起業の4つのコツとは、

利益率が高い

小資本で始められる

在庫を持たない

定期的に売上が立つ(月額課金)

ということです。

 

これらの条件だとなぜ成功しやすいのか、また条件を満たしやすい事業内容について解説していきます。

 

利益率が高い

利益率が高ければ、それだけ経営に余裕が出るということは、誰にでも想像できることです。

しかし、商品やサービスの価格を上げすぎると買い手がつかないので、他者と競争できる料金のまま、いかに原価を下げるかというのが鍵になります。

 

そのため、独自の仕入れルートがあったり、元手がかからない自分のスキルを高く売ったりできるととても有利です。

例えば、前職でのコネを活かせる仕事や、自分のスキルを売るデザイナー、エンジニア、プログラマーなどの仕事は個人起業でも成功しやすいでしょう。

 

小資本で始められる

大掛かりな設備がいらず、小資本で始められる仕事なら、失敗した時のリスクが少ないです。

例えば、PC一台で始められるIT企業などは、個人事業主の起業にとても適しています。

反対に、高額な機械や大きな倉庫が必要な、製造業や卸売業といった業種は、個人事業主の起業には向いていません。

 

在庫を持たない

買い手がつかなければ、在庫はただの負債です。

どんなものでも一気に仕入れれば安いですが、売れるとは限らない在庫を抱えてしまうのはリスクになります。

 

商品が古くなればさらに売れにくくなるので値下げを検討しなければいけませんし、在庫を保管する場所にもコストがかかるので、利益率が下がる原因になります。

個人事業主で起業をした直後は仕入れを制限し、確実に売り切れる量から扱うのが良いでしょう。

 

定期的に売上が立つ

定期的に売上が立てば、毎月の利益を確保できて経営の見通しが立ちやすくなります。

例えば、個人相手の商売の場合、いつ商品を買いたくなるかは顧客次第なので、定期的な売上が見込めません。

しかし、販売する相手が企業であれば、毎月の消費量や予算がある程度決まっているので、定期的に売上を確保することができます。

 

また、一度買ったらしばらく買わない物より、定期的に買い替えが必要なものの方が売上は立ちやすいです。

サービスの場合は、月額で利用できる「サブスクリプション」も、毎月の売上を確保する方法です。

いかに定期的に売上を立てるかを考えることが、個人起業の鍵となります。

 

(2)個人起業が成功しやすい業種は?

個人事業主の起業が成功しやすい業種は、上記の4つの条件をなるべく満たせる業種です。

 

例えば、以下のような業種が当てはまります。

元手が少なくても始められる業種(IT、サービス、コンサルティング、コーチングなど)

自分のスキルを活かせる業種(デザイナー、エンジニア、音楽制作、理美容師など)

 

また、以下のようなビジネスモデルを取り入れることで、既存の業種を個人事業主の起業で成功させることも可能です。

・在庫を抱えすぎない仕組み(レンタル、受注生産など)

・定期的な売上が立つ販路(BtoB、CtoB、サブスクリプションなど)

 

3.≪起業するなら個人事業主と会社設立どちらがいい?≫

個人事業主と会社設立には、どちらにもメリットとデメリットがあります。

個人で事業を行う際、会社設立がおすすめなのは以下のような人です。

 

・将来的に事業を大きくしたり、継承したりしたい

売上が大きく、会社を設立した方が節税できる

・すでに個人事業主として軌道に乗っている

 

逆に、個人事業主が向いているのは以下のような人です。

事業を大きくしたり、継承したりする予定はない

会社設立でかかるコストより、所得税の方が得

法律や他者からの制約を受けず、自由に経営したい

 

会社設立のメリットについてもっと詳しく知りたい方は、「会社設立のメリットとは?個人事業主とどちらが得か見極めるポイント」をお読みください。

 

4.≪個人事業主として起業する時の注意点≫

個人事業主として起業する場合、事業から得た収入に関しては、自分で確定申告を行う必要があります。

会社を設立する場合には、法人税の申告手続きが必要です。

税申告を怠ると、追徴課税などの罰則が課せられる場合があるので、注意してください。

 

また、現在会社勤めをしていて副業禁止の場合、個人で起業したことが知られてしまうと、最悪クビになる可能性もあります。

会社勤めをしながら個人起業をする際は、まず会社の就業規則を調べ、規則の範囲内で行うようにしましょう。

 

5.≪まとめ≫

個人事業主が起業する場合は誰でも経営者になることができ、収入アップが見込めるということもあって、起業する人が増えています。

 

しかし、安易に始めてしまうと、知識や経験、計画が不十分などの理由で失敗してしまうリスクもあります。

資本金1円、取締役1人からの会社設立が可能になっていますが、事業内容や資金繰りはよく検討し、リスクを排除していくことが大切です。

2020/05/13 合同会社(LLC)とは?設立方法やメリット・デメリットを解説

合同会社は2006年から導入された比較的新しい会社形態です。

まだ世間的な知名度は高くありませんが、実はAppleや西友といった大企業も合同会社という形態を採用しています。

 

今回は、合同会社の特徴や、合同会社を設立するメリット・デメリットをご紹介いたします。

合同会社設立の流れと、よくある疑問についても解説していきます。

 

1.≪合同会社(LLC)とは?≫

合同会社とは、会社の設立形態の一つ。

もっとも数が多い株式会社に次いで、2番目に多く設立されています。

日本で合同会社が設立できるようになったのは、2006年に新会社法が施行されて以降。

海外の「Limited Liability Company」をモデルに導入されたので、「LLC」と略される場合もあります。

 

合同会社はと株式会社のもっとも大きな違いは、「出資者=経営者」であること。

また、出資者の立場が出資額に関わらず対等なこと、役員の任期がないなどの点も株式会社と違います。

さらに、設立時の手続きにかかる費用も、株式会社より安いです。

一方、出資者が有限責任だということは、株式会社と共通しています。

 

そのため、以下のような条件で会社設立をしたいと考えている方には、合同会社が適しています。

・自由度の高い経営をしたい

・倒産時のリスクを低くしたい

・会社への貢献度と出資額にばらつきがある

・会社設立時のコストを抑えたい

 

2.≪合同会社設立のメリット・デメリット≫

合同会社のメリットとデメリットは、以下のようになります。

 

(1)メリット

合同会社のメリットは、主に以下の3つ。

 

・設立コストが安い

・設立・運営の手続きが簡単

・経営の自由度が高い

 

まず、合同会社を設立する場合、登録免許税の6万円のみで手続きが可能です。

株式会社の場合、設立に最低でも20万円以上かかりますので、差額を開業費用に回すことができます。

 

合同会社の設立・運営には、株式会社が行なう「定款の認証」「決算書の公告」といった手続きが必要ありません。

そのため、株式会社より事務的な手間がかからないのも合同会社のメリットです。

 

合同会社は出資者が経営者と同一なので、意思決定の自由度が高く、スピーディーな判断も可能です。

株式会社の場合、経営判断をする際に株主総会の承認を得るなどの手続きが必要になり、時間がかかりがちです。

 

また、株式会社は利益の分配をするとき、出資額(持ち株数)に基づいて配当の金額が決まります。

対して、合同会社は利益の分配が自由なので、出資額が少ないものの貢献度が高いメンバーがいる場合などには、合同会社の方が適しています。

 

(2)デメリット

合同会社の主なデメリットは、以下の3点です。

 

・社会的信用度が低い

・社員の意見が割れると意思決定が難しい

・上場できない

 

先にも触れたように、合同会社は2006年から導入された新しい会社の形態です。

そのため、世間一般での知名度が低く、株式会社より社会的信用が低い傾向があります。

また、経営の自由度が高い分、オーナー主体のワンマン企業というイメージを持たれてしまう可能性もあることは知っておきましょう。

 

次に、合同会社は出資額に関わらず、社員全員が同等の決定権を持ちます。

そのため、社員間で意見が割れた場合、スピーディーな運営ができないことも。

また、もし出資者が会社を離れる場合は出資金が戻されるので、資本金が減ってしまいます。

 

最後に、当然ですが合同会社は株式上場ができません。

そのため、将来的に上場企業を目指したいという場合には、合同会社は最初から選択肢ではなくなります。

 

3.≪合同会社を設立する方法≫

それでは、合同会社の設立手続きとその流れを解説していきます。

 

(1)合同会社設立の手順

合同会社を設立するときには、法務局で「設立登記」という手続きが必要です。

 

設立内容・目的の決定

合同会社を設立する時には、最初の準備として会社の基本事項を決定します。

この手順は、合同会社でも株式会社でも同じです。具体的には、以下の内容を決定しましょう。

 

・商号(会社名)

・事業目的

・本店所在地

・事業年度

・資本金

・出資者

 

株式会社の場合は、これに加えて機関設計についても定めます。

しかし、合同会社は社員(出資者)=経営者なので、取締役・監査役・取締役会といった経営機関を設置する必要がありません。

 

印鑑作成

会社設立の手続きでは、様々なシーンで印鑑が必要になります。

以下の4種類の会社の印鑑を作成しましょう。

 

・会社実印:会社の設立登記時に登録する実印で、代表社印ともいう 重要な契約書などに使う

・会社銀行印:銀行口座の開設時に届け出る実印 会社実印とは分け、リスクを分散する

・角印:注文書・請求書・稟議書などに用いる会社の認印で、社印とも呼ぶ

・住所印:会社名・会社住所・電話番号などを記載した印鑑で、ゴム製のものが多いため「ゴム印」とも呼ばれる

 

会社代表個人の印鑑も、様々な書類で必要になりますので、作成して印鑑登録しておきましょう。

ちなみに、株式会社では取締役全員の印鑑と印鑑証明が必要ですが、合同会社の場合は会社代表1人のものだけでOKです。

 

定款作成

定款とは、会社の基本ルールを記載した書類のことです。

定款には以下の内容を記載します。

 

・商号

・目的

・本店の所在地

・設立に際して出資される財産の価額またはその最低額

・発起人の氏名及び住所

・発行可能株式総数

 

株式会社の場合、この定款を公証役場に持っていって認証してもらう必要がありますが、合同会社は定款の認証手続きは必要ありません。

 

出資金払い込み

次に、会社用の口座を用意して、資本金として定めた額を振り込みましょう。

このタイミングで行うのは、次の登記手続きで必要な書類を作成するためです。

資本金の払い込みが終わったら、通帳の以下の部分をコピーしておきましょう。

 

・通帳の記帳欄

・表紙

・個人情報欄

 

登記

最後に、法務局で会社の登記申請を行います。

あとで解説する必要書類を、窓口または郵送で法務局に提出しましょう。

 

登記申請時には、登録免許税として6万円を納付します。

株式会社の場合、登録免許税は15万円なので、ここで設立費用を9万円節約できます。

 

(2)合同会社設立後の手続き

合同会社設立後には、社会保険や税金に関する手続きを行います。

これらの手続きについては、合同会社も株式会社も共通です。

合同会社設立後に必要となる書類と、その提出先は以下の通り。

 

年金事務所に提出する書類(会社設立から5日以内)

・健康保険・厚生年金保険新規適用届

・健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届

・健康保険被扶養者(異動)届

 

ハローワーク(公共職業安定所)に提出する書類(従業員を雇用した翌日から10日以内)

・雇用保険適用事業所設置届

・雇用保険被保険者資格取得届

 

労働基準監督署に提出する書類(従業員を雇用した翌日から10日以内)

・保険関係成立届

・労働保険概算保険料申告書

 

税務署に提出する書類

・法人設立届出書(会社設立から2ヶ月以内)

・給与支払事務所等(給与支払事務所として開設してから1ヶ月以内)

・青色申告の承認申請書(会社設立後3ヶ月以内、または最初の事業年度の末日まで)

 

(3)設立・登記に必要な書類一覧

合同会社を設立するには、法務局で登記申請を行います。

合同会社の登記申請に必要な書類と手数料を、一覧で掲載します。

 

・合同会社設立登記申請書

・登記用紙と同一の用紙

・定款 2部

・収入印紙 4万円分(電子定款の場合は不要)

・本店所在地及び資本金決定書

・資本金の払込証明書

・印鑑届書

・代表社員就任承諾書

・代表社員の印鑑証明書

・登録免許税 6万円

 

4.≪合同会社設立のお金に関するよくある疑問≫

最後に、合同会社設立に関して、よくある疑問を解決していきます。

 

(1)資本金は何円がいい?

2006年の新会社法施行以降、合同会社・株式会社問わず資本金は1円からでも会社設立ができます。

しかし、資本金が1円だと社会的信用度が低いなどデメリットが多いので、実際に1円で起業する人は少ないです。

 

資本金の目安は、「開業資金+半年分の運転資金」です。

具体的な金額でいうと、100~300万円くらいに設定するケースが多くなっています。

ちなみに、資本金が1,000万円以上であると、初年度から消費税の納付免除が適用されなくなるので注意しましょう。大事な論点なので、不明点は税理士に確認して進めるべきです。

 

(2)設立費用はいくらかかる?

合同会社の設立費用は、合計10万円です。

その内訳は、以下の通り。

 

・登録免許税:6万円

・定款に貼る収入印紙:4万円

 

登録免許税は一律で定められている税金なので、節約する方法はありません。

定款に貼る収入印紙に関しては、電子定款だと不要になります。

しかし、電子定款を作成するにも、専門ソフトやカードリーダーの購入などで3万円前後はかかります。

 

ちなみに、電子定款の作成は専門業者に委託することもでき、その場合の料金は5,000円程度。定款は「電子定款+外注」が、もっともお得な合同会社設立の方法です。

 

また、一度、合同会社を設立して、事業の進捗によって途中で株式会社に組織変更することも可能です。

 

5.≪まとめ≫

合同会社は株式会社より経営の自由度が高く、スピーディーな経営判断ができるのがメリット。

その他の部分でも手間やコストが削減でき、特にITなど新しいビジネスにはぴったりの起業方法です。

 

ただし、株式会社に比べて社会的信用が低いなどのマイナス面もあるので、会社の形態はメリット・デメリットをよく吟味して決めましょう。

2020/05/11 法人設立届出書とは?必要な添付書類や記入のポイントを解説

会社を設立したら、税務署や自治体に会社を設立したことを知らせるために「法人設立届出書」を提出します。

法人設立届出書は、法人税の納付に関わる重要な書類なので、どの会社も必ず提出しなければいけません。

 

今回は、法人設立届出書の書き方や提出先、提出期限についてわかりやすく解説いたします。

法人設立届出書と一緒に提出する、添付書類についても全種類解説します。

 

1.≪法人設立届出書とは≫

法人設立届出書とは、会社の設立登記を行なったあと、税務署や自治体に会社設立したことを知らせるために提出する書類のことです。

 

(1)提出先は税務署と市区町村

法人設立届出書の提出先は、以下の3つです。

 

・納税地の所轄税務署

・都道府県税事務所の法人事業税課もしくは法人住民税課

・市町村の法人住民税担当部署

 

各所に提出する内容は、まったく同じで問題ありません。

会社に控えとして残しておくために、合計4部作成します。

 

また、税務署に法人設立届出書を提出する際、控えも一緒に持って行くと、その控えにも受領印がもらえます。

 

(2)提出期限は設立日から2ヶ月以内

法人設立届出書の提出期限は、会社設立日(登記の日付)から2ヶ月以内です。

遅れたとしても特に罰則はありませんが、いずれ提出が必要になる書類なので、会社設立登記が終わったらすぐに取り掛かることをおすすめいたします。

 

(3)書類の入手方法

法人設立届出書は、税務署、もしくは国税庁のホームページからダウンロードして入手できます。

 

2.≪法人設立届出書の書き方≫

それでは、法人設立届出書の書き方を、具体的に解説していきます。

 

(1)基本情報

基本情報は会社の基本事項をそのまま記入するだけなので、特に難しくはありません。

 

届出先税務署名

「届出先税務署名」は、法人設立届出書の提出先です。

会社の本店所在地を管轄する税務署の名前を記入します。

 

本店又は主たる事務所の所在地

「本店又は主たる事務所の所在地」には、会社の本拠地となる事務所や店舗の住所を記入します。

 

納税地・法人名・法人番号・代表者氏名

納税地・法人名・法人番号・代表者氏名は、謄本に記載されている内容をそのまま記入すれば構いません。

 

(2)設立に関する情報

次に、設立に関する情報を記入していきます。

 

設立年月日と事業年度

「設立年月日」は、登記申請を行なった日付のことです。

「事業年度」には、定款で定めた会計期間を記載します。

 

消費税の新設法人に該当することとなった事業年度開始の日

「消費税の新設法人に該当することとなった事業年度開始の日」は、資本金1,000万円以上の会社のみ記入が必要です。

資本金が1,000万円以上だと、設立当初から消費税の課税事業者になるため、ここにも登記申請を行なった日付が入ります。

 

資本金1,000万円未満の会社については、設立後2期、または売上が1,000万円を超えたあと2期の間は消費税の納付が免除されるため、何も書かなくて構いません。

 

③設立時の資本金額又は出資金の額

「設立時の資本金額又は出資金の額」には、定款に記載されている資本金額・出資金額を記入します。

 

④設立の形態

「設立の形態」は、1.~5.までの番号選択制です。

新規に会社を設立した場合は、5.の「その他」に◯を付け、「新たに事業を開始」などと記入します。空欄でも構いません。

 

会社設立以前に個人事業主として営業していて、法人成りをした場合は、1.の「個人企業を法人組織とした法人である場合」を選びましょう。

合併・分割・現物出資などで設立した場合は、それぞれ2.~4.の該当するものを選びます。

 

ちなみに、設立の形態が1.~4.のいずれかの場合は、すぐ下の欄に以前の納税地と事業内容を記入します。

 

⑤「給与支払い事務所等の開設届出書」提出の有無

開業後、給与の支払いを行う場合には、「給与支払い事務所等の開設届出書」の「有」に◯を付けましょう。

自分自身を含め、会社から給与を支払う場合には、法人設立届出書と一緒に「給与支払い事務所等の開設届出書」を提出します。

 

⑥支店・出張所・工場等、添付書類等

納税地として記載した本拠地の他に、支店・出張所として営業していたり、その予定で工場をしていたりする場所がある場合には、その名称と住所も記載します。

 

添付書類等の欄は、法人設立届出書と一緒に提出する添付書類の中で、該当するものに全て◯をつけます。

全部で8つの選択肢がありますが、一般的な会社設立の場合、以下の4種類の書類を添付します。

 

・定款の写し

・設立時の貸借対照表

・株主等の名簿

・登記事項証明書

 

添付書類等の欄の数字でいうと、1、2、3、5です。

これらの添付書類については、次の項目で詳しく解説いたします。

 

3.≪法人設立届出書の添付書類≫

法人設立届出書には、一般的に以下の4種類の書類を添付します。

 

(1)定款の写し

税務署や市区町村に会社の概要を伝えるために、定款の写しを添付します。

定款の認証で作成したような正式な謄本ではなく、会社で保有しているもののコピーで問題ありません。

定款の全ページを、A4の白黒コピーで写し、左側の2箇所をホチキスで留めましょう。

 

(2)設立時の貸借対照表

会社設立時の貸借対照表には決まったフォーマットがないので、エクセルなどを使って自作したり、ネットで配布されているテンプレートを利用したりして作成しましょう。

設立時のものなので、基本的には賃借対照表に記載されているのは資本金のみとなります。

 

例えば、資本金が100万円の場合、賃借対照表の内容は以下の通りです。

 

資産の部

現金および預金:1,000,000円

資産合計:1,000,000円

 

純資産の部

資本金:1,000,000円

純資産合計:1,000,000円

 

現金だけではなく現物出資もある場合、資産の部には「車両運搬具」「土地」といった勘定科目を使うこともあります。

もし、法人設立届出書の提出前に、経費で支払いをしたり売上が出ていたりする場合も、提出するのは設立時の貸借対照表なので記載はしません。

 

(3)株主等の名簿

株主等の名簿は、そのまま会社設立時の株主名簿です。

内容は、以下のものを記載します。

 

・株主の氏名

・株主の住所(法人の場合は本社所在地)

・株主の有する株式の数

・株主の有する株式の金額

・役職名及び当該法人の役員または他の株主等との関係

 

自分1人で会社を設立し、株主も自分だけという場合も、上記の内容をリスト化します。

フォーマットは特に決まっていないので、エクセル等で自作するか、ネットで配布されているテンプレートを使うなどして作成しましょう。

 

(4)登記事項証明書

登記事項証明書は、会社の設立登記が終わった後に法務局で取得できるようになります。

登記事項証明書には、記載する部分によって以下の4種類があります。

 

・全部事項証明書

・現在事項証明書

・履歴事項証明書

・閉鎖事項証明書

 

法人設立届出書の添付書類として使うのは、「全部事項証明書」です。発行にかかる手数料は、1通600円です。

法人設立届出書の提出先3ヶ所全てで必要になるので、3通まとめて発行しておきましょう。

 

5.≪まとめ≫

法人設立届出書は、設立登記をしてから2ヶ月以内に「税務署」「都道府県税事務所」「市町村」の3ヶ所に提出します。

提出が遅れても罰則はありませんが、法人税に関わる重要な書類なので、なるべく速やかに提出しましょう。

記載事項に特に難しいことはありませんので、誰でも簡単に作成できますが、場合によっては少しテクニック的な要素もありますので、不明点は税理士に確認するのがよいでしょう。

 

ただし、添付書類として登記事項証明書が必要なので、設立登記後に3通発行しておくのを忘れないようにしましょう。

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